Vol.646 2012.12.17

投稿日時 2012-12-14 11:18:29 | トピック: comment@inswatch

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         【 inswatch 】Vol.646


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 ■■■ もくじ ■■■                        
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【0】め・て・みみ
     =『超保険進化論』=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =メットライフアリコ、生保の付帯サービスでセミナー=
【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(2)          尾籠 裕之
     =代理店の生産性について=
【3】つくる・かわる・ずっとつづける(68)          葭谷 広行
     =事故対応、どこまでやるか?=
【4】保険代理店として活きる(11)              井上  巌
     =「代理店ビジネスの可能性−3」=
【5】秣(まぐさ)の迷い(36)                森崎 公夫
     =2012年を振り返る=

 ■ inswatch facebook club 新しいお題がスタート-市販の代理店システム-
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内

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【0】め・て・みみ                           
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 『超保険進化論』

 12日に『超保険進化論』(「超保険研究会」編 中崎章夫監修、INSPRE
SS 績文堂出版刊)が、販売10周年のこの機に刊行となった。この本をまとめ
るに当たっては筆者自身思い入れがある。それは専業プロ代理店が今後、スモー
ルビジネスの優位性を活かし、生活支援業として、顧客の支持を得て勝ち残って
いく事業の在り方、販売スタイルは何かを考える上で、超保険はまさに避けて通
ることのできない問題を提起すると思ったからだ。しかもこの問題提起は、既存
の縦割り、単品商品文化に鋭く対決するものであった。商品や販売の仕組みの改
革のみならず、関係者に大胆な意識改革を迫るものだっただけに、大きな困難が
当初から予想されるところであった。

 案の定、この10年の軌跡は期待と失望、山あり谷ありで、期待を大きく外した
長期の低調な数値やシステムトラブル、推進面のギクシャク、おそらく経営陣に
も何度かの大きな決断を要する時期があったと思われる。しかし現場で支持・共
鳴する先進的な代理店の熱意や顧客の声は大きな励みとなったのだろう。危機を
かいくぐり、我慢に我慢を重ね、今日まで襷(たすき)が途切れず繋がれ続けた
事は驚嘆に値する。その成り行きがスリリングで興味深かったものである。超保
険の推進は、また顧客との関わり方や代理店モデルをどのように考える化の経営
スタンスを明確に示したともいえる。

 東京海上グループが個人分野における生損保一体型保険で、しかもコンサルテ
ィングを組み込み、専業プロ代理店の特性を活かそうと、2002年6月に世にデビ
ューさせた超保険もすでに10周年を迎え、販売世帯数も130万世帯を突破するま
でになった。当初ライバル保険会社もいずれ追随するのではないかと思われたが、
これまでのところ1人旅である。孤高の取り組みでよくここまで到達したものと
思うが、手放しで喜べない実情、本来の期待とは違ったうわっ滑りな販売傾向の
是正なども真摯に検討してみる必要がある。

 発売2年後の2004年6月には、顧客並びに専業代理店の販売の在り方を一変す
る新たなビジネスモデルを提起する先駆的試みとして、超保険の持つ革新性にい
ち早く注目し、客観的かつ主体的に超保険を研究し分析し、その意義と課題を、
専門家仲間との共同研究として筆者も加わり、世に問うた『超保険解体新書』を
刊行し一定の考える素材提供となすことができたと思っている。しかし、その後
の超保険の辿った軌跡は、予想をはるかに超える苦難の連続で、2010年の抜本超
保険への転換で、大きな経営戦略的ギアチェンジがなされてからは、局面が一変
した。この10年間の軌跡を振り返り、超保険の進化の過程を改めて冷静に検討し
あとずけて見ようという成果が今回『超保険進化論』として結実化したものであ
る。

 これからの専業プロ代理店の事業経営を考える上では、多様な選択肢があると
思う。その中で、顧客との関係性構築を踏まえ、いわば価値共創型モデルとして
展開しつつある超保険モデルは、主力の自動車や火災、傷害、医療など個人分野
の商品がコモディティ(汎用品)化する、手数料の在り方も変わってくる、こう
した厳しい収益環境が必至な中で、顧客との親密性を活かし、生活支援業として
のビジネス転換を図り、今後の代理店の活路を切り開く一つの手掛かりを示すも
のとして格好の素材を提供している。もちろん何事にも光とともに影もある。超
保険も例外ではない。課題も多く抱えている。それも多様な分析で示した。

 この本が、当該関係者はもちろん、広く生損保の保険サービス事業に携わる人
に読まれ、明日の事業の在り方、代理店の事業展開を考える上でのよすがとなら
んことを祈念したい。

 目次は以下の通り。
刊行にあたって
第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル         (中崎章夫)
第2章 「超保険」現場実践レポート(10社事例と特別レポート)
第3章 マーケティングの視点からみた「超保険」の可能性   (望月広愛)
第4章 商品戦略と「超保険」                (尾籠裕之)
第5章 3つの診断から見た「超保険」の傾向と対策      (長  忠)

 INSPRESS 績文堂出版(株) 本文248ページ定価2500円+税
問い合わせ先は、有限会社インスプレス代表取締役  石井秀樹  E-mail
inspress@sekibundo.net
 本の申込は http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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メットライフアリコ、生保の付帯サービスでセミナー
 
◇商品・サービス一体化で顧客満足度高める
 メットライフアリコ生命は12月7日に報道関係者およびFPを対象に「生保
業界の付帯サービスの現状と弊社の取り組みについて」と題してセミナーを開催
した。同社はその時々で注目される生保業界の動向についてセミナー行なってい
るもので、今回が10回目。
 当日はメットライフアリコ教育企画開発部の宮坂幸雄部長が、医療保険を中心
とした生保業界の付帯サービスの現状、同社の商品付帯サービスの概要および取
り組みについて報告、質疑応答が行なわれた。

 宮坂氏は、人口構成の変化(高齢化の進展)、家族構成の変化(核家族化)、
競争環境の変化(チャネル多様化)、顧客ニーズの多様化など生保業界を取巻く
環境が大きく変化、とりわけ、高齢化とともに独身世帯や夫婦二人世帯の増加な
ど、これまでの生命保険のモデルプランが崩壊してきている−と指摘。
 こうした変化を背景に、生保業界では顧客満足度の向上に向けて保険商品・保
障内容の充実が図られ、介護保険や告知緩和型商品が発売されるとともに付帯サ
ービスの拡充が図られてきているとし、その内容について、一つは契約期間中の
特典や優待(ポイントの付与や施設利用の優待など)、もう一つは健康・医療な
どのサービスや情報の提供で、近年は後者のサービスが中心となってきていると
説明。具体的なサービスとしてセカンドオピニオン専門医の紹介、がん専用相談、
健康・医療・介護関連の情報提供、転院・患者移送手配を上げ、各社のサービス
内容を紹介した。

◇各社でサービス充実も限定商品セットなど課題も
 各社サービスについてメットライフアリコをはじめ大同生命、富士生命・富士
火災、ジブラルタ生命、アクサ生命、マニュライフ生命、AIU、アメリカンホ
ームの各社がテーペック(株)と提携、セカンドオピニオンサービスや健康相談
を実施しているが、メットライフアリコ、大同生命の2社は法人向けサービスを
展開、アクサ生命は糖尿病サポートサービスを実施、アフラックはベストドクタ
ーズ、(株)ウエルネス医療情報センターと提携、がんや認知症に関する電話相
談や訪問面談や専門医の紹介を実施、また、国内社でも各社で医療関係機関や介
護関係機関と提携し、健康相談やセカンドオピニオンサービス、介護相談サービ
スが行なわれているが、それらのサービス内容を紹介。
 健康・医療に関するサービスは充実してきているが「まだまだ認知が低いこと、
コストがかかること、サービスを受けられる商品が限定されていることなどの課
題があり、今後、サービスを受けられる契約者のハードルを下げる必要がある」
とした。

◇4つのサービス柱に取組むメットライフアリコ
 この後、メットライフアリコの付帯サービスについて、「健康生活ダイアル2
4」「セカンドオピニオンサービス」「がんこころのサービス」「入院サポート
サービス」の4つの内容を紹介。健康生活ダイアルは医療従事者が対応するが2
4時間ドクターがいること、セカンドオピニオンサービスについては、医師自ら
が勧めるケースも増加していること、また、電話相談を受けたヘルスカウンセラ
ーが、総合相談医の予約・手配、必要に応じて総合相談医から専門医が紹介され
る(費用は無料)などの流れを説明したほか、同社の取組んでいるT−PECド
クターオブドクターズ認定プロデューサー制度(累計5千名突破)を紹介した。
 また、セカンドオピニオンの必要性として「乳がん」を例に、乳がんの発生率
の高さ(45歳から54歳層がピーク)、入院初回手術術式の変遷(がん研有明
病院の例)と乳がん治療の現状を紹介、「乳がん医療の格差」と最新の術式など
も紹介されるなど充実したセミナーとなった。
                             (石井 秀樹)                            

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【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(2)          尾籠 裕之
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 代理店の生産性について

◇組織代理店の生産性は営業活動と事務活動のレベルに比例
 ここでいう代理店とは損保主体の代理店を意味します。急成長している生保主
体の大型乗合代理店についてはまだ情報が少ないので対象外とします。
 10年以上代理店の営業活動と事務活動の分析を行っていると、体感として分
かってくることがあります。それは、代理店の生産性と営業活動レベル、事務活
動レベルには関係があるということです。偶然では生産性は上がりも下がりもし
ません。何らかの要因があって生産性が変わるのです。
 生産性とは、代理店の売上高(=手数料収入)から委任型募集人への手数料を
差し引いて純売上げを計算し、それを実従業員数で割ると算出できます。実従業
員数とはフルタイムを1とし、パートタイムを実勤務時間割合で表すことで算出
できます。営業員あたりの売上高という考えではなく、事務担当者も含めた従業
員一人当たりの売上高です。

 営業員も事務員も複数の代理店を組織代理店とここでは呼びます。組織代理店
の生産性は営業活動と事務活動のレベルに依存します。このことは200以上の代
理店のデータで統計的に裏付けられています。
 日本の代理店の生産性の統計数値は存在しません。保険会社も協会も政府もこ
ういう調査は行っていません。保険会社も自社の専属代理店の生産性を把握して
いません。生産性を把握していないということは、生産性を上げるための実務的
な仕組みを持っていないということを意味します。これは当然のことで、保険会
社の戦略は自社の価値を高めることにあるからです。代理店の生産性を上げるた
めの施策は代理店自らが考える以外にはありません。

◇生産性の二つの壁
 ここ5、6年、私は代理店の社長さんと必ず生産性の議論を行っています。代理
店の社長さんの年齢によりますが、30代、40代、50代の社長さんの反応は非常に
ポジティブです。強い共感を示してくれます。どういう議論をしているかという
と次のような議論です。
 生産性には二つの壁があります。850万円と1000万円です。私が調べている範
囲ですが、組織代理店の生産性の平均は700万円ほどです。850万円というのは、
事務活動のレベルが高い代理店の生産性です。1000万円というのは営業活動のレ
ベルが高い代理店の生産性です。

 事務活動のレベルが高いというのは二つのことが出来ていることを意味してい
ます。ひとつは事務担当者の役割が大きく、計上やファイリングといった後方事
務だけでなく、更改活動の管理、未入金契約者対応、顧客情報の整備・活用とい
ったところまで役割として担っていることです。
 二つ目は、組織としての成熟度が高いということです。組織としての成熟度と
は組織が決めたルールをきちんと守れるかどうかです。ルールを決めたらきちん
と守る、決めたルールが現実に合わなくなったら改善する、ルールどおり活動す
ることで先行きの予測ができるようになるといったレベルです。組織の成功は組
織の成熟度に依存することが世界中の数多くの事例で実証されています。

◇標準活動の実行で生産性アップ
 営業活動のレベルとは標準活動が出来るかどうかです。標準営業活動とは代理
店で決めた営業のやり方を全営業員が実行することです。営業員が幅広い営業ス
キルを身につけることで、どの活動を行うのが代理店にとってベストなのかを選
択でき実行できるということです。自分のやり方はこうだ、したがって新しいや
り方はできない、というのは能力がないといっているのと同じです。新しいやり
方もできるが代理店にとってはこちらのやり方のほうがいい、というのが能力の
ある営業員の議論の進め方です。営業員のスキルは訓練によって高めることが可
能です。

 いかがでしょうか。日本の組織代理店の生産性が700万円という現実が理解で
きると思います。生産性が700万円では社会的な地位向上は望めません。少なく
とも850万円、できれば1000万円を超える、そうすると有為な人材が自然に集ま
り社会的な地位が向上します。
 かなりな数の代理店さんとこのような議論ができ、多くの代理店さんから共感
を得ていることに希望を持っています。保険業界は厳しい環境にありますが大き
な発展は常に厳しい環境の中から生まれてきています。悲観することはありませ
ん。きっと新たな損保主体の代理店成功モデルが出来ることを信じています。
                ((株)業務プロセス研究所 代表取締役)

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【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(63)        宮地 幸江
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 最近学んだ研修からの気付き

 先月から今日に至るまでいろんな出会い&学びの機会をたくさんいただくこと
ができました。
 チャレンジをさせて頂ける機会を与えられたことに感謝をしていますし、常に
勉強と思いチャレンジし続ける自分も大好きです。
 今回はその中から一番直近で学んで気づきを得た事をご紹介させていただきま
す。

 ほんの数日前7、8年ぶりに昔受講した生命保険の研修を受けて参りました。
再受講を決めた理由は二つ。一つは研修の内容が昔と違ってかなり進化していた
ので最新の内容を学んでみたかった。もう一つの理由は大変恥ずかしながら昔の
様にがむしゃらに数字を追おうとする自分がいなくなってしまった事に焦りの気
持を感じ「何とかしなければ!」と再受講を決心しました。

 4日間の研修だったので気づきはたくさんありました。『説得体質より質問体
質に勧めれば結果は変わる』という言葉に「なるほど・・・」と納得できました。
今までは新商品が発売されるとついついお客様に意識を向けて提案をしているつ
もりで、実は「保険を売りたい」という恥ずかしながら自分に意識を向けて仕事
をしていた部分があったことを気が付かされました。

 講師への配慮のため、研修内容を詳しく記載することは控えさせていただきま
すが、お客様への問いの仕方は正にコーチング。「どうしてそう思われたのです
か?」など・・・、お客様に考えて気付いてもらい、ご自身で答えを見つけても
らうという手法です。

 今日はお休みを返上し、前日携帯メールでアポを取り研修どおりお客様にお伝
えしてみた所「こんな保険の売り方って他にはやってないですよね」と大変驚か
れ喜んで頂くことが出来ました。後は体況だけが問題です。
 今日は完全にお客様に意識を向けて、対話をいっぱい出来たからではないかと
思っています。

 最後に「生命保険を相談したい方、この様なやり方で自分の保険プランを作っ
てみる事に興味ある方、私を応援して頂ける○○さんにとって大事な方をご紹介
して頂けませんか?」と自信をもって紹介依頼も出来ました。すぐには数字は出
てこないとは思いますが忠実に素直にコツコツ継続して仕事を楽しくやっていき
たいと思っています。
                     (宮地総合保険、スマイル部長)
http://www.agt.cc/miyachi/company/index.html

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【4】保険代理店として活きる(11)              井上  巌
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 「代理店ビジネスの可能性−3」

 前々回、前回の三つの例((1)保険会社が保有している各種支援システムや、
各商品の活用方法を今一度見直しそれらが各マーケットや顧客にとってどのよう
に役立てることができるのか、また、どのように変化させれば、さらに魅力ある
ものになるのか、そうした考えを基に企画を立て、保険会社に協力依頼し、総合
力を活かした提案をマーケットや顧客に提供して行く事(2)仲間(同業代理店)
や異業種の方との協力体制作り、(3)既存の組織(組合など)だけにとらわれず
マーケットの人達と新たな組織づくり)は抽象的なお話でしたが、今後代理店ビ
ジネスの可能性は良い方向に大きく展開して行くと確信しております。

 ただし、じっと待っていてもその可能性は、何等芽を出すことは無いでしょう
 多少の資金と時間を創り、多少の勇気を持って行動することが、先に述べたレ
ディスティへの近道だと思います。

 ところで今後の展開に欠くことが出来ない要因が人材です。特に若い方の参画
は絶対に必要条件です。良く出る話ですが、「最後に笑う者」は誰か、それは
「最後まで生きている者」。いくら優秀な人材の集まりでも若い方の参画がない
限り、年配者だけでは先々衰退することは明白です。
 若い人達と夜な夜な将来を語り合うことは、(もちろん健康面の許される限り
ですが)とても素晴らしいことではありませんか。
 若者が希望を持って話をする時のあの輝く瞳は、ダイアモンド以上の価値が有
り私を勇気付けてくれ、また新たな挑戦意欲を掻き立ててくれます。

 でもどの様にしたら、我々のビジネスに若者が参画してくれるのでしょうか。
それには、若者に夢を持ってもらえる代理店ビジネス形態(受け入れ態勢)を、
創り上げることではないでしょうか。
 我々がメーカーとして、顧客である若者に意欲を持って飛びついてもらえる受
け入れ態勢を提供することが肝要と思います。

 それははたしてどのようなビジネス形態なのでしょうか。もちろん答えを持っ
ている訳ではありません(持っていたらとっくに黙って実践しています)。
 ただ私が一つ考えていることは、後継者を探そうとするのではなく、現在のビ
ジネスを売却する対象として、経営的センスのある若者を探そうとしております。
 一括で売却することは、買い手である若者にかなりの負担を掛けることとなり
ますので、役員として残り一定期間の報酬額を持って売却費とする方法です。

 もちろん現在の会社が、売却費に相当する報酬を支払える経営状態にしておく
必要はあります(それが受け入れ態勢なのかもしれません)。
 当社の委任型営業マンも、10年後には60代がかなり増えてしまいます。
 当社の購入者である若者を中心に、委任型営業マンの契約を買い取る意欲ある
複数の若者が集まってくれれば良いと願っております。
 でもその考え方や流れが、若者に夢を持ってもらえる形態なのか解りません。
高齢化が進む中で、若者が高齢契約者の気持ちを理解し、ビジネスを展開して行
くことは容易なことではないと思います。
 中高年の気持ちを理解し易いのは中高年。となると、若者を支援する意味から
も、今後新たな中高年の活躍の場が展開されるかもしれませんね。
 こんな事も考えてみたら、何だか面白そうですね。            
                 (株式会社アイクスユニオン代表取締役)
http://www.aicsunion.co.jp

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【5】秣(まぐさ)の迷い(36)                森崎 公夫
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 2012年を振り返る

 2012年は昨年の東日本大震災と津波それに福島の原発事故の後遺症が癒えない
まま、それに加えて政治の混迷拍車をかけた1年であった。海外では不安定なE
U、特に経済的な影響が大きいスペインの動向が危機的であり、尖閣領有をめぐ
る中国との摩擦、アメリカのハリケーン損害等保険業にも大きな影響を与える事
案が続発した。かてて加えてこれらの混乱、経済の低迷を解決する手立てもなく
年末総選挙に突っ込んで行く政治のあり方に我々国民はただ天を仰ぐばかりで新
年を迎えることになったのである。
 はっきり言うとプラス面は少なく、マイナス面ばかりが目につく1年であった。

1、自動車保険の成績悪化
 損保の主要収益源である自動車保険の週穂が伸びない、損害率が上昇する、ロ
ードサービス等保険以外のサービス競争が激化するなど、優等生が落第しまった
のが現状である。各社とも料率引き上げ、高齢者契約は敬遠するなど対策に追わ
れているが、これは構造的問題であって、商品内容、適用料率の抜本的見直しを
図らないと解決しない。新年度にはどのようなスキームを考えるのか、各社の技
量の見せ所となる。

2、TPP問題は看過できない
 政治は混乱してTPPに対する姿勢が今一つ明確でない。もともとTPPは経
済規模の小さい国が小国同士の経済的な国境をなくすことによって戦略的提携を
図りマーケットにおけるプレゼンスを挙げることを目的としたものであり、そこ
にアメリカが割り込んできたとみるのが妥当であろう。加盟国、交渉国と日本の
GDPを比べてみると域内のGDPの91%をアメリカと日本が占めており、まさ
にアメリカ主導の協定と見ざるを得ない。TPPは消費者側から単純に見ればメ
リットのある部分が多いが、事業者側から見ると、事業の内容によるがデメリッ
トとなることがあり、その事業で働く者も消費者であるから、事業者が受けるデ
メリットはそのまま消費者に跳ね返ることにもなる。
 保険の問題については業界では一般にTPPは簡保と共催がターゲットである
から我々には関係ないと高をくくっている向きがあるが本当にそうなのか。ルー
ルの共通化を迫って来たときに交渉力に欠ける日本側としては、アメリカのルー
ルの押し付けを呑まざるを得ないのではないか。
 本問題についていえば事の本質を理解して我が国益、国民の利益をどう実現で
きるかを考え、積極的に議論に参加するのが筋ではないか。

3、実質3期連続赤字決算
 統合的リスク管理を標榜しながら実態は裏腹な保険経営は3期連続実質赤字を
出すこととなった。ここでも「想定外」という言葉が行き交うが「想定外」を保険す
る保険会社の経営が口にする言葉ではない。V字回復を口にしているが、その方
策は何も示していない。時代は算定会制度のカルテルは過去のものであり、自力
で這い上がるほかないとの自覚を持たなければならない。

4、ついに人員整理に手をつけた
 シャープ、パナソニックなど大手が大幅人員整理をはじめ、日本にも大量首切
りの時代が来たかと思わせたが、その波は保険業にも及んできた。保険事業の経
営合理化の近道は社員の首切り、代理店手数料の切り下げで、しかも効果が大き
いが手数料切り下げはその対象代理店を取り込む会社がが出てくるのでそう簡単
ではない。したがって人員整理は今後は拡大するであろう。この人員整理をされ
た者の粉雇用確保は容易ではない。以前は外資系、共済に幾分か受け皿を期待で
きたが今は違う。やはり地力で起業するくらいの気概が必要だろう。

5、趣旨を取り違えた持ち株会社構想
 持ち株会社構想は参加に異なるマーケット、異なる商品、異なる販売方法など
異種の会社を持ち、その総合力を活かすことにあったのではないだろうか。とこ
ろが傘下の会社を合併して大きくすることに目的があるようになっている。その
結果、効率は逆に悪くなり単に大きくなったという事実だけが残った。もう一度、
原点に戻って考え直してはどうだろうか。
                          (保険アドバイザー)

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■inswatch facebook club 新しいお題がスタート -市販の代理店システム- 
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保険会社の代理店システムに続き、新しいお題として、市販の代理店システムを
取り上げて、情報のシェアを進めています。
facebookのアカウントをお持ちのinswatchの読者であれば、代理店に限らず、
どなたでもClubへ参加できます。参加ご希望の方は以下にアクセスして、右上の
≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
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確認の上1週間以内に登録のご連絡をしますが、万が一連絡がない場合は、お手
数ですが以下へメールをお願いします。
info@inswatch.co.jp 長 忠あて
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■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
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◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)
超保険進化論のお申込みはコチラから>>
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☆inswatch経営塾2000編『保険代理店ITハンドブック』(294ページ定価2,500
円+税)
☆佐喜本敦子著『保険は「愛」です』(256ページ定価1800円+税))
☆森崎公夫著『保険は日本を救えるか』(230ページ定価2200円+税)
☆尾籠裕之著『顧客接点と代理店戦略』(142ページ定価1,500円+税)
★申込み先=inspress@sekibundo.net、FAX03-3268-7202 Tel=03-3260-2431
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■編集後記                     
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 先週、夜更けにドスンと大きな音。生憎私は不在だったが、驚いたカミさんが
おそるおそる外に出ると、両隣のご主人が懐中電灯を手に、何事かと飛び出して
いたという。しかし、結局、正体不明。翌日、庭をたしかめたのだが、何の痕跡
もない。最近、アライグマやハクビシンの目撃情報もあり、それが屋根から落ち
たのではないかと、野生動物に詳しい娘に聞くと、屋根から音を立てて落ちるよ
うな間抜けな動物はいないという。それで、二階に忍び込もうとした泥棒が落ち
たのではないかと我が家では喧々諤々。戸締り強化策までたてたのだが、翌々日、
実は我が家の上の家(石垣で高くなっている)で、外の瓦斯漏れがあり、それが
何らかの原因爆発したということが分かった。泥棒でなく一安心したのだが、瓦
斯爆発と泥棒、どちらが怖いかと言われても答えに迷ってしまう出来事だった。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02

 広島に1泊で行って帰って、夜食を抜いて祈るような気持ちで、土曜の夜、体
重計に恐る恐る乗る。104.5キロ。「ウソでしょう」期待もむなしく砕け散った。
出発当日の朝100.1キロと、三桁卒業も目前だったのが、なんと1日の飲食ご乱
行で4キロ以上増えてしまった。思えば、広島で尊敬してやまないグルメ案内人
のお店選びにはシャッポを脱がざるを得ない。昼にお勧めの幟町のイタリアン料
理の素敵な店「リチェッタ ミヤガワ リストランテ」でランチ。白とオレンジ
のお洒落な外観と内装、料理も夢のあるガラスのお皿に盛りつけられた心憎い演
出である。前菜2品、カニ肉入りパスタいずれもうならせる美味さであった。こ
だわりの小立方体のパンも、もう一つ求めた程美味かったし、前菜のパテをつけ
て食べるとおいしさが増した。これでスイッチが完全に入ってしまったのか。12
月から始めたダイエットモードが脆くも壊れた瞬間だった。夜、地蔵通りにある
お好み焼きと鉄板焼きの店「八誠」で、出てきた牛やたん、アワビ、牡蠣、ホル
モン、ウニほうれん(そう)、もやし、サトイモチーズ、ピザ等の鉄板焼きがど
れもこれも美味い、焼きそば、そして待ちかねた広島風お好み焼きが出て来る頃
にはすでにお腹いっぱいになってしまう。それでもソースにマヨネーズをたっぷ
りつけて口に運ぶと、幸せ感がジュバーと口の中に拡がり思わず笑みがこぼれて
しまう。ビール、日本酒そして「百年の孤独」をストレートで頼むとコップにな
みなみと注いでくれるではないか。一杯700円とは気前がいい。もう一軒飲み屋
に行った後、最後の締めで行ったのは胡町の元巨人軍の清原選手などが行きつけ
の、広島風つけ麺の店「みんみん」ここで辛さが選べるが、中辛(6辛)を頼む
と、鳥ガラスープに独特のゴマと酢と唐辛子、ゴマ油などの入ったツケ汁でキャ
ベツ、ネギ、広島菜、もやし等てんこ盛りの独特のストレート細麺をつけ口に入
れると、強烈な辛さが襲って、思わずせき込む。辛さと膨れた腹に詰め込もうと
する2重苦に涙目、胸焼けが襲う。食べきるのがやっとで、喘ぎ喘ぎの一幕で、
せっかくとった有名な小ぶりの天むすにまではどうしても手が出なかったほどの
余裕のなさ、情けなさであった。再挑戦を誓わざるを得なかった。翌日の帰りに
は昼、銀山町讃岐うどん屋の「弐の店 乃きや」 で、腰の強い讃岐うどんで出汁
がよく出ているアサリうどん、一口サイズの揚げ立てが山盛りのイカ天、それに
自分で選んでとってきて食べられるおでん、いずれも美味しく感激した。本当に
広島は何とも美味い店がゴロゴロしている多彩な食文化を持つ街であることか。
それにしても「減らすは難しく増やすはいとも簡単」、身をもって再確認すると
ころとなったのは何度目だったかな?(中、103.1 30.6 110)
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