Vol.648 2012.12.31

投稿日時 2012-12-31 17:29:44 | トピック: comment@inswatch

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.648


===============================================Vol.648 2012.12.31=======
*本号が文字通り2012年最終号となります。ご愛読感謝します。今後とも引き続
き、保険業界、代理店業界の行く末を見つめ続けていく所存です。明年もよろし
くお願いします。(編集人)

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 ■■■ もくじ ■■■                        
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【0】め・て・みみ
     =損保業界、「新たな協調」へゴー=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =大詰め迎える金融審・WGの論議=
【2】過去の成功と闘う(5)                 金 斗 雲
     =頑張りが効果をあげる条件=
【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(57)     行木  隆
     =「保険代理店のBCPについて考える(3)」=
【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
     =『年末のご挨拶−来年こそいい年になる』=
【5】「ごまめの歯ぎしり」(66)               森田 直子
     =頭に絵を描けると説明力や応用力が向上する=

 ■ inswatch facebook club 新しいお題がスタート-市販の代理店システム-
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内

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【0】め・て・みみ                           
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 損保業界、「新たな協調」へゴー

 2012年は、損保では業界的な「新たな協調」の動きでも際立ったものがあった。
 中でも、新たな時代の下で、競争原理を働かせつつも、協調可能なテーマにつ
いては業界の英知を持ち寄り環境整備を進めることを明確に事業の方向性として
打ち出したことだろう。厳しい収益悪化の下で事業の在り方が根本から問い直さ
れる中で、こうした新たな動きは、損保各社が「競争と協調」という古くて新し
いテーマに、真剣に向き合った結果でもあった。

 まず、取り組んだのが、よりわかりやすい募集文書・説明のあり方の検討であ
った。損保協会は「お客さまの声・有識者諮問会議」において、消費者代表、弁
護士などの有識者に参加してもらい、わかりやすい募集文書を試作するとともに、
実用化に向けた法制課題を整理した。現在の説明書に盛り込んでいる例外事項や
特約に関する記載を減らし、契約者が内容を把握しやすくする。損保協会が作成
した自動車保険のモデルでは文字数は従来の4分の1に減らし、ページ数も半減
したものとなっている。
 今後、現在開催中の金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関す
るワーキンググループ」に提案し、その実現に向けて理解を求めていく。金融庁
は金融審の議論を経て13年度中にも制度を改定する見通しで、2014年度にも損保
業界全体で新しい説明文書の導入をめざすものだ。説明を簡素にすることで契約
者の負担を減らすとともに代理店などの業務効率を高めるのがねらいだ。
 
 また、損保協会では、2012年度から、顧客の声を起点とした業務改善の取組み
を強化している。上期に寄せられた顧客の声を踏まえて、「お客さまの声・有識
者諮問会議」によるチェック機能を最大限に活用し、顧客への情報提供の強化や
募集人教育の見直し等を行うこととした。

 さらに、共通化・標準化の取組みでは、損保協会内に設けた共通化・標準化推
進プロジェクトチームにおいて、事務手続きのルールやお客さまに記入いただく
書類等を共通化・標準化する取組みを進めている。選定した130項目のうち、災
害時における保険料払込猶予等特別措置の共通化など、顧客とって効果の大きい
約30項目について優先的に取り組んでいる。

 損保協会ではまた、募集人の更なるレベルアップに向けた取組みとして、2012
年7月から日本損害保険代理業協会と共同で開始した「損害保険大学課程(専門
コース)」を通じて、これまでに法律・税務などに関する損害保険の周辺知識を
修得した3万人を超える「損害保険プランナー」が誕生した。2013年度から、よ
り実践的な知識・業務スキルの修得を目的とした「コンサルティングコース」も
開始することとしており、現在、受講者を募集している。これらの取組みを通じ
て、顧客により適切で質の高い説明・アドバイスができる募集人を増やしていく
ことが見込まれる。

 昨年の東日本大震災の現場対応面での業界的な取り組みの具体化をきっかけに、
販売現場に直結する新たな業界協調の新たな流れが始まった年となった。2013年
はさらにその流れが加速することを望みたい。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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 大詰め迎える金融審・WGの論議

◇保険会社の新たな事業展開・規制緩和
 先週、12月21日に開催された第8回目の金融審・「保険商品・サービスの提供
等に関するワーキング・グループ」(以下WG)の議事内容が金融庁のホームペ
ージで公開された。 WGは今年6月(7日)に第1回目の会合が開かれて以降、
月1〜2回のペースで開催されているが、残りあと4回での結審が予定されてお
り、大詰めを迎えてきている。
 WGの論議を大別すると、保険会社の事業に係わる問題や課題と保険募集に係
わる問題と課題に集約される(もちろん、それらは相互に係わってくるものであ
り、切り離すことは出来ないが)。
 
 保険会社の事業関係では、これまでの論議の中で、新たな事業・サービスの展
開(規制の緩和)として、損保関係では巨大リスク・新リスクへの対応として共
同引受行為の条件緩和が論議された。また、生保関係では新たな商品・サービス
として現物給付型商品(介護等の実物填補や不妊治療保障)や介護や保育所など
の新事業への規制緩和の方向が論議されてきた。
 また、生・損保の募集面では、「契約概要」「注意喚起情報」「意向確認書面」
等の効果・見直すべき点や募集文章の簡素化・平明化(「約款」や「ご契約のし
おり」含む)が求められた。募集文章の平明化では、すでに生・損保協会などで、
わかりやすい募集文章の作成等の取組みが行なわれている。

 一方、生保の新規事業では保育所・介護施設への取組みがなされている現状も
あり、より、規制の緩和が図られるのではないかと見られる。
 また、生保の現物給付型商品や損保の共同行為の条件緩和については、対象や
条件、さらにはやサービスの質などの課題が論議されているが、顧客サービスの
観点から一定の緩和が行なわれるとみられる。

◇最大の焦点は保険募集・チャネルの在り方と規制
 一方、WGでの最大の焦点は保険の募集に係わる問題だ。とりわけ、乗合代理
店の募集の在り方をはじめ、ネットやコールセンター、比較サイトによる紹介や
FPによる相談(コンサルティングと募集)などについて募集行為との関係をど
のように位置付けるかなど幅広い論議がなされてきており、チャネル性格・実態
に基づく規制・監督の範囲が今後の論議の中で整理されてくるものと思われる。
 また、大型乗合代理店については、代理店自らがガバナンスを持った適切な募
集体制の構築が求められているが、その中では業務のアウトソーシングに係わる
規制として、委託型募集人(含むフランチャイズ方式の加盟代理店)の位置づけ
と管理・監督の問題が俎上にあがっておりこちらも委託先に対する責任の所在等
が示されてくるのではなかろうか。

 加えて、募集に係わる論議で中心になっているのが、近年、急拡大してきた来
店型店舗だ。とりわけ複数商品を取り扱うことによって、顧客の商品選択に中立・
公正を標榜しているが、手数料の高い商品を勧めているのではないかといった懸
念がWG委員にあり、来店型店舗をはじめとする大型乗合代理店の行為がブロー
カー業務とより近いとのことから、販売者責任や手数料の開示といった論議へと
発展してきた。ただ、独立性の高いブローカーと保険会社の委託を受ける代理店
とは性格が異なり、規制を同質化することには無理があるが、保険会社と代理店
の手数料の支払い方法など、新たなルールが導入される可能性も否定できない。
 
 WGでの論議も大詰めを迎え、最終的には答申が示されることになるが、今後
の保険募集の在り方が大きく変える問題が幅広く論議されているだけに、あらた
めて注視していくことが必要だ。
                             (石井 秀樹)

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【2】過去の成功と闘う(5)                 金 斗 雲
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 頑張りが効果をあげる条件

◇夏目漱石「夢十夜」の第六夜にある仏師運慶の話
 「運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行っ
て見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。『よ
くああ無造作に鑿(のみ)を使って、思うような眉や鼻ができるものだな』と自
分はあんまり感心したから独言のように言った。するとさっきの若い男が、『な
に、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋ってい
るのを、鑿と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。』と云った。」

◇気合い営業の成功談 頑張ればきっと良いことがあった時代
 かつて、生命保険業界では、毎年3回の重要月(7月、11月、2月の営業キャン
ペーン月)には、目標達成まで支部に帰らなかったと言われる程の頑張りがあっ
た。損害保険でも保険期間10年の長期総合保険が発売された頃は「取って10年、
取られて10年」を合い言葉にそれ以前とは違う頑張り営業が一般的になった。 

 「目標を達成するまで店に帰ってくるな」が普通のかけ声だった。積立ファミ
リー交通傷害保険が爆発的に売れた積立保険の時代では、支社の月間目標が達成
した後でも、支社長が帰社した社員に気合いを入れて「もう一周まわって集めて
こい」と周回増加を指示することは珍しくなかった。やっとゴールに辿り着いた
社員は、また再び息を切らせてグランドを走ったのである。

 かつての保険会社の規模と利益の拡大、営業業員への報酬、代理店手数料の増
加という成功は、気合い・執念・頑張りがあったからこそ達成できた。もし頑張
りがなければ、成功はなかっただろう。

◇頑張り、今いずこ
 その後も、保険会社は、顧客第一主義を唱える、実は営業第一主義を続けてき
た。気合い営業の成功談は、永らく語り継がれた。若者は首をすくめて、偉い人
の成功談を聞いていた。その成功談は、保険市場の成長が背景にある成功体験だ
った。
 その若者も今やおじさんおばさんになり、保険市場が成熟市場になって、低成
長があたりまえ、国内市場が縮小する時代になった。頭では時代は変わったこと
を理解しているが、意識は昔通りというのは、よくある話である。生命保険では、
営業職員チャネルに代わるニューチャネルはないか、損害保険では、自動車保険
に代わる主力商品がないかを真剣に探す時代となった。無意識にかつてのような
巨艦を探す時期になり、かつての巨艦主義と頑張りを懐かしむようになった。

 探しても、探しても、巨艦は見つからない。しかし、頑張りはまだ健在のはず
だ。営業の頑張りがあれば、保険事業は安泰のはずだ。頑張ってみたが、前年実
績割れ、あるいは保険料収入低迷は続いている。前年実績割れ、保険料収入低迷
の時期を乗り切る方策は、統合・合併による効率化である。保険会社の統合・合
併は、当然の生き残り策である。

 頑張りが効果をあげにくくなった理由は何だろうか。答えは、古き良き国内市
場拡大時代と国内市場縮小の時代とは違うとの背景が、もちろんある。また、金
融監督ではなく金融取締・金融処分を旨とする金融庁が発した業務停止命令処分
の影響で、積極的な営業推進が展開しにくいという事情もあるだろう。しかし、
それら以外に、従来型の保険市場に投入コストの限界効用が逓減しているという
事情もある。以前なら10人の営業職員を追加投入したら、20%増の効果が獲得で
きた。今は、従来型の保険市場に10人投入しても、5%増の獲得も獲得できない
状況になっている。もし、別の事業・別の保険市場に10人投入するなら、もっと
効果を期待できるかもしれない。従来型の保険市場に10人投入することは、別の
事業・別の保険市場において利益獲得する機会を喪失していたことを意味する。

◇頑張りが必要な時代にどこで頑張るか
 従来の頑張りの延長上に、希望がある未来はないことは確かだ。潰れないこと
が保障されている(?)保険業界では、従来の頑張りの延長上に将来を見ている
かのようだ。
 国内市場縮小の時代に成長する、発展する可能性を追求するとすれば、現状打
破の執念、情熱が必要だ。どの時代、どの事業であっても、成長・発展には頑張
りが不可欠である。問題は、どこで頑張るかである。

 冒頭に掲げた、夢十夜の話は、秘訣は常識からすこし外れたところにあるとの
示唆を与える。彫刻は、外から削って彫るのではなく、すでに中にあるものを掘
り出すのだと言っている。頑張り処は、おそらく埋まっている需要を掘り出すと
ころだろう。保険に対する需要はなくなった訳ではない。従来型のアプローチで
は、埋まっている需要は掘り起こすことが難しくなっているだけだ。保険サービ
スが顧客の問題解決の手段であることは、変わらない。新しいアプローチを開発
した保険ショップは、埋まっている需要を掘り出した好例だ。

 これからの頑張り処を見つけるには、日本の過去の成功体験を投影せず、限ら
れた保険市場の成功体験からの脱却も重要である。言い換えれば、保険の枠内に
囚われないことが重要であるということだ。総合商社は、資材を右から左に流し
て口銭稼ぎをする事業を多種多様にするから総合だと言われたことがあり、その
延長では事業の発展は難しいとの論評があった。いまの商社は、単なる資源流通
のみから、エネルギー資源開発に参画し、後工程の資源流通までも含む、上流か
ら下流までの統合モデルで成功している。資源流通のだけの枠内では、統合モデ
ルの成功は考えられない。
 
◇埋まっている需要を掘り起こす方法
 保険の枠内に囚われない成功談は、実はいくつもある。例えば、有能な保険セ
ールパーソンは、顧客の問題を捉え、必要な税務の助言をして、顧客の問題解決
の手段として保険を売ってきた。このやり方は、保険の枠を超えたセールをして
いる。
 埋まっている需要を掘り起こす方法のひとつは、伝統的な保険の枠組を超えて、
海外も含めて保険市場を広く取って、イノベーション言い換えれば革新的なアプ
ローチを開発することである。顧客の問題解決の手段として保険を売って成功し
た事例は、意識せざるイノベーションの例として捉えることができる。

 イノベーションを成功させる、決まった方程式はない。数多くの試行錯誤を繰
り返し、多くの失敗とほんの少しの成功がもたらされる。大規模な成功は、小規
模の成功を拡大することでしか、今後は達成できない。

 現状の効率化だけで将来がないとすれば、様々なレベルでのイノベーションが
必要だ。伝統的な保険市場のなかで大規模な成功を直ぐに求める、一発逆転病を
捨て去り、伝統的な保険市場から拡大して市場で小さい規模の試行錯誤の繰り返
すことが、今後の成功のためには不可欠になっている。保険会社における、保険
専業を超えた新規事業の開発にも新しい保険セールスの開発にも、イノベーショ
ンを実現する頑張りが不可欠である。1回ではなく10回あるいはそれ以上失敗し
ても、試行錯誤を続ける頑張りがあれば、埋まっている需要を掘り起こすことが
できるだろう。
                          (保険リサーチャー)

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【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(57)     行木  隆
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 「保険代理店のBCPについて考える(3)」

 前回、地震などの有事の際には、保険代理店の役員・従業員の「帰宅」は早く
帰らせることではなく、安全に帰らせることが重要であると書かせていただきま
した。役員・従業員と家族の安否確認の手段、帰宅経路の確認、帰宅支援対象道
路の確認等の話し合いをし、年齢や性別、役割を考慮した帰宅ルールの策定、訓
練の実施などがすぐできることとしてあげさせていただきました。(補足:会社
が安全な場所にあり、安全な構造であることが前提です。)

 「帰宅」について、もう少し踏み込んで考えると保険代理店の場合、営業や会
合などで外出するケースが多く、車や電車などを利用した外出先での対応も考え
なくてはなりません。特に、有事の際には、通信網が使いづらくなるケースがほ
とんどであるため、ルールを決めておくとより早い行動をとりやすくなります。

 例えば、会社から何キロ圏内は、いったん会社向かう。交通ルートに関して、
崖沿い、海沿いは避ける。交通手段が寸断されている場合は、余震などの状況を
見ながら安全の確保を最優先で徒歩で向かわせる。車の場合、状況により車をと
めて行動するなどのルールです。距離・エリアによって、ルールを定める場合は、
会社からの距離とエリアによって異なるので、会社を起点とした活動エリアの範
囲を確認し、エリアの地形をハザードマップなどを利用してルールの策定をする
とよいと思います。

 この場合、顧客などの訪問先から会社までの距離がおおよそどれくらいで、地
形はどのようなところかを知ることが必要となります。そこで、普段利用してい
る営業スケジュール(訪問先)管理を少し工夫することで簡単に把握できるよう
になります。この方法を使うとルートセールス以外の出張などの場合でも把握す
ることが可能となります。

 営業スケジュールは、営業を管理する観点で事務所内での連絡ボードやWeb上
のグループウェア等を利用していることが多いと思いますが、有事の際の管理者
側の社員の行動把握という観点からも管理することが大切だと思います。

 外出中での行動ついては、通信網の関係から行動について指示を受けることが
できないという事態が想定されます。役員・社員は、会社側が基本となる行動ル
ールを決めることで、行動に関して迷うことを少しでも減らすことができ、仮に
迷ったとしたとしても基本的な考え方を理解・共有することで、道しるべをつく
ることができます。

 一度、顧客先と会社との距離を把握し、どのくらいの距離にお客様がいるのか
ハザードマップと照らし合わせる作業をしてみてはいかがでしょうか。基本的な
帰社ルート、徒歩で帰社させられる範囲、車の乗り捨て基準等項目を挙げて社内
で話し合ってみてはいかがでしょうか。

 これらのことは保険契約者におけるエリア的なリスク把握となるため、同時に
お客様へのアドバイスへと繋がっていくものでもあると思います。
                      (株式会社KABTO 代表取締役)
http://www.kabto.com

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【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
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 『年末のご挨拶−来年こそいい年になる』

 選挙が終わって、自民党が動き出しました。
 自民党にもいろいろ問題はありますが、なんといってもお金の使い方がわかっ
ていて、お金を使える人がたくさんいる、ということは、何よりの強みですね。
民主党はお金の使い方がわかる人がいなかったので、お金を使わないようにしよ
うとして、結局のところ却ってお金を使うことになり、しかもそのお金がほとん
ど無駄遣いに終わってしまった、という感がします。お金の使い方がわかってい
る人がしっかりお金を使えば、多少の無駄遣いは発生するかもしれませんが、結
局のところ使ったお金が何倍にもなって返ってきます。来年はそういう姿が見え
てきそうですね。

 年が明けると本格的に自民党がお金を使いだしますし、遅れ遅れの震災復興資
金もようやく本格的に動き出しそうな気配です。
 消費税の引き上げもスケジュールに乗っていて、便乗値上げのチャンスを狙っ
ている人も多いでしょうし、円安による輸入商品の値上がりもあり、電気料金の
大幅値上げもあり、ようやく物価が上がりそうですね。
 自民党にとっては来年の参議院の選挙が最大の関心事の一つですから、その選
挙の前ころには景気回復の見込みがかなり実感できるようにシャカリキに頑張る
でしょうね。
 もちろん自民党だけの力でそうなる、というわけではなくて、むしろ今まで民
主党が景気回復を遅らせていた、その障害物がなくなった、というだけでもかな
りの景気回復が期待できそうです。
 自民党がお金を使うためには国債の発行が必要ですし、そのためには国債の利
回りを上げることが必要ですから、日本もようやくインフレ高金利に向かって今
年は動きだしそうです。日銀もある程度までのインフレを目標とする、というこ
とですし、日本には(世界にも)お金はいくらでもあるんですから、これがある
程度まで動き出しさえすれば、残りのお金もつられてどんどん動きだすはずです。
お金が動けばマーケットも大きくなり、それは保険業界も同じです。

 もちろん、あんまり急激に金利が高くなってしまうと国債が値下がりして保険
会社を含む金融機関の決算が悲惨なことになりますから、3月までは皆で協力し
て無理やりにでも国債の利回りは低い水準に抑え込むのでしょうが、4月になっ
たらもう歯止めはかかりませんから、利回りが一気に上がりだすかもしれません。
今までの国債利回り低下のため、生保の予定利率の引き下げも4月から実施され
る予定ですが、予定利率を引き下げた途端に市中金利が上がり始める、という皮
肉なことになるのかもしれません。ちぐはぐな動きと国債利回りの上昇で生命保
険会社の決算は短期的にはちょっと苦しいかもしれませんが、長期的にはマーケ
ット拡大による収益増のチャンスです。生命保険の貯蓄機能がきちんと評価され、
活用されるようになるといいですね。

 ここのところしばらくユーロ危機の話がおさまっていますが、もちろん解決し
たわけではないのでこれからも繰り返し危機が到来するでしょうし、アメリカの
『財政の崖』というのもまだ解決していません。中国や韓国も新しい指導者の下、
それぞれの経済危機を乗り越えることができるかどうかわかりませんが、まずは
日本だけでも景気回復の方向性が見えてくるんじゃないか、と思います。

 と、かなり調子のいい見通しを書いたところで、いよいよ今年も今日が最後で
す(これを新年になってから読んでる人も多いんでしようね)。
 今年もいろいろありましたが、皆様お世話になりました。来年もよろしくお願
いいたします。みなさまよいお年をお迎えください。
        (生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp

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【5】「ごまめの歯ぎしり」(66)               森田 直子
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 頭に絵を描けると説明力や応用力が向上する

 先般、ある先輩から「プレゼンテーションを上手に行うには、頭の中に絵を描
きながら説明をすると良い」と言われた。その「絵」というのは絵画のことでは
なく、説明したいことの全体像を描いたり、相手に伝えたいことの種類や順番や
分類などの一覧表や構成図のようなものを頭に思い浮かべながら説明をするとい
う意味だと言われ、なるほど!と膝を打つような心境になった。

 実は私も思い当たるものがある。
 例えば営業の場面において、あるお客様とコミュニケーションをとる中で、信
頼関係の構築の度合いから、あと1年後には強い信頼関係を作ることが出来るか
ら1年半後ぐらいには契約に至るのではないだろうか?というような予測をなん
となく掴む。すると、ではどの時期にどのタイミングで段階的に何をすれば良い
か、何が不足しているか、というようなことが、「図や形」のようなイメージで
頭に浮かぶことが多い。どんな形かというと「相関図」のようなものに近いイメ
ージ。

 また原稿を書く前なども同様に、相関図のようなものが浮かぶ。最初はフワフ
ワと風船のような変化しているが、考えがまとまってくると整然とした配列へと
変わり、すると一気に原稿が書けたりする。それは正に「絵」と言えるような気
がする。

 いつの頃からか、そういうものを思い浮かべるようになったのか、ハッキリ覚
えていないが、しかしそうなってから仕事が各段に速くなったような実感がある。
絵にすると仕事の全体像が見えるので、進行具合やこの先の流れを感覚として把
握したり予測できたりするからだと思う。また全体像が見えていることで効率の
良い道筋や方法を見つけ易くなり、修正や柔軟な応用も全体の絵が描けているか
らこそ容易となる。また物事を説明する際も、話したい内容の構成や相関図が浮
かんでいると、リアルでわかりやすい説明となる。
 ちなみに、お客様の保険証券を診断している時に、お客様の加入中の保険全部
の図形が頭に浮かぶようになると、何が不足しているのかが形で見えるので、そ
の場で分析しやすくなる。

 というように、営業やその他のビジネスシーンにおいて、頭の中で「絵」を描
けるかどうか、というのは意外と重要なことなのではないかと感じている。

 ところで友人女性によると「頭に絵を描くなんてことは自分には出来ない!」
とのことで、この感覚は人によって得意不得意があるらしい。
 しかし彼女はキャリアウーマンでプレゼンテーションもお手のもの、という人
なので、絵の替わりとなる解決策を尋ねてみると、彼女はプレゼンの際に、まず
は話す内容の要約と構成を文章で思い浮かべ、それを紙に書き出して構成図のよ
うなものを作ることをよくやっているとのこと。頭に描くことが難しい場合は、
紙に書くことで同じ効果が生まれるのではと感じる。

 また、なんとなく絵のようなものが頭に浮かぶという感覚に覚えのある人は、
その感覚に磨きをかけて絵が明確なものになるよう心がけてほしい。意識して繰
り返すことで、この力はさらに向上していくように思う。
    ((有)エヌワンエージェンシー代表取締役・インスウオッチ編集人)
http://www.n1agency.com/index.html

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■inswatch facebook club 新しいお題がスタート -市販の代理店システム- 
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■編集後記                     
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 先週、駅からの帰宅途中に流星を見た。道路からは道路が半分、空が半分の割
合でよく見えるため、星を見ながら蛙のだが、突然、青い塊が尾を引きながら目
の先を横切り消え去った。山に登ると夜空に満天の星が輝き、その星々の間を縫
って星がスーと流れるのを目にする。こうした流れ星には多少の祈りを捧げるほ
どの時間があるが、祈りどころか、一瞬ハッとする時間で消えてしまった。以前
に同じ場所から赤い火の玉となった流星を見たことがある。そのときは、あまり
にも大きかったため、ニュースにでもなっていないかと確かめたことがあるが、
結局何もなかった。ただ、同じ星でも「流れ星」と「流星」は別の現れだとの感
覚を持った。横浜の空からはなかなか流れ星は見えないが、帰宅途上のこの場所
はひょっとしたら、流星のホットスポットではなかろうかと一人夜道で悦に入っ
た次第だ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02

 30日、今評判のミュージカル映画「レミゼラブル」を夜、息子夫婦とともに観
に行った。オープンシーンから造船所での過酷な労働現場での囚人たちの圧倒的
なスケースのシーン、台詞が歌というから大げさで嘘っぽい進行かとの先入観は
砕け散るほどの、ライブ感、リアリティ、そしてキャストそれぞれの歌がクリア、
そして舞台では無理なクローズアップ手法による表情の描写のすごさ、囁くよう
な可憐な歌声すら取り込んでいる。ミュージカル映画と言えば演技と歌唱は分離
し、吹きもみ、吹き替え加工当たり前と思っていたが、この映画はキャストのひ
とりひとりが演じながらじかに歌っている、まさに生歌での収録、圧倒的な臨場
感はここに由来する。どれだけ練習を積んで本番に臨んだのかその蓄積が見事開
花した。フランス革命後の1820年から32年という時代設定、貧富、法と道徳、親
と子、親の愛と恋愛、聖と俗、革命と反革命、学生と市民、復讐・恨みと愛、悲
劇と喜劇等の明瞭かつ分かりやすい対立構図でストーリーは展開し、最後のシー
ンでそれが浄化されていく。モーツアルトのオペラのような快い、キャストたち
が同じ曲にそれぞれの思いを込めて掛け合い歌うのも聞きどころ・見どころであ
った。主役、準主役級のみならず脇役、子役が実にいい味を出している。2時間
40分の映画だが画面と音楽に釘づけにされた、大満足、年のしめくくりに思わぬ
プレゼントをもらった感じにさせてくれた、一本であった。(中、100.3 32.6
108)http://blog.livedoor.jp/inswatch01/

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