Vol.653 2013.02.04
投稿日時 2013-2-4 16:36:23 | トピック: comment@inswatch
| ===for agents ofinsurance================================weekly=========
【 inswatch 】Vol.653
===============================================Vol.653 2013.02.04=======
*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。 *バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明 示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ もくじ ■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【0】め・て・みみ =MS&ADは中核2損保の機能別再編を選択= 【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」 注目される生命保険の保険料値上げの動向== 【2】海外レポート 草笛 一郎 =ドイツの企業物件の保険料上昇 = 【3】保険、一歩ずつ(26) 栗山 泰史 =プロ代理店の力を考える(その2)= 【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(11) 尾庭 恵子 =『大切なことを話してもらえる自分でしょうか』= 【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(16) 村田 稔 =「こんな良いとも悪いともいえる日ははじめてだ」 〜保険の傾向と対策、取引信用保険の活用〜= 【6】「ごまめの歯ぎしり」(67) 森田 直子 =営業は科学=
■ inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』 ■ 編集後記 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【0】め・て・みみ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MS&ADは中核2損保の機能別再編を選択
3メガ損保グループそれぞれの再編モデルが明らかになりつつある。東京海上 グループは、東京海上日動という総合損保と日新火災というリテール特化損保の 2社併存による収益安定方式を選択、NKSJは経営の立て直しのために、2014 年秋に損保ジャパンと日本興亜損保の合併による再編の道を選択したが、今回、 MS&ADは、保険業法改正によりグループ経営面の規制緩和を活かし、三井住 友海上、あいおいニッセイ同和という損保中核2社を併存し、それぞれの事業コ ンセプト、強みを活かす方向で、2014年4月1日以降順次、機能別に再編する方向 を選択した。
MS&ADは2010年4月のグループ発足後、経営統合の第一段階として、あい おい損保とニッセイ同和損保の合併、三井住友海上きらめき生命とあいおい生命 保の合併、シェアードサービスの統合などを進め、グループ経営の効率化を図っ てきた。システム統合も、2013年度の本格稼動に向け、代理店システムをスター トさせてきた。、経営統合の第二段階として、1)「成長」と「効率化」の実現 によりグループ全体での企業価値向上 2)多様化する顧客ニーズへの対応のた め中核損保2社の特長を最大限発揮 3)グループガバナンスの強化、という目 的のために持株会社傘下の中核損保2社を機能別に再編することにした。
2013年4月に施行予定の改正保険業法によって、保険契約の移転および保険募 集の再委託に係る規制の見直しが行われることとなるが、この機能別再編は、規 制の見直しを踏まえた過去に例のないスタイルの再編を実施する。今回の再編で 2015年度末に2011年度末に比べ400億〜500億円のコスト削減効果を見込む。2013 年度中に予定しているシステム統合と合わせて700億〜800億円を削減する。
MS&AD傘下の中核損保2社は、それぞれ事業ドメインの強化、効率化の追 求によって競争力向上に努め、確固たるプレゼンスを確立して来たが、機能別再 編によって、中核損保2社の事業コンセプトを明確化することにより、それぞれ の事業基盤をいっそう強固にし、効率的な経営による収益力の強化を図る。 このうち、三井住友海上は、総合力を発揮し他社優位性のある商品・サービス を提供し、国内外を問わずグローバルな保険・金融サービス事業を展開する。 一方、あいおいニッセイ同和は、独自の強みであるトヨタグループ・日本生命 グループというパートナーとの関係を強化し特長を活かすとともに、他社優位性 のある商品・サービスを提供し、地域密着営業を展開する。なお、海外において は引き続きトヨタディーラーを通じたリテール事業を中心に展開する。
保険分野では、船舶、貨物・運送、航空・宇宙の各保険について、あいおいニ ッセイ同和のが引き受ける契約を三井住友海上に移管。そのうち、船舶保険、貨 物・運送保険については、商品供給機能を三井住友海上に一元化し、あいおいニ ッセイ同和においては三井住友海上から商品供給を受けて再委託販売を行う。航 空・宇宙保険については、三井住友海上にあいおいニッセイ同和より社員が出向 し、航空・宇宙保険の販売に共同して取り組む。 中核損保2社がともに取引実績を有するモーターチャネル代理店(整備工場等 の副業代理店)のうち、あいおいニッセイ同和が主要取引先となっているものに ついては、あいおいニッセイ同和へ移行する。
三井住友海上が拠点を構え、あいおいニッセイ同和は拠点を有しない地域、あ るいは反対にあいおいニッセイ同和が拠点を構え、三井住友海上は拠点を有しな い地域に所在する代理店について、拠点を有する保険会社へ移行する。また、両 社がともに拠点を有する一部の地域についても、営業活動の規模や効率性を踏ま えたうえで拠点の集約を実施し、集約される拠点を持つ保険会社が引き受ける保 険契約は残存する拠点を持つ保険会社へ移行することにより、営業活動の生産性 向上を図る。 中核損保2社が拠点を構える施設(ビル)が近接する場合には、同一の施設 (ビル)への入居を進め、グループ内における物流面でのコスト圧縮や両社にお ける共同作業の効率化を図る。 このように事業および販売チャネルの再編によって、中核損保2社が重複して 代理店や取引先を担当することによって生じていた非効率性が解消されることと なる。また、拠点の集約および共同利用によって、不動産賃貸コストの削減が実 現される。
中核損保2社が販売する第三分野の長期契約を三井住友海上あいおい生命 に移行する。これによって、第三分野長期契約にかかる商品開発・管理コストの 圧縮を図る。
各国海外事業子会社の業務運営を一体化することにより、管理コストの削減、 再保険業務の効率性向上を実現するなど、グループとしての収益力向上を図る。 三井住友海上は、新規事業投資、M&Aを含めた海外事業の総合的な事業展開 を実施する。あいおいニッセイ同和損保は、トヨタディーラーを中心とする海外 事業を展開する。 また、海外事業における統合リスク管理、海外事業子会社の経営管理態勢整備 をコントロールする機能を有する組織を持株会社に新設し、海外事業に対する経 営管理態勢を強化する。
国内保険事業において、事業および販売チャネルの再編により営業効率を向上 させ、共通する本社機能(海外事業の経営管理態勢強化に加え、グループ全体の 統合リスク管理の強化)は持株会社に集約するなどによるガバナンス体制の強化 等、グループ機能の最適化を図る。
MS&ADでは、こうしたコンセプトの明確化および機能の最適化によって、 中核損保2社の強みを結集し、シナジーを発揮することで、顧客の支持、満足度 向上を実現し、国内No.1損保グループの地位を確固たるものとすることを目指 す、としている。
(中崎 章夫)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注目される生命保険の保険料値上げの動向
◇日本生命、アフラックは主力商品の値上げ見送り 生命保険の標準利率が引き下げられたことから、4月1日からの生保各社の保険 料値上げの動向が注目されている。生命生保の標準利率について毎年9月を基準 に10年物国債の過去3年間の平均利回りを基に金融庁が算出しているが、低金利 の長期化を背景に昨年には現行の年1.5%から1.0%への引き下げが決まっていた ものだ。 この標準利率に基づき保険料の計算基礎となる予定利率が算出されるため、標 準利率が下がると保険会社は将来の保険金支払いに備える責任準備金の積み立て 原資の確保が必要となり、予定利率の引き下げの結果、保険料が値上げされるこ とになる。
こうした中、日本生命(1月21日発表)とアフラック(同1月28日)の2社が他 社に先立ち、いち早く保険料率の改定について発表した。それによると、終身保 険や年金保険の貯蓄性の高い商品については保険料が値上げされるものの、両社 ともに主力商品については現行の予定利率を維持し、保険料の値上げを行なわな いことを決めた。両社がともに主力商品の現行の予定利率維持を発表したしたこ とは、予定利率改定(保険料の値上げ)に向けて検討している各社にとっての影 響が大きく、4月に向けた各社の保険料アップへの経営判断にも影響を及ぼすも のと見られる。
日本生命が発表した保険料率の改定では、同社保険商品のうち、長期定期保険 と一時払終身の予定利率を改定、長期定期保険は現行の1.65%から1.15%に、一 時払終身保険を同1.40%から1.00%に引き下げるとしている。その結果、これら 商品については4月からの保険料はアップするが、主力商品である「みらいのカ タチ」およびその他の商品については発売後間もないということで、現行の予定 利率を維持するとしている。 また、アフラックも死亡保険、三大疾病保険、こども保険、介護保険について それぞれ現行の予定利率(死亡保険1.85%、三大疾病保険2.35%、子ども保険 1.85%、介護保険2.35%)をいずれも1.25%に引き下げるほか、個人年金保険に ついては現行1.65%を1.15%に引き下げるが、主力商品であるがん保険および医 療保険については現行の予定利率を維持するなど、両社とも主力商品の値上げを 見送ることとなった。
◇標準利率の計算方式を見直し報道で戸惑う現場、 一方、今回の標準利率引下げを前に、金融庁が標準利率の計算方式を見直し、 来年4月から標準利率を引き上げる(保険料の値下げ)予定との報道がされた。 保険料値上げによる生保離れを回復するのが理由とされているが、今、なぜ子の 時期にという疑問も残る。来年4月に向け再度標準予定利率の見直しが行なわれ た場合には、今年4月から保険料が値上げされ、翌年4月には保険料が引き下げら れるという事態が生じることにもなる。 このことは、とりわけ営業現場への影響も大きい。営業現場は顧客視点でベス トな商品を選択・販売している。それが4月から保険料が値上げされ、翌4月には 下がることが予定されているのなら、今期の新規契約への取組みが鈍るのは必至 だ。 運用環境が厳しい中、各生保にとってこの4月からの値上げを巡る経営判断が 改めて悩ましいものとなっているのは確かだろう。2月中には各社で予定利率改 定の発表が相次ぐと思われるが、主力商品については予定利率を据え置く生保も 出てくるものと見られ、その動向に注目したい。 (石井 秀樹)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】海外レポート 草笛 一郎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドイツの企業物件の保険料上昇
去年ドイツの企業向け保険市場では、2004年から続いていた保険料水準の下降 傾向に歯止めがかかり、今年も売り手市場(ハード・マーケット)の傾向が続く と予想され ている。
これは保険ブローカー・エーオンのドイツ支社長イェルグ・ベヒェルト氏が、 明らかにしたもの。同社がまとめた報告書によると、過去に保険金支払いがあっ た企業物件だけでなく、特定の業種に属する全ての企業物件で、保険料水準が上 昇する傾向が見られた。
その理由としては、ドイツで好景気が続いているため保険料計算の基準である 企業の売上高や賃金水準が上昇したことが挙げられる。
さらに保険会社が企業に対して、リスクの高さに応じた保険料を要求する傾向 が強まり、顧客が要求に応じるケースが増えていることも理由の一つだ。
火災保険の分野では、保険会社が企業に対して綿密な防火措置を取っているか どうか質問したり、損害防止措置についてアドバイスをおこなったりするケース が増えている。保険会社が防火措置が十分でないと判断した場合には、保険料が 引き上げられる。このため企業の間でリスクマネジメントを強化する傾向も強ま っている。
ベヒェルト氏は、「企業保険市場が変化しつつある中で、各企業が十分な保険 カバーを得られるようにするのが、我々の任務だ。過去10年間のように、競争に よって、全体的に企業保険の保険料水準が下落する傾向は、しばらくの間見られ ないだろう」と説明する。
特に競争が激しく、損害率が高かった自動車のフリート契約でも、保険料水準 が上がる傾向が見られる。昨年ドイツの保険会社は、ロスがあったフリート契約 を解約したり、更改時期ではなく保険期間中に契約の改善を迫ったり、解約告知 期間を短くしたりするなど、厳しい措置を取ってきた。このため一部のフリート 契約の保険料は、2ケタ台の増加率を見せた。
ドイツ保険協会(GDV)によると、2012年の自動車保険のコンバインド・レ シオ(支払保険金、支払備金、社費の収入保険料に対する割合)は103%だった が、損害保険業界はコンバインド・レシオを90%以下に下げることを目標にして いる。
企業保険のハード化傾向は、当分続きそうだ。 (在欧州金融ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】保険、一歩ずつ(26) 栗山 泰史 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ プロ代理店の力を考える(その2) 自分自身の体験を基に論を進めることには大きな危険がある。所詮、一人の経 験には限界があるからだ。それを分かりながら敢えて記すが、昔、電気製品一式 を買い揃えるにあたり、家電量販店ではなく、あえて「町の電器屋さん」にお願 いしたことがあった。故障その他の電気関係の不測の事態に備えるために近くに いる専門家が必要と考えたからだ。 しかし、その後の買い替えにおいて、二度とその「電器屋さん」にお願いする ことはなかった。なぜなら、その後、「電器屋さん」との接点は、電球や電池を 買う際に、にこやかに接してくれる他にはほとんど何もなかったからだ。そして それ以上に、買い替え時期までの何年もの間、一度も「電器屋さん」のお世話に なるような電気関係の不測の事態は起きなかったからだ。 こうした消費者と販売店の関係の変化は、特に筆者だけのことではなく、世の 中で普通に見られてきた現象である。その原因は、決して「電器屋さん」が努力 を怠ってやるべきことをやらなかったり、間違ったことをしたことにあるわけで はない。量販店が提供する品揃えや低価格という消費者にとっての新たな価値が 生まれ、一方で、技術の進歩により電気関係の不測の事態は滅多に生じず、「電 器屋さん」としては、なす術を持ち得なかったことが背景にある。
ここで、「保険契約者とプロ代理店との関係も同じである」と書けば通り一遍 の説教調の話になってしまう。ましてや、多くのメディアに取り上げられ、2012 年の「リングの会」オープンセミナーにも登場した「でんかのヤマグチ」の話に でもなろうものなら、賢明な読者には、「そんなことは知っている」とばかりに、 これ以上、読んでいただけないかもしれない(^_^;)
それにも拘らず、少し長くなるが「でんかのヤマグチ」について触れておこう。 「でんかのヤマグチ」は、創業1965年、資本金一千万円、従業員50名、東京の 町田市にあり、町田市および相模原市とその周辺の顧客に絞って営業する「電器 屋さん」で、低価格競争に陥ることなく顧客からの圧倒的な支持を得ている。 経営理念を、「でんかのヤマグチは、当店を利用していただく、大切な大切な お客様と、お客様の為に働く社員のためにある。」と定め、「あなたの街のでん きやさん!!でんかのヤマグチはトンデ行きます!!」をスローガンに、次を活 動方針に掲げる。 ・お客様のわがままをすべて聞くこと ・お客様のかゆいところに手が届くこと ・お客様の楽しい買い物を楽しくお手伝いさせていただくこと そして、この店は、実際に、切れた電球の交換はもとより、時には、電器とは 関係のない不在時の家の留守番までも顧客サービスとして行うが、これを実行す るためにも顧客エリアを店の周辺に絞っているのである。 「でんかのヤマグチ」の魅力は、電器製品の価格ではなく提供するサービスの 質と量にある。そして、重要なことは、誰が見てもこの店の素晴らしさは理解で きる一方で、誰もこの真似をできないくらいの高い領域にサービスの質と量が到 達していることである。「でんかのヤマグチ」はスーパースターであり、普通の 人間は、してはいけない悪いことを「分かっちゃいるけど、やめられない」にも 拘らず、なすべき素晴らしいことは「分かっちゃいるけど、やれないよ」なので ある。
ところで、「街のでんきやさん」と聞いて思い出すのは、かつて街のあちらこ ちらで見かけた「ナショナルショップ」である。「ナショナルショップ」は、 2009年の松下電器産業からパナソニックへの社名変更に伴って、現在は「パナソ ニックショップ」と名称が変わっている。 ウィキペディアによれば、「パナソニックショップ」は、パナソニックの製品 を販売する特約店(電器店)の通称であり、1957年、日本最初の系列電器店(街 のでんきやさん)ネットワークとして発足したと説明されている。そして、同じ くウィキペディアから引用すると「概要」に次のように書かれている。
「量販店が大量に安く売ることをセールスポイントとしているのに対し、パナ ソニックショップ(街のでんきやさん)は『アフターサービスの良さ・きめ細か さ』をセールスポイントにしているので、『家電のホームドクター』として電球 や蛍光灯の交換といった軽工事にも幅広く気軽に応じてくれる(「お役に立ち隊 宣言」)。また『パナソニック修理技術認定店』として他店購入製品やパナソニ ック以外の他社製品修理も取り扱う。この意味を込め、パナソニックショップは 1998年から『あなたの街のでんきやさん』を全国共通キャッチフレーズとしてい る。(中略)また地方の一部には、雑貨店・酒店・CD&DVDソフト販売店を同じ敷 地で経営している店舗も存在する。また来店客が休憩所としても使えるよう茶菓 を置いてある店舗もある。」
「でんかのヤマグチ」のモットーや活動方針は、パナソニックショップが持っ ている基本的なコンセプトに類似しているのである。では、この源流はどこにあ るのであろうか・・・・。 (日本損害保険協会 常務理事)文責個人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(11) 尾庭 恵子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『大切なことを話してもらえる自分でしょうか』
会社のスタッフから。お客様から。家族から。仲間から。大切なことを話して もらえる自分でしょうか。心配をかけてはいけない、とか、忙しそうだから、と か、気を使わせないように、とか、そういうことを理由に、話してもらえないと したら、とても残念ですよね。なぜなら大切な人の大切な話。聞いて共有してお きたいと、わたしだったら思います。でも、もし、話ししても仕方ないし、とか、 話したくもないし、とか、話す必要ないし。もしそういうことを理由に、話して もらえないとしたら、それは自分のありかたを、しっかり見つめ直さないといけ ない、と思っています。“どうして話してくれなかったんだ。”ではなく、“ど うすれば話してもらえる自分だったのだろうか。”をみていく視点が大事だと思 っています。
そしてもうひとつ、“大切なこと”って、なんでしょう。そこにあるのは一つ の事実。それが大切か、そうではないか、それは人の主観決めること。わたしに とっては大切でも、その人にとってはそうでもないことがあるかもしれないので すよね。決めつけをはずして、できるだけニュートラルに、自分ごととして物事 をとらえられるように。まずは自分から。仕事をしながら、あるいは家庭の中で も、日々意識していることの一つです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでもお役に立ててい ると嬉しいです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【感動経営のための質問】 「大切なことを話してもらえる自分でしょうか。」
この質問を、ぜひご自身に問いかけてみてください。何か気づいたことがあれ ば、是非、行動にしてみてくださいね。気づくことも大事ですが、行動すること がもっと大事です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (I・NEST有限会社・取締役 企業研修講師 魔法の質問認定講師 フロ ーマネジメントインストラクター) http://www.inest.co.jp/ http://www.facebook.com/keiko.oniwa
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(16) 村田 稔 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「こんな良いとも悪いともいえる日ははじめてだ」(マクベス第一幕第三場) 〜保険の傾向と対策、取引信用保険の活用〜
英語では、‘So foul and fair a day,I have not seen.’ マクベスが激しい戦から帰還した際のセリフです。 ノルウェイ王軍との戦いで、劣勢を挽回して勝利した将軍の心境をシェイクス ピアらしいセリフで表現しています。
一歩間違えれば、命を落とす戦場での戦い、それは良いこと(事象)と悪いこ と(事象)が交互におき、その対応を誤れば、まさに死活問題になります。そし て、このことは経営においても言えるのではないでしょうか。 つまり経営環境においては、常にいいことと、悪いことが必ず起きます。その 対応を誤れば、会社の存続に関わってきます。
こうした経営の環境変化の対策のひとつが、間違いなく保険です。
株価の下落、所有不動産価値の下落、為替リスクなど、保険では対応できない 経営リスクも存在しますが、リーマンショック以降、注目されているのが「取引 信用保険」であることは、論をまたないでしょう。 新規の取引の場合は、銀行等を通じて、信用照会を行うことが一般的で、あら たに保険料を払ってまでも、倒産リスクをヘッジすることはありません。ただ、 海外に進出しようとする場合、現地企業の与信をすることは極めて困難です。 そこで、この保険のもつ「与信機能」に注目し、活用・利用すべきです。
もともと取引信用保険を扱う損害保険会社は、貿易立国であった欧州諸国から 始まり、海外進出企業の取引相手先のリスクを調査する独自のノウハウをもって います。ですから、日本の大手損害保険会社も、こうした欧州の取引信用保険に 特化した損害保険会社と提携しています。 東京海上日動火災は、アトラディウス(オランダ)Atradius 損害保険ジャパンは、コファス(フランス)Cofas 三井住友海上火災は、ユーラーヘルメス(フランス、*ドイツのアリアンツグ ループ) Euler Hermes
取引信用保険を扱うこれらの専門会社の中には、独自に日本での市場開拓を進 め、損害保険の販売のみならず、進出先の与信機能サービスなど、独自のノウハ ウで売上を伸ばしています。とはいえ、まだまだ普及度合いは低く、開拓すべき 市場は十分残っています。
資金回収の方策としては、ファクタリングがあります。取引信用保険との詳細 な比較は、ここではしませんが、ポイントは、取引信用保険は保険ですので、あ る一定の確率で保険金支払いを想定しているということです。 この点は、ファクタリングとの大きな相違点で、共存の要素のもっとも重要な 部分といえるでしょう。 悪い日を良い日にするには、与信強化は必須です。 (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【6】「ごまめの歯ぎしり」(67) 森田 直子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 営業は科学
一昨年、自分の初の著書となる「生保営業のたまごとひよこ−成長するための ヒント−」(保険毎日新聞社発行)を出版した。保険毎日新聞で連載しているコ ラムをまとめたもので、私自身が生保営業の新人・中堅時代に実際に経験したこ とを織り交ぜながら、営業として成長するためのヒントを伝えたいという思いで 書いているものである。
とくに新人当初の失敗系経験を通じて学んだことや、試行錯誤の上でたどり着 いた自分なりの営業ノウハウなど、実際に経験してきた事柄を複数紹介している が、失敗や反省を繰り返した時期の経験談では「汗と涙のドタバタ劇場?的」な イメージもある。そのため、読んで下さった方々からの感想には「初心に帰った」 「新人に読ませたい」というものが多いが、その中で「営業は科学」という言葉 を言った人がいて非常に印象に残っている。
科学という言葉の意味を広辞苑で見ると二つの意味がある。
(1)体系的であり、経験的に実証可能な知識。(2)狭義では自然科学と同義。
一般的に科学というと(2)の方の、理科や自然科学の方を連想する。しかし (1)の方の「科学」という言葉そのものの意味で考えると、科学とは『ある事 象を、事実にもとづき、実証的・理論的に裏付けて他に人も理解できる方法を確 立したもの』というようなことになる。そう考えると、私の書籍は、経験に基づ いた内容のため、ある意味で営業の科学書(?)と言えるのかもしれない。
と、自分の書籍の宣伝のようで恐縮であるが、この科学という概念は、営業技 術を向上させるための鍵ではないかと感じるものがある。
営業マンとして成長するには、自分自身が実際に経験を積み重ね、この方法で うまくいった、あるいは失敗したというその時々の事象を、毎回検証していくこ とが必要だからである。そして「なぜ失敗したのだろう」「次はどうすれば良い だろう」「他の人はどうやっているんだろう」という原因分析を含む試行錯誤を 経て初めて、自分に最も適した合理的な方法論に到達することが可能となる。 ・・・これは正に科学!である。
営業という仕事には、地道な努力を積み重ねる根性や忍耐、顧客への感謝、人 と人の信頼関係の価値を知るというような、情緒面での、遣り甲斐や喜びや学び が多々あり、そこに営業という仕事の面白さがあることも事実だと思う。 しかしそこだけに走るのは間違いで、そこを履き違えると成長がストップする という落とし穴に陥る危険があると感じている。真面目に仕事をしているはずな のに成長出来ず、自分に営業は向いていないからだと解釈してしまう人を、度々 見てきたからである。
あくまでも、営業の基本は科学であり、経験による実証と検証の繰り返しがな ければ合理的な答えには到達しないという、情緒とは全く無縁の側面があること を忘れてはならないと思う。 ((有)エヌワンエージェンシー代表取締役・インスウオッチ編集人) http://www.n1agency.com/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 読者の皆さんにとって、インスウオッチへの理解がより深く進むことを期待して 毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて comment@inswatchを始めています。
会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカウントをお持ちののinswatchの読者 であれば、どなたでも参加できます。ご希望の方は以下にアクセスして、右上の ≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。 http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中! 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル 第2章 「超保険」現場実践レポート(10の代理店事例と特別レポート) 第3章 マーケティングの視点から見た「超保険」の可能性 第4章 商品戦略と「超保険」 第5章 《三つの診断》から見た「超保険」の傾向と対策 *『超保険進化論』の内容紹介はコチラから>> http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm *お申込みはコチラから>> http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
☆『TOP1%代理店の成功要因とケーススタディ2010』(定価2500円+税) ☆inswatch経営塾2000編『保険代理店ITハンドブック』(294ページ定価2,500 円+税) ☆佐喜本敦子著『保険は「愛」です』(256ページ定価1800円+税)) ☆森崎公夫著『保険は日本を救えるか』(230ページ定価2200円+税) ☆尾籠裕之著『顧客接点と代理店戦略』(142ページ定価1,500円+税) ★申込み先=inspress@sekibundo.net、FAX03-3268-7202 Tel=03-3260-2431 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先月は正月休みに加えて、土日が潰れてしまった。日曜日は親の介護の関係で 仕方がないと予定から外しているのだが、土曜日が潰れることが厳しく、その付 けが回ってきた。何とか月末まで仕上なければならない原稿が「inswatch」を除 いて3本。お手上げの状態で、先週末は、事務所へ泊る用意をして出かける破目 に。以前の事務所では、時折、泊り込みをすることがあったが新事務所では初め てとなる。仲間から「もう年金を満額受け取れる年(2月が誕生日なのだ)にな ったのだから、泊り込みは厳禁、終わるまで付き合ってやる」とのありがたい言 葉を貰ったが、何のことはない。酒盛りが始まり、やがてジャズが流れ出す。そ のうち、こちらのパソコンのキーを叩く音もジャズに呼応してくるではないか。 原稿の神様がジャズに乗って降臨、見張りの連中を泊らせるわけにも行かず、何 とか仕上ることが出来た。遅筆の作家を缶詰めに、という話は聞くが、さすが編 集者の仲間、最終電車近くまで、付き合ってくれたことを感謝する次第だ。 (石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02
一度冬のシーズンにカニを存分に味わいたいと思い、カニを目玉にした夫婦バ スツアーに加わり福井県の奇岩名勝地東尋坊近くの三国温泉に行ってきた。あい にく当日は千葉県成田周辺で大雪が降り、予定していたバスが渋滞に巻き込まれ、 代車手配で2時間遅れの出発、途中サービスエリアで追走してきた当初のバスに 乗り換えとなった。このトラブルで、朝集合時間から40分近くも何の情報もなく 不安と寒さの中で待たされた。添乗員が遅れて駆けつけてからも温かい場所への 誘導もなく、バスがいつ到着するのか曖昧だったこともあり、戦意喪失したりい かり出したりで見切りをつけキャンセルし、帰ってしまったケースが5組も出て しまう。まさかの降雪であったが、問題は有事の際の方針の不徹底と連絡体制の 稚拙さを目の当たりにしあまりのお粗末ぶりに呆れ果てた。運転手も添乗員もツ アー中イメージダウンを挽回するのに気の毒なほどであった。このような思わぬ 出来事が起きた時、そのフォローの動作如何で、会社の信用、サービスの質の良 し悪しが明らかになるから怖いものである。出発時出鼻をくじかれはしたが、期 待値が下がった分その後の旅行自体は食事、温泉そして翌日の天気ともに予想以 上であった。キャンセル組の余った弁当をもらったり、夜宿でワンドリンクサー ビスされたり、翌日の夜食用弁当をいただいたりとそれはそれは良いもてなしだ った。目当てのカニ料理は、三崎漁港で採れたての黄色の三国港の刻印があるタ グ付き越前ガニと、小振りなズワイガニ2杯が出てきたが、実はどちらも美味か った。早速お目当ての味噌ぎっしりのカニの甲羅に熱燗の酒を注ぎ、それを口に 運ぶ。採れたて、茹でたてのカニ味噌は、濃厚で香り高い品の良いうまみが襲っ てくる。これはもうたまらん。カニ刺しや焼きガニ、揚げ物など目もくれず、と にかく2杯のカニ味噌を利かせ、身を申し訳程度の添えた甲羅酒を心ゆくまで楽 しむ。徳利も次々と並べられてゆく。カニ味噌酒と畳風呂での温泉三昧の冬の雪 景色の旅は実にいいものであった。翌日の五箇山合掌集落の雪景色も、前日の荒 れ模様から一転晴天に恵まれ素晴らしかった。(中、95.8 31.1 104) http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場 合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。 http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php (1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。 (2)ご入力後、確認メールが届きます。 (3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。 (4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。 ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。 http://www.inswatch.co.jp/ 【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】 ◆ユーザー名:2013feb ◆パスワード:jf26m2 (ジェイ,エフ,ニ,ロク,エム,ニ) (いずれも、半角小文字の英数字です) ▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△ 保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.653(2013.02.04) 発行日 毎週月曜発行(年52回発行) 購読料 年間1万2000円(1週 約230円) 発行元 有限会社 インスウォッチ 発行人 長 忠 編集人 石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly) 森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート) WEBマスター 稲葉 幹雄 URL http://www.inswatch.co.jp お問合せ info@inswatch.co.jp 投稿先 reader@inswatch.co.jp ▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
|
|