Vol.655 2013.02.18

投稿日時 2013-2-19 10:38:56 | トピック: comment@inswatch

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.655

===============================================Vol.655 2013.02.18=======

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■専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い■    インスウオッチ
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 アンケートにご回答頂いた全員に、もれなく、1日5分で付けられる超簡単営
業日報(エクセル版)を差し上げます。
 インスウオッチでは、様々な機会を通じて専業代理店向けに経営診断サービス
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 これに関連して、より良い診断サービスを目指すために、専業代理店の経営管
理に関するアンケートを実施いたします。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご協
力のほどよろしくお願いします。
 アンケートのご回答はコチラから>>>      http://bit.ly/X1IfPz 

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 ■■■ もくじ ■■■                        
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【0】め・て・みみ
     =バトンタッチ=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =「金融審ワーキング・グループ」詰めの段階へ=
【2】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(34)   安東 邦彦
     =平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(3)=
【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(65)        宮地 幸江
     =ストレスのない楽しい営業=
【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(37)        土`川 尚己
     =スタッフの能力をもっと上げるには=
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(17) 村田  稔
     =イマジネーションの訓練=

 ■ 専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い   インスウオッチ
 ■ inswatch facebook club comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
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【0】め・て・みみ                           
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 バトンタッチ

 代理店の方々を見ていると、中小事業体特有の悩みが透けて見える。中でも人
で成り立つ商売であるという性格からか、代替わりのリスクは大きなものがある。

 事業を継続するためにはその事業の理念が明確で、しかも顧客基盤をスムーズ
に継承できる環境づくりが不可欠である。小規模な事業体では、家業での展開が
多いのが現状で、規模は大きくなったとしても、それ自体は今後も変わるまいが、
問題は経営の在り方が、ともすると個人プレーに走るカリスマ型からチームワー
ク重視型にギアチェンジが必要なことで、他人を活用したオープンな事業組織を
志向する傾向は不可欠になりつつある。

 これは、保険代理店の付加価値業としての業態から不可欠・普段に要請される
ところとなる。特に、単なるほけん販売業にとどまらず顧客に寄り添い、その業
態が生活支援業、経営支援業になるならばなおさらである。このため、こうした
時代の要請に応えるための経営トップの意識改革から、従業員満足を高めるため
の環境整備まで、発想の転換を図ることが必要だ。

 代理店の組織は誤解を恐れずに言えば100%営業組織である。内務事務いうな
ればバックオフィスと言われるものも、実は顧客を絶えず意識した戦略事務、顧
客事務、営業事務、フロントオフィスとしていかねばならない。
 そのためのスタッフ間の情報共有、コミュニケーションをよくする仕掛けが重
要であるし、経営トップの移行を浸透させるために営業や顧客事務リーダーの育
成は不可欠になる。

 こうした事業環境の在り方に、これまで以上に経営トップは気を配らなければ
ならない。経営トップが組織を円滑に動かしていこうとするならば、その考え方
を日ごろから浸透させていかねばならない。平易な言葉で、みなに浸透するよう
に経営理念、行動指針を明確にし、絶えずそれの基づき、ベクトルを合わせるよ
うにすることが不可欠である。トップの個人の性格による判断のブレを抑え込む
にも大事なポイントとなる。

 このような代理店としての経営の目指すところがスタッフ全員に明確になって
いないと、トップ交代の際に乱れが生じてしまう。トップのバトンタッチがあっ
ても目指すべき方向性が明確なれば組織力はさらに向上するのである。
 まさにその事業体の錬成度は、バトンタッチの際に現れるとも言えそうだ。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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 「金融審ワーキング・グループ」詰めの段階へ

◇様々な問題提起された保険募集・販売ルール
 先週、14日に金融審議会の「保険商品・サービスの提供等に関するワーキング・
グループ」の第10回目に会合が開かれ、「保険募集・販売ルールのあり方」で論
議が行なわれた。保険募集・販売ルールに関しては、大型の乗合代理店や全国展
開する来店型ショップ、さらにネット通販、保険比較・顧客紹介サイト、テレマ
ーケティングなどいわゆるニューチャネル出現の中で、管理態勢の強化や募集行
為のあり方が論議されてきた。
 とりわけ、乗合大型代理店については、複数の保険商品を取り扱うことによっ
て、顧客の商品選択に対して中立・公正を標榜しているが、手数料の高い商品を
勧めているのではないかといった懸念から手数料の開示といった論議、さらに保
険会社から委託を受けている代理店が「中立・公正」を標榜することの是非など
が論議されてきた。

 一方、保険募集に当っては、募集文章の簡素化・平明化がさらに求められる一
方、現在の募集のプロセスにおいて顧客に対し、「契約概要」説明、「注意喚起
情報」の提供、「意向確認書面」の交付・確認について「意向確認書面」が形骸
化しているとの意見があり、商品提案・説明に入る前の段階において「意向把握
書面」(仮称)によるニーズ把握を行い、当初の意向と最終的な契約締結の段階
での違いを確認できるようにするとの方向も出された。

◇販売・監督態勢の強化と新たなルール
 ワーキング・グループでの論議も10回目を向かえ、最終的な論議の整理と新た
な方向の結論を出す段階にきているが、これまでの論議から、代理店自らがガバ
ナンスを持った適切な募集態勢の構築が求められるのに加え、業務のアウトソー
シングに係わる規制として、委託型募集人(フランチャイズ方式の加盟代理店や
コールセンターのオペレーターなど含む)の管理・監督の強化・規制が導入され
るものと見られる。
 また、代理店の手数料開示については反対意見も多くあり、最終的には開示に
は至らないものと見られる。ただ、代理店が保険会社から委託を受けて商品提供
をする存在であることの表明に加え、「中立・公正」の標榜については禁止され
る可能性が強い。

 いずれにせよ乗合、専属を問わず代理店にとっては管理・商品販売面で新たな
展開が要請されてくるのは必至で、大きな転機を迎える契機となりそうだ。
                             (石井 秀樹)

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【2】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(34)   安東 邦彦
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〜平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(3)〜

◇代理店経営は「人」だからこそ…
 代理店経営は「人」である。代理店経営は、「人、モノ、金」という経営資源
の中でも「人」に依存する割合が大きいことは誰もが納得するところだと思いま
す。当然、「人」に依存するわけですから、必ずしも期待通りの成果が得られる
とは限りません。
 その際、気持ちや気合や根性だけで頑張らせようとする社長も少なくない業界
です。売れなかった営業社員に「もっと売ってこい」といい、ミスしてしまった
社員に「ミスしないようにがんばれ」とハッパをかけます。
 社員の気持ちになってみると、「売ってこい」と言われて売れるなら苦労しま
せん。ミスしようと思ってミスしているわけでもありあません。このような場合
に社長が提供しなければならないのは、叱咤や激励なのでしょうか。
代理店経営が「人」であるからこそ、「人」が活躍するための仕組みを整える必
要があるのではないでしょうか。つまり、このケースで求められるのは、「売れ
ない」「ミスが起きた」などの問題を根本的に解決する方法ではないでしょうか。

◇解決は「人」ではなく「システム」
 もちろん、社員のやる気が問題であることもあるでしょう。しかし、真面目で
一生懸命だが成果が出ない社員も多いはずです。このような場合はその改善を
「人」に委ねるのではなく、「システムの改善」によって解決を試みる必要があ
ります。
 この問題を掘り下げるために、私が過去に受けた「資金繰りの相談」を例にあ
げてみます。資金繰りは社長の役割の一つですが、それがどうにも上手くいかず、
会社の戦略を立てるにも、全体を管理するにも支障をきたしていた会社がありま
した。その社長は自分の能力不足を嘆いていたのです。「月末になるといつも生
きた心地がしない。このままでは会社が潰れる。安東さんどうにかしてくれ」と
言うわけです。
 相談を受けて内情を調べてみると、その社長は「どんぶり勘定」を体現してい
るような管理をしていました。相談の中でも、何度も「私はお金の管理が下手で
…」と言っていました。しかし、私にはそんな能力のない社長には見えませんで
した。

◇「能力不足」ではなく「システム不足」
 そこで、この問題を解決するために、私はお金の流れを毎週管理する資金繰り
シートをつくり、その使い方を教えました。
 すると結果はすぐに現れました。お金の流れを把握することで、自然と無駄使
いをやめたり、投資のタイミングを工夫したりするようになったのです。また、
会社を安定的に運営していくために、あとどれくらいの余剰資金が必要なのかを
意識するようになり、事前の資金調達方法も検討するようにもなりました。わか
りやすく言えば、浪費家が倹約家になったようなものです。
 その社長は、「資金が潤沢にあるわけではないけれど、以前のような不安は消
えた。たったこれだけのことで日常が変わるなんて、不思議だ」と言っていまし
た。しかし、私に言わせれば、今までのような浪費体質で会社を継続してこられ
たことのほうが不思議です。
 どのような会社でも「お金を効率よく管理する」というシステムが必要であり、
この会社はそこに欠陥がありました。資金繰りシートとその運用方法が、この欠
陥の解決策になったのです。つまり、原因は「社長の能力不足」ではなく、「シ
ステムの不足」だったのです。

◇「人」だからこそ
 会社での問題はすべてが「システムの不足」だと考えることで、問題の根本原
因を探り、解決に集中できるようになります。代理店経営は「人」だからといっ
て、「人」の能力が高まることに期待して「叱咤激励」することが社長の仕事で
はありません。平凡な人材が活躍できる環境づくりが、これからの代理店経営に
求められているのではないでしょうか。
                (株式会社ブレインマークス 代表取締役)
 http://www.hoken-kachi.com
★新刊がでました!「平凡な仕事をすごいプロジェクトに変える教科書」
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【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(65)        宮地 幸江
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 ストレスのない楽しい営業

 最近私は対面&電話でもストレスのない営業を楽しんでおります。どうせ仕事
をやるのなら私自身もお客様も楽しい&それでいて力を抜かない一生懸命な雰囲
気の中で仕事をやりたいなと常々想って仕事をしております。

 3月末までの年度末「目標数字達成までに何をしたらいいか?」毎週行う営業
会議以外に急遽、営業スタッフで話し合いをしました。結果「営業スタッフが今
まで以上に頑張るのはもちろんのこと、でも今回はストレスのないようにFO
(フロントオフィス=事務スタッフ)にも協力してもらおう!」という事になり、
FOリーダーに確認&承諾をもらい早速実行することになりました。

 今までもFOには営業推進の協力として社内で挙績の見える化(今回は東京ス
カイツリーの頂上を目指してシールをペタペタ貼っていく挙績管理表)を作成し
てもらっておりますが、弊社は更改業務の半分近くをFOにやってもらっている
ので、更改・来店のお客様にFOからもストレスの無い声かけだけの営業をやっ
てもらおう!ということになりました。

 早速その日の朝礼から1分間、二人ペアでロープレの練習を始めました。ロー
プレ内容は弊社が扱う保険会社の商品に最近おもしろい医療保険が出たので「今
度かけた保険料が70歳の時全額戻って来る医療保険が出たんですけどご興味あり
ます?」のたったの一言です。お客様にもストレスを与えないドアノックの一言
なのですが社内でこの言葉が最近飛び交い「何かいい感じ」と勝手に心でニコニ
コしております。

 最近では年度末までに分かりやすく件数で『生保150件を目指そう!』という
表まで壁に登場し、半分の75件の箇所には「半分まで来ました。ここまでトップ
の人に拍手喝采を送る日」とか残り50件の箇所には「あと50件です!テンション
上げてハイタッチしようの日」とか、所々の達成箇所にはお楽しみの「パステル
の高級プリンアラモードGetの日」とか「サーティワンアイスクリームGet
の日」などなど皆で楽しめる件数達成目標の表も追加されました。一件達成ごと
に「いいね!」の手の形のシールが貼られるので見ていて楽しく頑張りたくなっ
ちゃう表です。企画&作成してくれたFOに感謝です。

 また先月ある研修で聞いた元東北新幹線のカリスマ社内販売員さんの講演の中
で、既にお饅頭を一箱買ってくれたお客さんに対し「おばあちゃん一箱で足らな
かったら困らないかなー」と思い、もう一度足を運び、声をかけに行ったという
話は「この人は純粋にお客さんの事を思い、売り込みではなくただ提案&情報提
供をしているだけなんだ〜」とある意味、保険営業にもつながる気付きをいっぱ
い貰える話を聞くことが出来ました。

 あまり深く考えず純粋に、ストレスのないお客様への声かけを皆で行っていっ
て、今年は社内全員でワクワク&コツコツゴールを目指して頑張って行こうと思
ってます!!
                     (宮地総合保険、スマイル部長)
http://www.agt.cc/miyachi/company/index.html


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【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(37)        土`川 尚己
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 スタッフの能力をもっと上げるには

 今月も全国の保険業界関係者からいただいた実際の相談事例を、一問一答形式
で紹介させていただきます!

◆今月の質問━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃Q┃スタッフの能力をもっと上げるにはどうすればいいですか?
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 今後、組織を拡大して更なる成長をはかっていきたいと思うのですが、そのた
めにはスタッフの能力アップが不可欠です。何かいい方法はありませんか?

┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃A┃成長が促されるような職場環境を整えましょう!
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
◯企業の成長にはスタッフの人材育成が欠かせません。最初から個々の能力が非
常に高いドリームチームが組めればいいのですが、なかなかそうはいきませんよ
ね。やはり、地道に能力アップを図っていくのが一番の近道だと思います。

◯ところが、それが言葉で言うほど簡単じゃない(苦笑)。皆さん大なり小なり
悩まれていることと推察いたします。人材育成やそのためのマネジメントの手法
については様々なところで語られていますが、俗にいうマネジメントとは、どう
も部下をコントロールする意味で解釈されていることが多いようです。実はこれ
がうまくいかない原因だと考えられます。

◯ここで、視点を180度変えることを提案します。マネジメント(≒管理)とは、
人そのものを管理するのではなく、個々が最大限に能力を発揮できる“環境を整
えること”、と定義したいと思います。定義付けを変えれば、自ずと視点と行動
が変わってきますよ。

◯人ではなく環境を整える、管理するとはどういうことか。例えるなら、畑で作
物を育てるために土を耕したり水を与えたり、温度管理などをおこなうようなイ
メージです。作物の成長にはそれに適した環境が重要なわけで、決して作物から
「今日の成果は?」と日報を提出させても意味がありませんからね(笑)

◯では、どのような環境を整えれば成長が促されるのでしょうか。ここで、アメ
リカ最大手の世論調査会社ギャラップ社が全世界1300万人におこなった【優れた
職場12の条件】の調査結果を紹介したいと思います。

◯【優れた職場12の条件】
1.職場で自分が何を期待されているのかを知っている
2.仕事をうまく行なうために必要な材料や道具を与えられている
3.職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
4.この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、ほめられたりした
5.上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれているよ
うだ
6.職場の誰かが自分の成長を促してくれる
7.職場で自分の意見が尊重されているようだ
8.会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
9.職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
10.職場に親友がいる
11.この6ヶ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた。
12.この一年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

◯いかがでしょうか。この条件を整えることこそが、現場のマネージャーの最も
重要な仕事だと思いませんか。すべてを満たすのは簡単ではありませんが、少し
でも条件を満たせるよう環境を整えていきたいですね。
                     (名案企画株式会社代表取締役)
http://meian.jp

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【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(15) 村田  稔
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 「眼前の恐怖も想像力の生みなす恐怖ほど恐ろしくはない」
                       (マクベス第一幕 第三場)
〜イマジネーションの訓練〜

 アルジェリアで起こった悲劇を考えると、眼前の恐怖の重さは軽くないですが、
世界各地で働く邦人の安全をどう確保するかを想像することは、その想像力の生
みなす恐怖が大きくても、対策は放棄することはできません。

 一般的に海外に進出、投資をする場合、その国のカントリーリスクを調査する
ことは必須ですが、それでも「想定外」が起こりますし、今回もプラントの警備
はされていました。またこのプラント建設会社は、アルジェリアでの実績も経験
もありました。
 しかし、そういった関係も、警備力も、軍事力をもってテロリストの攻撃には
無力でした。

 そして、人質の人命を尊重する国と、治安を優先する国との相違が今回ほど際
立ったことはありません。警備の問題は、ある意味、物量で考えられる要素が多
く、警備力を高める、場合によっては軍隊の援助を要請するなどの対策が考えら
れ、有効ば部分があります。しかし、いったん人質になった方々の安全を確保す
るための方策は、「各国の政治事情」という壁が存在することを、今回の事件は
知らしめました。報道によるとアメリカ政府人質救出のための特殊部隊の派遣を
アルジェリア政府に打診したとのことですが、アルジェリア政府が拒否したこと
によって、その計画は実行されませんでした。
 日本政府も外交ルートで「人命尊重、人命優先」を働きかけましたが、自衛隊
を派遣することは容易ではなく、警察の特殊部隊の派遣もありえたと思いますが、
現実的にはその選択の効果を検証(シュミレーション)することは簡単ではあり
ません。

 ただ明らかなのは、何らかの法制度を整備しないと(数字的根拠に裏打ちされ
たシュミレーションと想像力による補強)、邦人が海外でリスクに遭遇した際に、
その安全を確保できる手段が限定的であるということです。
 こうしたテロリストによる攻撃は、日本では想像力の領域として区別されるの
か、またはやたら恐怖をあおることは得策ではないのか、日常の議論になること
はほとんどありません。

 しかし、欧米では、自国内の危険度が高い施設、例えば原子力発電所がテロリ
ストの攻撃を受けたら安全は確保できるかどうかのシュミレーションを行うほど
です。活断層の有無の検証も重要ですが、こうした軍事攻撃を受けた場合を想定
することも、決して絵空事ではない時代にいるのだとの認識が重要なようです。

 想像力を働かす際、最もブレーキになるのは、「そんなことはあり得ない」、
「考えたくもない」、「過去になかったのだから、将来も起こり得ない」、等な
ど、安住したい気持ちが『危機管理感覚』を鈍らせます。

 すべてを島国の特殊性に収れんさせてしまう思考は容易ですが、実際に長年島
国に住んでいる国民のDNAとでもいうべき思考回路を変えることは、簡単では
ありません。
 しかし、グローバル時代においては、こうした「恐怖のシュミレーション」を
鍛えなければならない現実を否定できないようです。

 ちなみに、テロリストの攻撃(戦争)によるリスクに対応する保険商品は事実
上ありません。それゆえ、この分野も想像力と数字的な裏付けで、開発しなけれ
ばならない時代となったようです。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

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ウントをお持ちののinswatchの読者であれば、どなたでも参加できます。ご希望
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■編集後記                     
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 先週、3日間にわたり代理店の勉強会に参加した。保険代理店を巡る環境は大
きく変化し、新たな転換が求められてきている。これまでも、お客様の支持を得
て地域において選ばれる代理店となれるか、それに向けた研鑽が行なわれてきた
が、今、本格的にそのことが問われてきている。チャネル多様化や手数料の削減
など競争の激化と収益の減少傾向にも係わらず、お客様の視点に立って私たちが
何が出来るのか、人としてどうお客様との接点を大切にするか、もう一度原点に
帰って新たな時代の中で成長を目指すかといった熱き議論の坩堝の中で、多くを
学びこちらも年をとっては入られないと思った次第だ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 食事を細くすると、精気が落ちる、萎びてくるということを改めて実感してい
る。そういえば、90歳を超えても現役ピアニストを続けている方が、食事にステ
ーキは欠かさない、と言っていたが、今改めてなるほどと思う。急激に10キロ痩
せて感じたのは、如何も、姿勢は自然に前にかがみ、意欲は減退気味になるよう
である。それもエクササイズを頻繁にしてなおそうなのだから、食の重要な意味
合いを考えざるを得ない。周囲の方は、「痩せると、元気はなくなるよ。」「が
つがつ食べてこそのきみだろうが・・・」「こんなこと続けていると、このコラ
ムの読者が減るよ」等と脅してくる。我が身を変化させるということは、また失
うものも多いのかもしれない。それにもめげず、やはりこの際、減量に取り組ま
ねばと思うのである。BMIも30の大台切り目前だ。「肥満」を去り「やや肥満」
のゾーンに仲間入りできるのが励みである。(中、94.5 30.1 102)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
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  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
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