(3)第1のプラットフォーム(メインフレーム/端末システム)
投稿日時
2021-2-3 10:55:33 |
トピック:
IT今昔物語 デジタルで再出発
インスウオッチ Vol.1069 2021.02.08
https://www.inswatch.co.jp/
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http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=175
◆第1のプラットフォーム(メインフレーム/端末システム)
私は高度成長の最中の1963年、後に八幡製鉄と合併して新日鉄となる富士製鉄に入社しました。第1のプラットフォームの草創期で、八幡製鉄が新設の君津製鉄所の生産管理用に、最新鋭の汎用大型計算機(メインフレーム)IBM360を4台採用することが話題となりました。
IBM360で製鉄所をノンストップ・リアルタイムで動かすという世界初の野心的プロジェクトで、コンピュータに関心を持つキッカケになりましたが、1969年に私は会社より経済企画庁に派遣され、メインフレームと関わりを持つことになりました。
ビジネスネットワーキング(2)汎用大型機の時代 保険毎日新聞連載
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnBN/mainichi2.htm
現在デジタル庁で民間スタッフ活用の話が進んでいますが、当時企画庁は民間からのスタッフとの合同チームで経済白書を作っていて、私はFortranという科学技術用コンピュータ言語を勉強して、計量経済モデルを解いて物価の予測をするといったことに、メインフレームを使っていました。
当時は、中国のちょっと前のように、実質成長率が年率10%を超える高度成長が続いており、私が企画庁に入る前年の1968年に当時の西ドイツを抜いてGNPが世界第2位になるという時代でしたが、物価の上昇が大きな懸念材料になっていました。今から考えると隔世の感があります。
メインフレームは、1980年代に投資のピークを迎えますが、わが国では失われた30年の間更新が進まず、橋やトンネルといったインフラの老朽化が社会問題になっていますが、実はITの世界でも老朽化が深刻で、それが前回ご紹介した≪2025年の崖≫レポートの背景にあります。
メインフレームのメーカーは現在6社で、富士通、日立製作所、日本電気と日本の3社が残っていて健闘しているように見えますが、これは失われた30年で日本がガラパゴス化している結果とも考えられ微妙です。
メインフレーム用言語にはFortranとならんで、事務計算用にCOBOLという言語が使われていて、これから続々とCOBOLの使い手が定年を迎えるという事情も2025年の崖にはあります。
6割の企業にCOBOLシステム、「お荷物」なのに捨てられぬ
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00097/060700003/
保険業界については2025年の崖問題については、各社とも比較的対応が進んでいるように見えますが、代表例として2020年のDX銘柄に選ばれた損Jの取組みを紹介します。
≪未来革新プロジェクト≫
2016〜22年、1500億円、基幹システム更新
http://www.sompo-sys.com/recruit/future/project.html
https://bit.ly/33qkYQ6
2020年DX銘柄(経産省が優秀上場企業35社を選定)
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200825001/20200825001.html
1980年代に入るとパーソナルコンピュータ(パソコン)が登場し、第2のプラットフォーム(クライアント/サーバ)へ向けて、集中から分散へとITが舵を切ります。次回より何回かに分けてその辺の事情をお話しします。
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
次回>
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