(10)VANとインターネット

投稿日時 2021-5-15 9:49:28 | トピック: IT今昔物語 デジタルで再出発

インスウオッチ Vol.1085 2021.05.17 https://www.inswatch.co.jp/
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 1995年自由の身になった私は、好きなジャズを楽しみながら、1年間は充電期間としてのんびり過ごそうと考え、中小企業診断士の受験に取組みました。私は法学部の出身で、経営について体系的に学んだ経験が無かったので、受験は丁度良い機会と考えました。

 先ずはパソコンとネット環境を整えるために、前々回世界標準機による価格破壊の流れ「コンパックショック」に触れましたが、私も価格の安さに引かれコンパックのノートを購入し、パソコン通信のNIFTY-Serveとインターネット接続サービスのmeshに加入しました。

パソコン通信とインターネット(18)保険毎日新聞連載
 http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnBN/mainichi18.htm

 当時はパソコン通信の事業者などが続々とインターネット接続サービス(ISP:Internet Service Provider)に参入していました。電話線にモデムを介してピーヒョロロとダイヤルアップで接続する方法が主流でしたが、ISDNサービスが始まり大変便利になりました。

 「C&Cインターネットサービス mesh」のサービス開始について
http://www.nec.co.jp/press/ja/9502/0101.html
ISDN(72)保険毎日新聞連載
https://bit.ly/2RlnFj1

1985年の通信自由化で個人にも通信用に電話回線が開放され、インターネットに先立ち、パソコン通信が始まります。大手の有料サービスと合せ、ボランタリーで数千の草の根BBS(電子掲示板 Bulletin Board System)が立ちあがり、大いに盛り上がりました。

1995年はその端境期で、大手の2つの有料サービス、NIFTY-serveとPC-VANの利用者がそれぞれ100万人を超えており、私の仲間ではビジネス寄りのサービスを展開していたNIFTY-serveと合せて、インターネットのアカントも持つという人が増えていました。

パソコン通信は、データ処理機能を通信に付加して提供する付加価値通信網(VAN-Value-Added Network)の一種で、インターネットに移行しましたが、企業間のデータ交換サービス(EDI)などでは、VANからの移行が進まず、汎用機やオフコンと同様、ガラパゴス問題が起こっています。

ISDN終了問題 - 2024年1月EDIユーザが“今”やるべきこととは?
https://www.canon-its.co.jp/solution/edi/document/ins/

保険業界では既に20年前、損保VANから共同ゲートウエイへ移行を果たしていて、インターネットを使って、非競争分野で各社協力して業界全体の生産性を上げる取組みとしては、わが国の先進事例でした。

一方、最近各社がDXの取組みを進める中、それぞれ独自性を強めていることが気がかりです。SDGsの時代、データの宝庫の保険業界が、企業間のみならず、国・自治体や地域社会などと広くオープンにデータ連携を取り、業界全体の生産性向上と社会貢献を合せて達成するよう期待しています。

1995年ネット環境を整えたものの、中小企業診断士の受験準備はもっぱら手書きのアナログで、あまり使う機会がなかったのですが、前回お話ししたジャズ仲間のご紹介で、異業種交流会で使うチャンスが訪れました。

(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7

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