(24)安田火災のMAX 名寄せと世帯管理

投稿日時 2021-12-14 9:32:29 | トピック: IT今昔物語 デジタルで再出発

インスウオッチ Vol.1115 2021.12.13 https://www.inswatch.co.jp/

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1998年、私がコンサルティングの現場で、初めて遭遇した保険会社の代理店オンラインシステムが、安田火災(現損J)のsonpomate MAX(Multipurpose Agent system for X(cross)-selling)でした。

安田火災は、1980年損保業界初の代理店システムを発表するなど、先駆的取組みを行ってきていましたが、このMAXには名前の通り、クロスセリングを目玉にした意欲的なシステムでした。

クロスセリングの内容は、当時のアイ・エヌ・エイひまわり生命をシステム的に取り入れて,生損保をフルラインでカバーし、家族単位の名寄せを前提にした、世帯総合販売を目指したものでした。

このシステムの最初の難関は名寄せでした。当時の代理店の現状は、自社の契約件数は分るけど正確な顧客数が分らない、が多数派で、安田火災の担当者がMAXの導入先を巡回して、顧客データベースを作り、それに契約を紐つける作業を支援していましたが、大変苦戦していました。

私がコンサルティングに入った代理店は、RINGのお仲間の社歴30年の女性経営者で、ほぼ完ぺきに顧客ファイルを整備、コンタクト履歴も手書きでキッチリ記入されていて、MAX導入先の優等生とお聞きしたので、当方大変興味があり、やや押しかけ女房的にお邪魔しました。

IT化成功のポイントに、経営成熟度(経営能力)にマッチしたシステムの導入があります。システムに惚れ込んで経営能力を超えたものを導入すると、コストがかかるだけでなく、現場が混乱して、逆に経営の足を引っ張ることになるので注意が必要です。

本ケースは、経営能力が高くシステムと旨くマッチして、名寄せも順調に終了しました。そこでMAXの仕組みを活用し、生損クロス販売に本格的に取組むことになり、全契約データをエクセルに取り込み、手数料と年齢のマトリックスで顧客を層別化しました。

顧客評価マトリックス 年齢 vs 手数料
(2次元のマトリックス、円の大きさ手数料収入)
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/110ms/sld005.htm

このグラフが出来た時は、30年に及ぶ経営者の努力が見える化出来た!と感動しました。お客様が親子2代で自動車保険に入っていて、初孫が出来たと見せに来られるような、地域密着の経営をされていた代理店で、MAXは世帯とも紐つけが出来る優れ物で、大いに活用出来ました。

しかしながら、この30年間で世帯のあり方は大きく変わり、上のような牧歌的風景は姿を消しつつあり、三世代同居の割合(65歳以上の世帯)が4割から1割に激減、単身世帯や核家族が増えています。

単身世帯は増加中…高齢者がいる世帯の構成割合 (2019年公開版)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190724-00133855

 急激に進む少子・高齢化を背景に、単身世帯を含め、世帯がこれから抱える最大のリスクが、介護問題でないかと思っています。この点で介護のリスクを保険でカバーしつつ、介護の現場をテクノロジーで良くしようと取組んでいる、損Jグループの取組みには、大変期待しています。

Future Care Lab in Japan
https://futurecarelab.com/about/

世帯管理の前提は先ず名寄せですが、代理店システムにとって依然難関の一つです。前回ご紹介したhokanは、5月に名寄せのキーを代理店の事情に応じて選択できる機能を追加しました。アジャイル開発の醍醐味は、ユーザー参加型で、素早く機能の追加や修正が図られる点にあります。

顧客管理の柔軟性を向上させる名寄せ設定のカスタマイズ機能を公開
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000028337.html

(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7

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