インスウオッチ Vol.791 2017.09.04
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民泊から見た日本(1)民泊開業の顛末 相続と空家問題 長 忠
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民泊を始めるきっかけは、熊本地震の惨状を見て心配した妹からの相談でした。妹が親から相続し長らく空家になっている家で、耐震診断が必要ということで、先ず最初に所在地の杉並区に相談に行きました。
ところが、1階が鉄筋コンクリート2階が木造の、専門用語でいう混構造の戸建てで、木造2階建てならば区として対応が可能だが、混構造は診断の対象外と門前払いとなり、ここからが苦難の道となりました。
建て替えを検討しましたが、混構造が災いして取り壊しに膨大な費用がかかることが分り断念、混構造の耐震診断が可能な業者探しが始まりました。何人か友人の建築士に相談し紹介を受けましたが、学校やマンションのような大型物件を手掛けている業者さんたちで、結論としては受けてもらえませんでした。
やむなくネットで探すことにして、ネットでたどり着いた業者さんのそのまたご紹介という形で、交番の耐震補強といった自治体の耐震工事を主体にやっている業者さんにやっとたどり着きました。
初めからネットで探せば良かったと、ネットの威力を改めて感じました。診断結果は、築50年以上という家にしては、鉄筋コンクリートの状況は極めて良好で、耐震壁で補強すれば2階をそのまま残すことも可能との結論になりました。
工事は鉄筋コンクリートの1階を耐震補強し、その上で1階と合せて木造の2階も全面リノベーションしました。この家は親戚の工務店の創業第1号作品で、今更ながら丁寧な工事に感謝しています。また、母親の思いの詰まった家なので、残せて良かったと思っています。
1階は鉄筋コンクリートで広々としているので、渋谷にあったワンルームの私の事務所をこちらに移転し、それに宿泊施設を併設する形で、研修専用民泊-Biz&Bed 方南町-を開設することになりました。
私が民泊を始めるのは、時代の先端を肌で感じられるのではとの期待で、特にIoTを始めとしたネットの新しい流れを民泊で実体験したいと考えています。