インスウオッチ Vol.1097 2021.08.09 https://www.inswatch.co.jp/
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1997年春博多での最後の仕事(マハティール首相の講演)を終え東京に戻り、前にお話ししたようにコンサルティングのための商品開発を目的に、企業内診断士の皆さんをお誘いして、ヴァーチャルコンサルティングオフィスと銘打って、OASISを立ち上げました。
OASIS(Office to Active Smc for In business Shindanshies)
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/oasis/index.htm
私は独立に当って〈知的で心地よい暮らし〉を生活の目標におき、お付き合いの相手を、後ろ向きな方々は極力避けて、前向きな方々に絞るよう心掛けました。そのためOASISのテーマも〈アクティブな中小企業と共に歩むコンサルティングオフィス〉としました。
OASISを立ち上げるにあたり、メンバーから法人化して事務所を持ちたいとの希望がありましたが、ネットを駆使して事務所を持たずにヴァーチャルオフィスとして運用することにしました。オンとオフを組み合わせた今でいうハイブリットワークの実践です。
オンについては、企業内診断士が集まれる土休日に、公共団体などの安い会議室を借りて、開発状況のすり合わせを行ない、オフについてはメールのやり取りで作業を進めました。これを可能にしたのは、Windows95により電子メールが手軽に扱えるようになったことで、Microsoftのお陰です。
当時はインターネット草創期で、診断士でもメールを扱えない人がかなりいるという状況でした。メール活用をOASIS参加の条件とすることで、優秀なメンバーを集めることに成功し、ハイブリットワークの運用について、色々と経験を積むことが出来ました。
オンとオフ(24)保険毎日新聞連載
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnBN/mainichi24.htm
コロナ禍でリモートワークが急速に進展し、アフターコロナではリモートワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリットワークが進むと考えられています。前回述べたMicrosoft のWindows 11 は、それに焦点を合わせたもので、詳細なハイブリッドワークのためのガイドを用意しています。
ハイブリッドワーク:ビジネスリーダーのためのガイド
https://www.microsoft.com/ja-jp/resilience/hybrid-work-solutions
アフターコロナではハイブリットワークの環境を整えることが、優秀な人材、特に若者や女性を引きつける条件になりそうです。そのためには仕事のやり方をジョブ型にして、個人が単独で行なう仕事を増やし、それを自宅などのオフサイトで集中してこなすという体制をつくる必要があります。
リモートワークでコロナ前より長時間労働になったと嘆く人が、大企業を中心に目立っています。仕事のやり方がメンバーシップ型なので、報連相のためのWEB会議ばかりが増えているようです。今の状況を見ると、コロナ後は何事もなかったように元へ戻る会社もかなりありそうです。
一方、営業組織の保険代理店は、基本的にジョブ型なので、ハイブリッドワークの導入が比較的容易です。導入により特に生産性向上の要となる優秀な女性スタッフの確保が容易になります。先ほど述べたMicrosoft のガイドは導入のチェックリストと使えそうですのでご参考に
マーケティングとセールス|ハイブリッド クイック スタート ガイド
https://clouddamcdnprodep.azureedge.net/gdc/gdcJfvJ6f/original
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
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◆OASISでご一緒した喜多川さんよりコメントを頂きました。
喜多川さん略歴
https://bit.ly/3zoRgYV
『ハイブリット対応(在宅ワークとオフィスワークを組み合わせた働き方)について、自身及び顧問先の企業やNPO法人の活動を俯瞰しながら、気付いたことをコメントさせていただきます。
私の場合、コロナという外圧で、自由に外出すること制限されて、試行錯誤しながら、新しい働き方を模索してきましたが、ZOOMやラインその他、IT機種の活用で日々を過ごしております。
まだ、これがベストの状態か?もとの状態に戻ったときにはどうした方が良いのか?答えはわかりませんが、現状をお伝えします。
1.経営者層との会議及びコミュニケーション
今まで月に2度をベースに対面での会議を、役員クラスと一緒に行ってきましたが、執行役員はZOOMで参加。社長と取締役(合計3人)はオフィス対応としました。重要なことを決めるにはやはり、対面で場の雰囲気に包まれながら判断する必要があり、多少の危険は有りますが、対面を維持しています。執行役員は、ZOOM対応で十分で、その代わり、短時間で月2回を週1回に変更しました。情報の共有頻度が上がり、成果も出ています。
2.財務的検証 会計システムを入れ替えと同時に、そのシステムに精通した会計事務所に変更した結果、業務の進捗や正確性が飛躍的に伸びました。(会計事務所も同時に財務データを共有できる)
3.システム保守も、メンテナンス主体の会社と契約し、個人が、状況に応じて、その会社にアクセスし問題を解決する方法に思い切って切り替えました。ネットワークを含めて、ほぼ、リモート対応が可能なのでこれも大きな成果があったといってよいと思います。
このように、システムを効果的に使うことにより、ハイブリットワークは円滑に進んでいるように見えますが、人間と人間のコミュニケーションが必要なことに関しては慎重に考える必要があると思います。具体的には、採用や教育費、評価といった人事・労務に関するもの。
また、全社会議など、会って話をすることが目的のものは、ZOOMでトライしましたが、上手くいきませんでした。情報共有・議論がベースで、久しぶりに会ったけど、元気だった?という様な、何気ない会話が出来ず、この辺が、今後のポイントになるのではないかと思います。
別のケースでは、高齢の方が理事長をされているNPOの例ですが、聴覚に問題があるため、ZOOMの使用が出来ず、少し時代を戻して、Googleのグループメールで会議を試行してみました。
課題を共有して、参加者が一定の時間でメールを発信し、そのあと30分考えて、コメントを返す。これを数回繰り返す。
答えを出す会議には向いていませんが、問いを共有し、それぞれの参加者が深く考えて、自問しながら未来を構想するには、文章の残すことは振り返りも出来て、とても良い方法と思います。
これもハイブリット対応といえるなら経営者何人かで試してみるのも面白いかもしれません。
結論として、ハイブリット対応は、メリットも多々あり、この流れはこれからも続くと思いますが、人と人との深いコミュニケーションが必要な場の生成をどうするのか?という課題はバランスの中で模索していくことになりそうです。』
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執行役員はZOOM対応で十分というのは示唆的です。高齢の理事長さんとのメーリングリスト(Googleのグループメール)でのやり取りは面白いですね。メーリングリストはオワコンと言われてますが、インスウオッチでは依然現役で重宝しています。