インスウオッチ Vol.1139 2022.06.06 https://www.inswatch.co.jp/
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夏の風物詩となったRINGの会オープンセミナーは、第23回が6月18日に、オンラインとパシフィコ横浜のハイブリットで開催されます。この下から申込みが出来ますので、是非、ご参加下さい。
今回のメインテーマは「NEXT MOVE」〜新たな時代に次の一手を〜です。丁度20年前、第4回のオープンセミナーで、2002年に始めたオンラインアンケート調査の背景について、私が説明したpower pointを以下示しますが、今回のテーマと重なるところもあり、大変興味深いです。
調査の背景 夜明け前を捉える
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金融ビックバンとITビックバンを起点に、保険業界も生産性が向上し、以上のような好循環が回り始めるというもので、オープンセミナーには今も昔も、時代の変化を先取りしアクティブに動こうとされる皆さんが参加しているので、それに向けてのエールでしたが、あまりに楽観的過ぎました。
当時のITを巡る状況は、「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となる」というe-Japan戦略が出て、ITに明るい未来を託していた時でしたが、その後の結果はご存じ通りの状況で、官邸もさすが恥ずかしいのか、現在リンクが外されていて、e-Japan戦略の本文に辿りつけません。
首相官邸、「e-Japan重点計画-2002」を公開 2002/6/27
https://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0627/ejapan.htm
このような状況を受けて、損保系代理店業界の20年間は、ザックリ言うと、代理店扱保険料は1割増、募集人は2割増で、生産性は1割減、一方代理店数は半減して、募集人規模は5人から12人に拡大したものの、規模の拡大が生産性の向上に結び付いていません。
保険料 募集人 生産性 代理店数 規模
2002年82402 164 502 32.3 5.1
2020年90039 204 441 16.5 12.4
億円 万人 万円/人 万店 人/店
損害保険事業の現状と課題 2004/01/16
https://bit.ly/3MxUXCH
2020年度(令和2年度)末の代理店統計について
https://bit.ly/39rkWO1
このような代理店業界全体でみた生産性の停滞は、総体として代理店手数料率の高止まりを生んでいます。一方保険会社側を見ると、3メガ集約の過程で合理化が進み、2000年代前半にかけ社費が下がり、その結果、事業費率は2005年に向け若干低下しましたが、その後一進一退という状況です。
損保協会調べ 会員会社を集計した事業費率の推移
https://bit.ly/3xej0SI
我が国は外圧により動く国と言われますが、外圧による保険の自由化を、IT化の遅れなどから生かせず、事業費率の推移を見る限り、残念ながら失われた20年となりました。
最初に示したpower pointの〈金融〉ビッグバンを〈コロナ禍〉に、〈IT〉ビッグバンを〈DX〉に書き変えると、正に今の状況と重なります。今回コロナ禍という外圧を生かして、DXを進め、今度こそ、好循環に繋げたいと思います。
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
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