インスウオッチ Vol.1147 2022.08.01 https://www.inswatch.co.jp/
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2002年に実施したInswatch Best Practice Agents(IBPA)調査を元に、代理店規模別に個業(スタッフ1から2名)、家業(3から9名)、企業(10名以上)と3つに分けて、ビジネスモデルの提案をしました。失われた20年で、今見ても結構参考になるので、調査を振返りながら今を考えます。
今回は家業のビジネスモデルです。先ず以下をお読みください。
IBPA調査から見た家業の事業展開 inswatch Vol.096 2002.06.03
https://www.inswatch.co.jp/backnumber/backnumber/0096-0222-30.htm
(ID、パスワードはインスウオッチの最後に記載、毎月変更)
ビジネスモデルのリンク先が前回(個業)のままでした。以下が家業のビジネスモデルですので訂正お願いします。スイマセン
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/agresch0202f/img016.GIF
当時の損保業界の状況は、米国との事業費の対比でみると、日本は約2倍で、大変非効率な運営をしていて、保険の自由化とIT化の進展で、代理店業界にも大合理化時代が訪れ、将来的には手数料の半減もありうるとの危機感にあふれていました。
大合理化時代 手数料は半額に
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/niigata0303/img003.GIF
保険会社からの手数料削減要求に対抗して生き残るには、代理店としてはIT化による生産性アップが必要不可欠との認識が広がっていて、トップ代理店の多くが、経営計画を立てる際の売上目標設定に、生産性アップを織り込んでいました。
2002年調査IBPAの目標設定
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/agresch0202f/img018.GIF
その後の状況は、期待に反して、代理店では生産性の停滞が長く続き、2015年に行なった調査では、トップ代理店の多くが、生産性アップを目標設定に織り込んでいません。2015年以降現場を離れたので、正確なところは分りませんが、その後もコロナ前までは、同じ状況が続いていたと考えています。
2015年調査AAA代理店の目標設定
http://cho.eforum.biz/png/04.png
一方で、この20年で代理店事務所には、保険会社とネットで繋がったパソコンが入り、紙の事務は依然残るものの、鉛筆(手書き)の事務はほぼ消え、ミスも減り、事務の効率化がかなり進みました。それにも関わらず、代理店の生産性が停滞したのはなぜでしょうか?
【保険業界を斬る】(2) 紙と鉛筆の事務inswatch 2000.09.04
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/inswatch/inswatch2.htm
これは事務の効率化の成果が、労働時間の短縮に吸収されて、生産性アップにまで及ばなかったためではないかと考えています。以下が日本全体の動きですが、時間当り生産性はアップしたものの、1人当り生産性アップまでは繋がらず、仕事は楽になったものの、給料はアップしませんでした。
労働時間 時間当り生産性(円) 1人当り生産性(万円)
2000年 1846 4513 833
2020年 1615 4986 805
日本の労働生産性の動向 2021
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/trend_full_2021.pdf
現在日本の労働時間は先進国なみになり、その上、コロナ禍で、紙、ハンコ、現金、電話、FAX、郵送、対面といったアナログから、3レス、オンライン、非対面へとデジタル化の動きが加速しているので、今後、1人当り生産性アップ→給料アップの流れが生れることに期待しています。
電帳法改正のインパクト大! 損J ニュースリリース 2022.7.27
https://bit.ly/3vc3uES
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
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