ログイン |  新規登録
長忠略歴
新連載スタート 
長忠関係先
インスウオッチ


facebook club


RINGの会


OASIS


杉並中小企業診断士会


情報戦略モデル研究所


ITコーディネータ協会

投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-3-4 19:29:45 (1684 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.657

===============================================Vol.657 2013.03.04=======

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =適正規模=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =アイリックコーポレーション、東京・大崎に新店舗オープン=
【2】海外レポート                      草笛 一郎
     =ドイツで活発な保険会社比較メディア=
【3】保険、一歩ずつ(27)                  栗山 泰史
     =プロ代理店の力を考える(その3)=
【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(12)         尾庭 恵子
     =『その問題点の本質は何でしょうか?』=
【5】「ごまめの歯ぎしり」(68)               森田 直子
     =目で見て口に出す=

 ■ inswatch facebook club comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ                           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 適正規模

 代理店組織の問題を論じる際に、よく話題に出るのに「適正規模とは?」とい
うことがある。保険会社も代理店戦略を考える際にどのような代理店像を描くか
で、その規模感も異なってくる。一時は大きいことは良いことだばりに、「大き
くなあれ、大きくなあれ」「あの代理店と一緒になり大きくしなければ明日はな
い」と、呪文を唱えることがもてはやされた。そう掛け声をかけていた営業担当
の保険会社社員の身こそ先々不透明感を増しているのは皮肉な結果である。

 本当にそうなのだろうか。保険会社の拠点効率化、社員削減から代理店の自立
化の必要性が叫ばれた背景は、二重構造の解消にあったはずで、その限り、コス
トの高い代理店担当社員の支援の在り方の見直しに進むのは必然だった。ただし、
代理店に求められたのは顧客の支持を獲得する自立・自走の態勢整備であったは
ずで、保険会社の販社機能ではなかったはずで、もしそれを望むなら製販一体、
直接資本を投下した「直資代理店」の整備で済むはずである。

 保険会社の代理店手数料体系でも専業代理店の場合、どの程度のサイズ間を想
定しているかというと、保険料挙績で、1億、3億、5億等の規模観があるがさら
に10億を設定しているところもある。要はどの程度の組織サイズを念頭に置いた
代理店戦略を考えているかがそれを通じて透けて見えるわけであるが、見方は二
分している。

 一つは今後収益環境が厳しくなる中で、10億、20億といった、サイズに拡大し
ていかねば保険会社ットの交渉力も持てず、勝ち残れないとする見方である。こ
うした拡大路線を支持する見方も多い。一方で、代理店組織は必ずしも拡大路線
ではなく、コンパクトでも生産性が高い組織を目指すところに勝ち残りのヒント
があるとするスモールビジネスモデルを支持する見方である。むしろこれらの点
を線や面に替えていく機能こそ保険会社の真骨頂ではないか、というのが筆者の
見方であり、いたずらに代理店規模拡大論を振り回すようでは、手間をかけるの
を嫌い、果たして保険会社のコントロール能力を自ら放棄するの愚挙だと思わざ
るを得ない。
 少数精鋭でよいから営業担当社員の質の向上を図り、文字通り、スーパバイザ
ーとして現場代理店に一目置かれ頼りにされる専門性と知恵を持った人材養成こ
そ保険会社に突き付けられているのではないか。現場では保険会社社員の置かれ
た厳しい環境と質の劣化が話題になる惨状であることに、保険会社経営トップは
顔をそむけるべきではない。

 保険会社の多くは拡大一辺倒であったし、今もそれを捨て切れまいが、最近で
は合併大型化が必ずしも生産性(1人当たり手数料売り上げ)強化につながらない
こと、委任・委託型使用人管理上の体制整備の難しさ、規模拡大を目指す代理店
に大きくなれば保険会社からの権限移譲が期待できるという幻想を持たれ、なか
でも専属で大型化を目指す代理店との間で意識のギャップが生じていることへの
憂慮、製販分離ではなく、製販連合の在り方の模索という観点からの規模の基本
単位の見直しなどから、想定サイズのダウンサイジングを図るケースも出てきて
いることに注目したい。
 保険会社と代理店の立ち位置、それぞれの役割を今一度再点検する必要がある
のではないか。
 そしてまた、顧客接点にある専業プロ代理店の活力を引き出す肝は何か、を問
い直す必要があるのではないか。それこそ顧客を守り続けると言う、独立自尊の
スピリットであり、顧客との信頼関係作り、人間力を核とした組織力が問われる
のである。

 これからの専業プロ代理店は、付加価値業である以上、今後顧客の支持を獲得
し続けていくために一定の組織力が必要なことでは異論はあるまい(すなわち個
業での展開は無理という認識)が、それではどの程度のサイズを念頭に論じてい
るのかをみると、これが実は曖昧なのである。この『組織化』と相通じ、しばし
ば混乱して使われるのに『大型化』がある。これとて、どのようなイメージで用
いられているのかを明確に定義しておく必要がありそうである。
                             (中崎 章夫)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 アイリックコーポレーション、東京・大崎に新店舗オープン

◇全国で162店舗を展開
 全国で来店型保険ショップ「保険クリニック」を展開展開するアイリックコー
ポレーション(勝本竜二社長)は、3月1日に東京・品川区大崎の大崎ニューシテ
ィにニューデザインの保険ショップをオープンしたが、それに先立ち、28日に新
店舗についての記者会見を開催した。
 同社ではこれまで、直営店舗(15店)およびFC店あわせ161店舗を全国展開し
ているが、今回の新店舗は直営店で、162店舗目となる。
 
 当日の記者会見では、勝本社長が「今回の店舗は直営店として初のインナーシ
ョップで、これを機にブランドロゴも刷新した。大崎ニューシティは大きなター
ミナルではないが、地元の方々に広く利用されており、このショップが地域に根
付き愛される店にして行きたい」と語った。

 また、記者質問に応えて、最近の店舗の状況について「昨年7月以降、一時集
客が減少傾向にあったが、今年1月から増加傾向を示してきている。これは4月
からの予定利率改定などが、保険見直しのタイミングになっている結果だと思う」
さらに、来店型ショップについて「店舗数は増加しているが、まだまだ伸びる余
地があると見ている。現状でショップ全体では6〜7%程度のシェアと見ているが、
これが10%程度まで伸ばしていければ」とし、同社として今後、年間20店舗程度
の出店を目指す。

 なお、ライバル店との関係では、「当社は店舗拡大より、地域密着型の店舗戦
略をおり、お客様に選ばれる保険ショップNO1を目指すというコンセプトと比較
システム(「保険IQシステム」)による差別化が強み」としたほか、「今後、顧
客の生活に必要な情報の発信基地として、相談・提案や機能を充実して行きたい」
とした。

 また、新店舗をつとめる池田晶子氏(保険クリニック首都圏FP部長)は「これ
までの経験(本店および立川店の店長)を活かし、地元で愛される店舗にして行
きたい」と述べた。
                             (石井 秀樹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】海外レポート                      草笛 一郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ドイツで活発な保険会社比較メディア

 ドイツでは、保険会社の損害率や苦情頻度を比較して公表するメディアが発達
しており、消費者が保険会社を選ぶ際の情報源として重要な役割を果たしている。

 この国には、伝統的に商品や金融サービスの価格や品質を比較して、消費者に
情報を提供する雑誌メディアが発達していたが、近年はネットメディアの普及に
よって、その数や情報提供の頻度が大幅に増加した。

 この国の保険メディアの特徴は、保険料を比較するだけではなく、消費者から
の苦情件数など、ユニークな角度から保険会社にスポットライトを当てているこ
とだ。
 たとえば同国の保険業界で有名なマップ・レポートは、今年2月、生命保険会
社ごとに消費者からの苦情の件数を比較して公表した。
 この調査によると、2011年には2155人の市民が、金融サービス監督庁に生命保
険について苦情を寄せた。

 マップ・レポートによると、保険契約者10万人あたりの苦情件数が最も多かっ
たのはアステル保険会社で、11.99件。さらにハイデルベルガー生命保険会社が
8.58件、HDIゲアリング保険会社が8.06件と続いている。
 10万人あたりの苦情件数の業界全体の平均は4.35件なので、これらの保険会社
は平均を大幅に上回っている。

 逆に保険契約者10万人あたりの苦情件数が最も少なかったのがズュート・ドイ
ッチェ生命保険会社で0.25件。WGV生命保険会社の0.42件、ディアローグ保険
会社 の3.17件と続く。

 またドイツの保険メディアは、様々な種目の損害保険について、各保険会社の
コンバインド・レシオ(支払保険金と支払備金、さらに経費を収入保険料で割っ
た比率)を比較した統計も定期的に発表している。

 ドイツには546社の元受保険会社(生保・損保・疾病)がある。このため消費
者にとっては、保険会社や商品の選択は至難の業。このため各社のパフォーマン
スを比較する保険メディアは、今後ますます重要性を増すものと予想されている。
                      (在欧州金融ジャーナリスト)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】保険、一歩ずつ(27)                  栗山 泰史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 プロ代理店の力を考える(その3)

 「プロ代理店の力を考える」というテーマで、前回、「でんかのヤマグチ」と
「パナソニックショップ」を取り上げた。今回は、この二つのうち、パナソニッ
クショップについて、もう少し掘り下げてみたい。

 パナソニックショップは、以前は「ナショナル」の名を冠しており、松下電器
(現在はパナソニックに改称)の製品のみを扱う「ナショナルショップ」と他社
製品を併せて扱う「ナショナル店会」加盟店に二分されていた。「ナショナル店
会」は1993年に廃止され、現在は「パナソニックショップ」に一本化されている。
 ちなみに、松下電器産業は2008年10月1日にパナソニックに社名変更し、それ
まで使い続けた「ナショナル」から「パナソニック」へのブランドの変更を行っ
ている。これに伴うブランド戦略はあらゆる領域において徹底され、グループ各
社の社名変更はもとより、パナソニックショップの看板、シャッター、営業車な
ど、顧客の目に触れるすべてのところに青い文字の「Panasonic」が明示される
こととなり、商標も「Panasonic ideas for life」に統一された。
 
 パナソニックショップは、戦後、松下幸之助が電器店を一軒ごとに訪ね、「水
道哲学」と「共存共栄」の理念を説きながら松下製品の販売を依頼したところに
源流を認めることができる。
 「水道哲学」とは、高価な貴重品である電気製品を、水道水のように大量に潤
沢に供給することで、消費者が安い価格で簡単に手に入れることができるように
するという考え方である。幸之助は、電器店と松下の強固で血の通った連携によ
って、「水道哲学」と両者がともに儲かる「共存共栄」が実現することを強く訴
え、電器店の大きな共感を得ることができたのである。
 ウイキペディアの記述によれば、「生家が貧乏であるが故に小学校も満足に出
ていない苦労人という境遇であるにもかかわらず、持ち前の粘り強さを武器に社
長の幸之助自ら訪ね歩いては『我が松下の製品を一緒に売ろう』と誘う姿勢は多
くの店主達に共感を呼び起こし、これが今日における最大の地域電器店網を築く
原動力となっていった。」とされている。
 ここには、優れた「経営理念」が持つ普遍的な価値を感じることができる。お
そらく電器店の人たちにとって、松下は他のメーカーとはまったく異なる次元の
存在に見えたことであろう。この後、ナショナルショップとナショナル店会加盟
店は最盛期5万店に及ぶ日本最大の地域電器店のネットワークに成長する。

 ナショナルショップに翳りが見えるようになるのは、1980年代に入ってからで
ある。大型家電量販店が続々と登場し、90年代になってこれが郊外にまで展開し、
さらにカメラ量販店が家電分野に進出するようになり、地域電器店の売上高の大
幅な下落が顕著になっていく。そしてこれに拍車をかけたのが、店主の高齢化に
よる先進技術からの脱落と後継者難などの経営上の問題である。そして、このよ
うな状況は、ナショナルショップには「量販店優遇への不満」をもたらし、松下
電器には「売る努力のない甘え」と映り、両者の間に大きな溝を生み出すことと
なった。
 このような中、松下電器は中村邦夫社長の登場とともに、2000年11月30日、
「破壊と創造」をスローガンとする「創生21計画」を発表する。そしてこの計
画における重要な柱の一つが「国内家電営業体制の改革」であった。
 松下幸之助が掲げた「共存共栄」の下で、ナショナルショップは業績とは関係
なく一律に松下電器からの販売促進支援を受けていたが、その結果、売り上げの
増加に向かって努力する店と慢性的な赤字状態のまま松下電器からの支援によっ
て生きながらえている店に二極化するという現象が生じていた。創生21計画は、
この点に着目し、古くからのナショナルショップや松下電器OB、昔を知る社員
の反発にもかかわらず、徹底的に既存の体制にメスを入れるものとなったのであ
る。
 改革の一環として、松下電器は新たに「プロショップ制度」を発足させ、生き
残りをかけて厳しい道を選ぶ自立した販売店のみを支援し、「やる気がない店に
は、やめてもらうこともある」とのスタンスを明確にした。これは、すべてのナ
ショナルショップを大切にし、優しく守り続けるという従来の松下電器において
は決して見られなかったものであり、ナショナルショップにとっては衝撃的な変
化だったと言われている。
 こうした制度改革の下で「やる気のある店」のみが選別され、具体的な施策と
して、重点的に販売する商品に関する数値目標の設定、目標に到達した場合のリ
ベートの支給、店舗改装のための融資制度の新設、支店展開、人材募集、後継者
育成への支援等が実施された。
 また、販売戦略においては、長年の付き合いと経験で得た各顧客のライフスタ
イル・家族構成・経済状況等に合った商品の提案を個別に行うことを推進し、さ
らに、地域電気店の特性を生かすために遠方の顧客は極力減らし、近隣において
顧客を新規開拓することで販売量を拡大するというエリアマーケティングの考え
方を導入した。
 最盛期には5万店あったナショナルショップは、創生21計画による改革が開
始した2000年の時点で、量販店の拡大等の結果、既に1万8千店にまで数を減ら
していた。そしてその後、松下電器産業から社名を変えたパナソニックの主導の
下でさらに改革は進み、今、ナショナルショップの中で優良店と認定された「ス
ーパーパナソニックショップ」と称する地域電器店は約3千店である。
 かつては、パナソニック公式サイトには「ナショナル・パナソニックのおみせ
ホームページ」が設けられ、全国で2万店におよぶすべてのナショナルショップ
を都道府県単位で検索することができた。しかし、これは、2006年11月15日をも
って閉鎖され、今は優良店である「スーパーパナソニックショップ」のみを掲載
したサイトにリニューアルされている。これも一つの選別の表れと言えるであろ
う。
 このスーパーパナソニックショップのホームページを見ると、次のように書い
てある。
 「スーパーパナソニックショップとは、生活家電のことはもちろん、インター
ネットのこと、太陽光発電のこと、おうちのリフォームまで、なんでも相談でき
るあなたの街の『でんきやさん』です」

 地域電器店は、時代の流れの中で淘汰され廃業したもの、昔ながらのスタイル
から脱せずメーカーからの支援を受けることができずに細々と営業しているもの、
新たな活路をメーカーとともに見出し一定の支援を得ながら頑張っているもの、
そして、それらのずっと先に「でんかのヤマグチ」というスーパースターが存在
するのである。
 上に示した「スーパーパナソニックショップ」のロゴは、「でんかのヤマグチ」
の「あなたの街のでんきやさん!!でんかのヤマグチはトンデ行きます!!」と
よく似ている。しかし、やはり「スーパーパナソニックショップ」は「でんかの
ヤマグチ」のようなスーパースターではないように思える。
 次回、もう一度、「でんかのヤマグチ」に触れながら「プロ代理店の力」につ
いて論を進めていきたい。
                 (日本損害保険協会 常務理事)文責個人

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(12)         尾庭 恵子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 『その問題点の本質は何でしょうか?』

 先日、公開コンサルテーションで、ビジネスについて学ぶ場がありました。わ
たしが欲しかった答えも手に入りましたが、一番の学びはそのリーダーの考え方、
プロセスを、間近でみれたことです。

 次々と持ちかけられるあらゆる課題やテーマに対して、ただその物事にある事
実をシンプルにみる。きわめてニュートラルなポジションで、その中にある本質
だけをシンプルにみる。その思考のプロセスが、何よりの学びでした。
 おしごとをしていると、いろんな課題が目の前に現れます。その都度、自分で
自分に質問をして、事実を、本質をシンプルにとらえることができたら、どんな
問題でもクリアしていけそうです。極めて客観的に。できるだけニュートラルに。
物事をシンプルに。

 たとえば、そのリーダーにある人が尋ねました。「わたしのことをどこかの会
社に紹介するとしたら、どう紹介してくれますか?」彼女はそのリーダーからみ
た自分の強みを知りたかったのだと思います。が、リーダーの答は、「・・・。」
即座に紹介できない。そのこと自体が問題で、普段から、どう紹介されたいか、
ということを意識して、メールニュースを流すなり、自己紹介をするなり、アウ
トプットをする必要があるね、ということでした。とってつけたような紹介をす
ることはできたと思いますが、あえてそうせずに、その奥にある本質をしっかり
と考えさせてくれた、一例です。キャッチコピーというよりも、お客様が使う言
葉、会話で使われる言葉で、紹介されたいフレーズを日ごろから意識する事。ど
んなお仕事でも、口コミを起こすには、大事なポイントですね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでもお役に立ててい
ると嬉しいです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【感動経営のための質問】
 「その問題点の本質は何でしょうか。」

この質問を、ぜひご自身に問いかけてみてください。何か気づいたことがあれば、
是非、行動にしてみてください。気づくことも大事ですが、行動することがもっ
と大事です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (I・NEST有限会社・取締役企業研修講師 魔法の質問認定講師 フロー
マネジメントインストラクター)
http://www.inest.co.jp/
http://www.facebook.com/keiko.oniwa

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】「ごまめの歯ぎしり」(68)               森田 直子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 目で見て口に出す

 昨年のロンドン五輪でボクシング男子ミドル級の金メダリストとなった村田諒
太氏、彼が金メダルを取る原動力となったものに、彼の妻が「金メダルをとりま
した。ありがとうございます」という紙を2年前から冷蔵庫に貼って、夫をその
気にさせたという逸話があることは、すでに大勢の人が知っていると思う。

 村田氏のインタビュー記事などを見ると、彼本人は小心者でネガティブ思考の
人間とのことだが、妻や義母が非常にポジティブで明るい性格らしく、義理の母
が読んだ本に「夢や目標は過去形にして紙に書き貼り付けておくと叶いやすくな
る」とあったという話を聞き、妻が早速その通りにしたそうである。そして冷蔵
庫に貼るというのがなんとも素晴らしい。一般家庭において、誰でも必ず見る可
能性が高い場所は、冷蔵庫なのだから。

 村田自身も、その張り紙を見て最初は戸惑ったようだが、毎日見ているうちに
「その気になった」とのこと。

 若いころの私は、実はこの手のことにはかなり懐疑的な思いを持っていた。な
にやら非科学的だと思えたからである。

 しかし今ではこれには明確な効果があると思っている。その理由は、毎日目で
見たり声に出したりすることによって、人は自動的にその内容を脳に刷り込まれ
ることになり、無意識のうちにその目標を強く意識することになる。すると「ど
うすればそうなれるのか」ということを具体的に考えたり、そのための努力や工
夫を実行に移す機会が増えることになる。だから夢や目標は、紙に書いて目で見
えるようにしたり声に出したりする方が、実現する確率が高くなる――、という
ように、非常に理論的で科学的な理由があるからだ。

 私自身も今まで様々な経験をする中で、紙に書き口に出した目標は、何故か叶
うことの方が多い。それは上記のような理論的で科学的な理由によるものだと思
う。

 ただ、色々経験してきて思うに、夢や目標を実現するには、理論とは別の、ち
ょっと不思議な力も働いているのではないかということも実は思っている。保険
営業をしていて、目標まであと一件というような締切間際の時期に、思いもよら
ぬ人から保険の契約が取れる経験を何度かしているが、それは最後まで必死に諦
めずにいる時の方が起こりやすい。どうしてなのかはわからないが「強く願い意
識する」という行為には、理論や科学だけでなく、別の力も同時に働きだす効果
があるのではないか。「運を引き寄せる」という言葉があるが、それに近い。

 実は、ボクシングの村田も金メダルを取るに至った理由の一番は「運」である
と言っている。・・・わかるような気がする。

 企業でも、社訓や企業の方針や目標などを、朝礼で毎朝読み上げたりする所も
あると思う。これには理論的で科学的な効果にプラスして、運を引き寄せるパワ
ーを秘めていると私は思う。あらためて意識して頂き、是非、思いを込めて読み
上げてほしい。
    ((有)エヌワンエージェンシー代表取締役・インスウオッチ編集人)
http://www.n1agency.com/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■inswatch facebook club   comment@inswatch    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカ
ウントをお持ちののinswatchの読者であれば、どなたでも参加できます。ご希望
の方は以下にアクセスして、≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中!
http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm
 *お申込みはコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 先週は関東地方で春一番が吹いた。そのせいか、お酒のせいかわからないが、
たまたま川崎で仲間と飲む機会があり、帰りの電車(南部線)で爆睡。乗り換え
駅を過ぎ気がついた時には立川近くまで来てしまっているではないか。電車の乗
り過ごしは度々あったが、このところかなり飲んでもきちっと自宅のある駅で降
りていた(自慢じゃない)のだが、久しぶりの乗り過ごしとなった。春一番とい
えば、もともとの語源が安政6年に長崎県・壱岐で漁師が強い南風によって船が
転覆、死者を出し、この風が「春一番」と呼ばれたことに由来するという。もと
もと転覆や漂流が語源なら、乗った電車がどこえ行こうが風まかせ、決してお酒
に酔ったせいではない、と思ってもこんな屁理屈がかみさんに通用するわけでも
ない。(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 松戸東倫理法人会と町会共催で、年2回20名ほどが参加し手作り味噌教室が開
催されている。主催者側で懇意にしている地元代理店の方にお誘いいただき平成
22年3月の初回と平成23年11月に参加し、今回で3度目だ。最近では子供も「市販
ものとは違い独特のコクや旨味がある」とニクイことを言って当てにしてくれて
おり、消費ペースの上がり、少なくとも1年半間隔で作る必要が出てきたのだ。
茨城県結城市で麹味噌醸造(つむぎみそ)を営む秋葉さんに出張・指導してもら
っての『手前味噌』教室であるが、午前10時から約2時間で、参加者それぞれが、
8.5キロの味噌を仕込む段取りで、自宅に樽ごと持ち帰り、発酵・熟成させ早け
れば晩秋には食べることも可能というものだ。内では重しには3キロのダンベル
をビニール袋に入れ使っている。大豆(つるのこ大豆)を煮て潰す作業と煮汁そし
て米麹や塩、容器など材料のすべては下準備されており、参加者はエプロン一つ
で、いわば、それを麹と塩とで混ぜ合わ練り込むという一番美味しいところだけ
自分たちでするという何ともありがたい仕込みスタイルである。実際の手順は、
用意された大きなボールに麹を細かく砕き、天日塩とよく混ぜ合わせ、これに煮
て伸ばし塊状になった大豆と一緒にし、煮汁をかけ、斬り畳むように何回か重ね
た後、今度は何度も手のひらで力一杯伸ばし混ぜ捏ねていくのだ。色は違うがハ
ンバークをつくる際の、ひき肉や玉ねぎをよくこねるのに似ている。よく練ると
ねっとりしてくる。これを大きな団子状に丸め、プラスチック樽の底めがけ次々
と投げ入れ、空気が入らないように均し重ねていく。最後に表面のヘリに沿って
塩を一つまみふりかけ蓋をし持ち運べるようにベンツのマークのような縛り方を
教わり、完成だ。この後、参加者全員で、弁当とともに、味噌汁や甘酒、麹に漬
けた白菜やナスの味噌漬け、煮大豆などを食べ談笑にふける。青空、手前味噌作
りは何とも充実したひとときであった。(中、91.7 29.9 100)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
(1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。
(2)ご入力後、確認メールが届きます。
(3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。
(4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。
ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア
クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード
を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。
http://www.inswatch.co.jp/
【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】
◆ユーザー名:2013mar
◆パスワード:r09u88 (アール,ゼロ,キュウ,ユー,ハチ,ハチ)
(いずれも、半角小文字の英数字です)

▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.657(2013.03.04)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
  URL  http://www.inswatch.co.jp
  お問合せ info@inswatch.co.jp
  投稿先  reader@inswatch.co.jp
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-2-25 19:13:39 (1192 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.656

===============================================Vol.656 2013.02.25=======

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い■  締切りが迫りました!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今月末(2月28日)が締切りです。まだの方はご回答よろしくお願いします。
アンケートにご回答頂いた全員に、もれなく、1日5分で付けられる超簡単営業
日報(エクセル版)を差し上げます。
 インスウオッチでは、様々な機会を通じて専業代理店向けに経営診断サービス
を提供してまいりました。現在その過程で蓄積したノウハウやデータを活用した、
WEBを使ったリアルタイム診断サービスを開発中です。
 これに関連して、より良い診断サービスを目指すために、専業代理店の経営管
理に関するアンケートを実施いたします。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご協
力のほどよろしくお願いします。
 アンケートのご回答はコチラから>>>      http://bit.ly/X1IfPz 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =改めて「オープン家業」を考える=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =生保各社の平成24年度第3四半期業績=
【2】最近の米国の保険流通動向                野田 節子
     =テクノロジー活用;SNS、在宅勤務=
【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(59)     行木  隆
     =「保険代理店のBCPについて考える(5)」=
【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
     =生保各社の保険料政策の違い=
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(18) 村田  稔
     =「どんな荒れ狂う嵐の日にも時間はたつのだ」
        〜サブマネージャーの役割〜=
 ■ 専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い   インスウオッチ
 ■ inswatch facebook club comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ                           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 改めて「オープン家業」を考える

 専業代理店問題を考える際に避けて通れないのは「家業」をどのように位置づ
けるかである。かっこよい言い回しに『家業から企業への脱却』というスローガ
ンがある。筆者もかつてこの言葉に酔いしれ、実際かなり使ったものだが、今、
果たしてそうか、という思い、正確にいえば反省がある。

 というのもこの10年、20年の代理店の在り方をつぶさに見ると、さすがに1、2
名の個業や家族のみで営む代理店はかなり少なくなり、5名〜10名の陣容で営む
代理店がかなり増え、中には数十名単位で展開する代理店も出てきているからだ。
生保主体の来店型ショップを営む事業体には100名以上、最大では2000名規模の
ところも出てきている等、業態転換を図ったところもあるが、専業プロ代理店の
業態では、規模の大小の差こそあれ、業態モデルとしては相似形をなしているよ
うな気がしてならない。筆者が専業代理店の基本ユニット構成を5名単位とする
のはその倍数構成でプロ代理店業態をひとくくりできると思うからである。

 これからの代理店事業モデルを考えると、事業としての方向性、理念を明確に
し、それをメンバー全員が共有し、顧客の支持を獲得し、成長・発展させてゆく
仕組みが不可欠であるが、その核になるのは、新たな時代対応を図る仕掛けを持
った「家業」なのかもしれない。もちろん、いわゆる現代的な核家族社会の下で、
事業を継続させていくことは今日的困難が伴う。事業の維持継続にあたり、各地
の専業プロ代理店を見ていると、バトンタッチのむずかしさを痛感させられる。

 保険会社も、継続困難な代理店の受け皿機能のために直資代理店ネットワーク
作りに余念がないが、代理店事業者にとっては後継問題で万策尽きた場合の選択
肢の一つではあっても、本来は、個々の経営者(店主)とて自主独立の事業家精神
の火を消したくないのは言うまでもなかろう。

 実際、多くの専業代理店とお付き合いをしていると、意欲的に組織展開する事
業体の多くが、依然として「家業」モデルなのに驚く。優積入賞者の中にもこう
したタイプが圧倒的である。如何してそれだけがんばれるのであろうか。
 それは時代とともに家業の中身が変わり、家族を核としつつも、他人を積極的
に雇い入れ、また家業としての色合いを薄め、オープンスタンスな事業体に広げ
て変質を遂げているからである。

 こうした他人を積極的に雇い入れた展開を『オープン家業』と筆者は命名して、
今後のスモールビジネスモデルの基本ユニットとしている。もちろん他人同士で
構成される普通の企業を排除するものではないが、代理店の多くが強い顧客への
思いを持って、立ち上げてきた経緯からして、その思いを困難に打ち勝ちながら
共有し、継続発展させていく上で、疑似家族=ファミリー主義の展開が無理がな
いように思われる。変化激しい時世となったが、顧客満足とともに従業員満足を
高める、顧客も従業員も家族と同じに大切に扱う精神が改めて重要な気がする。

 家業から企業と一足飛びに無味無臭の普通の『企業』論を訳知り顔に振り回す
のではなく、人間で成り立つ商売ゆえに、人づくりという観点から、改めて『オ
ープン家業』のダイナミズムについてスモールビジネスモデルともども検討して
みる必要があるのではないか。
                             (中崎 章夫)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 生保各社の平成24年度第3四半期業績

◇依然、銀行窓販の影響大きい主要生保
 生命保険各社の平成24年度第3四半期の業績が判明した。国内生保14社の業績
は全体的には順調となったが、引き続き銀行窓販の影響が業績に反映しているの
が特長だ。

 特に前年同期に銀行窓版を抑制していた住友生命は、今期窓販を拡大したこと
から新契約年換算保険料、保険料等収入ともに二桁の伸びとなった。また定額年
金や学資保険の銀行での取扱いを拡大した太陽生命も新契約、年換算保険料が前
期に比べアップした。
 銀行窓販を軸に展開する第一フロンティア生命、T&Dフィナンシャル生命も業
績を順調に伸ばし、それぞれのグループ業績に貢献している。
 これに対し前年度に銀行窓販を大きく伸ばした明治安田生命は、今年度販売を
抑制した結果、新契約高が前年同期に比べ半減、新契約年換算保険料、保険料等
収入も3割以上の減少、同じく、銀行窓版を抑制したフコクしんらい生命も同様
に減少となるなど、銀行窓販売が明暗を分けた形だ。

 その他の主要生保では、やはり銀行窓販売を抑制した日本生命、第一生命、明
治安田生命、富国生命がともに保険料等収入が減少、特に日本生命は保有契約の
減少もあり前年同期比7.5%の減となったほか、基礎利益も同5.4%減少した。基
礎利益が減少となった生保は日本生命、明治安田生命、大同生命、朝日生命、三
井生命の5社(オリックス生命は89億円の赤字)。

◇銀行窓販、第3分野商品で業績好調な外資系生保
 一方、国内生保が銀行窓販如何で業績にバラツキが見られるのに対し、外資系
生保は銀行窓販売も含め総じて好調な業績となった。新契約高ではジブラルタ生
命、チュリッヒ生命が前年同期を下回ったものの、7社が前年同期比プラス。特
にアフラック、プルデンシャル生命、アイエヌジー生命、マニュライフ生命の4
社が大きな伸びを示した。また、保険料等収入では、チュリッヒ生命を除く全社
が前年同期を大幅に上回っている。

 各社別では、アフラックは金融機関での終身保険「WAYS」の販売や引受基準緩
和型商品「もっとやさしいEVR」(12年6月発売)」が順調な売れ行きとなったこ
とが要因で業績を伸ばした。アイエヌジー生命も法人向け事業保険の代理店販売
に加え、金融機関での変額年金、低解約返戻金型の一時払終身入院保険などを積
極販売に販売が功を奏し、新契約高、保険料等収入、基礎利益のいずれも大幅増
加となった。

 また、メットライフアリコも銀行での積立利率連動型終身さらにダイレクトマ
ーケティングによる平準払商品(医療・がん・終身)の販売を拡大するなど、銀
行窓販売が新契約高。保険料等収入の伸びにつながった。アクサ生命は限定告知
型終身医療保険および先進医療給付特約が順調な売れ行きを示した。同社では1
月に年金給付総額保障型の変額年金を金融機関で発売、2月からは企業向けに定
期保険「就業不能保障プラン」を発売するなど、銀行チャネルや法人市場への取
り組み強化を図っている。

◇グループ化の中で存在感高まる子生保
 損保系生保は損保本業の収益が悪化する中で、今後の収益の柱として期待され
ている。新契約高ではNKSJひまわり生命が前年同期比減少したが、他各社とも二
桁の伸びと順調に推移している。
 なかでも東京海上あんしん生命は、各指標(新契約、年換算保険料、保険料等
収入、基礎利益)で前年同期を大幅に上回った。同社では今年度は、新商品「家
計保障定期保険 就業不能保障プラン」、1月からは新しいコンセプトに基づく
医療保険新商品「メディカルKit R」を発売するなど積極的な展開が目立つ。

 三井住友あいおい生命は、保有契約の増加で保険料等収入が前年同期比7.2%
増加、また、合併後初の商品として、12月から「終身介護保障特約」を発売した。
これは第3四半期業績には反映していないが順調な売れ行き。
 NKSJひまわり生命は昨年10月には保有契約件数が300万件を突破、保険料等収
入の堅調な伸びにつながり、基礎利益も前年同期3億円から93億円と大幅な伸び
となった。
 富士生命は上期に介護商品を発売したが、第三分野商品が好調で、新契約高、
年換算保険料、保険料等収入がそれぞれ二桁の伸びとなった。同社は4月1日か
ら社名をAIG富士生命に変更、グループ強化を図っていく。

◇保有件数、着実な伸び示す新規生保
 ライフネット生命が新契約高(死亡保障合計)、新契約年換算保険料は前年同
期比減少したが、保有契約件数の増加から保険料等収入が前年同期比64.4%増と
なった。同社では2月に保有契約件数が16万件を突破、また、提携プランナーに
よる保険募集も開始している。

 ネット専門会社のネクスティア生命も新契約高、新契約年換算保険料は減少し
たが、保有契約件数の着実な伸びから保険料等収入が、前年同期比37.1%増と
なった。なお、同社は5月14日から社名を「アクサダイレクト生命」に変更、ネ
ット専業生命としてのブランドアップを目指す。社名変更では昨年10月に楽天グ
ループの一員となったアイリオ生命が4月から「楽天生命」としてスタートする。
 また、メディケア生命は4月に300億円の増資(住友生命引受)を行い、チャネ
ル多様化へ対応するための財務基盤を強化していくなど、それぞれ新たな段階に
入ってきており、注目されるところだ。
                             (石井 秀樹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】最近の米国の保険流通動向                野田 節子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 テクノロジー活用;SNS、在宅勤務

 活躍している若い経営者の話しを聞く機会があった。彼らの経営戦略で気づい
たことが二点ある。一つはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス;フ
ァイスブックやリンクトイン)の利用を含むオンライン・マーケティング、一つ
は在宅勤務である。

 例その1)JDC保険グループのキャス氏は自身を「ソーシャル・スーナー」と呼
ぶ。早くからSNSを利用してきた世代を表す用語である。IIABAのヤング・エージ
ェント委員会の会長であり、且つ、テクノロジー委員会に活発に関わり、ペーパ
ーレスやリアルタイムを推進するキャス氏は、「SNSは顧客との関係構築に大い
に貢献する」と言う。実際、JDC保険グループは先日、SNSでの交流から19件の顧
客紹介を受け、最終的に11件を成約することができた。   

 例その2)VRP保険のピーシェ氏はオンライン・マーケティングを行っている。
氏は昔はインターネットを通じてアクセスしてくる顧客を信頼していなかった。
オンラインで保険ショッピングをする顧客は、リスクの高い顧客であったからだ。
しかし、今は、むしろ積極的にインターネットで顧客を引き付けている。受身で
はなく、顧客と交信することによってである。2012年、SNSの利用によって良質
の契約を獲得することができて以来、SNSに対する見方が変わった。更に、顧客
の求める方法(電子メールまたは電話)で交信すべきだということを早い内に悟
った。きっかけは、若い起業家の保険を成約したことである。その起業家は、最
初のミーティング後は電話をするといつも留守電であった。しかし、伝言を残す
とすぐにテキスト・メッセージが戻ってきた;『ご用件は何ですか?』と。以来、
その起業家との交信はすべてテキスト・メッセージによるものであり、最終的に
成約した。その時、ピーシェ氏は新しい種類の顧客に出会ったことを知った。長
年、電話で取引を行い、それに慣れていたが、“顧客の求める方法で交信しなけ
ればならない”ことを認識したのである。

 SNSの使い方を知らなかったピーシェ氏は電気店でアルバイトをしていた大学
生を雇った。彼女はVRP保険のオンライン戦略を構築し、スタッフを指導した。
おかげで同社のスタッフ全員がSNSを利用できるようになった。SNSを利用するよ
うになって以来、友人、知人、既存客との交流が変った。彼らとの交流は以前よ
り打ち解けたものになった。そしてこれらの交流が販売機会を提供してくれるこ
ともわかった。

 例その3)インデムナス社もオンライン・マーケティングで業績を伸ばしてい
る。アイオワ州の田舎町に拠点を置くが、オンライン・マーケティングによって、
顧客は全米に散らばっている。過去4年間の成長はオンライン・マーケティング
のみに依るものである。この不景気の時期に、毎年二桁の増収率をあげている。
経営者の一人、デイビス氏のオンライン・マーケティング手法の効果を知った他
社がアドバイスを求めてくるようになった。そこでオンライン・マーケティング
についてのコンサルティング会社を立ち上げた。そして、保険営業に加え、他の
エージェンシーや保険会社に、オンライン・マーケティングのアドバイスの提供
している。

 これら三社に共通するのが在宅勤務者の利用である。外部委託という概念は新
しくない。しかし、この2、3年間、テクノロジーのおかげで外部委託は改善され
た。インターネット、コンピュータ電話、その他最新機器のおかげで、顧客対応
から経理業務まで遠隔で行うことができるようになった。米国のエージェンシー
は、他州のみならず、海外−中国やインド−にも外部委託している。コストを抑
え、顧客サービス効率化のためである。

 JDC保険は昨年、ウェイブ社(Work at Home Vintage Employees=優良在宅勤
務社員手配会社)を通じて遠隔で仕事をするCSR三人を採用した。これらCSRの業
務量や質は、事務所にいるCSRと全く変らないう。違いは、これら三人は他州に
住んでいるということだけである。

 この在宅勤務社員手配会社、ウェイブ社はIIABAニューヨーク協会の会長を務
めたことのあるシャロン・エメク氏が立ち上げた会社である。彼女自身、エージ
ェンシー経営者として優秀な人材を見つけることの難しさを認識していた。また、
寿命が延びたことや引退時期を過ぎても働くことを望む業界経験者がいることに
も思い至っていた。そこからウェイブ社設立のアイデアを得た。定年退職するベ
ービーブーム世代を、在宅、遠隔雇用しようと思ったのである。

 引退したベイビーブーム世代は、もはやオフィスで働くことは望まない。しか
し、自宅で、週2、3日働くことによる報酬をありがたいと思っている。景気後退
の結果、401(k)プランなど、年金の支給額だけに頼っていはいられないからであ
る。このウェイブ社のサービス−定年退職者による在宅勤務−のニーズは高まっ
ている。

 このように、テクノロジーに強い若い経営者は、SNSを活用してマーケティン
グを行い、オンラインを活用して、引退した業界専門家に業務を委託し、コスト
抑制と、高生産性を達成しているのである。
               (SGN Pacific Insurance Brokerage, Inc.)
http://www.sgnpacific.com mailto:info@sgnpacific.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(59)     行木  隆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「保険代理店のBCPについて考える(5)」

 前回は、社員との家族で決めている行動計画について話し合うことについて触
れました。今回は実際のBCPの策定について、基本方針の策定、早期復旧させる
べき中核事業と重要業務の選定とその目標復旧時間の設定について触れます。

 BCPの策定は、基本方針の策定から始まります。策定するにあたって、第一に
役員や社員の人命の安全を確保して継続的な雇用が図れること、お客様への対応
を可能な限り早く行ってお客様に早期に安心していただき相談や保険金の支払い
をスムーズに行うこと、保険会社などの取引先や地域社会との連携を行い地域に
貢献することなどの目的を決めます。

 そして、事業の活動が停止すると実際に何が起きるのか、周りにどのような影
響を及ぼすのか、役員・社員の身の安全をどう確保するのか、お客様や取引先は
有事の際に会社に対して何を期待するのかなどを確認・検討し策定します。営業
や事務など各責任者などでチームを作って議論するとより実現性のあるものにな
ると共にBCPに対する意識を高めることができます。

 事業所がある地域での想定される地震などのリスク、BCP策定のスケジュール
なども決めていきます。想定されるリスクについては、各県のHPなどに防災情報
などがあるので確認してみるとよいと思います。

 基本方針が決まると、今度は有事の際の限られた資源を必要なものに集中させ
るために自社の存続に関わる業務を挙げ、中核事業を選定します。保険代理店の
場合、保険販売代理事業となりますが、その中でも法人と個人といった顧客別や
契約保険種類による顧客別、取り扱い保険料や保険金額に応じた顧客別などいく
つかに分類できるかと思います。その中で自社における影響度、社会的影響度な
ど評価基準を設けて評価します。

 中核事業においては、止めることができない業務、早期に復旧すべき重要業務
を選定しておく必要があります。

 そして、その重要業務の中でも遂行が困難になる可能性のある業務とそうでな
い業務に分け、業務の遂行ができる為の方策を考えます。また、お客様の安否確
認など有事の際に新たに発生するであろう業務についても一緒に考えていきます。

 次に目標とする復旧時間を決めていきます。これは、具体的な対策を練るため
のベースとなるものです。

 東日本大震災で被災した保険代理店では、有事の際のお客様との接点について、
1週間以内には何かしらのコンタクトをとれた方がよいということを聞きました。
そのようなことを考慮し目標復旧時間を設定してきます。

 これらの作業で決めたものを保険会社などの取引先やお客様と共有することで、
協力が得られたり、安心感を与えることに繋がっていくのではいかと思います。
                      (株式会社KABTO 代表取締役)
http://www.kabto.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 生保各社の保険料政策の違い

 さて、ここのところ毎月生保の予定利率の引き下げの話をしています。
 先月は日生の、責任準備金計算用の予定利率は引き下げるけれど保険料計算用
の予定利率は引き下げない、という対応について書きましたが、今度は住友生命
が、責任準備金計算用の予定利率の引き下げに伴い保険料計算用の予定利率は引
き下げるけれど、その他の予定率を変更して保険料の引き上げではなく保険料の
引き下げをする、という発表をしています。とはいえすべての保険種類でこのよ
うなことは不可能ですからごく一部の、とはいえ主力の商品と思われるものの保
険料を引き下げる、ということのようです。その他の商品については保険料の引
き上げ、ということになります。一部の商品であっても他社が保険料を高くする
時に保険料を安くする、というのはなかなか宣伝効果がありそうです。

 今週の金曜日からはもうすでに3月になります。いよいよ決算の最終月です。
各社の12月末の第3四半期報告も発表されていますが、今のところまだそれほど
大きな動きもないように思えます。先の総選挙での自民党の大勝を受け、とりあ
えず株は上がっており、為替もかなりの円安になっています。とはいえ長期金利
はまだまだ低いままで推移していますから生保をはじめ金融機関の決算にとって
は一番都合のいい状況です。
 安倍さんの訪米もうまくいったようで、当面は野党も与党の足を引っ張ること
ができずにいるしかなさそうですね。

 社団法人・財団法人のいわゆる公益法人の共済を、新しい一般社団法人・財団
法人あるいは公益社団法人・財団法人に移行した後も継続して続けるための認可
特定保険業者の認可申請も、中断なく営業を続けるための認可の期限は来月(3
月)中です。認可特定保険業者になる業者がどれくらいあるのか現状がまるでわ
かりませんが、少額短期保険業者の時のことを考えると、なんとか滑り込みセー
フになることを目指して多分最後の折衝が続いていることと思います。
 公益法人ではない、いわゆる無認可共済が一般社団法人を新たに作って認可特
定保険業者になって共済を続ける、というケースも実際どれくらいの数になるの
か、興味があります。

 アイリオ生命が4月から楽天生命に名前を変える、ということのようです。名
前を変えて、いよいよ楽天が本格的に生命保険をやる、ということでしょうか、
あるいは楽天の子会社にはなったものの経営は今までどおり、ということでしょ
うか。多分4月以降、答が出てくるんでしょうね。
        (生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(18) 村田  稔
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「どんな荒れ狂う嵐の日にも時間はたつのだ」(第一幕 第三場)
                〜サブマネージャーの役割〜

 マネージャーが考慮すべきリスクマネージメントの重要項目として、起きよう
とする災害、起きた災害、起きてしまった災害に、適切にまた迅速に対応するこ
とが挙げられます。

 これから起きようとする自然災害の台風(嵐)を例にすれば、事前に来ること
がある程度、予想できますから、台風が通過するまで、被害が起きないように準
備することが出来ます。
 そして台風の通過後に、工場などに被害があれば、BCPで想定した対処を実
行し、一日でも早い復旧を図らなければなりません。

 この復旧にあたり、物損は資材の調達などで、ある程度、復旧期間を計画する
ことが出来ますが、人的損害が起こった場合は容易ではありません。

 特に、この人的損害が、会社関係者ではない第三者に起こった場合なのであれ
ば、なおさら、その対応は正確に、そして慎重に行う必要があります。トップの
不注意な発言で、大手乳業会社が事実上無くってしまいましたし、会社が災害に
あった場合の広報は、重要なリスクマネージメントを実践する最前線に位置する
ことになります。

 上場企業の場合は、IR(投資家対応)部署がありますので、重要な情報をか
ならず開示しなければなりません。IRでの開示項目の中には、経営に関するリ
スクがありますし、災害対策、BCPの具体的な構築を行っている会社が増えて
きています。

 しかし、IR部署をもたない多くの会社は、経営者がIRのトップです。何か
有事の際に、必要な情報が経営者に伝わらないと迅速、適切な行動を起こすこと
は出来ません。日ごろから現場で起きていることを把握しておかなければ、そう
した有事の際に適切な行動をとることは難しいでしょう。

 これは言うは易く、行うは難しの典型例で、なかなか現場の情報を詳細に把握
することは、日常的に心がけていたとしても実践は難しいです。経営者も生身の
人間ですし、そこで、有事における対応は、会社が小さな規模であったとしても、
サブマネージャーを事前に選んでおき、現場の情報収集を行ってもらうのが、現
実的な対策でしょう。

 多くの場合は、総務部長がその任を行いますが、実はメーカーであれば製造責
任者、サービス業(第三次産業)であれば、文字通りマネージャーがその任を遂
行できる環境にいます。
 なぜならば会社の形態によりますが、現場の長が有事の際に指導、行動を起こ
せるようにしておくことが重要です。

 実はBCP導入の効用のひとつは、中間管理職、若手に経営者意識をもたせる
ことがあります。BCPは会社の有事の際の行動を想定することですから、経営
への参加意識につながります。必然的に管理職養成プログラムとなり、会社の将
来への投資にもなりうるのです。

 BCPは災害対策のひとつとして理解されていますが、上記に述べた効用は小
さくなく、会社の未来塾でもあるのです。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■inswatch facebook club   comment@inswatch    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカ
ウントをお持ちののinswatchの読者であれば、どなたでも参加できます。ご希望
の方は以下にアクセスして、≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中!
http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm
 *お申込みはコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 青森や山形、新潟など日本海に面した地方では、まだ記録的な大雪だというの
に、東京地方はなんとなく春めいてきた。先週末には街路樹のプラタナスが薄緑
色の芽が吹き出し、事務所裏の神田カトリック教会では結婚式が行なわれていた。
寒いとどうしても事務所近くで昼飯を済ますことになるのだが、少し暖かくなる
と足を伸ばそうという気分になる。そんな気分の時は、なんといってもナポリタ
ン・スパゲティということで、学生時代時間を過ごしたレンガ造りの古い店が集
まる一角にあるラドリオという落ち着いた店に入った。スパゲティは普通の喫茶
店で出されるものと変りはないが、その後のウインナーコーヒーが特別。もとも
と日本で初めてウィンナーコーヒーを出したのが自慢という店だけあって、カッ
プのコーヒーの上に山盛りのクリーム。飲み終えるとクリームがカップの底に残
るのではないかと思うのだが、不思議に飲み終えたカップの底はきれいで、青春
の想いとともに消え去る。あ、春だ。(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 宮崎に行ってきた。地元の代理店のみなさんとの夜の交流も進み、芋焼酎のお
湯割りをどれほど飲んだか、最後に、美味しい焼鳥屋があると言うので、連れて
行ってくれたのが元祖焼き鳥丸万本店。10時過ぎの来店にもかかわらず1階のカ
ウンター席は満員、2階の座敷にあがる。皆でビールを飲んで待つことしばし。
この店の看板商品骨付きの地鶏もも焼き(1,100円)が、食べやすいように切って
銀の楕円の皿に乗せて出てきた。これに鳥のスープと生のきゅうりが添えられた
シンプルな構成だが、実に心憎い取り合わせである。早速、モモ焼きを口に運ぶ。
塩味の身で整えられた至ってシンプルな味付け、とっつきは幾分堅め、歯ごたえ
は抜群、強力な炭火の火力で一気に焼き上げたためか、香ばしくかつアツアツで、
周りカリカリ、噛むほどにジュワーッと肉のエキスがしみ出してきて、たまりま
せん。一通り平らげると最後は骨についた肉まで愛おしくしゃぶりまくるほどで
あった。地鶏料理は今やどこの居酒屋などでも見かけるメニューだが、同じ地鶏
料理かと思わせてくれるほどの感動が襲って目はウルウル、酔っ払った頭にガツ
ンと一撃食らわされたほどの衝撃であった。丸万のモモ焼きおそるべし、掛け値
なしに美味かったのであった。この後さらにおいしい馴染みの焼きソバ屋がある
と言ってさらに食べに行かれた方々もいたが流石に自重し宿へ、鶏肉は体に優し
く安心して食べられるとのおまじないを唱えつつ。(中、92.8 31.1 102)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
(1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。
(2)ご入力後、確認メールが届きます。
(3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。
(4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。
ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア
クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード
を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。
http://www.inswatch.co.jp/
【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】
◆ユーザー名:2013feb
◆パスワード:jf26m2 (ジェイ,エフ,ニ,ロク,エム,ニ)
(いずれも、半角小文字の英数字です)
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.656(2013.02.25)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
  URL  http://www.inswatch.co.jp
  お問合せ info@inswatch.co.jp
  投稿先  reader@inswatch.co.jp
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-2-19 10:38:56 (1053 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.655

===============================================Vol.655 2013.02.18=======

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い■    インスウオッチ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 アンケートにご回答頂いた全員に、もれなく、1日5分で付けられる超簡単営
業日報(エクセル版)を差し上げます。
 インスウオッチでは、様々な機会を通じて専業代理店向けに経営診断サービス
を提供してまいりました。現在その過程で蓄積したノウハウやデータを活用した、
WEBを使ったリアルタイム診断サービスを開発中です。
 これに関連して、より良い診断サービスを目指すために、専業代理店の経営管
理に関するアンケートを実施いたします。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご協
力のほどよろしくお願いします。
 アンケートのご回答はコチラから>>>      http://bit.ly/X1IfPz 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =バトンタッチ=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =「金融審ワーキング・グループ」詰めの段階へ=
【2】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(34)   安東 邦彦
     =平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(3)=
【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(65)        宮地 幸江
     =ストレスのない楽しい営業=
【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(37)        土`川 尚己
     =スタッフの能力をもっと上げるには=
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(17) 村田  稔
     =イマジネーションの訓練=

 ■ 専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い   インスウオッチ
 ■ inswatch facebook club comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ                           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 バトンタッチ

 代理店の方々を見ていると、中小事業体特有の悩みが透けて見える。中でも人
で成り立つ商売であるという性格からか、代替わりのリスクは大きなものがある。

 事業を継続するためにはその事業の理念が明確で、しかも顧客基盤をスムーズ
に継承できる環境づくりが不可欠である。小規模な事業体では、家業での展開が
多いのが現状で、規模は大きくなったとしても、それ自体は今後も変わるまいが、
問題は経営の在り方が、ともすると個人プレーに走るカリスマ型からチームワー
ク重視型にギアチェンジが必要なことで、他人を活用したオープンな事業組織を
志向する傾向は不可欠になりつつある。

 これは、保険代理店の付加価値業としての業態から不可欠・普段に要請される
ところとなる。特に、単なるほけん販売業にとどまらず顧客に寄り添い、その業
態が生活支援業、経営支援業になるならばなおさらである。このため、こうした
時代の要請に応えるための経営トップの意識改革から、従業員満足を高めるため
の環境整備まで、発想の転換を図ることが必要だ。

 代理店の組織は誤解を恐れずに言えば100%営業組織である。内務事務いうな
ればバックオフィスと言われるものも、実は顧客を絶えず意識した戦略事務、顧
客事務、営業事務、フロントオフィスとしていかねばならない。
 そのためのスタッフ間の情報共有、コミュニケーションをよくする仕掛けが重
要であるし、経営トップの移行を浸透させるために営業や顧客事務リーダーの育
成は不可欠になる。

 こうした事業環境の在り方に、これまで以上に経営トップは気を配らなければ
ならない。経営トップが組織を円滑に動かしていこうとするならば、その考え方
を日ごろから浸透させていかねばならない。平易な言葉で、みなに浸透するよう
に経営理念、行動指針を明確にし、絶えずそれの基づき、ベクトルを合わせるよ
うにすることが不可欠である。トップの個人の性格による判断のブレを抑え込む
にも大事なポイントとなる。

 このような代理店としての経営の目指すところがスタッフ全員に明確になって
いないと、トップ交代の際に乱れが生じてしまう。トップのバトンタッチがあっ
ても目指すべき方向性が明確なれば組織力はさらに向上するのである。
 まさにその事業体の錬成度は、バトンタッチの際に現れるとも言えそうだ。
                             (中崎 章夫)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「金融審ワーキング・グループ」詰めの段階へ

◇様々な問題提起された保険募集・販売ルール
 先週、14日に金融審議会の「保険商品・サービスの提供等に関するワーキング・
グループ」の第10回目に会合が開かれ、「保険募集・販売ルールのあり方」で論
議が行なわれた。保険募集・販売ルールに関しては、大型の乗合代理店や全国展
開する来店型ショップ、さらにネット通販、保険比較・顧客紹介サイト、テレマ
ーケティングなどいわゆるニューチャネル出現の中で、管理態勢の強化や募集行
為のあり方が論議されてきた。
 とりわけ、乗合大型代理店については、複数の保険商品を取り扱うことによっ
て、顧客の商品選択に対して中立・公正を標榜しているが、手数料の高い商品を
勧めているのではないかといった懸念から手数料の開示といった論議、さらに保
険会社から委託を受けている代理店が「中立・公正」を標榜することの是非など
が論議されてきた。

 一方、保険募集に当っては、募集文章の簡素化・平明化がさらに求められる一
方、現在の募集のプロセスにおいて顧客に対し、「契約概要」説明、「注意喚起
情報」の提供、「意向確認書面」の交付・確認について「意向確認書面」が形骸
化しているとの意見があり、商品提案・説明に入る前の段階において「意向把握
書面」(仮称)によるニーズ把握を行い、当初の意向と最終的な契約締結の段階
での違いを確認できるようにするとの方向も出された。

◇販売・監督態勢の強化と新たなルール
 ワーキング・グループでの論議も10回目を向かえ、最終的な論議の整理と新た
な方向の結論を出す段階にきているが、これまでの論議から、代理店自らがガバ
ナンスを持った適切な募集態勢の構築が求められるのに加え、業務のアウトソー
シングに係わる規制として、委託型募集人(フランチャイズ方式の加盟代理店や
コールセンターのオペレーターなど含む)の管理・監督の強化・規制が導入され
るものと見られる。
 また、代理店の手数料開示については反対意見も多くあり、最終的には開示に
は至らないものと見られる。ただ、代理店が保険会社から委託を受けて商品提供
をする存在であることの表明に加え、「中立・公正」の標榜については禁止され
る可能性が強い。

 いずれにせよ乗合、専属を問わず代理店にとっては管理・商品販売面で新たな
展開が要請されてくるのは必至で、大きな転機を迎える契機となりそうだ。
                             (石井 秀樹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(34)   安東 邦彦
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(3)〜

◇代理店経営は「人」だからこそ…
 代理店経営は「人」である。代理店経営は、「人、モノ、金」という経営資源
の中でも「人」に依存する割合が大きいことは誰もが納得するところだと思いま
す。当然、「人」に依存するわけですから、必ずしも期待通りの成果が得られる
とは限りません。
 その際、気持ちや気合や根性だけで頑張らせようとする社長も少なくない業界
です。売れなかった営業社員に「もっと売ってこい」といい、ミスしてしまった
社員に「ミスしないようにがんばれ」とハッパをかけます。
 社員の気持ちになってみると、「売ってこい」と言われて売れるなら苦労しま
せん。ミスしようと思ってミスしているわけでもありあません。このような場合
に社長が提供しなければならないのは、叱咤や激励なのでしょうか。
代理店経営が「人」であるからこそ、「人」が活躍するための仕組みを整える必
要があるのではないでしょうか。つまり、このケースで求められるのは、「売れ
ない」「ミスが起きた」などの問題を根本的に解決する方法ではないでしょうか。

◇解決は「人」ではなく「システム」
 もちろん、社員のやる気が問題であることもあるでしょう。しかし、真面目で
一生懸命だが成果が出ない社員も多いはずです。このような場合はその改善を
「人」に委ねるのではなく、「システムの改善」によって解決を試みる必要があ
ります。
 この問題を掘り下げるために、私が過去に受けた「資金繰りの相談」を例にあ
げてみます。資金繰りは社長の役割の一つですが、それがどうにも上手くいかず、
会社の戦略を立てるにも、全体を管理するにも支障をきたしていた会社がありま
した。その社長は自分の能力不足を嘆いていたのです。「月末になるといつも生
きた心地がしない。このままでは会社が潰れる。安東さんどうにかしてくれ」と
言うわけです。
 相談を受けて内情を調べてみると、その社長は「どんぶり勘定」を体現してい
るような管理をしていました。相談の中でも、何度も「私はお金の管理が下手で
…」と言っていました。しかし、私にはそんな能力のない社長には見えませんで
した。

◇「能力不足」ではなく「システム不足」
 そこで、この問題を解決するために、私はお金の流れを毎週管理する資金繰り
シートをつくり、その使い方を教えました。
 すると結果はすぐに現れました。お金の流れを把握することで、自然と無駄使
いをやめたり、投資のタイミングを工夫したりするようになったのです。また、
会社を安定的に運営していくために、あとどれくらいの余剰資金が必要なのかを
意識するようになり、事前の資金調達方法も検討するようにもなりました。わか
りやすく言えば、浪費家が倹約家になったようなものです。
 その社長は、「資金が潤沢にあるわけではないけれど、以前のような不安は消
えた。たったこれだけのことで日常が変わるなんて、不思議だ」と言っていまし
た。しかし、私に言わせれば、今までのような浪費体質で会社を継続してこられ
たことのほうが不思議です。
 どのような会社でも「お金を効率よく管理する」というシステムが必要であり、
この会社はそこに欠陥がありました。資金繰りシートとその運用方法が、この欠
陥の解決策になったのです。つまり、原因は「社長の能力不足」ではなく、「シ
ステムの不足」だったのです。

◇「人」だからこそ
 会社での問題はすべてが「システムの不足」だと考えることで、問題の根本原
因を探り、解決に集中できるようになります。代理店経営は「人」だからといっ
て、「人」の能力が高まることに期待して「叱咤激励」することが社長の仕事で
はありません。平凡な人材が活躍できる環境づくりが、これからの代理店経営に
求められているのではないでしょうか。
                (株式会社ブレインマークス 代表取締役)
 http://www.hoken-kachi.com
★新刊がでました!「平凡な仕事をすごいプロジェクトに変える教科書」
http://www.amazon.co.jp/dp/4872906063/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(65)        宮地 幸江
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ストレスのない楽しい営業

 最近私は対面&電話でもストレスのない営業を楽しんでおります。どうせ仕事
をやるのなら私自身もお客様も楽しい&それでいて力を抜かない一生懸命な雰囲
気の中で仕事をやりたいなと常々想って仕事をしております。

 3月末までの年度末「目標数字達成までに何をしたらいいか?」毎週行う営業
会議以外に急遽、営業スタッフで話し合いをしました。結果「営業スタッフが今
まで以上に頑張るのはもちろんのこと、でも今回はストレスのないようにFO
(フロントオフィス=事務スタッフ)にも協力してもらおう!」という事になり、
FOリーダーに確認&承諾をもらい早速実行することになりました。

 今までもFOには営業推進の協力として社内で挙績の見える化(今回は東京ス
カイツリーの頂上を目指してシールをペタペタ貼っていく挙績管理表)を作成し
てもらっておりますが、弊社は更改業務の半分近くをFOにやってもらっている
ので、更改・来店のお客様にFOからもストレスの無い声かけだけの営業をやっ
てもらおう!ということになりました。

 早速その日の朝礼から1分間、二人ペアでロープレの練習を始めました。ロー
プレ内容は弊社が扱う保険会社の商品に最近おもしろい医療保険が出たので「今
度かけた保険料が70歳の時全額戻って来る医療保険が出たんですけどご興味あり
ます?」のたったの一言です。お客様にもストレスを与えないドアノックの一言
なのですが社内でこの言葉が最近飛び交い「何かいい感じ」と勝手に心でニコニ
コしております。

 最近では年度末までに分かりやすく件数で『生保150件を目指そう!』という
表まで壁に登場し、半分の75件の箇所には「半分まで来ました。ここまでトップ
の人に拍手喝采を送る日」とか残り50件の箇所には「あと50件です!テンション
上げてハイタッチしようの日」とか、所々の達成箇所にはお楽しみの「パステル
の高級プリンアラモードGetの日」とか「サーティワンアイスクリームGet
の日」などなど皆で楽しめる件数達成目標の表も追加されました。一件達成ごと
に「いいね!」の手の形のシールが貼られるので見ていて楽しく頑張りたくなっ
ちゃう表です。企画&作成してくれたFOに感謝です。

 また先月ある研修で聞いた元東北新幹線のカリスマ社内販売員さんの講演の中
で、既にお饅頭を一箱買ってくれたお客さんに対し「おばあちゃん一箱で足らな
かったら困らないかなー」と思い、もう一度足を運び、声をかけに行ったという
話は「この人は純粋にお客さんの事を思い、売り込みではなくただ提案&情報提
供をしているだけなんだ〜」とある意味、保険営業にもつながる気付きをいっぱ
い貰える話を聞くことが出来ました。

 あまり深く考えず純粋に、ストレスのないお客様への声かけを皆で行っていっ
て、今年は社内全員でワクワク&コツコツゴールを目指して頑張って行こうと思
ってます!!
                     (宮地総合保険、スマイル部長)
http://www.agt.cc/miyachi/company/index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(37)        土`川 尚己
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 スタッフの能力をもっと上げるには

 今月も全国の保険業界関係者からいただいた実際の相談事例を、一問一答形式
で紹介させていただきます!

◆今月の質問━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃Q┃スタッフの能力をもっと上げるにはどうすればいいですか?
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 今後、組織を拡大して更なる成長をはかっていきたいと思うのですが、そのた
めにはスタッフの能力アップが不可欠です。何かいい方法はありませんか?

┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃A┃成長が促されるような職場環境を整えましょう!
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
◯企業の成長にはスタッフの人材育成が欠かせません。最初から個々の能力が非
常に高いドリームチームが組めればいいのですが、なかなかそうはいきませんよ
ね。やはり、地道に能力アップを図っていくのが一番の近道だと思います。

◯ところが、それが言葉で言うほど簡単じゃない(苦笑)。皆さん大なり小なり
悩まれていることと推察いたします。人材育成やそのためのマネジメントの手法
については様々なところで語られていますが、俗にいうマネジメントとは、どう
も部下をコントロールする意味で解釈されていることが多いようです。実はこれ
がうまくいかない原因だと考えられます。

◯ここで、視点を180度変えることを提案します。マネジメント(≒管理)とは、
人そのものを管理するのではなく、個々が最大限に能力を発揮できる“環境を整
えること”、と定義したいと思います。定義付けを変えれば、自ずと視点と行動
が変わってきますよ。

◯人ではなく環境を整える、管理するとはどういうことか。例えるなら、畑で作
物を育てるために土を耕したり水を与えたり、温度管理などをおこなうようなイ
メージです。作物の成長にはそれに適した環境が重要なわけで、決して作物から
「今日の成果は?」と日報を提出させても意味がありませんからね(笑)

◯では、どのような環境を整えれば成長が促されるのでしょうか。ここで、アメ
リカ最大手の世論調査会社ギャラップ社が全世界1300万人におこなった【優れた
職場12の条件】の調査結果を紹介したいと思います。

◯【優れた職場12の条件】
1.職場で自分が何を期待されているのかを知っている
2.仕事をうまく行なうために必要な材料や道具を与えられている
3.職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
4.この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、ほめられたりした
5.上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれているよ
うだ
6.職場の誰かが自分の成長を促してくれる
7.職場で自分の意見が尊重されているようだ
8.会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
9.職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
10.職場に親友がいる
11.この6ヶ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた。
12.この一年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

◯いかがでしょうか。この条件を整えることこそが、現場のマネージャーの最も
重要な仕事だと思いませんか。すべてを満たすのは簡単ではありませんが、少し
でも条件を満たせるよう環境を整えていきたいですね。
                     (名案企画株式会社代表取締役)
http://meian.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(15) 村田  稔
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「眼前の恐怖も想像力の生みなす恐怖ほど恐ろしくはない」
                       (マクベス第一幕 第三場)
〜イマジネーションの訓練〜

 アルジェリアで起こった悲劇を考えると、眼前の恐怖の重さは軽くないですが、
世界各地で働く邦人の安全をどう確保するかを想像することは、その想像力の生
みなす恐怖が大きくても、対策は放棄することはできません。

 一般的に海外に進出、投資をする場合、その国のカントリーリスクを調査する
ことは必須ですが、それでも「想定外」が起こりますし、今回もプラントの警備
はされていました。またこのプラント建設会社は、アルジェリアでの実績も経験
もありました。
 しかし、そういった関係も、警備力も、軍事力をもってテロリストの攻撃には
無力でした。

 そして、人質の人命を尊重する国と、治安を優先する国との相違が今回ほど際
立ったことはありません。警備の問題は、ある意味、物量で考えられる要素が多
く、警備力を高める、場合によっては軍隊の援助を要請するなどの対策が考えら
れ、有効ば部分があります。しかし、いったん人質になった方々の安全を確保す
るための方策は、「各国の政治事情」という壁が存在することを、今回の事件は
知らしめました。報道によるとアメリカ政府人質救出のための特殊部隊の派遣を
アルジェリア政府に打診したとのことですが、アルジェリア政府が拒否したこと
によって、その計画は実行されませんでした。
 日本政府も外交ルートで「人命尊重、人命優先」を働きかけましたが、自衛隊
を派遣することは容易ではなく、警察の特殊部隊の派遣もありえたと思いますが、
現実的にはその選択の効果を検証(シュミレーション)することは簡単ではあり
ません。

 ただ明らかなのは、何らかの法制度を整備しないと(数字的根拠に裏打ちされ
たシュミレーションと想像力による補強)、邦人が海外でリスクに遭遇した際に、
その安全を確保できる手段が限定的であるということです。
 こうしたテロリストによる攻撃は、日本では想像力の領域として区別されるの
か、またはやたら恐怖をあおることは得策ではないのか、日常の議論になること
はほとんどありません。

 しかし、欧米では、自国内の危険度が高い施設、例えば原子力発電所がテロリ
ストの攻撃を受けたら安全は確保できるかどうかのシュミレーションを行うほど
です。活断層の有無の検証も重要ですが、こうした軍事攻撃を受けた場合を想定
することも、決して絵空事ではない時代にいるのだとの認識が重要なようです。

 想像力を働かす際、最もブレーキになるのは、「そんなことはあり得ない」、
「考えたくもない」、「過去になかったのだから、将来も起こり得ない」、等な
ど、安住したい気持ちが『危機管理感覚』を鈍らせます。

 すべてを島国の特殊性に収れんさせてしまう思考は容易ですが、実際に長年島
国に住んでいる国民のDNAとでもいうべき思考回路を変えることは、簡単では
ありません。
 しかし、グローバル時代においては、こうした「恐怖のシュミレーション」を
鍛えなければならない現実を否定できないようです。

 ちなみに、テロリストの攻撃(戦争)によるリスクに対応する保険商品は事実
上ありません。それゆえ、この分野も想像力と数字的な裏付けで、開発しなけれ
ばならない時代となったようです。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■inswatch facebook club   comment@inswatch    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカ
ウントをお持ちののinswatchの読者であれば、どなたでも参加できます。ご希望
の方は以下にアクセスして、≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中!
http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm
 *お申込みはコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 先週、3日間にわたり代理店の勉強会に参加した。保険代理店を巡る環境は大
きく変化し、新たな転換が求められてきている。これまでも、お客様の支持を得
て地域において選ばれる代理店となれるか、それに向けた研鑽が行なわれてきた
が、今、本格的にそのことが問われてきている。チャネル多様化や手数料の削減
など競争の激化と収益の減少傾向にも係わらず、お客様の視点に立って私たちが
何が出来るのか、人としてどうお客様との接点を大切にするか、もう一度原点に
帰って新たな時代の中で成長を目指すかといった熱き議論の坩堝の中で、多くを
学びこちらも年をとっては入られないと思った次第だ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 食事を細くすると、精気が落ちる、萎びてくるということを改めて実感してい
る。そういえば、90歳を超えても現役ピアニストを続けている方が、食事にステ
ーキは欠かさない、と言っていたが、今改めてなるほどと思う。急激に10キロ痩
せて感じたのは、如何も、姿勢は自然に前にかがみ、意欲は減退気味になるよう
である。それもエクササイズを頻繁にしてなおそうなのだから、食の重要な意味
合いを考えざるを得ない。周囲の方は、「痩せると、元気はなくなるよ。」「が
つがつ食べてこそのきみだろうが・・・」「こんなこと続けていると、このコラ
ムの読者が減るよ」等と脅してくる。我が身を変化させるということは、また失
うものも多いのかもしれない。それにもめげず、やはりこの際、減量に取り組ま
ねばと思うのである。BMIも30の大台切り目前だ。「肥満」を去り「やや肥満」
のゾーンに仲間入りできるのが励みである。(中、94.5 30.1 102)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
(1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。
(2)ご入力後、確認メールが届きます。
(3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。
(4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。
ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア
クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード
を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。
http://www.inswatch.co.jp/
【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】
◆ユーザー名:2013feb
◆パスワード:jf26m2 (ジェイ,エフ,ニ,ロク,エム,ニ)
(いずれも、半角小文字の英数字です)
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.655(2013.02.18)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
  URL  http://www.inswatch.co.jp
  お問合せ info@inswatch.co.jp
  投稿先  reader@inswatch.co.jp
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-2-12 9:35:28 (1104 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.654

===============================================Vol.654 2013.02.11=======

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い■    インスウオッチ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 アンケートにご回答頂いた全員に、もれなく、1日5分で付けられる超簡単営
業日報(エクセル版)を差し上げます。
 インスウオッチでは、様々な機会を通じて専業代理店向けに経営診断サービス
を提供してまいりました。現在その過程で蓄積したノウハウやデータを活用した、
WEBを使ったリアルタイム診断サービスを開発中です。
 これに関連して、より良い診断サービスを目指すために、専業代理店の経営管
理に関するアンケートを実施いたします。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご協
力のほどよろしくお願いします。
 アンケートのご回答はコチラから>>>      http://bit.ly/X1IfPz 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =2重構造解消の道=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =来店型店舗、8社で1千店を突破=
【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(4)          尾籠 裕之
     =層別化営業の事例=
【3】過去の成功と闘う(6)                 金 斗 雲
     =今でも隣の芝生は青いか 現物給付論の時代錯誤=
【4】つくる・かわる・ずっとつづける(70)          葭谷 広行
     =老舗料亭旅館での話=
【5】生命保険の仕事は関係構築ビジネスです(25)        宮本 久史
     =暇だと思われてもいけないが、
       忙し過ぎると思われるのはもっとまずい=
 ■ 専業代理店の経営管理に関するアンケートのお願い   インスウオッチ
 ■ inswatch facebook club comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ                           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2重構造解消の道

 保険の募集・販売は長らく2重構造問題を抱え、その高コスト構造の清算が求
められてきた。本来コストセーブ型で選択されたはずの代理店というビジネスモ
デルが思いのほか高コスト化したのは、保険会社の営業社員との二人三脚でしか
機能しなかったからだ。今や競争環境下で、そのあり方にも鋭いメスが入りつつ
ある。
 それを自覚している代理店は、自主独立を掲げ組織化に向けいち早きつつある。
一方、未曾有の収益悪化に直面する保険会社の事業モデル転換も急ピッチで進見、
ローコストオペレーション戦略も鮮明になっている。

 代理店の自主的な経営展開による「独立型」を選ぶのか、保険会社とともに行
く「調和型」を目指すのか、あるいはその折衷路線をとるのか、さらには、保険会
社のコントロールで直営展開する「一体型」で行くのか。製販分離から製販連合、
製販統合まで代理店の選択するビジネスモデルは多様化している。

 いずれにしても「依存型」の二重構造体質はもはや許される時代ではないため、
どのような解消の道を選びとるかが問われている。試行錯誤の中で、いろいろな
モデル構築が試されてきているが、顧客の支持を集めるのはどのようなモデルと
なるのだろうか。
                             (中崎 章夫)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 来店型店舗、8社で1千店を突破

◇FC展開で店舗数拡大
 全国展開する保険の来店型店舗がその数を増やしてきている。最大の店舗数を
誇る「ほけんの窓口グループ」は先週、愛知と大阪に2店舗をオープン、全国で
369店舗(「ほけんの窓口」235店、「みんなの保険プラザ」100店、「ほけんの
専門店」34店)に達した。筆者の知るところでは、現在、全国に約50店舗以上を
展開する代理店(流通系含む)は8社となっているが、8社合計の店舗数は1106
店と1000店を突破するに至っている。
 また、全国の主要都市や地域を中心に10〜30店舗を展開する来店型ショップも
約200店舗程度、さらに10店以下の店舗および保険会社による来店型店舗を加え
ると、凡そ2000店舗を超すと見られるが、今後、さらに拡大が予想される。
 こうした店舗数拡大で注目されるのは大手来店型店舗によるFC展開で、それが
店舗数拡大の要因になっている。すでに「ほけんの窓口グループ」は、130店舗
超がFC店となっている(2012年12月現在)が、他の主要来店型店舗でもFC戦略の
強化が見られる。FC参加の大半が地域密着型の生・損保代理店だが、異業種から
の参入も目立つ。そしてこれら代理店の中には地域において4〜5店舗から20店舗
を展開するところもでてきている。また最近では損保代理店からのFC参入が増え
ているのも特長だ。

◇損保代理店からのFC参加も増加
 損保代理店のFC参加の共通点は、「損害保険中心の代理店の将来性を危惧した」
「生保販売も行なっていたが大きな売り上げに至らなかった」「損保の手数料が
手数料が逓減される中で生保の売り上げ増が今後の代理店経営に必要と考えた」
(ほけんの窓口グループ「FC事業」より)などが主な理由で、損保市場の狭隘化
や手数料の減少を背景にある。
 損保代理店にとって、生保販売が今後の経営にとって必須条件となってきてい
るが、生保拡大の手段としてブランド力がある来店型店舗と提携(FC)する事に
よって、収益増加と地域において差別化を図ろうというのが狙いだ。また、FC参
加の損保代理店は、乗合型ばかりでなく専属代理店からの参加もあるのも注目さ
れる。
 ただ、FC参加によってノウハウの提供や教育・支援、ブランドによる集客など
のメリットはあるものの、先行投資型のビジネスモデルであるだけに経営の手腕
も試されることになる。

◇競争激化と規制強化も
 一方、来店型店舗も数の拡大に伴い競争が激化しており、従来の1社専属チャ
ネルを念頭に置いた差別化戦略(比較購入、見直し相談、コンサルティング)、
から、同業他店舗との差別化が求められてきている。今後、「保険特化型(生・
損・少短)」、「保険と金融商品融合型」、「生活総合ビジネス型」などのビジ
ネスモデルの選択も迫られてきている。加えて、金融審議会「保険商品・サービ
スの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」で大規模乗合代理店(主に
来店型店舗)に対する募集(商品選定の適切性、募集コストの開示、乗合代理店
のFCの指導・監督や教育の体制整備)のあり方が論議され、規制強化の方向にあ
る。そうした中で、今後、来店型店舗がどこまで拡大するのか注目されるところ
だ。

◇来店型店舗8社の店舗数(2月10日現在)
 「保険の窓口グループ」(369店舗)、「保険クリニック」(161店舗)、「保
険見直し本舗」(161店舗)、「みつばち保険ファーム」(143店舗)、「イオン
保険ショップ」(82店舗)、「保険ほっとライン」(83店舗)、「保険の110番」
(56店舗)、「ライフサロン」(48店舗)
                             (石井 秀樹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(4)          尾籠 裕之
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 層別化営業の事例

◇合併後の契約の引継ぎ
 前回は層別化営業で陥りやすい失敗例について述べましたが、今回は前回の落
とし穴を踏まえて実施した例をお話しします。あらかじめお断りしておきますが、
層別化のやり方は状況に応じていろんな変形があります。今回述べる事例もその
うちの一つだと考えてください。

 この事例は、合併した代理店における前社長の契約引き継ぎの事例です。
 二つの代理店が合併し、合併後2年目に一方の代理店の社長が高齢になり引退
することになりました。その社長の契約を引き継ぐやり方として、残された人た
ちが考えたのは事務担当者主体で引き継ぐことでした。事務担当者2名が主体と
なって契約を引き継ぎ、営業担当者がそれを補佐する、という構図です。事務担
当者2名は、引退した社長の契約を保全していましたので、ある程度お客様のこ
とを知っています。1名は外出可能で、1名は事務所常駐という態勢です。

 できるだけスムーズに引き継ぎ、更改落ちを少なく、できれば追加契約を狙う、
という方法はないかという相談があり、層別化のワークショップを行うことにし
ました。参加者は合併代理店の専務、営業担当者、それに2名の事務担当者です。
まず、例によってどんなお客様かを分析していきました。結構優良なお客様が多
いということが分かりました。ただし、高齢のお客様が多いということも分かり
ました。ほとんどが個人のお客様です。前社長の人的魅力で契約されたお客様が
多いということです。

◇層別化による契約一覧の作成で成果
 層別化作業を進めていくと、優良なお客様の比重が結構大きいということが分
かってきました。前社長が現役の頃から、社長が自ら面談するお客様と事務担当
者が電話もしくは郵送で更改を行うお客様に区分けされていて、事務担当者があ
る程度更改作業を行っていることも分かってきました。問題は、前社長が自ら面
談されていたお客様をどう引き継いでいくかです。
 さらに層別化を進めていきました。その中で、前社長が契約した保険の中で、
10年目で見直しが必要な保険があることが分かりました。優良顧客層にその契約
が多いということも分かりました。その契約を新たな保険に切り替えることがで
きれば、契約者との関係も新たに構築できるし、新規の契約獲得にもつながる、
ということになり全員がその方向に行くことに賛同しました。

 そこからが問題でした。どうやって該当する優良顧客に説明し、切り替えを勧
めていくのか。いろんなやり方を議論しましたが、事務担当者2名は納得しませ
ん。少しでもセールストークをいわなければならない、ということが分かると、
私たちはセールスはできません、といって拒否します。
 営業担当者が最後に提案をしてそれが採用されました。その営業担当者は独自
に契約一覧を作っていて、お客様が契約している契約の内容を説明していくと、
多くの客様が喜んでくれ追加の契約が出やすくなるという経験をしていたのです。
ただし、契約一覧を作るのは結構手間で作業負荷が大きいので、限定したお客様
だけに契約一覧を作っているということでした。事務担当者が合意したのは、契
約一覧ですでに入っている契約の説明を行うだけでいいのなら、このやり方を受
け入れるというものでした。

 すぐに契約一覧を効率よく作成する方法が検討されました。さいわいパートの
事務員がいて、パートの事務員に手伝ってもらうと作業負荷が大分軽減できるこ
とが分かり、実施計画ができました。
 優良顧客で、特定の保険の契約応当日が近づいているお客様を選定し、契約一
覧を作り、事前に郵送しておき、アポが取れたら面談し、アポが取れないお客様
には電話で説明する、という活動です。
 このやり方を始めて1年半ほどになりますが、合併代理店の専務は高く評価し
ています。

◇層別化による相乗効果
 その理由の一つは、結構引き継ぎがうまくいったことです。面談だけでなく電
話においても、きっちりと契約内容を把握して適切な説明をしてくれるというこ
とで、前社長の人的魅力で加入されたお客様も現在の担当者に一定の満足度を感
じておられるということです。
 二つ目は、この活動を通じて事務担当者の顧客対応スキルが付いたことです。
特に面談を行っている事務担当者は相当自信が付いてきたといわれています。
 三つ目は、追加の契約が一定の割合で出てきたことです。層別化で優良顧客と
認識したことは間違っていなかったのです。そういうお客様は、契約者自身は高
齢ですが家族を紹介してくれお客様の間での世代引き継ぎができたところもあり
ます。
 四つ目は、担当者間で工夫が出てきたことです。事務所に常駐で電話だけでお
客様に対応していた担当者からアイデアが出ました。電話の対応で反応が良かっ
たお客様を営業担当者につなぐことにしたのです。結果は、反応が良かったお客
様からの成約率が非常に高い、というものでした。

 この事例で注意したことは、層別化作業に力を入れず、実行することに重点を
置いたことと、優良顧客以外のお客様への対応は議論しなかったことです。まず、
優良顧客への対応で実績を積む、このことの方が効果は大きいのです。
 層別化営業は幅広いものですから、この事例だけからセオリーを見つけるとい
うわけにはいきませんが、結構良いヒントがあると思っています。
                ((株)業務プロセス研究所 代表取締役)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】過去の成功と闘う(6)                 金 斗 雲
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今でも隣の芝生は青いか 現物給付論の時代錯誤

 隣の芝生は青い。隣の花は赤い。隣の糂味噌(糠味噌と同義)。我が家の芝生よ
りフェンスの向こう側の芝生は、いつでも青い。何でも他人のものはよく見える
ものである。

◇長い期間の保険専業規制と「付帯サービス」
 保険会社は、保険事業だけを行い、他の事業を兼営することが許されない。こ
の保険監督は明治に始まり、現在も続いている。お陰で怪しげな風俗営業も千三
つの博打的な事業もできず、安定して保険サービスを顧客に提供できている。現
在の保険業法の前身となる法律を起草した法典調査会では、明治時代に実態調査
をしている。法典調査会の議事録には、神田の薪炭商が火災保険の類似事業をし
ているのは問題であるという記述がある。しかし、全面的な保険専業だった訳で
は無い。明治41年に設立された第一機関汽罐保険株式会社は、ボイラーの検査と
保険引受を行っていた。つまり、事故が発生したら保険金を支払うだけでなく、
ボイラーの検査サービスも提供していたのである。

 ボイラーの検査と保険引受は小規模だったが、第二次大戦後の示談代行サービ
ス付き自動車保険は、損害保険業界全般に亘る大きな出来事だった。自動車保険
に示談代行サービスが付帯されているのが、日本では当然だと思われている。し
かし、このサービスは世界的には例外的であり、日本独特である。昭和40年代に
モータリゼーションが急速に進行したなか、社会的な必要性に即応するべく導入
されたものである。もし、保険会社がこのサービスを提供しなかったとすれば、
おそらく法律事務を独占している弁護士の少ない数では急増した交通事故の法律
的な紛争に対応できず、事件屋と呼ばれる事故処理請求処理のやくざな稼業が横
行し、多くの被害者が出たことだろう。小規模零細事業の弁護士では、大きな企
業体が実現した組織的で均質・効率的なサービス提供は不可能だったろう。示談
代行サービス付帯の自動車保険は、損害保険業界の業績向上に寄与しただけで無
く、自動車社会をおける損害保険業界の偉大な貢献でもあった。その後も、海外
旅行傷害保険におけるアシスタンスサービスも、同様に保険販売に寄与したこと
は間違いない。この成功体験は、保険専業において保険金を支払うだけでなく、
付帯サービスを実施すれば業績向上に繋がるはずだとの暗黙の確信を与えてきた
かもしれない。

◇日本経済新聞一面トップとなった保険の「現物給付」報道
 2013年1月15日付け日本経済新聞は、第一面トップで、生保の現物給付に関す
る特ダネを掲載し、「生保の現物給付解禁、金融庁、介護や葬儀など、保険金受
給と選択」と報じた。この問題は、金融審議会の保険商品・サービスの提供等の
在り方に関するワーキング・グループで2012年から検討さていたが、このような
決定はまだされていないから、特ダネなのだろう。この金融審議会ワーキング・
グループは、保険商品・サービスの提供等の在り方について検討するために設け
られた。検討課題は、「我が国における少子高齢化の急速な進行などの社会経済
の変化を背景に、保険に対するニーズが多様化している。このような状況のもと、
保険契約者の多様なニーズに応えるための保険商品やサービスの提供及び保険会
社等の業務範囲の在り方」である。2012年6月15日付け金融専門紙であるニッキ
ンは、金融庁は、保険分野の幅広い商品開発を可能にするための規制緩和を検討
しており、少子高齢化の進展で保険契約者のニーズが多様化しているので、法律
上の制約を取り除き、商品設計の自由度を高めることが狙いであり、保険金の代
わりに介護サービスなどを提供する現物給付型保険などの販売が解禁される可能
性があると報じた。規制緩和の一環として現物給付型保険を解禁するという流れ
を報じたのである。

 金融庁は金融処分、金融取締をするだけの監督当局ではない。産業振興とその
ために規制緩和に努めることもある。金融業の国際競争力を高め、金融業の振興
を進める意図があると表明している。その好例が、金融審議会に我が国金融業の
中長期的な在り方に関するワーキング・グループを設け、我が国金融機関の国際
競争力の強化、我が国経済・金融業の一層の発展を図るための中長期的な課題等
について検討したことである。同ワーキング・グループが公表した報告書(昔の
審議会答申)では、生活者としての個人に対する金融サービスの向上が官民「共
働」して取り組むべき課題であり、人口減少・少子高齢化の構造変化等を踏まえ、
金融機関が変化に応じて柔軟に新たなサービスを開発し提供できるよう金融当局
として環境の整備を進めるべきであると指摘している。

◇介護サービス分野における、サービス開発とイノベーション
 金融審議会の保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グル
ープでも日本経済新聞の報道でも、介護サービスの現物給付型保険が取りあげら
れている。
 介護サービスの現状はどうなのかを見てみよう。介護は家族介護という言葉が
あるように、家族ができるサービスであるとの認識が一般的である。しかし、現
在高齢者福祉施設で提供されている介護サービスは、サービス開発とイノベーシ
ョンの歴史を経て、高度な専門的サービスになっている。例えば、家族が認知高
齢者を家庭で介護することは、物理的精神的にも大きな負担になっていることは
理解されている。マスメディアが家庭における認知症介護を美談として伝えるこ
とが、まだかなりある。実際には、認知高齢者の介護は組織的にすなわち高齢者
福祉施設で多くの事例を経験した、複数の専門家によって介護される方が、要介
護者にとっても安定した高品質のサービスが受けられる。介護サービスは、家庭
において素人が行える範囲を超えた、専門的なサービスになっているのである。

 もちろん、最初からこのような介護サービスが、実施されたのでは無い。かつ
ては養老院という福祉施設で高齢者は介護されていた。身体機能が低下すると共
に高齢者は寝たきりになった。かつて保険業界が販売していた介護保険では、寝
たきりのみ担保、痴呆症のみ担保という特約もあった。高齢者福祉に携わる人々
は、寝たきりにしない取り組みを組織的に実施して成果を上げた。この他に高齢
者の安全のためにベッドに拘束することを行わない拘束ゼロ、褥瘡にならないよ
うにする取り組み、転倒防止の取り組みなどを経て、高齢者の個別の事情を斟酌
して高齢者毎に違う価値観・生活スタイルに合わせて介助する、高度な介護技術
が確立してきている。さらにサービス提供形態も、かつては施設収容型のサービ
スだけであったが、在宅介護を支援するサービス(例えば、デイサービス)、デ
イサービスと宿泊サービスを結合し更に包括的にした小規模多機能施設など革新
的なサービス形態が開発されてきた。介護サービスに関して産業としてみると、
その歴史はサービス開発の連続であり、そのサービス開発を実現するイノベーシ
ョンの歴史であった。保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・
グループにおける議論でも、またマスメディアの報道でも、介護サービスの歴史
と現状について理解されているかはなはだ疑わしい。

◇時代錯誤の現物給付論
 金融審議会の保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グル
ープにおける生命保険業界のプレゼンテーションでは、1)定額保険の保険給付は
金銭給付に限定されているが、現物給付が認められることによって、多様化する
消費者のライフスタイルに対応した、多様な給付を選択できる付加価値のある商
品やサービスを提供するができること、および2)現在、介護保障商品の販売や子
会社等による一定の介護サービスの提供を行なっているが、子会社の業務範囲規
制が緩和されることによって、今後さらにグループで幅広く介護事業を展開し、
お客さまに対して、一体的な介護サービスを提供することができると主張されて
いる。
 新聞報道でも同ワーキング・グループの議論は、金銭給付か金銭給付・現物給
付の選択か、保険会社の子会社の業務範囲をどこまで広げるべきかとの問題とし
て意識されている。かつて、金融事業が希望に満ちあふれていたころ、保険業界
は、本体であるいは子会社を使って金融関係ビジネスに進出したいとの強い意欲
があった。行政との交渉の末、保険会社による国債の引受だけで無く国債の販売
を認めさせ、投信投資顧問会社を保有し投資業務に乗り出し、証券子会社を保有
し確定拠出年金事業に参入した。隣の芝生が自分の庭の芝生より青く見えた時期
の話である。この時期の政策課題は、保険会社の業務範囲を、子会社を含めどう
するかとの問題であり、行政が有識者を集めて議論し、徐々に認めていくことが
行われていた。今回浮上している、現物給付選択論と業務範囲拡大という、問題
設定と政策議論も、かつてのそれと変わっていない印象を与える。いまでも顧客
の選択肢拡大と保険会社の業務範囲の拡大の是非が本当に基本的な問題なのだろ
うか。確かに、保険規制は上述の通り保険事業専業と原則金銭給付を基本として
おり、これが現在の時代に即していない。時代の変化に応じて規制改革・規制緩
和を進めていく必要がある。規制を緩和さえすれば、うまくいくという時代錯誤
に囚われていることは無いだろうか。

◇保険金給付の意義:何でも買うことができる金銭給付
 何故生命保険も損害保険も金銭給付をして、現物給付をしないのか。硝子保険
では保険金支払に代えて現物であるガラスを被保険者に引き渡すとの約款があっ
たが、実際にそのような事故処理をしたことは聞いたことが無い。保険会社が調
達したガラスより、受け取った保険金で自分にとって都合がいいガラスを購入す
る方が好まれていたからだろう。金銭給付は、どんなモノとも交換できる現金を
支払うことであり、保険金受取人に無限の選択を提供することである。現物給付
か現金給付かという選択は、それ自体大きな意味が無い。もしあるとすれば、保
険会社は、高度の専門業者よりその分野で格段に優れた財・サービスの提供者で
ある場合には、意味があるだろう。ガラス製造販売業者より保険事業者がガラス
の品質・商品性に関して優れているとは考えにくい。逆にガラス製造販売業者よ
り保険事業者が、保険について優れていると考える人はいないだろう。

◇分業と統合の分かれ目:顧客の問題解決の領域のどこで貢献できるか
 現物給付議論の本質的な問題は、高度に専門化した事業が分業体制で提供され
ている経済のなかで、分業でなく統合すると顧客にとって価値が生まれるかであ
る。保険会社は他のビジネスを統合すると、新しく価値を生み出し、顧客のニー
ズに呼応した利便性を提供できるかが問題なのである。
 アパレル業界は、長い間製造業者と卸・小売り業者の分業体制であった。しか
し、日本ではユニクロに見られるように製造から小売りまで一貫体制とする統合
モデルが成功を収めている。成功の理由は、統合によるコスト削減、低価格とい
う側面もあるが、ベーシックでファッショナブルを値頃感で提供し続けるという
新しい価値創造を実現したことにある。顧客にとって、ファッショナブルだから
高いという常識に対して、そんなに高くなくてファッショナブルな製品が無いと
いう問題領域に、ベーシックで機能的なファッションを値頃感ある価格で購入で
きるという問題解決を提供したから成功したのである。ただ安いだけでは成功し
ない、製造から販売まで一貫体制を造っただけでは成功しないのである。果たし
て、現物給付論、保険会社業務範囲拡大論では、統合による価値創造に関心を向
けているだろうか。
 保険は、死亡・火災・自動車事故に遭遇するかもしれない顧客に問題解決を提
供する手段である。現実に死亡・火災・自動車事故に遭遇したときに、保険会社
は選択肢が無限の金銭を支払う解決策を提供してきた。しかし、顧客のニーズ・
欲求が高度化している今、今まで通りでいいのかという問題は確かにある。介護
保険の保険金を受け取ったが、それではどのようなサービスを購入すればいいの
か、どのような業者を選べばいいのか自信を持って選択できる保険利用者ばかり
では無い。保険会社が貢献できる、顧客の問題領域は確かに存在する。問題解決
の手段は、現物給付とは限らない。顧客の問題解決の領域のどこで、保険会社が
貢献できるかが、本質的な課題なのである。
                          (保険リサーチャー)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】つくる・かわる・ずっとつづける(70)          葭谷 広行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 老舗料亭旅館での話

 先日、幹部3人で合宿をした。次年度の方針や中長期の将来についてもじっく
り話をしようということで、泊りがけで実施することになった。折角だからちょ
っと足を延ばして温泉で、という案もなくはなかったが、忙しい時期でもあり、
時間を節約しようと、市内の老舗料亭旅館で開催することにした。
 この店は料亭がメインで、その隣に宿泊施設が併設されているという感じなの
だが、以前は相当栄えていたとのこと。近年では公的な宴会が減り、また近隣に
ホテルが続々と出来たため、競争が激化。おかげで値段が下がり、私たちのよう
なものでも利用しやすくなったが、往年の華やかさはない。しかしながら、10
0年以上の歴史が十分感じられる落ち着いた施設だった。

 当日は次年度の要員計画、拠点の展開、生保の取組み方、システムの活用など
について活発な意見が飛び交い、有意義な議論ができた。また、食後にはお酒も
入り、さらに議論は発展。今まで誰もやったことのないような取組みを一番乗り
で次々にやって、今までにない保険代理店を創ろうなどと、将来の夢も語り合っ
た。
 大きな夢を語り合っていたので、声も大きくなっていたのだろう。年配の紳士
が私たちに近づいて来て、ちょっと離れたところでこちらの様子を見ている。騒
ぎ過ぎてまずかったかなと思っていたところ、「あの人はここの社長です」と仲
居さんが教えてくれた。
 もう一度振り向いて見ると、今度は何となく目があった。「どうですか?ご一
緒に」と声を掛けると、にこやかに輪に入ってきてくれた。「さっきまで別の部
屋で喜寿のお祝いの会をやってたんですよ。でもみんな帰っちまって、もうちょ
っと飲みたかったんですよ」とのこと。それからというもの、いろいろな興味深
い話を聞くことができた。別室での喜寿の祝いの会は、この社長が若いころから
付き合っている異業種交流会のメンバーであること、以前はたくさんいた仲間が、
75歳で体も元気、会社も元気なのは8人になってしまったこと、旅館の歴史な
どなど、面白く聞いていた。

 彼は終始にこやかな紳士であったが、一瞬真顔になる場面があった。「この商
売は3か月お客さま来なくなれば潰れる。どんな料亭だって必ず潰れる。だから
信用が第一なんだ。」私たちは、シーンとなった。私たちの商売だって、3か月
お客さまが来てくれなくなったら潰れる。料亭や旅館に限ったことではない。保
険代理店だってお客さまが来なくなったらおしまいだ。当たり前のことなのだが、
ズシンと響いた。前段の議論や将来の夢も大事だが、お客さまがいなくなれば利
益も効率化も将来の夢も、すべてそこでおしまいだ。
 その後30分ほど紳士とお酒を酌み交わす間、彼は3度繰り返した。「信用が
大事なんだ。」と。予想外の勉強をさせてもらった合宿だった。
         (ユナイテッド・インシュアランス株式会社 代表取締役)
http://utdi.co.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】生命保険の仕事は関係構築ビジネスです(25)        宮本 久史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 暇だと思われてもいけないが、忙し過ぎると思われるのはもっとまずい

 ラーメン屋さんなんかだと、混んでいて並んで待っている人がいたりするとそ
のお店は流行っていて美味しいんじゃないかと思ったりしますよね。繁盛してい
るラーメン屋さんの中には、わざと席数を少なくして、行列を演出しているとい
う話も聞いたことがあります。賑わい感とでもいうんでしょうか。
 どの商売・仕事にも、そういうある程度の演出は必要なんじゃないか思います。
 私が独立した時も、ラーメン屋さんのにぎわい感に相当するものを、自分の場
合にはどうしたらよいかと考えました。
 私の場合は、お客さま(相談経験者)の声をホームページに掲載することが
賑わい感に繋がると思い、はじめの頃は、相談経験者の人にアンケートに協力し
ていただける方にはクオカードを進呈して「お客様の声」を集めていきました。
(相談をした感想を書いてもらったり、実際にホームページに映像で出演しても
らってその感想を撮ったこともあります)

 もう一つの賑わい感としては、相談者が気が向いた時にすぐには相談ができな
い、という多少のハードルを設けることは必要だと思っています。独立した頃の
話ですが、スケジュールが空いているにも関わらず、相談予約をした日から、だ
いたい1週間から10日後くらいの日時に予約を入れるようにしていました。相談
日までに資料などの下準備に時間が欲しいというのももちろんありましたが、予
約日から近くの日を提示して、あまり暇だと思われてもまずいから、というのが
主な理由です。
 しかし最近では、「お忙しいところ急で申し訳ないのですが」とか、「来月に
更新が迫っているので」というような、本当に急いでいる様子が分かる場合には、
できるだけ要望に応えて引き受けるようにしています。
 例えば「今週中に相談したい」という依頼があった時は、「今週ならこの日と
この日の時間帯はこの時間からです。来週であれば、この日のこの時間帯とこの
日のこの時間帯ならお引受けできますが、ご都合いかがでしょうか。時間帯が遅
くても構わないのであれば○時から相談をお受けすることもできますが」という
ような受け答えをします。というのも、あまり忙しい様子を演出し過ぎても本当
に急いでいるお客さんだったら、他のところで相談しに行ってしまうかもしれな
いからです。

 これはネット経由での相談申込に多いのですが、文体から急ぎの相談依頼とい
うのが想像できる時には、メールで問い合わせが入ったとしても極力「電話で回
答する」方法を取ります。メールでは、やりとりをする時間がかかる場合もあり
ますし、電話だと相手の話し方から人となりイメージすることもでき、また文章
では伝わり辛いこちらの細かいニュアンスを伝えられるというメリットもありま
す。
 例えば、こんな感じです。【宮本】「メールを拝見しまして、今度の日曜日が
ご希望ということなのですが、午前中にどこどこで相談が入っていまして、その
後でよければ伺えるのですが。相談が終わる時間が確定できないので、そちらに
向かう前にお電話をするという形で宜しいですか?」というようなアポの入れ方
をします。その時に、「だいたい午後1時〜2時の間にはお伺いできるかと思い
ますが、時間的にはちょっと流動的な感じになってしまいますが宜しいですか?」
と付け加えると、依頼者の方も、忙しい中頑張って調整してくれてるんだな、と
いう印象を持ってくれて、にぎわい感を損ねずに、早めの相談予約を入れられる
と思います。
 賑わい間のある演出を作ることも大切ですが、それが行き過ぎると相談する気
がある見込み客をも取りこぼしては元も子もありませんから、そこは臨機応変に
対応することが大切です。
          ((株)ファイナンシャルプランナーズ花園 代表取締役)
http://www.osaifu.net/ http://www.fp-osaifu.net/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■inswatch facebook club   comment@inswatch    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカ
ウントをお持ちののinswatchの読者であれば、どなたでも参加できます。ご希望
の方は以下にアクセスして、≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中!
http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm
 *お申込みはコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 最近、寝ても夢を見なくなったと思っていたのだが、先週変った夢を見た。知
人と行列に並びタクシーを待っていたのだが、列はなかなか進まず、その知人が
タクシーを拾ってくるという。しばらくすると、通りの向こうで、タクシーを拾
い手を振る友人の姿。近づくと先に乗って行けという。タクシーに乗り込んだ途
端、画面が転換、なんと犬に手綱をつけて走っているではないか。しかも大型犬
ではなく、細長いダックスフンド。はて、知人はどうなっているのだろうと振り
向くと、これも柴犬のような中型犬に乗って後を追いかけてくる。とにかくこれ
はおかしいと手綱を絞って停車(停犬)。友人にタクシー代はどうしたらいいの
だろうとたずねた時に目が覚めたが、足が地面につきそうで、夜の通りをかなり
のスピードで走った感覚だけが鮮明に残った。こんな夢を見るのはだいぶ疲れて
いるのかも。連休はゆっくり休み、次は天馬に乗りたいと思う。(石)
http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 人の味覚は変わるものである。12月から、糖質を制限することを基本とする食
事コントロールとエクササイズの併用による本格的減量を開始してから、すでに
2ヵ月以上を経過した。8キロほどやせ、血圧も下がって来たのはうれしい限り
だが、皺が目立つようになったのが気になる。食生活はガラリ変わった。丼物や
コテコテラーメン、そして揚げものを摂ることがほとんどなくなった。このコラ
ムのトーンも変わろうと言うものだ。その一方で、野菜が美味しく感じられるよ
うになった。水泳やエクササイズの後で、食する果物がこれまた実にうまく感じ
られるようになった。リンゴやイチゴはもちろんだが、最近ハマっているのはパ
イナップルである。このところスーパーで1個100円という値段にも驚かされるが、
期待以上に甘くジューシーである。果糖の取り過ぎは要注意だが、疲れた体に潤
いを与えてくれる。周りはいつまで続くものかと疑っているが、本人は手ごたえ
を感じ始めている。(中、95.0 30.7 103)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
(1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。
(2)ご入力後、確認メールが届きます。
(3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。
(4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。
ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア
クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード
を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。
http://www.inswatch.co.jp/
【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】
◆ユーザー名:2013feb
◆パスワード:jf26m2 (ジェイ,エフ,ニ,ロク,エム,ニ)
(いずれも、半角小文字の英数字です)
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.654(2013.02.11)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
  URL  http://www.inswatch.co.jp
  お問合せ info@inswatch.co.jp
  投稿先  reader@inswatch.co.jp
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-2-4 16:36:23 (1661 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.653


===============================================Vol.653 2013.02.04=======

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =MS&ADは中核2損保の機能別再編を選択=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     注目される生命保険の保険料値上げの動向==
【2】海外レポート                      草笛 一郎
     =ドイツの企業物件の保険料上昇 =
【3】保険、一歩ずつ(26)                  栗山 泰史
     =プロ代理店の力を考える(その2)=
【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(11)         尾庭 恵子
     =『大切なことを話してもらえる自分でしょうか』=
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(16) 村田  稔
     =「こんな良いとも悪いともいえる日ははじめてだ」
       〜保険の傾向と対策、取引信用保険の活用〜=
【6】「ごまめの歯ぎしり」(67)               森田 直子
     =営業は科学=

 ■ inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ                           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 MS&ADは中核2損保の機能別再編を選択

 3メガ損保グループそれぞれの再編モデルが明らかになりつつある。東京海上
グループは、東京海上日動という総合損保と日新火災というリテール特化損保の
2社併存による収益安定方式を選択、NKSJは経営の立て直しのために、2014
年秋に損保ジャパンと日本興亜損保の合併による再編の道を選択したが、今回、
MS&ADは、保険業法改正によりグループ経営面の規制緩和を活かし、三井住
友海上、あいおいニッセイ同和という損保中核2社を併存し、それぞれの事業コ
ンセプト、強みを活かす方向で、2014年4月1日以降順次、機能別に再編する方向
を選択した。

 MS&ADは2010年4月のグループ発足後、経営統合の第一段階として、あい
おい損保とニッセイ同和損保の合併、三井住友海上きらめき生命とあいおい生命
保の合併、シェアードサービスの統合などを進め、グループ経営の効率化を図っ
てきた。システム統合も、2013年度の本格稼動に向け、代理店システムをスター
トさせてきた。、経営統合の第二段階として、1)「成長」と「効率化」の実現
によりグループ全体での企業価値向上 2)多様化する顧客ニーズへの対応のた
め中核損保2社の特長を最大限発揮 3)グループガバナンスの強化、という目
的のために持株会社傘下の中核損保2社を機能別に再編することにした。

 2013年4月に施行予定の改正保険業法によって、保険契約の移転および保険募
集の再委託に係る規制の見直しが行われることとなるが、この機能別再編は、規
制の見直しを踏まえた過去に例のないスタイルの再編を実施する。今回の再編で
2015年度末に2011年度末に比べ400億〜500億円のコスト削減効果を見込む。2013
年度中に予定しているシステム統合と合わせて700億〜800億円を削減する。

 MS&AD傘下の中核損保2社は、それぞれ事業ドメインの強化、効率化の追
求によって競争力向上に努め、確固たるプレゼンスを確立して来たが、機能別再
編によって、中核損保2社の事業コンセプトを明確化することにより、それぞれ
の事業基盤をいっそう強固にし、効率的な経営による収益力の強化を図る。
 このうち、三井住友海上は、総合力を発揮し他社優位性のある商品・サービス
を提供し、国内外を問わずグローバルな保険・金融サービス事業を展開する。
 一方、あいおいニッセイ同和は、独自の強みであるトヨタグループ・日本生命
グループというパートナーとの関係を強化し特長を活かすとともに、他社優位性
のある商品・サービスを提供し、地域密着営業を展開する。なお、海外において
は引き続きトヨタディーラーを通じたリテール事業を中心に展開する。

 保険分野では、船舶、貨物・運送、航空・宇宙の各保険について、あいおいニ
ッセイ同和のが引き受ける契約を三井住友海上に移管。そのうち、船舶保険、貨
物・運送保険については、商品供給機能を三井住友海上に一元化し、あいおいニ
ッセイ同和においては三井住友海上から商品供給を受けて再委託販売を行う。航
空・宇宙保険については、三井住友海上にあいおいニッセイ同和より社員が出向
し、航空・宇宙保険の販売に共同して取り組む。
 中核損保2社がともに取引実績を有するモーターチャネル代理店(整備工場等
の副業代理店)のうち、あいおいニッセイ同和が主要取引先となっているものに
ついては、あいおいニッセイ同和へ移行する。

 三井住友海上が拠点を構え、あいおいニッセイ同和は拠点を有しない地域、あ
るいは反対にあいおいニッセイ同和が拠点を構え、三井住友海上は拠点を有しな
い地域に所在する代理店について、拠点を有する保険会社へ移行する。また、両
社がともに拠点を有する一部の地域についても、営業活動の規模や効率性を踏ま
えたうえで拠点の集約を実施し、集約される拠点を持つ保険会社が引き受ける保
険契約は残存する拠点を持つ保険会社へ移行することにより、営業活動の生産性
向上を図る。
 中核損保2社が拠点を構える施設(ビル)が近接する場合には、同一の施設
(ビル)への入居を進め、グループ内における物流面でのコスト圧縮や両社にお
ける共同作業の効率化を図る。
 このように事業および販売チャネルの再編によって、中核損保2社が重複して
代理店や取引先を担当することによって生じていた非効率性が解消されることと
なる。また、拠点の集約および共同利用によって、不動産賃貸コストの削減が実
現される。

 中核損保2社が販売する第三分野の長期契約を三井住友海上あいおい生命
に移行する。これによって、第三分野長期契約にかかる商品開発・管理コストの
圧縮を図る。

 各国海外事業子会社の業務運営を一体化することにより、管理コストの削減、
再保険業務の効率性向上を実現するなど、グループとしての収益力向上を図る。
 三井住友海上は、新規事業投資、M&Aを含めた海外事業の総合的な事業展開
を実施する。あいおいニッセイ同和損保は、トヨタディーラーを中心とする海外
事業を展開する。
 また、海外事業における統合リスク管理、海外事業子会社の経営管理態勢整備
をコントロールする機能を有する組織を持株会社に新設し、海外事業に対する経
営管理態勢を強化する。

 国内保険事業において、事業および販売チャネルの再編により営業効率を向上
させ、共通する本社機能(海外事業の経営管理態勢強化に加え、グループ全体の
統合リスク管理の強化)は持株会社に集約するなどによるガバナンス体制の強化
等、グループ機能の最適化を図る。

 MS&ADでは、こうしたコンセプトの明確化および機能の最適化によって、
中核損保2社の強みを結集し、シナジーを発揮することで、顧客の支持、満足度
向上を実現し、国内No.1損保グループの地位を確固たるものとすることを目指
す、としている。

                             (中崎 章夫)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 注目される生命保険の保険料値上げの動向

◇日本生命、アフラックは主力商品の値上げ見送り
 生命保険の標準利率が引き下げられたことから、4月1日からの生保各社の保険
料値上げの動向が注目されている。生命生保の標準利率について毎年9月を基準
に10年物国債の過去3年間の平均利回りを基に金融庁が算出しているが、低金利
の長期化を背景に昨年には現行の年1.5%から1.0%への引き下げが決まっていた
ものだ。
 この標準利率に基づき保険料の計算基礎となる予定利率が算出されるため、標
準利率が下がると保険会社は将来の保険金支払いに備える責任準備金の積み立て
原資の確保が必要となり、予定利率の引き下げの結果、保険料が値上げされるこ
とになる。

 こうした中、日本生命(1月21日発表)とアフラック(同1月28日)の2社が他
社に先立ち、いち早く保険料率の改定について発表した。それによると、終身保
険や年金保険の貯蓄性の高い商品については保険料が値上げされるものの、両社
ともに主力商品については現行の予定利率を維持し、保険料の値上げを行なわな
いことを決めた。両社がともに主力商品の現行の予定利率維持を発表したしたこ
とは、予定利率改定(保険料の値上げ)に向けて検討している各社にとっての影
響が大きく、4月に向けた各社の保険料アップへの経営判断にも影響を及ぼすも
のと見られる。

 日本生命が発表した保険料率の改定では、同社保険商品のうち、長期定期保険
と一時払終身の予定利率を改定、長期定期保険は現行の1.65%から1.15%に、一
時払終身保険を同1.40%から1.00%に引き下げるとしている。その結果、これら
商品については4月からの保険料はアップするが、主力商品である「みらいのカ
タチ」およびその他の商品については発売後間もないということで、現行の予定
利率を維持するとしている。
 また、アフラックも死亡保険、三大疾病保険、こども保険、介護保険について
それぞれ現行の予定利率(死亡保険1.85%、三大疾病保険2.35%、子ども保険
1.85%、介護保険2.35%)をいずれも1.25%に引き下げるほか、個人年金保険に
ついては現行1.65%を1.15%に引き下げるが、主力商品であるがん保険および医
療保険については現行の予定利率を維持するなど、両社とも主力商品の値上げを
見送ることとなった。

◇標準利率の計算方式を見直し報道で戸惑う現場、
 一方、今回の標準利率引下げを前に、金融庁が標準利率の計算方式を見直し、
来年4月から標準利率を引き上げる(保険料の値下げ)予定との報道がされた。
保険料値上げによる生保離れを回復するのが理由とされているが、今、なぜ子の
時期にという疑問も残る。来年4月に向け再度標準予定利率の見直しが行なわれ
た場合には、今年4月から保険料が値上げされ、翌年4月には保険料が引き下げら
れるという事態が生じることにもなる。
 このことは、とりわけ営業現場への影響も大きい。営業現場は顧客視点でベス
トな商品を選択・販売している。それが4月から保険料が値上げされ、翌4月には
下がることが予定されているのなら、今期の新規契約への取組みが鈍るのは必至
だ。
 
 運用環境が厳しい中、各生保にとってこの4月からの値上げを巡る経営判断が
改めて悩ましいものとなっているのは確かだろう。2月中には各社で予定利率改
定の発表が相次ぐと思われるが、主力商品については予定利率を据え置く生保も
出てくるものと見られ、その動向に注目したい。
                             (石井 秀樹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】海外レポート                      草笛 一郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ドイツの企業物件の保険料上昇

 去年ドイツの企業向け保険市場では、2004年から続いていた保険料水準の下降
傾向に歯止めがかかり、今年も売り手市場(ハード・マーケット)の傾向が続く
と予想され ている。

 これは保険ブローカー・エーオンのドイツ支社長イェルグ・ベヒェルト氏が、
明らかにしたもの。同社がまとめた報告書によると、過去に保険金支払いがあっ
た企業物件だけでなく、特定の業種に属する全ての企業物件で、保険料水準が上
昇する傾向が見られた。

 その理由としては、ドイツで好景気が続いているため保険料計算の基準である
企業の売上高や賃金水準が上昇したことが挙げられる。

 さらに保険会社が企業に対して、リスクの高さに応じた保険料を要求する傾向
が強まり、顧客が要求に応じるケースが増えていることも理由の一つだ。

 火災保険の分野では、保険会社が企業に対して綿密な防火措置を取っているか
どうか質問したり、損害防止措置についてアドバイスをおこなったりするケース
が増えている。保険会社が防火措置が十分でないと判断した場合には、保険料が
引き上げられる。このため企業の間でリスクマネジメントを強化する傾向も強ま
っている。

 ベヒェルト氏は、「企業保険市場が変化しつつある中で、各企業が十分な保険
カバーを得られるようにするのが、我々の任務だ。過去10年間のように、競争に
よって、全体的に企業保険の保険料水準が下落する傾向は、しばらくの間見られ
ないだろう」と説明する。

 特に競争が激しく、損害率が高かった自動車のフリート契約でも、保険料水準
が上がる傾向が見られる。昨年ドイツの保険会社は、ロスがあったフリート契約
を解約したり、更改時期ではなく保険期間中に契約の改善を迫ったり、解約告知
期間を短くしたりするなど、厳しい措置を取ってきた。このため一部のフリート
契約の保険料は、2ケタ台の増加率を見せた。

 ドイツ保険協会(GDV)によると、2012年の自動車保険のコンバインド・レ
シオ(支払保険金、支払備金、社費の収入保険料に対する割合)は103%だった
が、損害保険業界はコンバインド・レシオを90%以下に下げることを目標にして
いる。

 企業保険のハード化傾向は、当分続きそうだ。
                      (在欧州金融ジャーナリスト)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】保険、一歩ずつ(26)                  栗山 泰史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 プロ代理店の力を考える(その2)
 
 自分自身の体験を基に論を進めることには大きな危険がある。所詮、一人の経
験には限界があるからだ。それを分かりながら敢えて記すが、昔、電気製品一式
を買い揃えるにあたり、家電量販店ではなく、あえて「町の電器屋さん」にお願
いしたことがあった。故障その他の電気関係の不測の事態に備えるために近くに
いる専門家が必要と考えたからだ。
 しかし、その後の買い替えにおいて、二度とその「電器屋さん」にお願いする
ことはなかった。なぜなら、その後、「電器屋さん」との接点は、電球や電池を
買う際に、にこやかに接してくれる他にはほとんど何もなかったからだ。そして
それ以上に、買い替え時期までの何年もの間、一度も「電器屋さん」のお世話に
なるような電気関係の不測の事態は起きなかったからだ。
 こうした消費者と販売店の関係の変化は、特に筆者だけのことではなく、世の
中で普通に見られてきた現象である。その原因は、決して「電器屋さん」が努力
を怠ってやるべきことをやらなかったり、間違ったことをしたことにあるわけで
はない。量販店が提供する品揃えや低価格という消費者にとっての新たな価値が
生まれ、一方で、技術の進歩により電気関係の不測の事態は滅多に生じず、「電
器屋さん」としては、なす術を持ち得なかったことが背景にある。

 ここで、「保険契約者とプロ代理店との関係も同じである」と書けば通り一遍
の説教調の話になってしまう。ましてや、多くのメディアに取り上げられ、2012
年の「リングの会」オープンセミナーにも登場した「でんかのヤマグチ」の話に
でもなろうものなら、賢明な読者には、「そんなことは知っている」とばかりに、
これ以上、読んでいただけないかもしれない(^_^;)

 それにも拘らず、少し長くなるが「でんかのヤマグチ」について触れておこう。
「でんかのヤマグチ」は、創業1965年、資本金一千万円、従業員50名、東京の
町田市にあり、町田市および相模原市とその周辺の顧客に絞って営業する「電器
屋さん」で、低価格競争に陥ることなく顧客からの圧倒的な支持を得ている。
 経営理念を、「でんかのヤマグチは、当店を利用していただく、大切な大切な
お客様と、お客様の為に働く社員のためにある。」と定め、「あなたの街のでん
きやさん!!でんかのヤマグチはトンデ行きます!!」をスローガンに、次を活
動方針に掲げる。
 ・お客様のわがままをすべて聞くこと
 ・お客様のかゆいところに手が届くこと
 ・お客様の楽しい買い物を楽しくお手伝いさせていただくこと
 そして、この店は、実際に、切れた電球の交換はもとより、時には、電器とは
関係のない不在時の家の留守番までも顧客サービスとして行うが、これを実行す
るためにも顧客エリアを店の周辺に絞っているのである。
 「でんかのヤマグチ」の魅力は、電器製品の価格ではなく提供するサービスの
質と量にある。そして、重要なことは、誰が見てもこの店の素晴らしさは理解で
きる一方で、誰もこの真似をできないくらいの高い領域にサービスの質と量が到
達していることである。「でんかのヤマグチ」はスーパースターであり、普通の
人間は、してはいけない悪いことを「分かっちゃいるけど、やめられない」にも
拘らず、なすべき素晴らしいことは「分かっちゃいるけど、やれないよ」なので
ある。

 ところで、「街のでんきやさん」と聞いて思い出すのは、かつて街のあちらこ
ちらで見かけた「ナショナルショップ」である。「ナショナルショップ」は、
2009年の松下電器産業からパナソニックへの社名変更に伴って、現在は「パナソ
ニックショップ」と名称が変わっている。
 ウィキペディアによれば、「パナソニックショップ」は、パナソニックの製品
を販売する特約店(電器店)の通称であり、1957年、日本最初の系列電器店(街
のでんきやさん)ネットワークとして発足したと説明されている。そして、同じ
くウィキペディアから引用すると「概要」に次のように書かれている。

 「量販店が大量に安く売ることをセールスポイントとしているのに対し、パナ
ソニックショップ(街のでんきやさん)は『アフターサービスの良さ・きめ細か
さ』をセールスポイントにしているので、『家電のホームドクター』として電球
や蛍光灯の交換といった軽工事にも幅広く気軽に応じてくれる(「お役に立ち隊
宣言」)。また『パナソニック修理技術認定店』として他店購入製品やパナソニ
ック以外の他社製品修理も取り扱う。この意味を込め、パナソニックショップは
1998年から『あなたの街のでんきやさん』を全国共通キャッチフレーズとしてい
る。(中略)また地方の一部には、雑貨店・酒店・CD&DVDソフト販売店を同じ敷
地で経営している店舗も存在する。また来店客が休憩所としても使えるよう茶菓
を置いてある店舗もある。」

 「でんかのヤマグチ」のモットーや活動方針は、パナソニックショップが持っ
ている基本的なコンセプトに類似しているのである。では、この源流はどこにあ
るのであろうか・・・・。 
                 (日本損害保険協会 常務理事)文責個人

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(11)         尾庭 恵子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 『大切なことを話してもらえる自分でしょうか』

 会社のスタッフから。お客様から。家族から。仲間から。大切なことを話して
もらえる自分でしょうか。心配をかけてはいけない、とか、忙しそうだから、と
か、気を使わせないように、とか、そういうことを理由に、話してもらえないと
したら、とても残念ですよね。なぜなら大切な人の大切な話。聞いて共有してお
きたいと、わたしだったら思います。でも、もし、話ししても仕方ないし、とか、
話したくもないし、とか、話す必要ないし。もしそういうことを理由に、話して
もらえないとしたら、それは自分のありかたを、しっかり見つめ直さないといけ
ない、と思っています。“どうして話してくれなかったんだ。”ではなく、“ど
うすれば話してもらえる自分だったのだろうか。”をみていく視点が大事だと思
っています。

 そしてもうひとつ、“大切なこと”って、なんでしょう。そこにあるのは一つ
の事実。それが大切か、そうではないか、それは人の主観決めること。わたしに
とっては大切でも、その人にとってはそうでもないことがあるかもしれないので
すよね。決めつけをはずして、できるだけニュートラルに、自分ごととして物事
をとらえられるように。まずは自分から。仕事をしながら、あるいは家庭の中で
も、日々意識していることの一つです。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでもお役に立ててい
ると嬉しいです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【感動経営のための質問】
 「大切なことを話してもらえる自分でしょうか。」

 この質問を、ぜひご自身に問いかけてみてください。何か気づいたことがあれ
ば、是非、行動にしてみてくださいね。気づくことも大事ですが、行動すること
がもっと大事です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (I・NEST有限会社・取締役 企業研修講師 魔法の質問認定講師 フロ
ーマネジメントインストラクター)
http://www.inest.co.jp/
http://www.facebook.com/keiko.oniwa

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(16) 村田  稔
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「こんな良いとも悪いともいえる日ははじめてだ」(マクベス第一幕第三場)
                〜保険の傾向と対策、取引信用保険の活用〜

 英語では、‘So foul and fair a day,I have not seen.’
 マクベスが激しい戦から帰還した際のセリフです。
 ノルウェイ王軍との戦いで、劣勢を挽回して勝利した将軍の心境をシェイクス
ピアらしいセリフで表現しています。

 一歩間違えれば、命を落とす戦場での戦い、それは良いこと(事象)と悪いこ
と(事象)が交互におき、その対応を誤れば、まさに死活問題になります。そし
て、このことは経営においても言えるのではないでしょうか。
 つまり経営環境においては、常にいいことと、悪いことが必ず起きます。その
対応を誤れば、会社の存続に関わってきます。

 こうした経営の環境変化の対策のひとつが、間違いなく保険です。

 株価の下落、所有不動産価値の下落、為替リスクなど、保険では対応できない
経営リスクも存在しますが、リーマンショック以降、注目されているのが「取引
信用保険」であることは、論をまたないでしょう。
 新規の取引の場合は、銀行等を通じて、信用照会を行うことが一般的で、あら
たに保険料を払ってまでも、倒産リスクをヘッジすることはありません。ただ、
海外に進出しようとする場合、現地企業の与信をすることは極めて困難です。
 そこで、この保険のもつ「与信機能」に注目し、活用・利用すべきです。

 もともと取引信用保険を扱う損害保険会社は、貿易立国であった欧州諸国から
始まり、海外進出企業の取引相手先のリスクを調査する独自のノウハウをもって
います。ですから、日本の大手損害保険会社も、こうした欧州の取引信用保険に
特化した損害保険会社と提携しています。
 東京海上日動火災は、アトラディウス(オランダ)Atradius
 損害保険ジャパンは、コファス(フランス)Cofas
 三井住友海上火災は、ユーラーヘルメス(フランス、*ドイツのアリアンツグ
ループ) Euler Hermes

 取引信用保険を扱うこれらの専門会社の中には、独自に日本での市場開拓を進
め、損害保険の販売のみならず、進出先の与信機能サービスなど、独自のノウハ
ウで売上を伸ばしています。とはいえ、まだまだ普及度合いは低く、開拓すべき
市場は十分残っています。

 資金回収の方策としては、ファクタリングがあります。取引信用保険との詳細
な比較は、ここではしませんが、ポイントは、取引信用保険は保険ですので、あ
る一定の確率で保険金支払いを想定しているということです。
 この点は、ファクタリングとの大きな相違点で、共存の要素のもっとも重要な
部分といえるでしょう。
 悪い日を良い日にするには、与信強化は必須です。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】「ごまめの歯ぎしり」(67)               森田 直子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 営業は科学

 一昨年、自分の初の著書となる「生保営業のたまごとひよこ−成長するための
ヒント−」(保険毎日新聞社発行)を出版した。保険毎日新聞で連載しているコ
ラムをまとめたもので、私自身が生保営業の新人・中堅時代に実際に経験したこ
とを織り交ぜながら、営業として成長するためのヒントを伝えたいという思いで
書いているものである。

 とくに新人当初の失敗系経験を通じて学んだことや、試行錯誤の上でたどり着
いた自分なりの営業ノウハウなど、実際に経験してきた事柄を複数紹介している
が、失敗や反省を繰り返した時期の経験談では「汗と涙のドタバタ劇場?的」な
イメージもある。そのため、読んで下さった方々からの感想には「初心に帰った」
「新人に読ませたい」というものが多いが、その中で「営業は科学」という言葉
を言った人がいて非常に印象に残っている。

 科学という言葉の意味を広辞苑で見ると二つの意味がある。

(1)体系的であり、経験的に実証可能な知識。(2)狭義では自然科学と同義。

 一般的に科学というと(2)の方の、理科や自然科学の方を連想する。しかし
(1)の方の「科学」という言葉そのものの意味で考えると、科学とは『ある事
象を、事実にもとづき、実証的・理論的に裏付けて他に人も理解できる方法を確
立したもの』というようなことになる。そう考えると、私の書籍は、経験に基づ
いた内容のため、ある意味で営業の科学書(?)と言えるのかもしれない。

 と、自分の書籍の宣伝のようで恐縮であるが、この科学という概念は、営業技
術を向上させるための鍵ではないかと感じるものがある。

 営業マンとして成長するには、自分自身が実際に経験を積み重ね、この方法で
うまくいった、あるいは失敗したというその時々の事象を、毎回検証していくこ
とが必要だからである。そして「なぜ失敗したのだろう」「次はどうすれば良い
だろう」「他の人はどうやっているんだろう」という原因分析を含む試行錯誤を
経て初めて、自分に最も適した合理的な方法論に到達することが可能となる。
・・・これは正に科学!である。

 営業という仕事には、地道な努力を積み重ねる根性や忍耐、顧客への感謝、人
と人の信頼関係の価値を知るというような、情緒面での、遣り甲斐や喜びや学び
が多々あり、そこに営業という仕事の面白さがあることも事実だと思う。
 しかしそこだけに走るのは間違いで、そこを履き違えると成長がストップする
という落とし穴に陥る危険があると感じている。真面目に仕事をしているはずな
のに成長出来ず、自分に営業は向いていないからだと解釈してしまう人を、度々
見てきたからである。

 あくまでも、営業の基本は科学であり、経験による実証と検証の繰り返しがな
ければ合理的な答えには到達しないという、情緒とは全く無縁の側面があること
を忘れてはならないと思う。
    ((有)エヌワンエージェンシー代表取締役・インスウオッチ編集人)
http://www.n1agency.com/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読者の皆さんにとって、インスウオッチへの理解がより深く進むことを期待して
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。

会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカウントをお持ちののinswatchの読者
であれば、どなたでも参加できます。ご希望の方は以下にアクセスして、右上の
≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)好評発売中!
 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル
 第2章 「超保険」現場実践レポート(10の代理店事例と特別レポート)
 第3章 マーケティングの視点から見た「超保険」の可能性
 第4章 商品戦略と「超保険」
 第5章 《三つの診断》から見た「超保険」の傾向と対策
 *『超保険進化論』の内容紹介はコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/book/book200.htm
 *お申込みはコチラから>>
http://www.inswatch.co.jp/hyperform/inspress.htm

☆『TOP1%代理店の成功要因とケーススタディ2010』(定価2500円+税)
☆inswatch経営塾2000編『保険代理店ITハンドブック』(294ページ定価2,500
円+税)
☆佐喜本敦子著『保険は「愛」です』(256ページ定価1800円+税))
☆森崎公夫著『保険は日本を救えるか』(230ページ定価2200円+税)
☆尾籠裕之著『顧客接点と代理店戦略』(142ページ定価1,500円+税)
★申込み先=inspress@sekibundo.net、FAX03-3268-7202 Tel=03-3260-2431
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 先月は正月休みに加えて、土日が潰れてしまった。日曜日は親の介護の関係で
仕方がないと予定から外しているのだが、土曜日が潰れることが厳しく、その付
けが回ってきた。何とか月末まで仕上なければならない原稿が「inswatch」を除
いて3本。お手上げの状態で、先週末は、事務所へ泊る用意をして出かける破目
に。以前の事務所では、時折、泊り込みをすることがあったが新事務所では初め
てとなる。仲間から「もう年金を満額受け取れる年(2月が誕生日なのだ)にな
ったのだから、泊り込みは厳禁、終わるまで付き合ってやる」とのありがたい言
葉を貰ったが、何のことはない。酒盛りが始まり、やがてジャズが流れ出す。そ
のうち、こちらのパソコンのキーを叩く音もジャズに呼応してくるではないか。
原稿の神様がジャズに乗って降臨、見張りの連中を泊らせるわけにも行かず、何
とか仕上ることが出来た。遅筆の作家を缶詰めに、という話は聞くが、さすが編
集者の仲間、最終電車近くまで、付き合ってくれたことを感謝する次第だ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 一度冬のシーズンにカニを存分に味わいたいと思い、カニを目玉にした夫婦バ
スツアーに加わり福井県の奇岩名勝地東尋坊近くの三国温泉に行ってきた。あい
にく当日は千葉県成田周辺で大雪が降り、予定していたバスが渋滞に巻き込まれ、
代車手配で2時間遅れの出発、途中サービスエリアで追走してきた当初のバスに
乗り換えとなった。このトラブルで、朝集合時間から40分近くも何の情報もなく
不安と寒さの中で待たされた。添乗員が遅れて駆けつけてからも温かい場所への
誘導もなく、バスがいつ到着するのか曖昧だったこともあり、戦意喪失したりい
かり出したりで見切りをつけキャンセルし、帰ってしまったケースが5組も出て
しまう。まさかの降雪であったが、問題は有事の際の方針の不徹底と連絡体制の
稚拙さを目の当たりにしあまりのお粗末ぶりに呆れ果てた。運転手も添乗員もツ
アー中イメージダウンを挽回するのに気の毒なほどであった。このような思わぬ
出来事が起きた時、そのフォローの動作如何で、会社の信用、サービスの質の良
し悪しが明らかになるから怖いものである。出発時出鼻をくじかれはしたが、期
待値が下がった分その後の旅行自体は食事、温泉そして翌日の天気ともに予想以
上であった。キャンセル組の余った弁当をもらったり、夜宿でワンドリンクサー
ビスされたり、翌日の夜食用弁当をいただいたりとそれはそれは良いもてなしだ
った。目当てのカニ料理は、三崎漁港で採れたての黄色の三国港の刻印があるタ
グ付き越前ガニと、小振りなズワイガニ2杯が出てきたが、実はどちらも美味か
った。早速お目当ての味噌ぎっしりのカニの甲羅に熱燗の酒を注ぎ、それを口に
運ぶ。採れたて、茹でたてのカニ味噌は、濃厚で香り高い品の良いうまみが襲っ
てくる。これはもうたまらん。カニ刺しや焼きガニ、揚げ物など目もくれず、と
にかく2杯のカニ味噌を利かせ、身を申し訳程度の添えた甲羅酒を心ゆくまで楽
しむ。徳利も次々と並べられてゆく。カニ味噌酒と畳風呂での温泉三昧の冬の雪
景色の旅は実にいいものであった。翌日の五箇山合掌集落の雪景色も、前日の荒
れ模様から一転晴天に恵まれ素晴らしかった。(中、95.8 31.1 104)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
(1)本メール先頭の【お客様ID番号】および、変更内容をご入力下さい。
(2)ご入力後、確認メールが届きます。
(3)そこに記載されているURLをクリックすることで手続きが完了します。
(4)再度、変更完了のお知らせメールが届きますのでご確認下さい。
ご本人確認のためご面倒ではありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■> バックナンバー閲覧サービスのご案内 <■       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 有料購読者にバックナンバー閲覧サービスを実施しております。下記URLにア
クセスし、「バックナンバーボタン」をクリックして、ユーザー名、パスワード
を入力のうえご利用ください。ユーザー名、パスワードは毎月変更されます。
http://www.inswatch.co.jp/
【バックナンバーサービス:新ユーザー名とパスワード】
◆ユーザー名:2013feb
◆パスワード:jf26m2 (ジェイ,エフ,ニ,ロク,エム,ニ)
(いずれも、半角小文字の英数字です)
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.653(2013.02.04)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
  URL  http://www.inswatch.co.jp
  お問合せ info@inswatch.co.jp
  投稿先  reader@inswatch.co.jp
▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△▼▲▽△


« 1 ... 22 23 24 (25) 26 27 28 ... 49 »


長忠著書
社長のための
PDCA導入マニュアル


超保険進化論

TOP1%代理店の
成功要因とケーススタディ

保険代理店ITハンドブック

超保険解体新書

プロ代理店経営WORK SHOP

プロ代理店の成功要因と
新しいビジネスモデル