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投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-1-28 16:43:06 (1362 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.652


===============================================Vol.652 2013.01.28=======

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 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =専業プロ代理店と3つの「S]=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =環境激変の中での生・損保業界=
【2】「損保代理店を語る」(52)              佐喜本 敦子
     =「事業仕分け」 =
【3】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(33)   安東 邦彦
     =平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(2)=
【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(36)        土`川  尚己
     =「見込み客の発見」という視点=
【5】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
     =値上げ見送る日本生命の決断と波紋=
【6】最近話題となるリスクとリスク対策について(58)     行木  隆
     =「保険代理店のBCPについて考える(4)」=
 ■ inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch
 ■ インスプレス=績文堂 保険関連図書案内 新刊『超保険進化論』
 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内

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【0】め・て・みみ                           
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 専業プロ代理店と3つの「S]

 これからの専業代理店の事業の在り方を何かうまく言い表すことはないか考え
ていたら、3つの「S」に行きついた。

 一つは本欄でよく取り上げてきた『スモールビジネス』の「S」である。変化、
多様化著しいこれからの時代は、画一性、量、平均、総花的な品揃え、よりも、
個性、質、こだわり、専門性、などの価値に重きを置く顧客層が増えてくる。そ
の意味で、狙い目顧客層を明確にし、自らの質やこだわりを見える化し、具体化
した展開を自在に取れる小規模組織モデルが注目されるところとなる。量販店的
モデルとは一味も二味も違う顧客密着の特性を活かした事業展開に活路はある。
 ここでのスモールビジネスとは、基本ユニットは5名の倍数で展開されるコン
パクトで生産性の高い家族から発したオープン家業(他人を融合した)や年代層
を異にし個性あるスタッフからなるチーム制をとる機動的組織をさしている。

 そして「スマート」ビジネスの「S」である。スマートとは、賢い、とか粋、
とともに高知能、ITを活用した、という意味である。まさにITの先進技術に
よって代理店事業も新たな地平が用意されてきている。顧客接点での一元的業務
完結の可能性が広がっている。スマートホンやタブレット型端末の導入はまさに
保険会社や代理店のビジネス、営業シーンを劇的に変える。規模的には小さくて
も情報の武器を活用することにより、効果的な事業の展開、顧客サービス提供が
可能になっている。
保険の世界は、人と人のネットワークビジネスであるが、メディアが多様化し、
顧客接点が広がれば広がるほど、フェースツーフェースのビジネスモデルの優位
性がクローズアップされる。多様な生活シーン、ビジネスシーンでの問題解決支
援業としての代理店の立ち位置の重要性はいっそう強まることが必至なだけにそ
れに応え得る専門家ネットワーク構築が求められる。改めて顧客と代理店のかか
わりは質的にどのような向上が必要かも問い直すところとなるのは間違いない。

 そして最後に、「センス」すなわち感性、感受性の「S」である。顧客に対す
る思いやり、心配りこそ、専業プロ代理店の強みである。代理店の価値を端的に
物語るのが『いざという時に思い出すあの御顔』である。まさに代理店ブランド
を究極的に言い表している。今日では、さらにそれをブラッシュアップ(磨き上
げ)代理店の価値、品質の「見える化」をどのように具体的に推進できるか、ま
さに知恵を絞った対応が求められる。代理店は、顧客への生活支援業、経営支援
業をどれだけ強化できるかがカギとなり、その際、問われるのがセンスである。
是非これからのビジネスに対する想像力を働かせてほしい。

 以上、専業プロ代理店の在り方を考える際に、3つの「S]を手掛かりにして
整理してみるとその立ち位置がより明確になるのではないか。皆さんもキーワー
ドをいろいろ考えてみてほしい。そこに、今後の方向性を考える上で、いろいろ
なヒントが出てくるのではないか。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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環境激変の中での生・損保業界

◇人口構造変化で求められる新たなビジネスモデル
 今年の東京地方は雪の中での成人式となったが、総務省統計局調査(「人口推
計」)では新成人の人口は122万人(男性63万人、女性59万人)と総人口に占め
る割合は0.96%と3年連続で1%を割込んだという。(総務省統計局・「人口推
計」)。同じく同調査(24年7月確定値)によれば、0〜14歳人口は1,659万8千人
(前年同期14万6千人減)、15〜65歳が8,049万1千人(同100万4千人減)、65歳
以上3,037万3千人(同89万4千人増)となり、少子化・高齢化の中で、とくに生
産年齢人口の減少が顕著だ。
 また、晩婚化(平均で男性30.5歳、女性28.8歳)に加え非婚化層や離婚率の増
加、シニア層を中心と単身者の増加など、いわゆる“お一人様”が増えてきてい
る。また、生産年齢層では、雇用形態の変化(終身雇用制の崩壊や非正規雇用の
増加)や構造不況の長期化で家計の可処分所得の減少など環境が激変している。
こうした中で、保険業界は新たなビジネスモデルの構築が求められてくる。

◇進む損保のローコストオペレーション
 特に損保業界は自然災害の多発、主力の自動車保険の損害率悪化など、事業収
益が悪化、リスクに応じた保険料アップも収益アップにはつながらないのが実態
だ。海外投資の拡大、グループ子会社の拡大(モバイル損保や少額短期保険など)
、生保子会社への資源集中、グループ内再委託制度によるクロスセルの強化など
トータルな収益確保を目指すが、急速な業績の好転は望めない。
 畢竟、会社陣容のスリム化(早期退社の勧奨、女性職員の営業部門への活用、
代理店への移籍)によって、事業費の削減を図る方向だ。すでに、社員の流動化
は進んでおり、生保販売を中心とした大手来店型店舗や広域にわたる大手乗合型
代理店は多くの旧損保社員を抱えるに至っているし、コンサルティング会社、シ
ステム会社への流入も顕著だ。
 加えて、代理店チャネル全体としての手数料の削減、代理店の効率化・大型化
の一層の推進・淘汰が進められるなどローコストオペレーション戦略が徹底され
てくる。

◇崩れるライフサイクルの標準化
 一方、生保業界では損保に比べ新規契約の伸びは見られるが、保有契約高は減
少の一途を辿ってきている。生保の業績を牽引しているのは銀行窓販だが、貯蓄
・運用型商品のリスク性の高さから各社の取り組みに温度差が見られ、今後、提
供商品の多様化などの取り組みが課題となりそうだ。また、前述した人口構造の
変化の中で市場が細分化(子供世代、保障中核層、女性層、シニア層)、従来の
従来の標準化されたライフサイクル(結婚、出産、教育、持ち家、定年・老後)
が崩壊してきており、その見直しが急務で新たな戦略が求められてきている。

 特に、商品面では医療・介護を中心としたより年代特性に対応した商品の提供
に加え、加入者に対するサービス(介護関連サービス、医療関連サービス)を拡
充するなど、差別化をはかるという戦略がとられてきているが、今後、商品とサ
ービスの融合化が一層進めれて来るものと見られる。また、新たな市場創造とし
て、高齢者層を中心とした現物給付型商品の導入や少子化に対応した不妊治療保
険などに対する規制緩和の方向が「金融審・ワーキンググループ」で打ち出され
ており、今後の最大の取り組みとなる。
 なお、営業職員を主力チャネルとする国内生保では、営業職員のコンサル能力
の向上などレベルアップを目指すが、依然、中堅層(3〜4年目層)の減少が続い
ている。営業面では既契約市場への重点的訪問を展開する一方、顧客接点の拡大
を狙いに拠点型店舗の拡大も進められてきているが、今後、マルチチャネル化へ
の取り組みも本格化するものと見られる。
                             (石井 秀樹)

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【2】「損保代理店を語る」(52)              佐喜本 敦子
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 「事業仕分け」

 新政権のもと、株高・円安傾向で、なんとなく好景気の雰囲気で、新年が始ま
った。けれども、世界も身近な地方経済もリスクだらけではないのか?これから
の1年、自然災害にテロ、世界経済の混迷は、後を絶たないように思える。その
ために、組織は一層の引き締め策を取るに違いない。

 さて、身内の業界保険会社も危機的状況に違いない。損保ジャパン、三井住友
に続き、東海日動も投信事業から撤退。本業回帰と思うことにしても、隣の芝生
の本当の姿が見えていなかったわけで、簡単に他業種に手出しすれば、痛い目に
遭うことが分かっただけでも良い経験と済ませられる内が花。代理店への手数料
カットも一段と厳しさを増すこともうかがえる。

 その影響か、ここに来て、専属代理店さんからの相談が多くなってきた。この
先、どこかの組織に加盟すれば、今より手数料がアップするという、何か魔法の
ようないい話に心が動く。その全貌を確認したくて、資料を頂いた。食わず嫌い
にならず、何事も自分で確かめなくては!!メリット・デメリットを自社に当て
はめて検証することが大切だと思う。

 さて、年末に「事業仕分け」の生みの親「構想日本」の代表、加藤秀樹氏の講
演を聞いた。久々に面白い講演で、前政権の残した功績もあるのだと理解した。
特に、2010年から行政事業レビューが実施されており、政府の各省内での全ての
事業で「事業シート」を作成し、公開されていることを始めて知った。皆さん、
ご存知でしたか?
 NHKにて、復興予算が他県で使われていることを番組で放映し、話題になった
記憶も新しいのだが、これも、公開されている「事業シート」にて取材したもの
だったそうだ。どの省庁を覗いても、可笑しい予算の使い方があるそうで、特ダ
ネは、いくらでも転がっているとの談。

 私達に振り返って、保険会社の「事業仕分け」は、いかなるものか・・・契約
者から頂戴している保険料は、どの様に流れて、仕分けされているのだろうか?
今まで、私達は、ちゃんと保険会社の決算書に眼を通して来たのだろうか?

 第一、上場企業の決算報告書が読めますか?中小零細企業の決算書をお預かり
することも多々ある我々代理店の仕事だが、自社が属している保険会社の財務諸
表が読める人は少ないのではないか?私もそのひとりなのだが、今期は、真面目
に各社の公開されるレポートに注視するつもりでいる。

 また、各社のCMにも注意を払いたい。プロ代理店を前面に出して広報している
保険会社も多くなってきているので、少し嬉しいのだが、来店型代理店のCMも
盛んになっている。今年は、来店型代理店のブランド作りがCM戦略になってい
る感がある。いよいよ、生き残れる来店型代理店や大規模組織編成を目指す代理
店の最終章が始まった。

 皆さんも自社の「事業仕分け」をしっかりやって、前向きな戦略と堅実な戦略
のバランス感覚を磨こうではありませんか?何に大切な手数料を使うかは、将来
の基盤をどこに置くかにかかるのです。間違った浪費は、実を結ばず、間違った
節約も根を伸ばせない。社員とお客様が喜ばれる「事業仕分け」とは何かを今一
度、今年は検証したいと思う。
   (株式会社ファーレン代表取締役、株式会社ボアーズ顧客マネージャー)
http://www.faren.co.jp/  http://www.boaz.co.jp/

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【3】激動の時代に必要な保険代理店のマーケティング(33)   安東 邦彦
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〜平凡な人材が非凡な成果をあげる組織をつくれ!(2)〜

◇業績不振の原因は「人」ではない?
 時代変化の中で、多くの代理店が増収できずに苦しんでいます。実は、この業
績不振の原因を「人」の問題と捉えている経営者が非常に多いのです。そしてそ
のことが、問題の本質を見失わせる原因となっています。
 たとえば、成果にばらつきがあるのは、「一部の営業マンが能力を高めてくれ
ないから」、成果がでないのは、「従業員が積極的になってくれないから」など
です。そして、その果てに「みんなをうまく指揮できないのは、自分の指導力が
足りないからだ。自分は経営者の器ではないのだ」と自分を責めてしまうのです。
 しかし、このような原因分析は間違っています。原因は部下でもメンバーでも
自分でもありません。誰のせいなのかというと、誰のせいでもありません。
 なぜなら、経営上で起こるあらゆる問題は、「システムの不足」もしくは、
「システムの不全」にあるためです。実は、このことを理解しない限り、次の一
歩を踏み出せないのです。

◇業績不振の原因は「システムの不足」である?
 では、システムとはどういうものを指すのでしょうか?
 システムとは、「複数の要素が体系的に構成され、全体として一定の機能を果
たすもの」です。これでは、これではよくわかりませんので、身近なところから
例をあげてみます。
 たとえば、オートバイは、タイヤ、マフラー、ハンドル、メーターなどのパー
ツを組み合わせた構成されたシステムです。それぞれが役割を果たすことで、
「乗り物」としての機能を発揮しています。
 このような視点で物事を見ていくと、あなたがいまいる部屋を見渡すだけでも、
多くのものがシステムであることに気がつきます。イス、机、ソファー、時計、
パソコン、メガネ、本棚、などすべてがシステムです。小さなパーツが誰かの意
図によって組み合わされ、一定の機能を果たしています。

◇野球チームも「システム」である?
 この考え方はモノだけに当てはまるのではありません。野球チームもシステム
の集合体だと考えると、「外野を守る」「内野を守る」「得点を取る」「作戦を
考える」などの機能を担うシステムに分解することができます。
 サードがいないと、「内野を守る」という機能に支障をきたします。主砲がけ
がをすると「得点を取る」という機能が弱くなります。一つひとつのシステムが
チーム全体に影響を及ぼすのです。
 個々の能力が高ければよいのはもちろんのことですが、それだけで強いチーム
は作れません。それぞれの選手が自分の役割を理解し、各システムの機能を最大
限発揮できるような統制が取れていることで、勝てる確率があがります。

◇代理店も「システム」である? 
 同じように保険代理店をシステムという視点でみてみると、「見込み先発掘」、
「見込み先フォロー」「既存客フォロー」「商品説明」「事務処理」「顧客対応」
「ウェブサイトの企画・運営」「社員教育」などのそれぞれのシステムが組み合
わさって出来ていると考えることができます。
 うまくいっていない代理店は、どこかのシステムが機能していないのです。そ
う考えればシンプルに問題に取り組むことができます。
 「人」で構成されている会社を、システムとして分解して考えるのは、無機質
な感じがして抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、代理店は「」システ
ムの集合体である』と考えることで、代理店経営を客観的に見て設計することが
容易になります。また、問題を冷静に修正していくという発想が生まれます。そ
れこそが代理店を大きく飛躍させる視点となるのです。
                (株式会社ブレインマークス 代表取締役)
 http://www.hoken-kachi.com

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【4】名案企画土`川の「月刊 一問一答!」(36)        土`川  尚己
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 「見込み客の発見」という視点

 今月も全国の保険業界関係者からいただいた実際の相談事例を、一問一答形式
で紹介させていただきます!

◆今月の質問━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃Q┃見込み客の数が少なくて困っています。増やす方法は?
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 スタッフには常に「見込み客」を開拓し、確保せよと指示をしているのですが、
なかなか増えません。見込み客を増やすいい方法はありませんか?

┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃A┃開拓するというよりも、発見するという視点を持ちましょう!
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
◯「見込み客」。保険の商売に限らず、ありとあらゆるビジネスのキーワードで
すよね。契約に結びつく可能性のある見込み客をいかに効率的に確保できるか、
これがすべてだと言っても過言ではありません。

◯それだけ大事なものにもかかわらず、こうすれば見込み客を確実に確保できる、
という明確な手法が存在しないのも確かです。なので、人の数だけ好事例あり、
みたいな感じになるんですよね(笑)

◯スタッフの方にとって、この見込み客を開拓するという仕事は、相当ストレス
になっていると思います。「ストレス? 仕事だから当然!」という声も聞こえ
てきそうですが、ここでは、個人の能力差に左右されない見込み客の開拓につい
てお話したいと思います。

◯見込み客というと、一生懸命ニード喚起をしたり、まめに通って人間関係をつ
くったりといった感じで、「掘り起こす」イメージが強いですよね。もちろんそ
れはそれでありなのですが、そうではなく、そもそもニードが喚起されている人
を「発見する」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。

◯何もしていないのにニードが喚起されている人なんているのか?と思われた方
もいるかもしれません。結論から言うと、確実に存在します。なぜなら、あなた
以外の誰かによってニード喚起されることは多々あるからです。

◯ニード喚起にも色々な種類があります。直接セールスから面談という形式で喚
起されることもあれば、テレビや雑誌といったメディアを通じて喚起されること
もあるでしょう。もしくは、たまたま隣に住む奥様がガンになった、なんていう
のもそうでしょう。

◯つまり、見込み客(=ニードが喚起された人)は、自分たちが直接開拓するよ
りもはるかに数多く周りに存在している、そう考えるのが自然です。そうであれ
ば、そのような状態にある人とどうすれば接点を持つことができるのかという視
点で考えれば、今までとはまったく異なるアプローチが生まれてきますよね。

◯通常の見込み客開拓が1対1のアプローチに対し、この視点は1対多のアプロ
ーチ手法です。多数に接触する場合は、自分から出向くのではなく、向こうから
出向いてきてもらう戦略がメインとなります。例えば、無料セミナーを開催した
り、小冊子などのツールを請求してもらうといったことです。

◯認知をしてもらうためには、普段からニュースレターなどを発行して自前のメ
ディアを持つことが最も有効です、もしそれがないのであれば、既存のメディア、
例えば折込広告やフリーペーパー等に広告を出すという方法もありますね。

◯いかがでしょうか。見込み客開拓の視点を少し変えるだけで、様々なアプロー
チ方法が考えられます。是非、試してみてくださいね。
                     (名案企画株式会社代表取締役)
http://meian.jp

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【5】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
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 値上げ見送りの日本生命の決断と波紋

 遅まきながら、新年明けましておめでとうございます。
 さて、先月号で生保の予定利率の引き下げの話をしました。
 去年の10月の段階で国債利回りの水準があまりにも低かったので、標準責任準
備金を計算するための標準利率がこの4月から引き下げられることになり(この
標準利率の計算方法は法律で決まっています)、この標準利率の引き下げにとも
なって保険料計算用の予定利率も引き下げられ、保険料が引き上げられる、とい
うシナリオです。

 しかし、その後の総選挙で自民党・公明党の連立が勝利し、安倍さんが総理大
臣となり、『アベノミックス』への期待から心理的にはかなり景気の見通しが良
くなっています。何とも先の見えない民主党の野田さんのころとは様変わりの様
相です。日銀も政府に協力して正式にインフレを目標とすることになりました。
しばらくすれば景気の回復がはっきりしてきて金利も徐々に上がってくるような
気がします。政府も予定通り消費税を上げるためにも是非ともそうなるように持
っていかなければなりません。

 こんな中、逆に金利を引き下げて保険料を値上げする、というんですから、世
間的にはなかなか理解されなさそうですね。
 そこで、標準利率の計算方式を変更して、(今度の4月には間に合わないけれ
ど)来年の4月からはまた標準利率を引き上げ、保険料を引き上げよう、という
話が金融庁の意向として報道されたと思ったら、今度は日本生命が、標準利率が
引き下げられても保険料の値上げをしない、という話が出て来ました。正式には、
一時払いの保険と長期の定期保険の予定利率は変える、という発表ですが、要す
るにそれ以外の商品は予定利率を変えませんよ、ということのようです。

 確かに、1年後にまた予定利率を引き上げることがほぼ確実なら、たった1年
分だけ予定利率の引き下げをはしょったとしても日本生命の財務の体力からすれ
ば大したことはありません。保険料を上げたり下げたりする費用を節約できるこ
との方がメリットが大きいかもしれません。

 でも、業界のリーダー会社にこんなことをされてしまうと、日本生命ほどの財
務の体力のない他の会社はどうしたらいいんでしょう。なかなか悩ましいところ
です。
 政権も安定し、いよいよお待ちかねの相続税の引き上げ(控除の引き下げ)も
実現しそうです。死亡保険金の控除を圧縮する話はなくなったようです。生命保
険もますます大変ですね。
 ということで、今年もはじまりました。今年もよろしくお願いいたします。
        (生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp

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【6】最近話題となるリスクとリスク対策について(58)     行木  隆
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 「保険代理店のBCPについて考える(4)」

 前回は、有事の際の「帰宅」についての対応ルールについて触れました。今回
は、BCPを策定する上で、社員が家族と決めている有事の際の行動計画を確認す
ることの重要性について触れます。

 有事の際の行動計画とは、社員が家族間で決めている安否確認方法や緊急避難
場所、避難方法、緊急連絡先、連絡がとれなくなった際のルールなどです。

 会社と社員が社員の有事の際の行動計画を話し合うことで、社員の家族環境の
現状に基づいた行動計画を把握することができるので、会社は事業継続活動をす
るための計画を社員の行動予測に基づいて構築することができ、より現実的な計
画を立てることができるようになります。

 例えば、小さい子供がいて子供の安否確認や安全を確保を社員がすると家庭で
決まっている場合や子供が独立していて安否確認だけを行う場合、介護を必要と
する家族がいる場合など、各社員が行うであろう異なる行動を会社側が知ること
で、災害などの発生後の復旧に向けた活動における役割分担を事前に社員の事情
を踏まえて決めておくことができます。
 そうすることで、有事の際の社員の精神的・物理的負担を軽減でき、より実現
性のある復旧に向けた活動ができるようになります。
 もし、話し合う中で、不足している事があれば、具体的にアドバイスすること
ができたり、まだ家族間で話し合いがされていない場合は、話し合いの場を設け
るように促すこともできます。

 また、会社として、社員の家族の有事の際の計画を支援することも重要だと思
います。例えば、安否確認について、会社で行う社員向け安否確認の範囲を社員
の家族まで広げて、家族間で行う安否確認の予備的な機能として活用させること
なども考えられます。他にも家族一人ひとりに紐づいた確認内容を表にした情報
共有・確認シートのようなものを会社として作成し、計画を立てやすいようにリ
ードしたり、家族状況の変化に対応できるよう定期的にチェックすることもでき
ます。

 家族と決めている有事の際の行動計画について話し合うことは、結果として、
社員の家族を含めた安全の確保に繋がることになり、災害などの発生直後の復旧
に向けた活動計画から発生後の事業継続のための社員の招集など継続的な復旧活
動を行うことを可能にする重要な事柄です。
                      (株式会社KABTO 代表取締役)
http://www.kabto.com

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■inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch    
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読者の皆さんにとって、インスウオッチへの理解がより深く進むことを期待して
毎週、注目した記事を選んで、感想や意見などをコメントして頂く、名付けて
comment@inswatchを始めています。

会社名等所属を明らかにしたfacebookのアカウントをお持ちののinswatchの読者
であれば、どなたでも参加できます。ご希望の方は以下にアクセスして、右上の
≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
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■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
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 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル
 第2章 「超保険」現場実践レポート(10の代理店事例と特別レポート)
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 第5章 《三つの診断》から見た「超保険」の傾向と対策
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■編集後記                     
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 今日は朝5時過ぎから雪が舞い出し、30分ほどすると辺り一面が白くなった。
前回の雪では、交通機関が麻痺したのを思い出し、電車の遅れを想定し、1時間
前に家を出た。電車が地下に潜る二子多摩川駅までは確かにまだ雪は降り続いて
いたのだが、神保町の駅を降りると、なんと空は青くはれ、日が差しているでは
ないか。まだ乾き切れない傘に、通りを歩く人はこの青空の下どこで雨が降って
いたのかと思ったに違いない。最近は局所的に雨や雪が降ることが多くなった。
そのうち、保険も損保では地域を限定したより細分化された商品、生保では地域
別死亡率に基づく商品が登場するかも知れない。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 先週名古屋に行く機会があったが、母がここの出身で、私が中学のころまで夏
休みは決まって祖父母のいた覚王山の実家に長逗留し、いろいろ案内してもらっ
たので、馴染みのある土地柄であった。今から50年以上も前の話であるが、茨城
の地方都市と比べ大都市のスケールの大きさ、都市化の進展度合い、生活振りの
違いに圧倒された。今では全国的に平準化されてしまったが。それだけ名古屋か
ら受けた幼いころの衝撃は大きなものであり、関東人でありながら、にわか名古
屋ファンとなり、野球は中日を贔屓し、八丁味噌好きになったのであった。それ
でもまだまだ知らないことが多いと改めて感じたのは、今回、『しるこサンド』
なるものを始めて食したからだ。地元の方なら知っていて当たり前のご当地もの
だと言う。昭和41年に松永製菓というところで発売開始され今でも根強い人気を
持つビスケット菓子。小豆の餡をサンドした3層構造で、生地は固く噛みごたえ
がある。ほんのり甘く、かつ塩味も利かせ、3枚も食べると、汁粉の味がしてく
ると言うもので、確かに食べ始めるとなかなかうまい。ウイスキーのおつまみに
も合うから面白い。40年の歴史というから名古屋に子供の時分行っていたころと
ちょっとずれていたため、今日まで知らずに暮らしてきたのかもしれない。(中、
97.4 31.7 104)http://blog.livedoor.jp/inswatch01/

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      ■> 配信先電子メールアドレス変更のご案内 <■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 配信先メールアドレス・ご住所・ご担当者名など、ご登録内容を変更される場
合は、以下のURLにアクセス頂き、下記の通りお手続きをお願いいたします。
http://www.inswatch.co.jp/members/menu.php
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投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-1-21 18:59:58 (1660 ヒット)

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 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =「社員大移動」始まった保険業界=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =進む保険会社の高齢化対応と市場変化=
【2】最近の米国の保険流通動向                野田 節子
     =集合体の利用=
【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(64)        宮地 幸江
     =MDRTの新春研修会に参加して=
【4】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(15) 村田  稔
     =詐欺の手口=

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 ■ 編集後記
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【0】め・て・みみ                           
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 「社員大移動」始まった保険業界

 2013年の保険産業は、幕開け早々、自賠責保険の保険料が4月から平均13・5%
引き上げとなるとの発表があった。損率悪化と保険料改定の悪循環は官民両保険
分野に及んでいる。
 損保業界の2013年は、未曾有の実質赤字状況の継続にみられる構造的な収益環
境の悪化と、その打開に向けた動きに集約される。中でもローコストオペレーシ
ョン戦略の徹底と人材を含めた再配置、合理化が徹底しそうだ。

 すでにNKSJやAIU・富士グループ等でも希望退職や大規模な人員削減計画を打
ち出しているほか、他のグループでも例えば東京海上日動のように業務プロセス
の改革やシステムの抜本改革、成長部門へのシフト替えをテコに5年で男子営業
社員の4割削減を実現するなど大幅な本体の人員削減を遂行したところもある。

 保険会社は、2001年から2004年にかけての自由化対応での第一次再編成の変動
局面を上回る、構造改革局面に直面している。聖域なき改革、今までにないドラ
スティックな取り組みが目立つ。こうした施策は本年さらに多様に展開が予想さ
れる。
 保険会社の組織改革は間接部門の合理化にとどまらず営業現場も拠点の集約
化のみならず、タブレット端末投入等、情報ネットワーク革新による顧客接点で
の業務一元化も始まり、直間比率の変革、女性スタッフの現場営業へのシフト、
男性スタッフの新たな人事コースの導入など「社員大移動」の観を呈する。

 果たして削減された人材がどの分野に流れるかも注目されるところだが、同じ
保険グループ内での吸収では間に合わない規模の流出となることは必至だ。生保
などのグループ内関連会社や代理店子会社などへのシフトが進む一方で、関連す
そ野分野がどれだけ広がるのだろうか。
 業務経験豊富なベテランの人材の自主的外部流出も進み、保険関連分野での新
たな事業創業機運も高まっている。これが、優良な市場を有する隙間優良市場や
未成熟な法人市場等、今後成長余地の大きな空白市場に流れ込む構造を作り出し
始めている。

 代理店産業にとっても、まさに胸突き八丁の時代の到来である。保険会社の聖
域なき改革は代理店手数料にも及ぶことは間違いがない。新たな手数料体系への
変更を考えている会社もある。こうした中で、どのようなビジネスモデルを選び
とるのか。代理店の組織化、グループ化に着目した新たな動きも強まろうが、ス
モールビジネス特有の小粒でもピリリと辛い特性を活かした活路の堅持も必要に
なる。いずれにしても、本年は、人の移動に注目するとまた違った光景が描き出
されるのかもしれない。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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進む保険会社の高齢化対応と市場変化

◇現物給付で新たな市場戦略へ
 金融審議会・「保険商品・サービスの提供等に関するワーキング・グループ」
の論議については、この欄でも取り上げているが、先週(1月15日)に日経紙が
「生保の現物給付」解禁との記事が1面トップで報じた。解禁はまだ正式に決ま
ったわけではなく、正式には今後の「ワーキング・グループ」の最終結論を待た
ねばならないが、今後、相対的に人口が増加する高齢者層に対して保険業界が新
たな市場戦略に踏み出したといえよう。

 現在の日本の各年齢層別人口は0〜14歳が1,659万千人(前年同期14万6千人減)
、15〜64歳が8,049万1千人(同100万4千人減)、65歳以上3,047万3千人(同89万
4千人)となっている(総務省統計局「人口推計」24年7月確定値)。これが2060
年には0〜14歳791万人、15〜64歳4,418万人、65歳以上3,464万人になるとの推計
がなされている。(「国立社会保障・人口問題研究所・平成24年1月推計」)。
加えて、高齢者の相対的な人口増に比例して要介護・要支援者数は556万人と介
護保険制度がスタートした2000年に比べ約2.5倍の増加している(「厚生労働省
介護給付費実態調査」24年9月審査分)。

 これまで、生命保険の販売については人口が最も多い団塊世代を中心としたマ
ーケティング戦略がとられてきたが、すでに団塊世代は高齢者の仲間入りし、高
齢層の増加の要因となる中で、医療・介護への不安が高まってきている。20日に
NHKで“老人漂流社会”との特別番組で介護施設を転々とする要介護老人の実
態が放映された。介護に対する保険のニーズや介護施設提供の要望など、保険と
して社会的役割の一方、新市場としての魅力は大きい。導入にはまだクリアすべ
き問題もあるが、今後、多様な現物給付型商品の登場が期待されるところだ。

◇多様化・細分化する変るライフスタイルへの対応も課題
 一方、高齢化もそうだが、急激な少子化と生産年齢人口の減少は従来の標準化
されたライフサイクル−結婚、出産、子供の教育、定年、そして老後−を軸とし
た販売手法の枠内では捉えきれなくなってきている。
 結婚については晩婚化(平均で男性30.5歳、女性28.7歳)の進行、出産・教育
について出生率の低下とそれに伴う教育費の分配の変化、また非婚化層の拡大、
離婚率の上昇、シニア層を含めた単身層の増加など、ライフサイクルそのものが
多様化してきている。
 こうした細分化されたニーズにいかに対応していくのかも今後の課題だ。また、
保険会社のみならず保険代理店としても、こうした市場変化と顧客の細分化され
たニーズに保険商品のみならずサービスの提供が出来るかを本格的に考える時代
に入った。
                             (石井 秀樹)

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【2】最近の米国の保険流通動向                野田 節子
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 集合体の利用

 今、再び、集合体の利用が増えている。規模によって利用度合いに差はあるが、
独立エージェンシーの20%が集合体を通じて保険を付保していることが明らかに
なった(IIABAユニバース調査)。独立エージェンシー5社に1社が何らかの集
合体を利用しているということである。

 1990年代、大手の損保会社がコストを抑えるために小規模エージェンシーとの
委託契約締結を限定した。すなわち、保険会社にとって小規模エージェンシーと
の委託契約の維持はコスト高になるので取扱保険料最低額を引上げた。そこでエ
ージェンシーは集団を形成し(クラスターと呼ばれた)、保険料をプールして保
険会社との取引を維持したのである。

 現在、最大規模の集合体「SIAA」は4千社以上のメンバーを有している。その
他、「イロコイ」「キーストーン保険グループ」「レビット・グループ」なども
年々メンバーを増やし、高利益を上げている。これらの集合体は、最初は、小規
模エージェンシーの保険料を集約し、保険会社への支払い業務を行う、すなわち、
経理部としての役割を果たしていた。しかし、いまや、それ以上の利点をメンバ
ーに提供している。今回のユニバース調査で、エージェンシーは集合体加盟の理
由として次の四つを挙げた。
 ?利益上昇
 ?知的財産のシェア
 ?事業永続
 ?プロデューサー(新規顧客開拓担当者)の紹介やトレーニング

 利益上昇とは、付随手数料の上昇である。付随手数料とは、年間の取引総額や
損害率を基にエージェンシーに支払われるボーナス手数料を言う。保険料集約の
結果、年間取引総額が増大するので付随手数料も上昇するのである。
 知的財産のシェアとは、様々なリスク削減やクレーム対応手法をメンバー間で
シェアしたり、集合体本部の専門家から得たりすることである。
 事業永続−家族内継承や社内継承ができない場合やオーナーの疾病、死亡で事
業を中断しなければならなくなった場合に、本部を通じて他メンバーによる買取
を手配してもらう。
 さらに、プロデューサーの探索やトレーニングを本部に委託することができる。

 今、集合体は、その本部機能によって分類され、ネットワーク、フランチャイ
ザー、市場アクセス共同体といった名称が与えられている。ただ、共通している
のは「小規模エージェンシーが生き延びるためのサポート提供者」であることだ。

 90年代、この様な集合体が形成され始めた頃保険会社は警戒した。エージェン
シーが保険料を集約し、保険会社との交渉力を強めることを恐れたのである。
 しかし、今では、小規模エージェンシーと取引せずに済み、コスト削減を達成
できたことを喜んでいる。
 さらに、本部がアンダーライティングまでをも行う集合体がある。すなわち、
保険の目的を「ふるい」にかけ、保険会社に付保できる物件か否かの選択を行う
のである。これは保険会社にとっても得であるに違いない。だからこそ、付随手
数料を増やすこともできるのだろう。しかし、だからといって保険会社が集合体
の設立に関与するとか、設立をサポートするということは一切無い。それこそ末
転倒というものだ。
 多くの保険会社の商品を扱うために設立されるのが集合体であるので、特定の
保険会社からのサポートを受けては顧客のための公平な商品選択はできなくなる
だろう。

 このような集合体の形成が可能であるのは、米国業界には、既に副代理制度や
管理総代理制度があったからだ。
 副代理制度とは、保険会社と委託契約を締結していない保険販売免許保持者の
存在を認める制度である。副代理店は、保険会社と委託契約を締結している代理
店を通じて保険を付保する。
 日本の代理店間分担が、並列つなぎの代理店間分担だとすれば、これは直列つ
なぎの代理店間分担といえるだろう。したがって、副代理制度で集合体を解釈す
れば、集合体メンバーは副代理店で、本部は保険会社と委託契約をしている代理
店ということになる。

 また、管理総代理制度は、特定の地域、または、特定の商品に限り、既存の代
理店に、ある程度の権限(代理店の選択と委託契約締結、アンダーライティング、
クレーム処理など)を委託する制度である。保険会社がコスト削減のために採用
した制度である。今や、管理総代理店とほぼ同様の機能を果たしている集合体本
部もある。生まれも育ちも管理総代理店とは異なるのであるが。

 副代理制度も管理総代理制度も集合体も保険会社の販売コスト削減に寄与して
いる。エージェントにとっての利点は前述のとおりである。業界全体でみるとこ
れらの制度は販売業務に柔軟性を与えていると言えるだろう。それはひいては顧
客の利益につながるというものだ。

 拡大している集合体の成功要因の一つは、システム開発のおかげだそうである。
そうでなければ、何百、何千社ものメンバー・エージェンシーの契約を管理でき
るはずはない。それにしても、保険会社共通の「標準書式」がなければ、多数の
エージェンシーと多数の保険会社とのやり取りを、集合体の本部が仲介できるは
ずもない。1960年代後半、標準書式の作成を発案、推進したカリフォルニア州の
エージェントたちに負うところが大きい。
               (SGN Pacific Insurance Brokerage, Inc.)
http://www.sgnpacific.com mailto:info@sgnpacific.com

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【3】日本一元気で明るい代理店を目指して(64)        宮地 幸江
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 MDRTの新春研修会に参加して

 皆さん新年明けましておめでとうございます。今年も現状に満足せず、ワクワ
クした気持を持って日々向上するイメージを明確に持ち続け、色々なことを学び
そしてチャレンジしていきたいと思っております!本年もよろしくお願い致しま
す。
 1月11日、名古屋で開催されたMDRT東京海上日動あんしん分会・新春研
修会に参加して参りました。
 研修会では1)日本メンタルヘルス協会公認カウンセラーのマツダミヒロさん
による「パートナーシップを高めて豊に生きる魔法の質問」のご講演 2)LP
2名による案件事例研究の発表 3)「税理士さんによる「事業保険と相続」に
ついてのセミナーを拝聴することができました。

 どの研修もわかりやすく大変良かったのですが、私にとって一番印象に残った
話はマツダミヒロさんのパートの「人は何が欲しいのか?」の問いに→商品では
なく「嬉しい・楽しい・ワクワク(夢の実現)・感動などの感情である」という
言葉に今更ながら改めて気付きをもらうことができ、この感情を人に与え、また
は自分が得るために自分の仕事とプライベートに置き換え「理想の10年後に近づ
くために一週間で出来る小さな一歩は?」の問いにまず自分は何を始めていけば
いいのか?いくつか書き出してみたところ、やるべく事が少しずつ明確にわかっ
てきて頭の整理が出来てきました。

 そしてもう一人のあるMDRT常連のLPさんの話も印象的でした。「公衆電
話で3000件のTELアポをかけて、必死でお客さんとの面談のアポを入れている。
面談をしてもイチローのヒットの数に及ばない契約件数なんです。」と必死に行
き先を求めて動いている話に「私たち損保の代理店はお客様がいながら事故等を
理由にしてお客様と会うことにここまで必死になっておらず甘えていたな」と反
省させられました。

 研修会の後の懇親会でもいろんなMDRTの方と対話をして驚いた事は「実は
周りのMDRTの仲間は結構ネガティブな人が多いんです。ポジティブな人が多
いと思われるでしょ?」と。もちろん余裕で仕事をやっている会員の方もみえる
かとも思いますが手帳を見せて頂きながら「2週間先の予定が埋まっていないと
不安で・・・」という言葉に急に親近感をもつことができました。成功している
人は皆必死で頑張っているんですね。変な解釈かも知れませんがアポが埋まって
いない不安な状態に慣れることも大事なのかなとも思いました。

 「保険は入り口ではなく出口が肝心なんです。少しでも安い保険料を求められ
るのであれば駅前によくある保険ショップに行って下さい。もし私にすべてを任
して頂けるのであれば、何かあった時は私に連絡頂ければきちんと請求手続をさ
せて頂きます・・・とお客様に伝えている」という言葉に、この人に保険の全て
を(今回の場合、生命保険のみですが)任せると窓口が一つで安心されるだろう
なと思いました。

 新春からすぐに動いて実践してみたくなる素晴らしい研修会に参加できたこと
に感謝の気持ちでいっぱいです。
                     (宮地総合保険、スマイル部長)
http://www.agt.cc/miyachi/company/index.html

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【4】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(15) 村田  稔
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 詐欺の手口

 「よく聞く話だが、地獄の手先どもはわれわれを破滅に導くために
  まず真実を語り、小事においてわれわれを信頼させておいて
  大事において裏切るという」(「マクベス」第一幕 第三場)
        〜社員に語る夢、ビジョンなのか、ファンタジーなのか〜

 このセリフから多くの方が連想されることは、「詐欺」の手口です。
 まずは小事で信頼させておいて、大事で裏切るのは詐欺の常套手段で、始めか
ら詐欺とは思いこませないことが、全てです。
 昨今の日本の政治状況で、マニフェストと称されるものも、このセリフを想起
させますが、このコラムでは政治の話には立ち入らないようにします。

 詐欺が活躍する分野は、やはり金銭に関わることが圧倒的に多く、金融の分野
で、こうした事例は、大変多いように思われます。
 例えば、最近では、AIJの年金運用も、このセリフ通りの展開だったのでは
ないでしょうか。
 しかし、そういった金銭に関わる詐欺だけではなく、このセリフがあてはまる
場合があります。それは、経営者がビジョンをファンタジーにしてしまうことで
す。
 もちろん多くの経営者は、最初から地獄の手先ではありません。しかし、経営
は決して容易ではありませんから、常に悪魔のささやきがあります。次第に手先
に変節してしまうことが現実としてあります。
 経営者の「夢」に集結した社員たちが、結局、経営者の語る夢が実現性のない
ファンタジーとなってしまい、夢破れ会社を去ることは少なくありません。
 会社は人、金、モノの集合ですので、常に変化と進化があります。ですから、
経営環境に応じて、様々な対応をすることは必須ですが、根幹がぶれてしまって
は、おうおうにして夢はファンタジーになります。

 一時期、IT企業というだけで、多くのファンドから資金が投入された時代が
ありましたが、経営の根幹がぶれ、資金を回収できなかったケースが多くありま
した。また、IT企業という隠れ蓑で、資金を調達し、経営とは関係ない投資を
する企業もありました。まさに、セリフで言うところの、小事での信頼、大事で
の裏切りです。
 経営者の責任は重大で、こころのぶれがないよう努めなければなりません。

 ところで、一般的に詐欺そのものに対応できる保険商品は、今のところありま
せん。
 なぜなら、詐欺をしても保険金が支払われるのなら、ますます詐欺を誘発させ
ることになるからです。いわゆる「モラルリスク」です。
 ただ、この詐欺による保険金摂取は、ある傾向があります。
 それは、いったん味をしめると、繰り返すということです。ゴルファー保険の
ホールインワン保険金請求が繰り返され、詐欺が発覚したことがあります。
 悪事も、繰り返されれば、必ず露見するのです。
 経営者のビジョンも実現性のないファンタジーになってしまわないよう、大事
においても常に社員に真実を語ることが重要です。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

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 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル
 第2章 「超保険」現場実践レポート(10の代理店事例と特別レポート)
 第3章 マーケティングの視点から見た「超保険」の可能性
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■編集後記                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今日、電車の中で携帯電話を忘れたことに気がついた。仕事関係の電話のほと
んどが携帯電話で来るので最悪な状態。たまたま、家に娘が帰省していたことか
ら、電話が来たらそれを事務所につないでくれるということで、折り返し電話を
する事ができたが、朝の10時までに3件の電話があった。1件は今日の午前中まで
に原稿をという要請。もう1件は、そろそろ講演のレジュメを送って下さいとの
要請。スケジュールは承知しているのだが、最近のネタ不足(取材不足)で、ぎ
りぎりまで出来ない日が続いている。携帯を忘れるのもそのせいだと自らの失態
の理由をよそに転化することを覚えた。そうして人は年を取っていくのだ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02 

 このところ減量作戦は順調である。週に1キロのペースで下がってきている。
今回は12月から始め、最初のひと月は100キロを切るか否かでだいぶ苦労したが、
年初に90台に突入して以降は順調に下げ基調の軌道に入っている。今回のポイン
トはいかに昼の食事をコントロールするかとエクササイズの併用そして日々の数
値の記録化にある。50日も超えてくると、不思議なもので食の好みも変わり出す。
今まで苦手としてきた葉物野菜なども真っ先に箸が伸びるようになる。大好きな
とんかつなどの揚げ物やどんぶり物、コッテリ系ラーメンへの執着も希薄になり
つつある(と思いたい)。また、一番重めの夜食ではオカズ主体となり、めっき
りご飯の量が減った。痛風持ちにはビールよりもプリン体のないホッピーがよい
と、ホッピー一瓶のみ許されている人の話を聞き、当初は気の毒に感じたが、発
想を変えて自分に引き寄せてみると、これは使えると思い、早速業務スーパーに
走り、ホッピー割をつくるのにベストマッチと言われるキンミヤ焼酎とともにホ
ッピーを買い込んで、それも試みる。考えてみるとそもそも家で晩酌をする習慣
はなかっのだが、良いと聞くと無性に試みたくなる。この辺まで来ると体に良い
のか悪いのか…。とはいえ数値のみは下がりだしてきた。この分では90キロ台と
おさらばする日もそう遠い話ではなさそうだ。(中、97.4 31.8 105)
http://blog.livedoor.jp/inswatch01/
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投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-1-14 16:03:47 (1372 ヒット)

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 ■■■ もくじ ■■■                        
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【0】め・て・みみ
     =多様化する代理店モデル=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =金融庁、業法の一部改正で内閣布令(案)公表=
【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(3)          尾籠 裕之
     =層別化営業の落とし穴=
【3】秣(まぐさ)の迷い(37)                森崎 公夫
     =年の初めに当たり今年の課題を展望する=
【4】保険代理店として活きる(12)              井上  巌
     =明日を夢見て=
【5】つくる・かわる・ずっとつづける(69)          葭谷 広行
     =今こそ、自動車保険=
【6】生命保険の仕事は関係構築ビジネスです(24)       宮本 久史
     =その人が死んだ後まで付き合う覚悟はありますか?=

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【0】め・て・みみ                           
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 多様化する代理店モデル

 保険販売チャネルを見ていると、まさに過渡期の様相を呈している。代理店チ
ャネルというと目に見えない商品を具体的に担う人間ないしその集団の力量が問
われる。それだけにその独自な取り組みが問われるところとなる。
 長らく生保、営業職員、損保、代理店を基にした画一的な販売チャネルであっ
た規制緩和の流れの下で、通販や店販などのニューチャネルを含め実に多様な販
売チャネルが台頭しつつある。それも単に規模の拡大という単純な量的変化では
なく、事業形態の新たなモデルの登場という質的変化を伴っている。

 保険会社は、ともすると画一的な基準での量的拡大に基本を置く傾向にある。
中でも専属大型化モデルなどその典型だが、最近では、直資代理店モデルの積極
推進によりその政策を純化しつつあるように思われるが、果たしてこのような販
社モデルは代理店チャネル全体の下で、どのようなポジショニングを得ていくも
のだろうか。
 独立性を維持したプロ代理店も、広域・大型化を目指す方向と、地域・市場限
定のスモールビジネスモデルを追求する2つの方向に集約されつつある。

 いずれにしてもこれからの保険募集・販売ルールなどの環境要因がどのように
変わるかにより影響を受ける。また顧客との関係作りをどうしていくか、顧客か
ら認知される代理店としての存在感をどのように構築していくか、多様化する代
理店ビジネスモデルのそれぞれが顧客から審判を受ける。それだけに、代理店経
営者は市場・顧客像を明確にし、他にない独自性、専門性、得意技を明確にした
取り組みが肝要になってきている。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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 金融庁、業法の一部改正で内閣布令(案)公表

◇パブコメ後、2月下旬から3月上旬施行へ
 金融庁は先週(11日)、「保険業法施行規則等の一部改正に内閣府令(案)」を
公表、同案についてのパブリックコメントを求めた(2月12日締切り)。保険業
法の一部を改正する法律については昨年の3月30日に成立し、翌31日に公布され
ていたものだが、公布後1年以内の施行となっていたものだ。
 保険業法の一部改正は、保険会社グループ内(持ち株会社等)における事業の
再編を促すとともに販売基盤の活用についての規制の緩和(「移転単位規制の撤
廃」「保険募集の再委託」)や少額短期保険業者に係わる規制(引受け可能な保
険金額に係わる経過措置の5年間延長。25年4月1日施行)等の緩和が柱となって
いる。金融庁は、パブリックコメントを得たうえで2月下旬ないし3月上旬の施行
を予定している。

◇グループ内保険会社の再委託スタートへ
 この業法の一部改正・施行で、販売面で大きく変わるのはグループ内の保険募
集の再委託が認められたことだ。従来、代理店がグループ内の保険会社の商品を
取り扱う場合、グループ内保険会社との間で、新たな代理店委託契約が必要とさ
れたが、新たな法律では、グループ内の保険会社がグループの中核会社に保険募
集を委託、中核保険会社は既存の販売基盤(代理店)に保険募集の再委託するこ
とができる。
 このため、代理店はグループ(保険持株会社)内の新設会社等の商品を中核保
険会社からの委託(再委託)を受けて販売できるなど、個々の保険会社との委託
契約を締結することなく、グループ内個々の保険商品の販売が可能となる。この
ため、商品販売の多様化が図られるなど、グループ内の専門特化した子会社商品・
サービスの提供など新たな市場確保の戦略も可能になる。
 なお、再委託については、当局の認可が要件として、認可申請時には所属保険
会社における保険募集人の管理態勢や再委託者の管理態勢確認の認可申請書類を
規定するなど、適切な保険募集の確保が求められている。

◇進むグループ内の商品別再編
 一方、もう一つの柱は、グループ内保険会社の契約の一部移転が可能になった
ことだ。従来、保険契約を他の保険会社に移転する場合、責任準備金の算出基礎
が同一である保険契約に限られていた(全部を包括移転)が、こうした移転単位
規制が撤廃される。このため、グループ内においては傘下保険会社の商品別再編
が今後進められることになる。
 このように、グループ内における事業再編と販売面における再委託化という規
制緩和が代理店およびその先にある契約者メリットにどうつながって行くか注目
されるところだ。
                             (石井 秀樹)

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【2】保険市場の縮小と新たな市場創設(3)          尾籠 裕之
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 層別化営業の落とし穴

◇層別化は仮説検証型の営業
 層別化営業というのは、顧客の購買特性に応じた営業活動を行うという考えで
す。ごく自然な考えですが顧客の購買特性を層別に区分けができ、区分けにした
がって営業活動を変えるという特徴を持っています。区分けの仕方はこの考えを
開発したコンサルティンググループによって異なりますが、おおむね顧客の魅力
度と顧客に対する競合の強さで区分けを行っています。今回議論したいことは区
分けのやり方ではなく、層別化に取り組む代理店が陥りやすい落とし穴について
です。
 層別化営業に関心を持っている代理店が増えてきて、層別化営業を始めている
代理店に相談を受けることがよくあります。層別化営業を行ってもなかなか効果
が出ないがどうしてか、という相談です。いくつかの相談を受けて何となく状況
を理解できるようになりました。二つの問題があります。
 
 一つは層別化作業を詳細に行い過ぎていることです。奇妙に聞こえるかもしれ
ませんが、層別化が正しいかどうかを事前に知ることはできません。層別化が正
しいかどうかは行動して初めて分かります。層別化は仮説検証型なのですが、仮
説を組み立てることよりも行動することの方がはるかに重要なのです。層別化営
業をやってみると分かりますが、経験が浅いときの仮説は当たることよりも外れ
ることの方が多いのです。何回も繰り返し行うことにより仮説の精度が徐々に上
がっていきます。それでも100%当たるということはなく、7割から8割当たる
ようになれば層別化営業で成功しているということになります。

◇隠された属性を発見する勘を磨く
 なぜこのようになるかというと、私たちは普段層別化営業とは異なる考えで新
規の取引を行っているからです。最も頻繁に行っている新規取引は、偶然がきっ
かけで始まっています。何かのきっかけでお客様がある商品に関心を持ってくれ
るようになった、という偶然です。新規取引について少し考えるようになると偶
然のきっかけがどうして起きたかを分析します。そうするとお客様の属性と取引
が関係することが分かります。それで、お客様を属性で絞り込んで、絞り込んだ
お客様に対し提案を行うようになります。いわゆるターゲティングといわれる活
動です。ターゲティングも効率を上げる営業手法の一つです。しかしターゲティ
ングではお客様の隠された属性を見つけることはできません。

 隠された属性とは販売者に対する期待や評価です。私たちは普段、他人からの
期待や評価を体感で感じています。いわゆる勘です。洞察力のある一部の人たち
はこの勘を磨いていきます。しかしほとんどの人たちは勘を鍛えることをしてい
ません。
 層別化営業が要求することは日常的にこの勘を鍛えることなのです。仮説を立
て行動して仮説が正しかったかどうかを検証する、このことを繰り返し、繰り返
し行うということで勘は鍛えられていきます。したがって、仮説を組み立てるこ
とに時間を費やすよりも、仮説を検証する行動を行うことの方が重要なのです。

◇重要顧客層へ焦点あわす
 二つ目の落とし穴は、重要でない顧客層のことを最初に考えることです。重要
でない顧客層のことを考えることは価値のないことです。何も得るものはありま
せん。やらなければならないのは重要な顧客層のことを考えることです。重要な
顧客層とはその代理店を支えてくれている顧客層です。この層がどういう顧客で
成り立っているかが正確に分かれば層別化営業は大成功です。結構当たらないも
のです。何度も仮説を立てて、この顧客層が自分を支えてくれているのだから、
こういう提案を行うとこのように反応してくれるはずだ、とやってみるのです。
おそらく当たり外れが大きいと思います。こういうことを繰り返し行うことでだ
んだんと自店を支えてくれる顧客層が分かり、なぜ支えてくれているのかが分か
ってくるのです。そうして初めて自店の強み弱みが分かり、どうすれば支えてく
れる顧客層を増やしていけるのかが分かってくるわけです。重要でない顧客層に
仮説を立ててみてもこのようなことは分かりません。時間と労力の無駄です。

◇層別化は訓練で精度が上がる
 層別化営業を試みている代理店の多くが今まで述べてきたことと逆なことをや
っています。
 相談を受けた代理店の社長さんや営業の人に、今まで述べてきたことを30分く
らい説明しています。皆さん、目から鱗が落ちたとか、肩の荷が軽くなったとか
言われ、層別化のやり方をやり直されます。元々結構無理なことを行われていた
わけですから、やり方を変えた方が活動しやすくなるのです。やり方を変えてみ
てどうだったかをメールでいただいていますが、おおむね前に進んでいるようで
す。
 層別化は訓練することで精度が上がっていく営業技術です。話し方やプレゼン
テーションのような技術とはタイプが違いますが、身につけると生産性を大きく
上げることができます。少しずつですが成功した代理店が経験談なんかを公表さ
れるようになることを期待しています。
                ((株)業務プロセス研究所 代表取締役)

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【3】秣(まぐさ)の迷い(37)                森崎 公夫
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 年の初めに当たり今年の課題を展望する

1、保険会社の統合、合併は正解だったのか
 銀行は保険より早く合併を急いだ、というよりも急がされた。その結果は、が
さが大きくなったが、極めて保守的な経営に終始して、国債の買い手としては役
に立ったが産業の振興は何もしなかった。これは真の銀行の役割を忘れた内向き
な経営で日本経済がここまで落ち込んだ責任の大半は銀行にあると言っても過言
でない。
 保険も統合、合併の掛け声高く、損保の場合、いわゆる3メガが誕生したが、
これはいったい何だったのか、持ち株会社の傘下にある2社の合併作業が進んで
いる。そして、リスクをとることを忘れ、引き受けたリスク管理をお座なりにし
て、何もしなかった20年が無駄に過ぎ去った。これから始まる人員整理、代理店
の統合、保険購買者のニーズに応えられない会社の1年になるのではないか。

2、時代の変化に応える新商品の開発
 従来型の保険はこれから伸びることは考えられない。すると、すぐに出てくる
のは「補助金期待」である。エコカー減税の継続は自動車業界とタッグを組んで
やることだろうし、すでに担当大臣はそれらしきことを発言している。介護施設
の現物給付問題は公的介護保険金狙いと、生命保険金給付の引き延ばしを図るこ
とであろう。想定できないリスク、大型リスクに「官」を噛ました共同保険構想
が出てきているが、これも官依存以外の何物でもない。キャプティブなり再保険
特区構想なり再保険ファンドなりリスクヘッジの方法はいくらでも考えられる。
問題は、障害となる規制を撤廃して、国民の税金に頼らない方策を検討すること
だ。

3、保険販売のあり方を抜本的に見直す
 現在、保険販売の手法は年々多様化してきているが今後も発展、変化して行く
であろう。このような時期に、一世紀近くも前の保険販売とこれに伴う諸規制を
存続しようとするのは馬鹿げたことである。保険は言うまでもなく想定し難い事
象に対してこのリスクをどう軽減するか、もしくは移転するかがその役割である。
それには基本的にリスクの主体(この場合は簡単に保険購買者としておこう)の
意向、期待を最大限に具現化しなければならない。そして販売コスト、管理コス
トを考えた場合に画一的商品を提供することで、ある程度購買者の意向、期待を
満足させられる市場に対しては、どの商品が購買者の意向、期待に沿ったもので
あるか、より良い選択が可能な手続きを保険者、販売者が用意することが肝要で
ある。
 一方で、画一的な商品ではリスクに見合わない場合、購買者の意向、期待を満
足させられるように、保険者、販売者、それに購買者の三者が商品を共創する仕
組みを作ることが必要である。
 そのために保険代理店の性格を二分化して、保険会社の代理行為を忠実に果た
す代理店と保険者、購買者、代理店の三者で適切な保険商品を作り上げる三者の
うちの一者である代理店という存在に区分して、それに適応した必要な規制を設
定するのが望ましい。

4、TPPと保険事業の係わりはマスコミ等で報道されている限りではない
 TPPと保険の係わりは米国生命保険協会が主張している、かんぽ生命、共済の
問題に限定されているとの報道が大方の見方であり、所管官庁や保険業界からは
特に問題提起はない。大手生保の社長はTPP歓迎を表面に出しているし、大手損
保の会長は経団連(重要な顧客である)の副会長でもあるが、特に問題があると
はしていない。
 本当にそうか。例えばアメリカ系の保険会社に有利に働くような行政仕組みに
なった場合、これが顧客にとってもメリットがあればそれを選ぶであろうし、日
系保険会社にしてもその仕組みに嫌でもフォローせざるを得ない局面が出てくる
ことも容易に想像できる。
 しかし、長期的に見れば国益、国民の利益を守る視点も考える必要がある。日
本は保険大国であり、しかもまだまだ未開拓の分野があり、市場環境もデマンデ
ィング(要求過剰)ではないしモラルリスクは相対的に低く保険者にとって多く
のメリットがある。したがって、アメリカから見れば、日本人のお金をいただけ
る市場で、仕事をし易い方に仕組み、規律を変えていくことが考えられる。この
問題は単純ではない、保険者、代理店、それに購買者はよく考えた方がよい。
                          (保険アドバイザー)

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【4】保険代理店として活きる(12)              井上  巌
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 明日を夢見て

 私にとって代理店の仕事は合っていたのでしょうか? あなたはどのように思
われておりますか。もしかしたらもっと自分に合った仕事が有ったかもしれませ
ん。しかし、65歳となって今更と言うわけではなく、私には何の後悔もありませ
ん。自分にあった仕事探しに力を注ぐよりも、縁有って始めた今の仕事を、精一
杯楽しむことの方が大切な気が致します。
 ちょうど結婚相手を選んだ時のように、世の中にはもっと自分に有った人がい
たかもしれません。でもその人を探す努力よりも、縁有って所帯を持った今の相
手と、日々楽しく暮らせるよう努力することの方が大切だと思います。
 短そうで長い人生です。肩の力を抜いて、伸び伸び生きて行きたいと考えてお
ります。

 ところで今後の保険代理店経営は、どのような環境となるのでしょうか。
 自動車保険に50%以上偏っていた損害保険は、本来のポートフォリオに戻り20
%のシェアを超える種目がなくなるのではないでしょうか。
 人々の生活が多様化する中で、生命保険も見込み生産的商品から、オーダーメ
イド商品へと姿を変えてゆくのではないでしょうか。
 そこに代理店の価値が存在します。

 最近電車の中である生命保険の広告を見ました。「保険料が高いのは、代理店
手数料が高いからです」との表現でした。
 代理店手数料は、お客様に適した商品や設計の相談に乗り、目的に合った正し
い契約締結をご案内すると共に、万一事故に遭われた場合、適切な保険金請求が
できるようお手伝いをすることだと思います。
 ですから電車内広告には大いに反論があります。しかし単純な商品販売をして
いるだけでは、何を言われても致し方ないと言う諌める気持ちも有ります。

 今後保険会社は、販売チャネルである代理店にどのような支援ができるか、そ
の営業戦略が重視されるのと同様、代理店も契約者の考えや気持ちを理解し、ど
れくらいの顧客支援ができ、満足してもらえるかが重要なポイントとなるでしょ
う。
 その支援を実践するため、場合によっては別なビジネスに着手する可能性も出
るかも知れません。仮にその別ビジネスの収入が、保険ビジネスの収入を上回っ
たとしても、保険代理店の幹はあくまでも保険ビジネスです。幹と枝葉を間違え
ぬ経営を心掛け、保険会社や共に働いてくれる仲間と、明るく暮らせるよう努め
て行きたいと思っております。
 世の中には数多くの需要があります。その中から保険を幹としたビジネスを選
択し、夢を抱いて眠りに就き、楽しみながら起きられる、そんな日々を過ごせる
よう心掛けて行きたいと思っております。

 この話は、12回の連載ですので今回が最終回となります。
 雑駁な内容と拙い文章表現にお付き合い賜り、厚く御礼申し上げます。代理店
そして保険会社の皆様が、明日も明るく元気良く、保険ビジネスを楽しまれます
ことをお祈り申し上げております。
                 (株式会社アイクスユニオン代表取締役)
http://www.aicsunion.co.jp

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【5】つくる・かわる・ずっとつづける(69)          葭谷 広行
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 今こそ、自動車保険

 通販の自動車保険が好調だ。
 自動車ディーラーの販売強化もあり、私たちプロ代理店の自動車保険販売は競
争が激化している。

 そんな折、印象に残る電話をいただいた。
 「このまま保険会社にまかせておいていいのかな?」
 電話の主は古い友人で、最近事故を起こしたという。彼は一般的なプロ代理店
で契約している。幸い事故の程度は小さく、相手方の損害も5万円程度とのこと。
事故処理も順調に進んでおり、相手方ともめる気配もない。けれども、事故処理
が完了するまでは何となく不安だし、ちょっと聞いてみたくなったとのこと。

 私が驚いたのは、弁護士である彼はこのような事案に明るいと思っていたから
だ。考えてみれば弁護士といえども自分自身が自動車事故を起こすのは初めてだ
ろうし、交通事故の示談の経験はなかったのかもしれない。また、自分自身で解
決することは十分できる人でも、身近な人に一応確認したい、身近な人から同意
を得て安心する、身近な人から気遣いの声を掛けてもらって癒される、誰にでも
そんな感覚はあるものだということを改めて気付かせてくれた。

 ここは代理店が代理店ならではの活躍をする場面だ。
 「ところで、代理店とはどんなやり取りをしているの?」と聞いてみた。
 すると、「特に何も・・」とのこと。
 先月も書いたのだが、ここ数年、保険会社の事故受付コールセンターは格段に
進化し、事故報告の大半が保険会社に直接に入るようになっている。
しかし、代理店がまったく関与しないまま処理が進み、またそのまま処理が完了
してしまうとするとこれは問題だと思う。
 これだと通販自動車保険と同じになってしまい、保険料だけが高いということ
になる。通販自動車保険の普及は保険料の安さだけではなく、代理店側の怠慢に
よるところもあるかもしれない。

 友人からの電話のように、お客さまには身近な人のアドバイスや声掛けを期待
するニーズは間違いなく存在する。このようなニーズがある限り、通販自動車保
険の伸びはいつか頭打ちになるはずだし、代理店販売の自動車保険がなくなるこ
とはない。
 ところが、プロ代理店仲間で話をしていると、自動車保険に対する悲観的な見
方が多いような気がする。
 通販自動車保険の勢いや自動車ディーラーの取組み強化の影響で競り負けるケ
ースが増えていることや、保険会社の手数料政策に対する不信感が主な理由であ
る。
 また販売後の手間が少ないとの理由から、火災保険や傷害保険、新種保険に特
化した方が効率がいいとの意見も多い。

 果たしてそうだろうか?
 私はむしろ逆ではないか思っている。
 自動車保険は確かに手間が掛かる。しかしそれば、見方を変えれば、それだけ
お客さまとの接点が多いということだ。
 火災事故は200年に一回しか起きないし、火災保険は対象が建物等のそうそう
買い換えないものだけに、異動手続きが少ない。これに比べて自動車保険はお客
さまとの接点が格段に多い。普段は非対面の手続きを望む方でも、事故などのい
ざというときには直に会って相談したいという人も多い。
 このような機会はお客さまとの人間関係の構築に大いに役に立つ。お客さまと
のつながりの深さがプロ代理店の強みであり生命線なのだから、今こそ自動車保
険だと思うのである。
         (ユナイテッド・インシュアランス株式会社 代表取締役)
http://utdi.co.jp/ 

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【6】生命保険の仕事は関係構築ビジネスです(24)       宮本 久史
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 その人が死んだ後まで付き合う覚悟はありますか?

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
 さて、早速ですが私の生々しい話から始めたいと思います。
 先月末に私のお客様で死亡事故が発生しました。(12年間生命保険の仕事をし
ていて4件目です)まだ40代前半の男性で交通事故によりなくなられたのですが、
そのお亡くなりになられる前の週に(保険の事とは別件ですが)連絡を取り合っ
ていただけに私自身も何とも言えない気持ちになりました。
 それと同時に、私の頭に直ぐに浮かんだのがこれから保険金請求をしっかり手
続(どういった保障内容に加入していたのか)すること。そして残されたご家族
(奥様と6歳と3歳のお子さん)の方が今後経済面に関して不安が少しでも取り
除けるようなライフプランを立てる手助けしていくのが、自分を保険募集人とし
て選んでいただいた契約者(お亡くなりになった)の方へ報いる事だと思います。
 こんな事もあり今日のメルマガのタイトルは、ちょっとたいそうなフレーズか
もしれませんが、「その人が死んだ後まで付き合う覚悟はありますか?」として
います。

 また、最近私が感じていることも書いてみたいと思います。
 私の仕事のスタンスは、保険募集人やFPとして仕事をするからには、保険商品
や金融商品を契約いただいたお客様とは死んだ後まで、(それぐらいの覚悟で)
付き合う覚悟がなくてはいけないだろうと思っています。
 しかし、私が最近の生保を中心とした保険募集人、FPの人たちを見ていると、
商品選びのテクニックに走るきらいがあるように感じます。(もちろんこれはこ
れで大切な事ですが。)例えば、医療保険だったらA社のこの保険、掛捨ての死
亡保障だったらB社の商品、という感じ。
 最近は何十社の保険会社を取り扱う来店型保険ショップの台頭もあるので、
エンドユーザーにとって取扱保険会社の多い少ないが加入選択の最重要判断材料
というのであれば商品で選ばれてしまい、取り扱い保険会社の少ない代理店や1
社専属のところは負けてしまいます。
 何十社も扱っていない我々が彼らと一線を画し立ち位置をとるには、保険商品
だけではなくその人から加入をしたいと思ってもらえるかどうかだと思います。
保険募集人自体が、お客様の中でブランド化されてしまえばこれほど強いものは
ありません。

 私が思う保険募集人でありFPというのは、子どもが生まれたり、家を購入した
りといった人生の節目の伴走者だと思っています。生きていく中では当然、入院
の給付や死亡など、お客さんが人生の中で大変な時期に遭遇した時に、それを目
にする、共有していくということでもあります。
 私が以前に話をしたあるFPの方はこんな事を話していました。「生保はあまり
取り扱いたくない。お客さんの死亡や入院など、その人の人生に関わるようなこ
とは怖いから。」 もしそういう気持ちがあるのだとしたら、目先のコミッショ
ンにとらわれて保険商品を扱うのはお客さんにとっても、その保険募集人(FP)
にとってもその場の加入時には問題なくともあまり好ましいことではないと思い
ます。
 ここまで後ろ向きの気持ちがなかったとしても、何の覚悟もなしにテクニック
だけで相談をしていては、後から給付という場面でお客さんと関わることになっ
た時、精神的に厳しい思いをするのではないでしょうか。
(ドライに割り切れる人は別ですけど、私の場合は結構色々と考えてしまいます)
 良い悪いは別にして、私の場合は「この人とはちょっと合わないな」という相
談者(お客様)に会った時には、もちろん事務的に加入手続きの案内もしますが、
どちらかと言うとあまりしないようにしています。相談だけに留めて、手続きは
行わないということ。

 ちょっと話は外れますが、これもつい先日の話で個人ではなく法人契約ですが
年間手数料が100万円を超える(個人契約の多い私にとっては大きい契約)でも、
「この人とは長い付き合いはできないな」と思えば、他で加入してください、と
断ります。「この設計書を持って、最寄りの保険代理店に行けば喜んで手続きし
てくれますよ」って言ってしまいました。もちろん、少しはもったいなかったか
な、と思わないわけではないですが、これで良いと思っています。
 
 保険の取り扱い数が増えれば、当然自分の収入も増えます。その人と一生付き
合う覚悟がその相談の時点で持てないような人に保険に加入しておうとすること
は、後々の保全(フォロー)のことを考えたらその人にとっても、自分にとって
も不幸なことだと思うのです。特に生命保険を取り扱うということは、そのくら
い覚悟を持つことが重要だ、と私は思っています。
 皆さんはどのようにお考えになりますか?
          ((株)ファイナンシャルプランナーズ花園 代表取締役)
 http://www.osaifu.net/  http://www.fp-osaifu.net/

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■inswatch facebook club 新しいお題がスタート comment@inswatch
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 4月にスタートしたinswatch facebook clubは、保険代理店のIT化をテーマ
にアンケートをベースにして情報のシェアをしてきておりますが、IT化につい
ては一応区切りをつけて、この辺で議論の幅を広げたいと考えております。
 やりかたとしては、毎週、注目したインスウオッチの記事を選んで、感想や意
見などを自由にコメントして頂く、名付けてcomment@inswatchを始めたいと思っ
ています。
 comment@inswatchによって、読者の皆さんにとって、記事への理解がより深く
進むことを期待しています。また、発行する我々にとって、より良いコンテンツ
に向けての励みにさせて頂きたいと思います。
 inswatch facebook clubは、現在82名の方にご参加頂いていますが、会社名等
所属を明らかにしたfacebookのアカウントをお持ちのinswatchの読者であれば、
どなたでも参加できます。
 参加ご希望の方は以下にアクセスして、右上の≪グループへの参加を希望≫を
クリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
 確認の上1週間以内に登録のご連絡をしますが、万が一連絡がない場合は、お
手数ですが以下へメールをお願いします。
info@inswatch.co.jp 長 忠あて

*追伸1 情報の取り扱いについて
 本clubはfacebookのグループ機能を使い≪非公開≫で運用します。本club内の
個別のコメントについては、ご了解を頂いた場合を除き、公開いたしません。
 facebookグループ機能の詳細
http://www.facebook.com/about/groups/
*追伸2 facebookユーザー数
 日本のfacebookユーザー数は、昨年6月に1千万人を超え現在1千7百万人と
なっており、ビジネスパーソンにとって有力な武器になって来ています。まだア
カウントを持っていない読者はこれを機会に登録をされては如何ですか?
                     インスウオッチ発行人 長  忠
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■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
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 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル
 第2章 「超保険」現場実践レポート(10の代理店事例と特別レポート)
 第3章 マーケティングの視点から見た「超保険」の可能性
 第4章 商品戦略と「超保険」
 第5章 《三つの診断》から見た「超保険」の傾向と対策
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■編集後記                     
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 今日、家を出るときには雨に雪が混じっていたのだが、気温も比較的暖かく雪
にはなるまいと思っていた。事務所の私の席からは窓が見えず、午前中は仕事に
没頭、一服して昼飯でもと思って外を見るとなんと辺り一面真っ白で、東京での
初雪となった。先週、新潟・小千谷から訪れた女性から、今年は雪が多く、まず
道の雪かきから仕事が始るという話を聞いたばかり。雪のほとんど降らないとこ
ろに住む人間にとっては雪は憧れで、それなら雪下ろしにでも出かけて行きたい
と答えたのだが、この降り様では屋根とまではいかないが、家の階段や道路の雪
かきが必要となりそうだ。それでも、静かに降る雪がやはり魅力的に映るのは、
雪に埋もれる生活の体験がないということなのだろう。そんなことを思っている
うちに、そういえば今日は帰れるのだろうかとの不安が。なんせ、我が家までの
帰途の電車は雪に弱く、2〜3センチ積もると遅延、10センチともなるとほとんど
動かなくなるケースが多い。明日の新聞には雪で何人かが転倒といった記事も出
そうだ。(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02

 12月後半から1月上旬にかけては比較的時間がとれたため、正月三が日は別と
してせっせとスイミングクラブ通いに明け暮れた。前にも書いたが、スイミング
やサウナ、それにマシントレーニングはもちろん、12月から本格的に導入された
スタジオレッスンにも参加するようになった。中でも、太極拳、エアロビクス、
ボクササイズ、ピラティス等のメニューに参加している。スタジオレッスンの場
合、女性参加者がほとんどで男性の参加者は太極拳を除けばほとんどいない、黒
一点の場合もあるが、自らの不恰好さを人目にさらすのも一つの痩せる動機付け
になると思って参加している。長年なまっていた体がギイギイ悲鳴を上げるが、
汗がぽたぽた床を濡らす、それにしても、これほどまでに体が硬直化してきてい
るのか、足腰が弱くなっているのか、腹が出ているのかと、いやというほど気づ
かされる。その成果そして節食の甲斐もあってかようやく100キロ切りが実現し、
満面の笑みでその体重減を周りの人に得意になって話したりもしたが、過日、川
崎の友人宅でのおでんパーティで、おでんはローカロリー食だからと、そのおい
しさをたらふく取り込み、かつこれまたお酒をしこたま詰め込み、さらに新橋で
の新年の会合にも参加したところ、1日で一挙に3キロも戻ってしまったアナ恐
ろしや、油断大敵、落とすのは難しく上げるのはいとも簡単、再び節食軌道に切
り替えたことは言うまでもない。(中、99.3 32.2 107)
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保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.650 (2013.01.14)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
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投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-1-7 14:49:23 (1348 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.649


===============================================Vol.649 2013.01.07=======

*2013年の最初の号です。大きく変化する保険業界、その中で専業プロ代理店の
活路を引き続き執拗に見つめてゆきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願
いします。(編集人)

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
*バックナンバー閲覧サービスは本マガジン最後のところに検索の利用方法を明
示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)

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 ■■■ もくじ ■■■                        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0】め・て・みみ
     =2013年の保険代理店産業の課題=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =日本共済協会、41共済団体の事業実績発表=
【2】海外レポート                      草笛 一郎
     =アリアンツ、家賃滞納保証保険を発売=
【3】保険、一歩ずつ(24)                  栗山 泰史
     =プロ代理店の力を考える=
【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(10)         尾庭 恵子
     =『目の前にあるもの。ないもの。』=
【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(14) 村田  稔
     =いいは悪いで悪いはいい」
       〜社員に語る夢、ビジョンなのか、ファンタジーなのか〜=

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 ■ 編集後記
 ■ 配信先電子メールアドレス変更のご案内
 ■ 投稿方法・バックナンバー閲覧サービスのご案内

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【0】め・て・みみ                           
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 2013年の保険代理店産業の課題

 2013年の保険産業は、未曾有の実質赤字状況の継続にみられる構造的な収益環
境の悪化とその打開に向けた動きに集約される。中でもローコストオペレーショ
ン戦略の徹底と人材を含めた再配置、合理化である。この結果は、保険会社ピラ
ミッド構造で見た場合、本丸はもちろん出城のコンパクト化が一挙に進みつつあ
る。また現場も、タブレット端末投入等、情報ネットワーク革新による顧客接点
での業務一元化も始まり、直間比率の変革、女性スタッフの現場営業へのシフト、
男性スタッフの新たな人事コースの導入など『社員大移動』の観を呈する。
 これに伴う業務経験豊富なベテランの人材の外部流出は不可避で、保険関連分
野での新たな事業創業機運を高め、これが、優良な市場を有する隙間優良市場や
未成熟な法人市場等、今後成長余地の大きな空白市場に流れ込む構造を作り出し
始めている。

 保険メーカーサイドでは、巨大化した保険会社グループ内でも専門特化した子
会社を通じて新商品・サービスの提供による優良市場の確保・囲い込みが熾烈化
する。また保険会社人材の外部化に伴い、コンサル会社やブローカー並びに外資
系損保、再保険会社や共済、少額短期保険業者などが入り乱れ、市場の細分化手
法により、有望市場の確保する動きが活発化するとともに、企業法人の自家保険
(キャプティブ)化を促す機運を強めることは間違いない。

 保険流通に目を転じれば、新たな「製販分離」のもとで、銀行などの金融機関
チャネルや、保険ショップ型やネットや電話などメディアを活用した各種通販型、
あるいは広域販売部隊を組織する大規模保険量販店とメーカーの保険会社との主
導権争いが激化している。このようなニューチャネルの台頭は、現行の募集・販
売制度では御しきれなくなっている。本年は、新たなマーケットチャンスを求め、
新業態の参画もさらに活発化することは必至である一方で、こうしたギャップ解
消も求められるところとなっている。

 こうした中で、それぞれの命運を握るのが、販売ルールをどうするかである。
金融審議会の保険商品及びサービス提供の在り方をめぐるワーキンググループの
場も、直接の目的とは別に、一面では、こうした新たな変化局面における商品・
サービスや販売ルールをどのように設定するかをめぐるバトルを背景にしている
ともみられる。乗合代理店とブローカー問題、手数料開示問題等のセンシティブ
な問題が取り上げられているのも単に消費者保護の観点のみからではあるまい。

 このような販売環境激変の下で、代理店の経営手腕も問われる。大規模法人や・
団体市場を有する大型独立代理店は、厳しい競合にさらされ、保険販売機能のみ
ならずさらに新たな企業向けのソリューションの提供が必要になろう。
 地域密着型で個人分野主体の代理店は、通販や保険ショップなどの量販店との
競合はあるものの、直ちに大きな影響は出てこない。このため保険会社の手数料
政策に関心は向きがちだが、従来手法のままの現状維持では後退・衰退にほかな
らない。保険販売業のみならず生活支援業、事業支援業へのチャレンジにより、
明日の活路は自ら切り開くものである。中小法人や個人分野クロスセルなど有望
な空白市場は存在する。そこに注力し、顧客関係強化や収益強化に向けた新たな
経営戦略や組織体制の確立さらには独自ブランドの構築が問われ、この中で改め
てスモールビジネスとしての事業展望や専業プロ代理店独自の存在価値、サービ
ス品質の見える化へのチャレンジが求められてきている。
 2013年はまさにこうした取り組みの如何が問われる年である。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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 日本共済協会、41共済団体の事業実績発表

◇保有契約件数は1億5千万件超に
 昨年12月に日本共済協会が41共済団体の2011年度の共済事業実績を発表した。
それによると保有契約件数は全体で1.0%増加し、1億5,536万件となるなど順調
な伸びを示している。
 一方、受入共済掛金は前年同期比0.4%減の8兆1,652億円。また、支払共済金
は東日本大震災の影響等から17.7%(8,234億円)増加の5兆4,666億円となった。
支払共済金の内訳では、JA共済が6,527億円、生協の共済が1,229億円増加して
いる。

 契約件数は4大共済といわれるJA共済が58万件、全労済が36万件、全国生協
連が96万件、コープ共済連が31万件の増加となるなど4大生協で順調な伸びを示
した反面、その他の共済では全体で前年同期30万件の減少となるなど共済全体で
はバラツキも見られる結果となっている。

◇医療・介護など仕組み改訂でニーズ対応
 共済種目では、生命共済が前年同期比3.5%増(205万件)の5,999万件、また
年金共済が同0.3%増(1万件)の470万件となるなど、生命保障系共済が順調な
伸びを示しているのが特長だ。特に、JA共済は昨年4月からがん共済、医療共
済の仕組みを改訂したことから医療共済が72万件増加するなど高い伸びを示した。
また、全労済が昨年5月から傷害共済およびシニア層向けに「シニア医療タイプ」
「終身介護サポート」を加えた「こくみん共済」の改訂を実施、生命共済の件数
増加につなげた。
 昨年10月からは全国生協連が「県民共済」に入院保障型と熟年入院型を登場さ
せており、共済商品も医療・第三分野商品に注力するなど、組合員ニーズの変化
が見られる。 

◇生命・損害の両輪いかに活かすかが課題
 少子化、高齢化の進行と経済の低成長による可処分所得の減少など社会構造の
変化の中で共済に対するニーズも高まっており、今後とも医療関係共済・サービ
スの拡充が図られてくるものと思われる。ただ、共済全体の受入共済掛金はいず
れも前年同期比減少しており、今後の課題といえる。

 一方、損害補償系では自動車共済が件数で前年同期比0.5%増の1,707万件、受
入共済掛金で同2.3%増(125億円)の5,635億円となったが、火災・建物共済、
傷害・交通災害共済は件数、受入共済掛金ともに減少しており、今後、生命保障
系商品と損害補償系共済のクロスセルをいかに図っていくかが問われてこよう。

 組織面では、会員数は組織の統合・合併等から前年同期比0.7%減の6,678会員
となったが、組合員数は同0.3%増の7,333万人と着実に増加しており、ここでも
保険に対し共済へのシフトがみられる。

【主要4共済団体の2011年度事業実績】
             (単位:万件、億円 ()内は前年同期比増減)
共済団体名          保有契約件数  受入共済掛金 組合員数
全国共済農業組合連合会    5,599(1.0)  63,613(▲1.4) 969万人
全国労働者共済生活共同組合  3,229(1.1)   5,907(2.5) 1,390万人
全国生活共同組合連合会    3,769(2.6)   5,789(3.4) 1,598万人
日本コープ共済生活共同組合   730(4.4)   1,521(4.2) 1,981万人
*全国生協連は埼玉県民共済の元受事業含む
 日本共済協会「共済年鑑」より作成
                             (石井 秀樹)

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【2】海外レポート                      草笛 一郎
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 アリアンツ、家賃滞納保証保険を発売

 ドイツ最大の保険会社アリアンツは、アパートなどの居住者が家賃などを滞納
することによって、住宅管理会社が受ける経済的損害をカバーする新商品を販売
する。
 この保険商品の対象は、ドイツの住宅管理会社や不動産会社4000社。賃貸アパ
ートで店子が家賃や管理費、共益費、暖房費などを滞納した場合に、滞納額の80
%を住宅管理会社に支払う。

 この商品のユニークな点は、保険会社が間接的に、家賃請求に関するサービス
も提供すること。住宅管理会社は、保険金を受け取った後は、家賃の請求権をア
リアンツに委譲する。アリアンツは家賃の取立てを専門に行う民間企業に委託し
て、家賃支払い請求や取立てなど法的措置に関する事務を引き 受ける。

 保険料の水準は、滞納された家賃総額の1.5%前後になると見られている。ア
リアンツは、この商品の販売を代理店だけではなく、不動産会社との合弁会社に
も担当させる見通し。

 ドイツでは、現在家賃の滞納額が22億ユーロ(2200億円・1ユーロ=1100円
換算)にのぼっており、住宅管理会社などのキャッシュフローに悪影響を与えて
いる。また住宅管理会社にとっては、滞納されている家賃の請求などに関する事
務手続きの煩雑さが、悩みの種。アリアンツの保険を購入すれば、こうした事務
を関連会社に担当してもらえるという点が、家主側には大きな魅力となるだろう。
                      (在欧州金融ジャーナリスト)

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【3】保険、一歩ずつ(25)                  栗山 泰史
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 プロ代理店の力を考える
 
 東日本大震災で被災しながら、契約者のために奮闘した一人のプロ代理店の言
葉がずっと心に残っている。その言葉は「私は死なない」という言葉だ。

 日本青年会議所(JC)保険部会が2012年9月26、27日の両日に仙台で開催し
た「第一回国際保険流通会議」は、保険業界だけではなく自衛隊など様々な人々
の東日本大震災での活動を振り返る有意義な会議であった。ちなみに筆者も、損
保協会の活動内容について、生命保険協会とともに説明をさせて頂く機会を得た。
  
 この会議の企画の一つに保険代理店によるパネルディスカッションがあった。
パネリストとして複数のプロ代理店、企業代理店が参加して様々な角度からの議
論が繰り広げられた。

 その中で、地震の際のプロ代理店のBCP(業務継続計画)が議論の対象にな
った。ある企業代理店から「プロ代理店の場合、地震の際、BCPが大きな課題
になるのではないか。なぜなら、自らに何か被害が生じた場合、店主が果たす役
割が非常に大きいプロ代理店の場合、契約者対応は不十分になる。これに対して、
企業代理店の場合は人事的な措置を施せば、それまでの担当者に何らかの被害が
生じてもBCP上の問題は生じない」との問題提起がなされたのである。

 この問いかけに対する一人のプロ代理店の答えが、冒頭の言葉である。「地震
でも津波でも私は死なない。死なないことが最大のBCPである」というもので
あった。正直に告白するが、この答えを聞き、常識的な頭に頭突きを食らわされ
たような衝撃を受けた。それは「不合理ゆえに吾信ず」という感覚でもあった。

 言うまでもなくプロ代理店のBCPにおいて「死なない」ことを前提とするこ
とは誤りである。発言者であるプロ代理店にとってもそんなことは自明のことで
あろう。それにも拘らず「私は死なない」と言い切ること、ここには、個人、法
人を問わず店主のプレゼンスが極めて大きいプロ代理店の姿が現れている。彼は、
「私は死なない」と決意することを通じて、顧客に対する究極のロイヤリティを
表明したのである。
 
 東日本大震災におけるプロ代理店の活躍と地震保険を中心とした契約者からの
高い評価についてはいまさら言うまでもない。今回の津波は、地域に生きるプロ
代理店にとって、自らの顧客の大半が被災するという事態さえ招いた。そのよう
な中でプロ代理店は、地震保険の対応はもとより、不要になった自動車保険や火
災保険の解約保険料の返戻の仕事まで、文字通り粉骨砕身の働きを示した。東日
本大震災は、プロ代理店という存在が本質的に持つ大きな価値として「親身にな
って顧客に寄り添う力」を改めて世に知らせたのである。

 この「寄り添う力」は、BCPが想定する通常の保険金支払業務を継続するた
めの「事故対応力」とは中身が大きく異なり、そこには、日常的なコミュニケー
ションの中で培われた人への親切さや温かさが備わっている。そして、この「寄
り添う力」を生み出したものこそが、「私は死なない」という決意に潜む不合理
さ、理路整然としたものを超える力強いエネルギーなのではないだろうか。「私
は死なない」という決意と「寄り添う力」は一対のものである。しかし、現実的
には、BCPの観点から、「私は死なない」という言葉にはやはり問題がある。
プロ代理店の最大の強みは同時に最大の弱みでもある。
 
 では、こうしたプロ代理店の姿を前にして、保険会社はどう対応すべきなので
あろうか。それは、「私は死なない」という決意の持つ不合理性を、「死んでも
大丈夫なバックアップ態勢」を用意することによって合理的なものに変えること
である。今回の震災対応で言えば、社員の力で滞りなく保険金を支払うだけでな
く、プロ代理店に代わって「寄り添う力」を提供する態勢を作り出すことである。
 しかし、これは極めて難しい。プロ代理店が地域のコミュニティに日常的に入
り込むことで果たしている役割を保険会社が肩代わりすることは、特に費用対効
果を勘案すると、ほとんど不可能に近い。そして出てくる結論は、そんなにして
まで「寄り添う」必要はないということになるだろう。

 東日本大震災を契機にして、他のチャネルとは異なるプロ代理店というチャネ
ルの特性が高く評価されることとなった。しかし、その特性は本質的に高コスト
を前提として成り立っている。適切な例えではないかもしれないが、町の小さな
そば屋が出前をタダで行うことで顧客をつなぎ止めているようなものかもしれな
い。

 プロ代理店という存在は、保険会社にとって、もはや古くて不合理な、消滅す
べき存在なのであろうか・・・・。
 決してそうではない。次回、プロ代理店の力、プロ代理店と保険会社の関係に
ついて、もう少し考察を深めてみようと思う。

 ところで、NHKスペシャル(2012年12月8日放映「シリーズ東日本大震災 
救えなかったいのち〜双葉病院50人の死」)を観ていたところ、病院の人が「医
療関係者は災害で自らは死んではいけない。生き抜いて患者を救わねばならない」
と語るシーンに出会った。ここにも「不合理な寄り添う力」が存在した。

                 (日本損害保険協会 常務理事)文責個人

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【4】チームでつくる、感動経営のレシピ(10)         尾庭 恵子
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 『目の前にあるもの。ないもの。』

 「目の前の人を幸せにするために、できることはなんだろう。」
 これは、わたしがいちばん大事にしている、自分への質問です。
 幸せにすることは、できないかもしれない。でも、幸せになってほしいと願う
ことはできるから、その人が喜ぶこと、その人のためになること、その人の役に
立てること、その人が笑顔になること、その人が成長すること。そんなことをい
つも考えながら、目の前にいる人に接するようにしています。
 それがお客様でも、会社のスタッフでも、家族でも。その気持ちがうすれた隙
に、不満とか、不平とか、不安とか、不服が出るような気がします。
 「ひとは、一人では幸せになれない」と、友人が言葉をプレゼントしてくれた
ことがあるのですが、本当にそうだと思います。わたしも、目の前の人と一緒に
幸せになりたいです。

 そんなマインドを大切に過ごしていますが、以前、参加費の一部が、市のある
団体に寄付されるパーティに参加しました。寄付先は、里親を求めている子ども
達の支援をする団体様とのことでした。
 いつも、目の前の人の幸せを願って、研修なり、セッションなり、コーチング
なり、普段の何気ない関わりなり、させていただいていますが、その場では、そ
の日、そこにいない、来られない子ども達の幸せを願う、という時間を持ちまし
た。心静かな祈りの中で、みんなが気持ちを寄せていく感覚が、とってもあたた
かくて、涙が出そうになりました。
 その団体様は、7割が寄付からの収入ということで、もっともっと、私たちが、
知っていかないといけない活動があると思いました。なぜなら、市の団体に、他
の市からの寄付があるとは思えないから。同じ市にいるわたし達がその存在を知
り、支えていかないといけない活動だと思うのです。

 会社のスタッフの方々、お客様、ご家族。幸せにするつもりで、何ができるの
か。きっとこれを読んでおられる方々は、大きな力をお持ちの方が多いと思いま
す。その力を是非、そういう視点でつかってみていただければと思います。
 今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【感動経営のための質問】
目の前の人を幸せにするために、あなたにできることは何ですか。
[                                 ]
この質問を、ぜひご自身に対して投げかけて、カッコに記入してみてください。
出てきた答えに対して、是非、行動を起こしてみてください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (I・NEST有限会社・取締役、魔法の質問認定講師フローマネジメントイ
ンストラクター)
http://www.inest.co.jp/
http://www.facebook.com/keiko.oniwa

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【5】『もしシェイクスピアがリスクマネージャーだったら』(14) 村田  稔
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 「いいは悪いで悪いはいい」(第一幕 第一場)
        〜社員に語る夢、ビジョンなのか、ファンタジーなのか〜

 社長は、特に創業期において、社員に『夢(ドリーム)』を語ります。社員と
夢を共有することによって、共通の目標をもち、意識をするとしないに関わらず、
その夢の共有が、社業の隆盛に結びついていきます。多くの企業のサクセススト
ーリーは、夢から始まっていると言ってよいでしょう。

 とはいえ、現実的には、全ての起業家の「夢」が現実化するわけではありませ
ん。
 なぜなら、『夢(ドリーム)』には、ビジョン(VISION)とファンタジー
(FANTASY)があるからです。もし語る夢が、ファンタジーになってしまうの
であれば、会社の隆盛には結びつきません。

 では、このビジョンとファンタジーを区分けするものはなんでしょうか。

 ひとつの基準は、数値化です。
 例えば、10年後には売上100億円にしたいという夢(目標)を語る時、その企
業の売上が50億円であれば、かなりリアルな数字となってきます。むしろ控えめ
な夢かもしれません。しかし、売上が1000万円程度であれば、まさに10年後100
億円の売り上げは、ファンタジー(幻想)と社員に理解されかねません。
 だからと言って、売上1000万円企業が10年後に100億円企業になる可能性は、
決してゼロではありません。まさに、この点が経営の面白さ、醍醐味であり、挑
戦のしがいのある魅力ではないでしょうか。

 では、売上1000万円企業を10年後に売上100億円企業にする、できるにはどう
すればいいのか、夢をファンタジーではなく、ビジョンにしていくには、どうす
ればいいのか、答えを成功した経営者の著書に探すのであれば、書かれているこ
とは、実は奇をてらったものはありません。「出来る努力を毎日、継続すること」
、最大公約数は、この言葉に尽きます。
 こつこつと積み上げていく売上が、10年たって振り返ってみた時、創業した頃
には夢とし目標に到達していたとの体験談は多く語られることです。

 もちろん、全てが目標数値にたどり着けるわけではなく、売上1000万円を減ら
すどころか、10年もたたずに消えてしまう企業もあります。
 その要因は、社会環境の変化等、外部要因もありますが、夢をビジョンにする
ことが出来ず、ファンタジーであったこともあるのではないでしょうか。

 夢を、ビジョンにするのか、ファンタジーなのか、その線引きの要諦は、経営
者の語る力の強さ、飽くなき闘争心に収れんされていくように思われます。
 夢で良くするのか、悪くするのか、経営者のこころの在り方が問われることに
なります。
              (ヤキン インコーポレーション、代表取締役)

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■inswatch facebook club 新しいお題がスタート -市販の代理店システム- 
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保険会社の代理店システムに続き、新しいお題として、市販の代理店システムを
取り上げて、情報のシェアを進めています。
facebookのアカウントをお持ちのinswatchの読者であれば、代理店に限らず、
どなたでもClubへ参加できます。参加ご希望の方は以下にアクセスして、右上の
≪グループへの参加を希望≫をクリック下さい。
http://www.facebook.com/groups/401651539860729/
確認の上1週間以内に登録のご連絡をしますが、万が一連絡がない場合は、お手
数ですが以下へメールをお願いします。
info@inswatch.co.jp 長 忠あて

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■新刊紹介 「図解・損害保険システムの基礎知識」  菊池裕之著
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 本書は損害保険会社の基幹系システムについて初心者向けの入門書である。従
来、保険会社のシステムについて書かれたものは、入門書と題していてもどちら
かといえば、機能的側面を重視した専門的解説が多く、一般にはなじみが薄かっ
たといえる。こうした中で、本書は損害保険の基本的な知識に加え、損害保険の
業務(システムの背景にある事務)を含めて解説しているのが特長だ。
 本書の主な内容は、第1章「保険とは?」、第2章「損害保険会社のシステム構
成」、第3章「契約管理システム」、第4章「契約に関わるシステム」、第5「保
険料に関わるシステム」、第6章「事故、その他に関わるシステム」、第7章「代
理店オンラインシステム」、第8章「経営統合にともなうシステム統合」の8章か
らなるが、各章とも、損害保険特有の事務に関わる用語や具体的な内容の説明を
交えて、システムについてわかりやすく説明している。
 同書の帯で「今まで誰もわかりやすく説明してくれなかった難解なシステムを、
体系的にかつ時代の変遷も踏まえて説明している暖かな入門書です」(尾籠裕之
氏)と述べているが、まさにその言葉どうり、実態に即したシステムの入門書だ。

 ◎発行=保険毎日新聞社(TEL03−3865−1401 FAX03−3865−1431)
     A5版 202ページ、定価=本体2,500円+税
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■インスプレス=績文堂 保険関連図書案内
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◎新刊『超保険進化論』(248ページ定価2500円+税)
 第1章 「超保険」が変える代理店経営モデル
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★申込み先=inspress@sekibundo.net、FAX03-3268-7202 Tel=03-3260-2431
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■編集後記                     
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 今日から仕事始めという会社も多く、例年になく長い休みだったようだ。日曜
日、近くのスーパーマーケットには「七草粥セット」が山積みされており、休み
中の飲み食いの疲れを癒すため七草粥を食べて出勤となられた方も多かったので
はなかろうか。春の七草といえば、スズナ(蕪)、スズシロ(大根)、ナズナ
(ぺんぺん草)、ハコベラ(はこべ)、ゴギョウ(母子草)、セリ、ホトケノザ
の7種だが、我が家の庭は鳥が運んでくる雑草にはことかかない。さすがに蕪と
大根は市販のものだが、枯落ち葉を掻くとホトケザ以外の残り4種が採集できた。
そんなことで「六草粥」となってしまった。ただ、今年は寒さがきついのか、採
れる量が例年に比べ少なかったが、なぜかぺんぺん草だけは豊富で、今年1年の
厳しさをハナカラ占われてしまった気がしないでもない。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02

 情けない話だが、本年は賀状作成を正月に実業団&箱根駅伝を見ながら進める
形になってしまった。まさに『あけました。おめでとう』の感覚である。それに
しても駅伝の魅力は、膝が痛くて思うように走れない現実の自分はさておき、自
分が選手とともに走っている感覚になれることか。箱根駅伝往路テレビ中継では、
トップ争いがクローズアップされるのは分かるとしても、5区での劇的ドラマす
なわち城西大や中央大の選手が、台風並みの向かい風の下で低体温や脱水症状で
途中・棄権したことにほとんどノーマークで映像を流せなかったばかりか、放送
終了直前の付けたし程度の扱いだったの放映姿勢には驚愕を通り越して呆れてし
まった。いかに困難な気象状況の下で死力を尽くした若者たちの競い合いがあっ
たかをつぶさに物語る絵であったろうと思うだけに残念至極であった。ところで
筆者の住んでいる松戸地区はまさに快晴、江戸川支流の坂川が流れるがここから
スカイツリーもよく見える。そこで遅れついでに、ここからの元旦の自分の写真
を撮って送ろうかとも思ったが、肉眼でははっきり見えるのに写真に撮るとボケ
て不鮮明、これでは無理とあきらめた。正月は子供3人が31日、1日、2日と日替
わりメニューのごとく顔を出す。仕事がらみで思うように休みがとれないとのこ
とでいたしかたないが、入れ替わり立ち替わり出入りがあったため、賀状送付が
3日にずれてしまった。正月早々この体たらくである、また年末100キロ切りを
目標としていたが、こちらも未達に終わる。何とも幸先が悪い。(中、101.2
32.5 108)http://blog.livedoor.jp/inswatch01/

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保険代理店専門メールマガジン【inswatch】Vol.649 (2013.01.07)
  発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
  購読料    年間1万2000円(1週 約230円)
  発行元    有限会社 インスウォッチ
  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
         森田 直子(月1回=第4週金曜・長編レポート)
  WEBマスター  稲葉 幹雄
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投稿者: webmaster 投稿日時: 2012-12-31 17:29:44 (1151 ヒット)

===for agents ofinsurance================================weekly=========

         【 inswatch 】Vol.648


===============================================Vol.648 2012.12.31=======
*本号が文字通り2012年最終号となります。ご愛読感謝します。今後とも引き続
き、保険業界、代理店業界の行く末を見つめ続けていく所存です。明年もよろし
くお願いします。(編集人)

*配信先電子メールアドレス変更の場合の手続きは、最後のところをご覧下さい。
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示していますのでご覧ください。(パスワード、IDも表示してあります)

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 ■■■ もくじ ■■■                        
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【0】め・て・みみ
     =損保業界、「新たな協調」へゴー=
【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
     =大詰め迎える金融審・WGの論議=
【2】過去の成功と闘う(5)                 金 斗 雲
     =頑張りが効果をあげる条件=
【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(57)     行木  隆
     =「保険代理店のBCPについて考える(3)」=
【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
     =『年末のご挨拶−来年こそいい年になる』=
【5】「ごまめの歯ぎしり」(66)               森田 直子
     =頭に絵を描けると説明力や応用力が向上する=

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 ■ 編集後記
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【0】め・て・みみ                           
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 損保業界、「新たな協調」へゴー

 2012年は、損保では業界的な「新たな協調」の動きでも際立ったものがあった。
 中でも、新たな時代の下で、競争原理を働かせつつも、協調可能なテーマにつ
いては業界の英知を持ち寄り環境整備を進めることを明確に事業の方向性として
打ち出したことだろう。厳しい収益悪化の下で事業の在り方が根本から問い直さ
れる中で、こうした新たな動きは、損保各社が「競争と協調」という古くて新し
いテーマに、真剣に向き合った結果でもあった。

 まず、取り組んだのが、よりわかりやすい募集文書・説明のあり方の検討であ
った。損保協会は「お客さまの声・有識者諮問会議」において、消費者代表、弁
護士などの有識者に参加してもらい、わかりやすい募集文書を試作するとともに、
実用化に向けた法制課題を整理した。現在の説明書に盛り込んでいる例外事項や
特約に関する記載を減らし、契約者が内容を把握しやすくする。損保協会が作成
した自動車保険のモデルでは文字数は従来の4分の1に減らし、ページ数も半減
したものとなっている。
 今後、現在開催中の金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関す
るワーキンググループ」に提案し、その実現に向けて理解を求めていく。金融庁
は金融審の議論を経て13年度中にも制度を改定する見通しで、2014年度にも損保
業界全体で新しい説明文書の導入をめざすものだ。説明を簡素にすることで契約
者の負担を減らすとともに代理店などの業務効率を高めるのがねらいだ。
 
 また、損保協会では、2012年度から、顧客の声を起点とした業務改善の取組み
を強化している。上期に寄せられた顧客の声を踏まえて、「お客さまの声・有識
者諮問会議」によるチェック機能を最大限に活用し、顧客への情報提供の強化や
募集人教育の見直し等を行うこととした。

 さらに、共通化・標準化の取組みでは、損保協会内に設けた共通化・標準化推
進プロジェクトチームにおいて、事務手続きのルールやお客さまに記入いただく
書類等を共通化・標準化する取組みを進めている。選定した130項目のうち、災
害時における保険料払込猶予等特別措置の共通化など、顧客とって効果の大きい
約30項目について優先的に取り組んでいる。

 損保協会ではまた、募集人の更なるレベルアップに向けた取組みとして、2012
年7月から日本損害保険代理業協会と共同で開始した「損害保険大学課程(専門
コース)」を通じて、これまでに法律・税務などに関する損害保険の周辺知識を
修得した3万人を超える「損害保険プランナー」が誕生した。2013年度から、よ
り実践的な知識・業務スキルの修得を目的とした「コンサルティングコース」も
開始することとしており、現在、受講者を募集している。これらの取組みを通じ
て、顧客により適切で質の高い説明・アドバイスができる募集人を増やしていく
ことが見込まれる。

 昨年の東日本大震災の現場対応面での業界的な取り組みの具体化をきっかけに、
販売現場に直結する新たな業界協調の新たな流れが始まった年となった。2013年
はさらにその流れが加速することを望みたい。
                             (中崎 章夫)

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【1】ビューポイント「石さんの保険業界、単眼、複眼」
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 大詰め迎える金融審・WGの論議

◇保険会社の新たな事業展開・規制緩和
 先週、12月21日に開催された第8回目の金融審・「保険商品・サービスの提供
等に関するワーキング・グループ」(以下WG)の議事内容が金融庁のホームペ
ージで公開された。 WGは今年6月(7日)に第1回目の会合が開かれて以降、
月1〜2回のペースで開催されているが、残りあと4回での結審が予定されてお
り、大詰めを迎えてきている。
 WGの論議を大別すると、保険会社の事業に係わる問題や課題と保険募集に係
わる問題と課題に集約される(もちろん、それらは相互に係わってくるものであ
り、切り離すことは出来ないが)。
 
 保険会社の事業関係では、これまでの論議の中で、新たな事業・サービスの展
開(規制の緩和)として、損保関係では巨大リスク・新リスクへの対応として共
同引受行為の条件緩和が論議された。また、生保関係では新たな商品・サービス
として現物給付型商品(介護等の実物填補や不妊治療保障)や介護や保育所など
の新事業への規制緩和の方向が論議されてきた。
 また、生・損保の募集面では、「契約概要」「注意喚起情報」「意向確認書面」
等の効果・見直すべき点や募集文章の簡素化・平明化(「約款」や「ご契約のし
おり」含む)が求められた。募集文章の平明化では、すでに生・損保協会などで、
わかりやすい募集文章の作成等の取組みが行なわれている。

 一方、生保の新規事業では保育所・介護施設への取組みがなされている現状も
あり、より、規制の緩和が図られるのではないかと見られる。
 また、生保の現物給付型商品や損保の共同行為の条件緩和については、対象や
条件、さらにはやサービスの質などの課題が論議されているが、顧客サービスの
観点から一定の緩和が行なわれるとみられる。

◇最大の焦点は保険募集・チャネルの在り方と規制
 一方、WGでの最大の焦点は保険の募集に係わる問題だ。とりわけ、乗合代理
店の募集の在り方をはじめ、ネットやコールセンター、比較サイトによる紹介や
FPによる相談(コンサルティングと募集)などについて募集行為との関係をど
のように位置付けるかなど幅広い論議がなされてきており、チャネル性格・実態
に基づく規制・監督の範囲が今後の論議の中で整理されてくるものと思われる。
 また、大型乗合代理店については、代理店自らがガバナンスを持った適切な募
集体制の構築が求められているが、その中では業務のアウトソーシングに係わる
規制として、委託型募集人(含むフランチャイズ方式の加盟代理店)の位置づけ
と管理・監督の問題が俎上にあがっておりこちらも委託先に対する責任の所在等
が示されてくるのではなかろうか。

 加えて、募集に係わる論議で中心になっているのが、近年、急拡大してきた来
店型店舗だ。とりわけ複数商品を取り扱うことによって、顧客の商品選択に中立・
公正を標榜しているが、手数料の高い商品を勧めているのではないかといった懸
念がWG委員にあり、来店型店舗をはじめとする大型乗合代理店の行為がブロー
カー業務とより近いとのことから、販売者責任や手数料の開示といった論議へと
発展してきた。ただ、独立性の高いブローカーと保険会社の委託を受ける代理店
とは性格が異なり、規制を同質化することには無理があるが、保険会社と代理店
の手数料の支払い方法など、新たなルールが導入される可能性も否定できない。
 
 WGでの論議も大詰めを迎え、最終的には答申が示されることになるが、今後
の保険募集の在り方が大きく変える問題が幅広く論議されているだけに、あらた
めて注視していくことが必要だ。
                             (石井 秀樹)

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【2】過去の成功と闘う(5)                 金 斗 雲
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 頑張りが効果をあげる条件

◇夏目漱石「夢十夜」の第六夜にある仏師運慶の話
 「運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行っ
て見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。『よ
くああ無造作に鑿(のみ)を使って、思うような眉や鼻ができるものだな』と自
分はあんまり感心したから独言のように言った。するとさっきの若い男が、『な
に、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋ってい
るのを、鑿と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。』と云った。」

◇気合い営業の成功談 頑張ればきっと良いことがあった時代
 かつて、生命保険業界では、毎年3回の重要月(7月、11月、2月の営業キャン
ペーン月)には、目標達成まで支部に帰らなかったと言われる程の頑張りがあっ
た。損害保険でも保険期間10年の長期総合保険が発売された頃は「取って10年、
取られて10年」を合い言葉にそれ以前とは違う頑張り営業が一般的になった。 

 「目標を達成するまで店に帰ってくるな」が普通のかけ声だった。積立ファミ
リー交通傷害保険が爆発的に売れた積立保険の時代では、支社の月間目標が達成
した後でも、支社長が帰社した社員に気合いを入れて「もう一周まわって集めて
こい」と周回増加を指示することは珍しくなかった。やっとゴールに辿り着いた
社員は、また再び息を切らせてグランドを走ったのである。

 かつての保険会社の規模と利益の拡大、営業業員への報酬、代理店手数料の増
加という成功は、気合い・執念・頑張りがあったからこそ達成できた。もし頑張
りがなければ、成功はなかっただろう。

◇頑張り、今いずこ
 その後も、保険会社は、顧客第一主義を唱える、実は営業第一主義を続けてき
た。気合い営業の成功談は、永らく語り継がれた。若者は首をすくめて、偉い人
の成功談を聞いていた。その成功談は、保険市場の成長が背景にある成功体験だ
った。
 その若者も今やおじさんおばさんになり、保険市場が成熟市場になって、低成
長があたりまえ、国内市場が縮小する時代になった。頭では時代は変わったこと
を理解しているが、意識は昔通りというのは、よくある話である。生命保険では、
営業職員チャネルに代わるニューチャネルはないか、損害保険では、自動車保険
に代わる主力商品がないかを真剣に探す時代となった。無意識にかつてのような
巨艦を探す時期になり、かつての巨艦主義と頑張りを懐かしむようになった。

 探しても、探しても、巨艦は見つからない。しかし、頑張りはまだ健在のはず
だ。営業の頑張りがあれば、保険事業は安泰のはずだ。頑張ってみたが、前年実
績割れ、あるいは保険料収入低迷は続いている。前年実績割れ、保険料収入低迷
の時期を乗り切る方策は、統合・合併による効率化である。保険会社の統合・合
併は、当然の生き残り策である。

 頑張りが効果をあげにくくなった理由は何だろうか。答えは、古き良き国内市
場拡大時代と国内市場縮小の時代とは違うとの背景が、もちろんある。また、金
融監督ではなく金融取締・金融処分を旨とする金融庁が発した業務停止命令処分
の影響で、積極的な営業推進が展開しにくいという事情もあるだろう。しかし、
それら以外に、従来型の保険市場に投入コストの限界効用が逓減しているという
事情もある。以前なら10人の営業職員を追加投入したら、20%増の効果が獲得で
きた。今は、従来型の保険市場に10人投入しても、5%増の獲得も獲得できない
状況になっている。もし、別の事業・別の保険市場に10人投入するなら、もっと
効果を期待できるかもしれない。従来型の保険市場に10人投入することは、別の
事業・別の保険市場において利益獲得する機会を喪失していたことを意味する。

◇頑張りが必要な時代にどこで頑張るか
 従来の頑張りの延長上に、希望がある未来はないことは確かだ。潰れないこと
が保障されている(?)保険業界では、従来の頑張りの延長上に将来を見ている
かのようだ。
 国内市場縮小の時代に成長する、発展する可能性を追求するとすれば、現状打
破の執念、情熱が必要だ。どの時代、どの事業であっても、成長・発展には頑張
りが不可欠である。問題は、どこで頑張るかである。

 冒頭に掲げた、夢十夜の話は、秘訣は常識からすこし外れたところにあるとの
示唆を与える。彫刻は、外から削って彫るのではなく、すでに中にあるものを掘
り出すのだと言っている。頑張り処は、おそらく埋まっている需要を掘り出すと
ころだろう。保険に対する需要はなくなった訳ではない。従来型のアプローチで
は、埋まっている需要は掘り起こすことが難しくなっているだけだ。保険サービ
スが顧客の問題解決の手段であることは、変わらない。新しいアプローチを開発
した保険ショップは、埋まっている需要を掘り出した好例だ。

 これからの頑張り処を見つけるには、日本の過去の成功体験を投影せず、限ら
れた保険市場の成功体験からの脱却も重要である。言い換えれば、保険の枠内に
囚われないことが重要であるということだ。総合商社は、資材を右から左に流し
て口銭稼ぎをする事業を多種多様にするから総合だと言われたことがあり、その
延長では事業の発展は難しいとの論評があった。いまの商社は、単なる資源流通
のみから、エネルギー資源開発に参画し、後工程の資源流通までも含む、上流か
ら下流までの統合モデルで成功している。資源流通のだけの枠内では、統合モデ
ルの成功は考えられない。
 
◇埋まっている需要を掘り起こす方法
 保険の枠内に囚われない成功談は、実はいくつもある。例えば、有能な保険セ
ールパーソンは、顧客の問題を捉え、必要な税務の助言をして、顧客の問題解決
の手段として保険を売ってきた。このやり方は、保険の枠を超えたセールをして
いる。
 埋まっている需要を掘り起こす方法のひとつは、伝統的な保険の枠組を超えて、
海外も含めて保険市場を広く取って、イノベーション言い換えれば革新的なアプ
ローチを開発することである。顧客の問題解決の手段として保険を売って成功し
た事例は、意識せざるイノベーションの例として捉えることができる。

 イノベーションを成功させる、決まった方程式はない。数多くの試行錯誤を繰
り返し、多くの失敗とほんの少しの成功がもたらされる。大規模な成功は、小規
模の成功を拡大することでしか、今後は達成できない。

 現状の効率化だけで将来がないとすれば、様々なレベルでのイノベーションが
必要だ。伝統的な保険市場のなかで大規模な成功を直ぐに求める、一発逆転病を
捨て去り、伝統的な保険市場から拡大して市場で小さい規模の試行錯誤の繰り返
すことが、今後の成功のためには不可欠になっている。保険会社における、保険
専業を超えた新規事業の開発にも新しい保険セールスの開発にも、イノベーショ
ンを実現する頑張りが不可欠である。1回ではなく10回あるいはそれ以上失敗し
ても、試行錯誤を続ける頑張りがあれば、埋まっている需要を掘り起こすことが
できるだろう。
                          (保険リサーチャー)

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【3】最近話題となるリスクとリスク対策について(57)     行木  隆
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 「保険代理店のBCPについて考える(3)」

 前回、地震などの有事の際には、保険代理店の役員・従業員の「帰宅」は早く
帰らせることではなく、安全に帰らせることが重要であると書かせていただきま
した。役員・従業員と家族の安否確認の手段、帰宅経路の確認、帰宅支援対象道
路の確認等の話し合いをし、年齢や性別、役割を考慮した帰宅ルールの策定、訓
練の実施などがすぐできることとしてあげさせていただきました。(補足:会社
が安全な場所にあり、安全な構造であることが前提です。)

 「帰宅」について、もう少し踏み込んで考えると保険代理店の場合、営業や会
合などで外出するケースが多く、車や電車などを利用した外出先での対応も考え
なくてはなりません。特に、有事の際には、通信網が使いづらくなるケースがほ
とんどであるため、ルールを決めておくとより早い行動をとりやすくなります。

 例えば、会社から何キロ圏内は、いったん会社向かう。交通ルートに関して、
崖沿い、海沿いは避ける。交通手段が寸断されている場合は、余震などの状況を
見ながら安全の確保を最優先で徒歩で向かわせる。車の場合、状況により車をと
めて行動するなどのルールです。距離・エリアによって、ルールを定める場合は、
会社からの距離とエリアによって異なるので、会社を起点とした活動エリアの範
囲を確認し、エリアの地形をハザードマップなどを利用してルールの策定をする
とよいと思います。

 この場合、顧客などの訪問先から会社までの距離がおおよそどれくらいで、地
形はどのようなところかを知ることが必要となります。そこで、普段利用してい
る営業スケジュール(訪問先)管理を少し工夫することで簡単に把握できるよう
になります。この方法を使うとルートセールス以外の出張などの場合でも把握す
ることが可能となります。

 営業スケジュールは、営業を管理する観点で事務所内での連絡ボードやWeb上
のグループウェア等を利用していることが多いと思いますが、有事の際の管理者
側の社員の行動把握という観点からも管理することが大切だと思います。

 外出中での行動ついては、通信網の関係から行動について指示を受けることが
できないという事態が想定されます。役員・社員は、会社側が基本となる行動ル
ールを決めることで、行動に関して迷うことを少しでも減らすことができ、仮に
迷ったとしたとしても基本的な考え方を理解・共有することで、道しるべをつく
ることができます。

 一度、顧客先と会社との距離を把握し、どのくらいの距離にお客様がいるのか
ハザードマップと照らし合わせる作業をしてみてはいかがでしょうか。基本的な
帰社ルート、徒歩で帰社させられる範囲、車の乗り捨て基準等項目を挙げて社内
で話し合ってみてはいかがでしょうか。

 これらのことは保険契約者におけるエリア的なリスク把握となるため、同時に
お客様へのアドバイスへと繋がっていくものでもあると思います。
                      (株式会社KABTO 代表取締役)
http://www.kabto.com

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【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝
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 『年末のご挨拶−来年こそいい年になる』

 選挙が終わって、自民党が動き出しました。
 自民党にもいろいろ問題はありますが、なんといってもお金の使い方がわかっ
ていて、お金を使える人がたくさんいる、ということは、何よりの強みですね。
民主党はお金の使い方がわかる人がいなかったので、お金を使わないようにしよ
うとして、結局のところ却ってお金を使うことになり、しかもそのお金がほとん
ど無駄遣いに終わってしまった、という感がします。お金の使い方がわかってい
る人がしっかりお金を使えば、多少の無駄遣いは発生するかもしれませんが、結
局のところ使ったお金が何倍にもなって返ってきます。来年はそういう姿が見え
てきそうですね。

 年が明けると本格的に自民党がお金を使いだしますし、遅れ遅れの震災復興資
金もようやく本格的に動き出しそうな気配です。
 消費税の引き上げもスケジュールに乗っていて、便乗値上げのチャンスを狙っ
ている人も多いでしょうし、円安による輸入商品の値上がりもあり、電気料金の
大幅値上げもあり、ようやく物価が上がりそうですね。
 自民党にとっては来年の参議院の選挙が最大の関心事の一つですから、その選
挙の前ころには景気回復の見込みがかなり実感できるようにシャカリキに頑張る
でしょうね。
 もちろん自民党だけの力でそうなる、というわけではなくて、むしろ今まで民
主党が景気回復を遅らせていた、その障害物がなくなった、というだけでもかな
りの景気回復が期待できそうです。
 自民党がお金を使うためには国債の発行が必要ですし、そのためには国債の利
回りを上げることが必要ですから、日本もようやくインフレ高金利に向かって今
年は動きだしそうです。日銀もある程度までのインフレを目標とする、というこ
とですし、日本には(世界にも)お金はいくらでもあるんですから、これがある
程度まで動き出しさえすれば、残りのお金もつられてどんどん動きだすはずです。
お金が動けばマーケットも大きくなり、それは保険業界も同じです。

 もちろん、あんまり急激に金利が高くなってしまうと国債が値下がりして保険
会社を含む金融機関の決算が悲惨なことになりますから、3月までは皆で協力し
て無理やりにでも国債の利回りは低い水準に抑え込むのでしょうが、4月になっ
たらもう歯止めはかかりませんから、利回りが一気に上がりだすかもしれません。
今までの国債利回り低下のため、生保の予定利率の引き下げも4月から実施され
る予定ですが、予定利率を引き下げた途端に市中金利が上がり始める、という皮
肉なことになるのかもしれません。ちぐはぐな動きと国債利回りの上昇で生命保
険会社の決算は短期的にはちょっと苦しいかもしれませんが、長期的にはマーケ
ット拡大による収益増のチャンスです。生命保険の貯蓄機能がきちんと評価され、
活用されるようになるといいですね。

 ここのところしばらくユーロ危機の話がおさまっていますが、もちろん解決し
たわけではないのでこれからも繰り返し危機が到来するでしょうし、アメリカの
『財政の崖』というのもまだ解決していません。中国や韓国も新しい指導者の下、
それぞれの経済危機を乗り越えることができるかどうかわかりませんが、まずは
日本だけでも景気回復の方向性が見えてくるんじゃないか、と思います。

 と、かなり調子のいい見通しを書いたところで、いよいよ今年も今日が最後で
す(これを新年になってから読んでる人も多いんでしようね)。
 今年もいろいろありましたが、皆様お世話になりました。来年もよろしくお願
いいたします。みなさまよいお年をお迎えください。
        (生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp

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【5】「ごまめの歯ぎしり」(66)               森田 直子
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 頭に絵を描けると説明力や応用力が向上する

 先般、ある先輩から「プレゼンテーションを上手に行うには、頭の中に絵を描
きながら説明をすると良い」と言われた。その「絵」というのは絵画のことでは
なく、説明したいことの全体像を描いたり、相手に伝えたいことの種類や順番や
分類などの一覧表や構成図のようなものを頭に思い浮かべながら説明をするとい
う意味だと言われ、なるほど!と膝を打つような心境になった。

 実は私も思い当たるものがある。
 例えば営業の場面において、あるお客様とコミュニケーションをとる中で、信
頼関係の構築の度合いから、あと1年後には強い信頼関係を作ることが出来るか
ら1年半後ぐらいには契約に至るのではないだろうか?というような予測をなん
となく掴む。すると、ではどの時期にどのタイミングで段階的に何をすれば良い
か、何が不足しているか、というようなことが、「図や形」のようなイメージで
頭に浮かぶことが多い。どんな形かというと「相関図」のようなものに近いイメ
ージ。

 また原稿を書く前なども同様に、相関図のようなものが浮かぶ。最初はフワフ
ワと風船のような変化しているが、考えがまとまってくると整然とした配列へと
変わり、すると一気に原稿が書けたりする。それは正に「絵」と言えるような気
がする。

 いつの頃からか、そういうものを思い浮かべるようになったのか、ハッキリ覚
えていないが、しかしそうなってから仕事が各段に速くなったような実感がある。
絵にすると仕事の全体像が見えるので、進行具合やこの先の流れを感覚として把
握したり予測できたりするからだと思う。また全体像が見えていることで効率の
良い道筋や方法を見つけ易くなり、修正や柔軟な応用も全体の絵が描けているか
らこそ容易となる。また物事を説明する際も、話したい内容の構成や相関図が浮
かんでいると、リアルでわかりやすい説明となる。
 ちなみに、お客様の保険証券を診断している時に、お客様の加入中の保険全部
の図形が頭に浮かぶようになると、何が不足しているのかが形で見えるので、そ
の場で分析しやすくなる。

 というように、営業やその他のビジネスシーンにおいて、頭の中で「絵」を描
けるかどうか、というのは意外と重要なことなのではないかと感じている。

 ところで友人女性によると「頭に絵を描くなんてことは自分には出来ない!」
とのことで、この感覚は人によって得意不得意があるらしい。
 しかし彼女はキャリアウーマンでプレゼンテーションもお手のもの、という人
なので、絵の替わりとなる解決策を尋ねてみると、彼女はプレゼンの際に、まず
は話す内容の要約と構成を文章で思い浮かべ、それを紙に書き出して構成図のよ
うなものを作ることをよくやっているとのこと。頭に描くことが難しい場合は、
紙に書くことで同じ効果が生まれるのではと感じる。

 また、なんとなく絵のようなものが頭に浮かぶという感覚に覚えのある人は、
その感覚に磨きをかけて絵が明確なものになるよう心がけてほしい。意識して繰
り返すことで、この力はさらに向上していくように思う。
    ((有)エヌワンエージェンシー代表取締役・インスウオッチ編集人)
http://www.n1agency.com/index.html

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■編集後記                     
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 先週、駅からの帰宅途中に流星を見た。道路からは道路が半分、空が半分の割
合でよく見えるため、星を見ながら蛙のだが、突然、青い塊が尾を引きながら目
の先を横切り消え去った。山に登ると夜空に満天の星が輝き、その星々の間を縫
って星がスーと流れるのを目にする。こうした流れ星には多少の祈りを捧げるほ
どの時間があるが、祈りどころか、一瞬ハッとする時間で消えてしまった。以前
に同じ場所から赤い火の玉となった流星を見たことがある。そのときは、あまり
にも大きかったため、ニュースにでもなっていないかと確かめたことがあるが、
結局何もなかった。ただ、同じ星でも「流れ星」と「流星」は別の現れだとの感
覚を持った。横浜の空からはなかなか流れ星は見えないが、帰宅途上のこの場所
はひょっとしたら、流星のホットスポットではなかろうかと一人夜道で悦に入っ
た次第だ。
(石)http://blog.livedoor.jp/inswatch02

 30日、今評判のミュージカル映画「レミゼラブル」を夜、息子夫婦とともに観
に行った。オープンシーンから造船所での過酷な労働現場での囚人たちの圧倒的
なスケースのシーン、台詞が歌というから大げさで嘘っぽい進行かとの先入観は
砕け散るほどの、ライブ感、リアリティ、そしてキャストそれぞれの歌がクリア、
そして舞台では無理なクローズアップ手法による表情の描写のすごさ、囁くよう
な可憐な歌声すら取り込んでいる。ミュージカル映画と言えば演技と歌唱は分離
し、吹きもみ、吹き替え加工当たり前と思っていたが、この映画はキャストのひ
とりひとりが演じながらじかに歌っている、まさに生歌での収録、圧倒的な臨場
感はここに由来する。どれだけ練習を積んで本番に臨んだのかその蓄積が見事開
花した。フランス革命後の1820年から32年という時代設定、貧富、法と道徳、親
と子、親の愛と恋愛、聖と俗、革命と反革命、学生と市民、復讐・恨みと愛、悲
劇と喜劇等の明瞭かつ分かりやすい対立構図でストーリーは展開し、最後のシー
ンでそれが浄化されていく。モーツアルトのオペラのような快い、キャストたち
が同じ曲にそれぞれの思いを込めて掛け合い歌うのも聞きどころ・見どころであ
った。主役、準主役級のみならず脇役、子役が実にいい味を出している。2時間
40分の映画だが画面と音楽に釘づけにされた、大満足、年のしめくくりに思わぬ
プレゼントをもらった感じにさせてくれた、一本であった。(中、100.3 32.6
108)http://blog.livedoor.jp/inswatch01/

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  発行人    長  忠  編集人  石井 秀樹 中崎 章夫(Weekly)
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