2006/11/06インスウオッチ掲載
━生産性向上がポイント━
今回は上記の赤枠部分の《総合点と経営格付け》を検討します。
御社は3年後、AあるいはBクラスに、ランクインしていますか?
もし、ランクインしていないようでしたら、以下の手順で、目標の見直しをして下さい。
なお、AあるいはBにランクインした方も、総合点が上がる可能性がありますので、念のため、以下の計算をしてみて下さい。
STEP1 下図を計算用紙に使うので、本講義をプリントアウト
(本講義末尾右側の印刷ボタンをクリックすると印刷できます)
STEP2 下図の緑色枠と水色枠に、エクセルフォーマット(上図緑色枠と水色枠)の数字を転記
STEP3 下図の,らまでを、それぞれ直ぐ上の説明に従って、計算
STEP4 下図のからの数字を、エクセルフォーマット(上図紫色枠内)にデータインプット
STEP5 エクセルフォーマット(上図赤枠内)で、A,Bランクインを確認
如何でしたか?
殆どの皆さんはA,Bにランクインしたものと思います。
もし、これでもランクインしていないとすると、事業規模が足りないと考えられます。更なる売上アップが可能かどうかご検討下さい。
上記の目標設定の見直しのポイントは生産性です。
ここでは、3年間で、前回お話した客単価20%アップをベースに、生産性を30%アップすることを最低限の目標に置いています。
生産性30%アップにより、スタッフ給与の30%アップと営業利益率3ポイントアップ(注*)の両立が可能となります。(注*)生産性、賃金、営業利益率の関係は、私が開発した3ヵ年経営計画シミュレータにより、代理店の標準的経費構造に基づいて算出
今年実施の経営診断アンケート調査によると、Aランク入りした専業代理店は、例外なく、高生産性を背景に高賃金と高業績の両立を実現しています。
この高賃金と高業績の両立は、私が《賢人会》と定義しているポジションで、生産性のアップ→高い給料の支払い→優秀な人材の確保→生産性のアップという《天使のサイクル》を回すことが、専業代理店にとって、今後ますます重要となることを示しています。
次回は、6回目《既存顧客深堀と新規顧客開拓 ━ポストイットで知恵を絞る━》です。
これは、前回の《マーケット開拓目標━客単価アップと新規開拓━》を受けて、具体的やるべきことを社内で知恵出しする方法を学びます。
2006/10/30インスウオッチ掲載
━客単価アップと新規開拓━
エクセルフォーマットに、数字を入れながら色々シミュレーションできましたか?
今回は上記の赤枠部分の《マーケット開拓目標》を検討します。
この数字は、後ほど検討する既存顧客深堀と新規顧客開拓の枠組みになるものです。
ここのポイントは、客単価UPの数字です。御社の数字は、何パーセントUPになりましたか?
客単価UPは、顧客内シェアを上げることと、客単価の高い顧客の割合を増やすことで実現します。
顧客内シェアとは、顧客の保険支払い総額に占める、自社の保険売上額です。
顧客内シェアを上げることにより、客単価が上がり、その結果生産性が上がります。また、お客様との関係が深まることから、継続率も上がっていきます。
前回ご紹介した《未来保険》で、顧客内シェア100%(保険を全てまかされている)顧客の全体に占める割合を《絆化率》と定義したと説明しました。
このケースで実際に計算したところ、《絆化率》を10%上げることで、客単価を平均約20%UPできることがわかりました。
また、一般的に見ても、例えば、自社の顧客の20%を重点的に攻略して、客単価を倍に出来れば、平均客単価は20%上がります。
以上から見て、3年間で最低でも、客単価UPの目標を、《20%UP》においてください。
もし、客単価UPの3年後の目標数字が、現在20%に満たない場合は、20%に目標数字を上方修正して下さい。
その場合、売上目標を変えないとすると、3年後の目標顧客数が減り、その結果、顧客純増数も少なくてすむようになります。
次回は、5回目《A,Bクラスにランクイン ━生産性向上がポイント━》です。
今回お話した客単価UPと生産性のUPの関係等を踏まえて、御社が3年後、A,Bクラスにランクインする方法を考えます。
2006/10/23掲載
━ビジョン作りは難しい━
前回、経営羅針盤に、会社概要、歴史と特徴、経営理念、3年後のビジョンの4点を記入するよう宿題を出していましたが、出来ましたか?
私はここ約10年間、中小企業の経営者に対して、経営計画作りのお手伝いをして来ました。その中で、多くの経営者は、経営理念については、かなりしっかりしたものをお持ちですが、ビジョンを作るとなると戸惑う方が多いのが実態です。
その場合、お勧めしているのが、私が定量的ビジョンと名づけているものです。これは、いわば数字の語呂合わせで、ビジョンと目標の中間にあたるものをつくります。
有名な例に、日産180があります。内容は上図の通りですが、ゴーンさんが日産の経営再建に乗り込んで、最初の大リストラ計画で大ナタをふるった後の、攻めの3カ年計画です。
もう一つの例が、流通大手イオングループのグローバル10です。最近、イオンとダイエーの提携が進みつつあり、このビジョンの達成も、射程圏内に入ってきたようです。
上図に上げた保険代理店の例は、今年の初めに、私が経営計画作りをお手伝いした代理店の例をアレンジしたものです。ここの《絆を結んだお客様》とは、保険を全て任して頂いている、即ち、顧客内シェア100%のお客様のことです。
この代理店は経営理念に《お客様との絆を大切に》を掲げており、スタッフの皆さんと、お客様と絆が結ばれたと判断するための定量的指標は何かについて議論して、顧客内シェア100%顧客の全体に占める割合を《絆化率》と定義しました。
ビジョンがうまく作れないという方は、以上を参考に工夫をして下さい。
では、次回までの宿題です。経営羅針盤の最後、3年後の目標を定めます。
先ず、エクセルフォーマットの下記赤枠部分に、アンケートで答えた数字を入れてください。残りの色付きの部分が、自動的に計算されて埋まったと思います。
3年後の経営格付けが、A,Bランクにランクインすれば、一応合格です。
A,Bにランクインしなかった場合は、荒唐無稽は困りますが、精一杯背伸びすれは、ギリギリ達成可能な数字(ストレッチ目標といいます)を考えて、3年後の目標数字を修正しながら、次回までに、色々シミュレーションしてみて下さい。
2006/10/16インスウオッチ掲載
経営羅針盤は、経営計画の出発点になる、経営方針と目標設定を表したものです。経営を航海にたとえて、経営の道しるべとして経営羅針盤と名づけました。
項目としては、会社概要、歴史と特徴、経営理念、3年後のビジョン、3年後の目標の5つです。
来週までに、最後の《3年後の目標》を除いた4つの項目を、お渡ししたエクセルフォーマットに記入しておいて下さい。(下図赤で囲った部分)
記入に当ってのヒントが、夫々の項目の欄に書いてありますので、それを参考にご記入下さい。
最後の《3年後の目標》については、次回記入要領をお教えしますので、記入せずにおいて下さい。
2006/10/09インスウオッチ掲載
前回までで、代理店経営診断に関する連載は終了しました。
次回より経営計画を立てるためのオンライン研修が始まりますが、研修を希望される方は、最初に以下のアンケートにお答え下さい。
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=358231014&P=505540508
このアンケートは、オンライン研修の事前準備として、3年後の目標設定を研修参加者がそれぞれ行うとともに、私の方では参加者のアウトラインを把握するのに使います。
アンケートの回答者には、今週末に、経営計画3点セットエクセルフォーマットのダウンロード先をメールで通知しますので、ダウンロードをお願いします。
毎週指示に従いエクセルフォーマットを埋めていけば、経営計画3点セットが完成するようになります。
経営計画3点セットは、少人数による研修を今まで進めてきて、かなり高い評判を得ています。
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=3
前回お話したように、専業代理店はAランクのTOP代理店ですら、苦戦を強いられています。インスウオッチは専業代理店をメインに経営情報の提供を行っており、専業代理店と一蓮托生の関係にあります。
勿論、オンライン研修には一定の限界がありますが、ポイントはお伝えするよう努力するつもりですので、一貫した経営計画を立てることで、是非、競争に打ち勝ってください。
アンケートはこちら
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=358231014&P=505540508
インスウオッチ発行人
(中小企業診断士 ITコーディネータ)