インスウオッチ Vol.744 2014.11.02
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【8】保険代理店の経営改革(8) 長 忠
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営業効率(*)を高めるには?
(*)業務効率としていたが誤解を招きやすいので今回より営業効率へ変更
前回レポートはこちらから → http://urx.nu/cHL3
今回は前2回で解説した新規顧客の獲得と客単価のアップを達成するためのカ
ギとなるテーマです。営業の量の拡大、営業の質の向上、ITの活用がポイント
となります。
◆商談件数を増やす
先ず量の拡大を優先し、その後で質の向上に取り組んで下さい。具体的には、
営業スタッフそれぞれの新規開拓と既存深堀の商談件数が、月間40件に満たな
いようでしたら、先ずその達成に向け努力するよう指導して下さい。
◆成約率を高める
質は各営業スタッフの成約率(成約件数/商談件数)で管理します。業法改正
を受け今後顧客への説明責任が重くなるので商談時間がどうしても長くなります。
今にも増して成約率を上げる必要性が高まります。
◆顧客データベース(DB)整備とモバイル活用
顧客DBは効率化の要で、特に顧客との対応履歴や付保状況の収集が重要です。
また、モバイル化で顧客接点での直接計上が初めて現実のものとなりつつあり、
その活用如何が営業の効率化に今後大きな差をもたらします。
◆新規営業力のモニタリング
本テーマに関してBSCでは全社ベースの新規営業力(新規・深堀契約件数/
営業スタッフ数)をKPIとしています。このKPIをモニタリングするには、
営業スタッフ毎に商談を管理して、必要なデータを取る必要が出て来ます。以下
はそのためのツールとして使えますのでよろしければお使い下さい。
超簡単営業日報 http://cho.eforum.biz/xls/kantannippou1303.xls
追伸
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(インスウオッチ発行人、中小企業診断士、ITコーディネータ)
インスウオッチ Vol.740 2014.10.06
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【8】保険代理店の経営改革(7) 長 忠
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客単価を上げるには?
前回レポートはこちらから → http://bit.ly/1noxDFc
代理店BSCでは売上を客数と客単価に分けて管理しますが、前回と前々回の
レポートで、客数を増やすためには、新規顧客を獲得する仕組みをつくること、
顧客満足度を上げて解約件数を減らすこと、の2点が必要と解説しました。
今回は売上を増やすもう一つの方法である、客単価を上げるための取組みにつ
いて解説します。顧客内シェアを上げることが基本となりますが、客単価の高い
顧客の割合を増やすことや関連サービスを提供することも選択肢となります。
◆顧客内シェアを上げる
顧客内シェアとは、顧客の保険支払い総額に占める、自社の保険取扱額の割合
です。他社契約を含めた付保一覧表の作成→顧客の層別化とターゲティング→深
堀計画の作成と実行という流れに沿って、アクションプランを作ります。
層別化は顧客内シェアと顧客の成長性との組み合わせで4つに分け、第1順位
のターゲットとしてシェアと成長性が共に高い顧客、第2順位としてシェアは低
いものの成長性が高い顧客を選び出して、それぞれの深堀計画を作成します。
◆客単価の高い顧客の割合を増やす
多くのプロ代理店にとって客単価アップに繋がる富裕層や法人顧客の開拓が重
要な課題です。BSCでは顧客構成の変化が客単価にどう影響するかフォローし
て行きますので、フォローが出来るようにデータの整備を行なって下さい。
◆関連サービスを提供する
具体例としては、住宅ローンといった金融サービスや、法人向けの経費削減サ
ービスなどが上げられます。これらのサービスをドアノックにして、自然な形で
保険契約に繋げられるかどうかが、ここでのポイントとなります。
追伸
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(インスウオッチ発行人、中小企業診断士、ITコーディネータ)
インスウオッチ Vol.735 2014.09.01
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【7】保険代理店の経営改革(6) 長 忠
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新規顧客を獲得するには?
前回レポートはこちらから → http://bit.ly/1njKkjj
BSCでは、最終目標として売上高営業利益率を、中間目標として顧客数、客
単価、人件費比率を設定しています。今回は、前回(顧客満足を高め解約を減ら
す)に続き、中間目標の≪顧客数≫にリンクした戦略課題についての解説です。
新規開拓は、営業スタッフの個人技にたよるのではなく、紹介、攻めの営業、
待ちの営業の3つのルートを組み合わせて、自社の差別化ポイント(誰に、何を、
どのように)に合せて、組織として流れをつくることが大切です。
◆紹介獲得の流れをつくる
ターゲティング(紹介元と紹介先の絞り込み)→紹介の依頼→フォローアップ
→リピートと連鎖(複数の紹介、紹介先からの紹介)といった流れに沿って、先
ず、出来る範囲で仕組みを作り、動かしながら皆で改良を重ねてみて下さい。
◆リストを整備してプッシュ
見込み客のリストを使って、飛込み、電話、郵便、FAX、メール等で攻める
方法です。リストは、他社リストを購入する前に、先ずは、眠っている名刺等も
キッチリ発掘して、自社リストをデータベース化することから始めて下さい。
◆媒体(メディア)を使ってプル
広告、店舗、イベント、インターネット等を使って、見込み客を引き付ける方
法です。媒体を通して自社の差別化ポイントが表現されているか、即ち、狙った
ターゲットに自社のメリットがキッチリ伝わっているかをチェックして下さい。
◆新規開拓委託先の管理責任
提携先からの紹介、比較サイトからの送客等、第三者の協力を得る場合は、体
制整備義務の一環として委託先管理責任が課せられるようになりました。このよ
うな場合は、必ずアクションプランの中に委託先の管理体制を盛り込んで下さい。
追伸
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(インスウオッチ発行人、中小企業診断士、ITコーディネータ)
インスウオッチ Vol.731 2014.08.04
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【7】保険代理店の経営改革(5) 長 忠
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今回より7つの戦略課題毎に、アクションプランを作るにあたってのポイント
を解説します。これをヒントにアクションプランをより良いものにして下さい。
なお、プラン作成用ツールを提供しますので良ければご利用下さい。
アクションプランシート → http://cho.eforum.biz/xls/actionplan.xls
顧客満足を高めるには?
前回レポートはこちらから → http://bit.ly/VTPHQC
◆基本的事項(失点をなくす)
先ず考えなければならないのは、マナー、クレーム対応、コンプライアンスと
いった負けないための施策です。必ずしも顧客満足を高めるわけではありません
が、旨く行かないと解約に繋がり、最悪会社の存立にもかかわることになります。
コンプライアンスについては、今年から来年にかけて、改正保険業法の定める
保険募集規制に沿った態勢整備が、程度の差があれ全ての保険代理店に求められ
ています。これに対応したアクションプラン作りが当面大きな課題となります。
◆差別化事項(得点をあげる)
こちらは勝つための施策です。BSCに記入した差別化ポイント(誰に、何を、
どのように)に沿ったアクションが中心になります。一つ具体例を上げて見ます
のでイメージを掴んで下さい。
差別化ポイント 中小法人/損害保険/リスクマネジメント
アクションプラン 損害防止総合プログラムの提供
重要業績評価指標(KPI)顧客のコスト削減額
KPIは施策の達成状況を定量的に評価するための指標で、7つの戦略課題に
関しては既に設定していますが、アクションプランについても、上の例で見たよ
うに、出来る限り設定するようにして下さい。
◆解約件数の把握
顧客満足を評価するKPIとして解約件数を設定していますが、実は正確な数
字が掴めていないというケースがかなりあるようです。少なくとも件数を月次ベ
ースで把握するとともに、解約理由も確認するようにして下さい。
追伸
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(インスウオッチ発行人、中小企業診断士、ITコーディネータ)
インスウオッチ Vol.727 2014.07.07
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【 】保険代理店の経営改革(4) 長 忠
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代理店バランススコアカード(BSC)の作り方(2)
前回レポートはこちらから → http://bit.ly/1jgPb3J
STEP3 アクションプランを作る
先ず、年度経営計画を参照して、御社の経営理念と差別化ポイントをBSCの事業概要
欄に記入して下さい。経営理念と差別化ポイントはアクションプランをチェックする場合
の一番大切な枠組みとなります。
お送りしたBSCには、アンケートで答えて頂いた最重点の取組み活動をBSCのアクシ
ョンプラン欄のトップに記入していますので、イメージを掴んで頂き、年度経営計画を
参照して残りの欄を埋めて下さい。
具体的には、アクションプランは日常的な改善活動ではなく、期限を切って行う重要な
活動に絞り込んで記入するようにして下さい。欄は3行になっていますが、3行を無理
して埋める必要はありません。
アクションプラン欄が完成したら、先ほどの経営理念と差別化ポイントと照らし合わせ
て見て、バランス良く繋がっているか確認して下さい。もし、しっくりこないようでしたら、
年度経営計画に戻って計画内容の再検討をお勧めします。
これで解説は終了ですが、以上のようにBSCの作成過程で年度経営計画を総合的
に診断・評価出来ると共に、計画のポイントを押さえ要約する作業を通じて計画への
理解が一層深まりますので、この際是非BSCを完成させて下さい。
BSCが完成したらコピーをスタッフ全員に配り、手帳に挟むなど常に手元に置いて、
会議の際や行動を起こす際に参照して下さい。具体的な参照方法はBSCに書いて
ありますのでご確認ください。
今年は委託型募集人や態勢整備への対応に追われる1年となりますが、このような
時は、得てして木を見て森を見ずということになりがちです。BSCを手元に置いて、
経営の全体像を常に意識するようにして下さい。
◆バランススコアカード(BSC)とは?
BSCは組織の業績を財務指標だけでなく非財務指標も含めバランス良く総合的
に評価するために1990年代初めにアメリカで開発されたツールです。その後
それを目に見える形で図式化する戦略マップが開発され使い勝手が大きく高まり
ました。現在では営利組織だけでなく病院、地方自治体等非営利組織にも適用の
範囲が広がっています。代理店BSCは解説にそって作って行けば仕組みが理解
できるようになっていますのでBSCについて特別に勉強する必要はありませんが、
ご興味があれば以下のサイトを参考にしてみて下さい。
http://www.itl-net.com/bsc/index.html
(インスウオッチ発行人、中小企業診断士、ITコーディネータ)