インスウオッチ連載070219
前回、エクセルのピボットテーブル機能を使うと、様々な定量的な分析が、その場で極めて簡単に可能になるということで、先ず、ピボットテーブルとはなにか、また、どう使えばよいかといったお話をしました。
今回は、このピボットテーブルを使って分析した、ある営業スタッフの実例をお話します。
先ず、以下の図をご覧下さい。
この左側の表は、前回ご説明したピボットテーブルの使用例と同じ分析を行った実例です。
この表は、お客様との面談時間(分)が、どのように使われているかを表しています。このスタッフは、社内でトップの営業成績を上げており、それは、面談時間の構成からも窺えます。
面談時間全体を100%として構成を見ると、営業外22%、更改36%、新規31%、多種目化(既存顧客深堀)11%となっており、特に新規の活動に注力していることが分かります。
更改、新規開拓、既存深堀を合わせた数字を営業面談比率と称していますが、それが78%、また、新規と既存を合わせた数字を有効面談比率と称して、営業効率を図る上で、特に重要視していますが、それが42%となっています。
平均的営業スタッフでは、営業外、更改、新規と既存(有効面談)が、ザックリ言って、それぞれ3分の1ずつです。このスタッフの場合、営業外の活動を減らし、その分、新規の面談時間を増やして、成績を上げています。
一方、面談時間の総量を見ますと、大きな課題が浮かび上がります。この月は、休日も返上して働いている関係で稼働が25日となっており、それで計算すると、お客様との面談時間は、1日平均で、わずか46分に留まっています。
これはなぜかというと、面談率(総労働時間に占めるお客様との面談時間の割合)が、上図の右側、営業活動振り返りにあるように、9%に留まっているためです。
実は、面談率の低さは、このスタッフ特有の問題ではなく、代理店全体の問題でした。最初の営業を午後から開始するといった、私が《だらだら営業タイプ》と称している状態が、定常化していたためです。
こういう場合は、社内風土を変えなければならないので、結構大変です。
このケースでは、幸い社長が風土を変える必要性を認識して、率先して朝一番で営業に出かける等、風土改革に取り組んだ結果、半年程度で、午前中面談開始比率が80%を超えるようになり、営業成績も上向きました。
次回は、3月にリリース予定とお話していた、超簡単SFA(BSC営業日報の携帯版)について、経過報告をいたしますが、その後は、今回お話した営業活動分析について、数回にわたり、もうすこし、順序立ててお話します。
インスウオッチ発行人
(中小企業診断士 ITコーディネータ)
保険代理店の営業管理 バックナンバー
1.昨年一年の営業成績は?
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=31
2.保険会社は当てにしない
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=32
3.営業日報に対するアレルギー
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=33
4.BSC営業日報の特徴
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=34
5.時々刻々手数料を掴む
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=35
6.簡単に日報記入
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=36
7.ピボットテーブル
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=37