インスウオッチ Vol.1169 2023.02.06 https://www.inswatch.co.jp/
前回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=226
バックナンバー>https://bit.ly/3mi2CJN
2015年にインスオッチ創刊15周年を記念して、≪Compact is Strong―激動の時代を力強く生き抜く全員参加型経営―≫と銘打って、スタッフ10人前後のプロ代理店経営者向けに、経営計画のPDCAをキッチリ回すための導入マニュアルを出版しました。
インスウオッチの読者アンケートで90%以上が年度経営計画は立てているものの、その多くの皆さんが計画倒れで実行に結びつかないという悩みを抱えていることが分り、その解決のためのプログラムで、そろそろコンサル卒業を考えていたので、卒論のつもりで執筆しました。
社長のためのPDCA導入マニュアル要約 2015年7月
http://cho.eforum.biz/pdf/pdca.pdf
(本書は絶版につき申込みできません)
本調査のモデルは、2005年に提案したCompact Agency Modelを再提案したものです。委託型募集人廃止と業法改正という激震が2015年当時襲っていて、委託型募集人による規模拡大の道が閉ざされる一方、消費者保護の観点から代理店の持続可能性が問われだしたという事が、再提案の背景にありました。
Compact Agencyのすすめ 2005.11.15
https://bit.ly/3T7PV2o
その後の損保系専業代理店の状況を見ると、現在でも一店当たりの募集人数の平均が4名程度(2021年の専業代理店数2万9千店、募集人数12万4千人、一店当たり募集人数4.3人 損保協会調べ)に留まっていて、依然多くの代理店が持続可能性に課題を抱えていると思われます。
この点でCompact Agency Modelは、多くの代理店にとって今も有効なモデルと考えていますので、本報告書のマニュアル部分(Step 0からStep 7まで)を抜き出してPDFで提供します。診断数字が古いので実務的には使えませんが、PDCAを回すヒントは得られると思います。
社長のためのPDCA導入マニュアル 2015年7月
http://cho.eforum.biz/pdf/2015repo.pdf
解説動画(2024年8月にNoLangで作成)
https://bit.ly/3WTwb6V
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
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追伸
実は70歳を過ぎたころから、枕が変わるとなかなか寝付かれない状況になり、地方への出張がストレスになり始め、合わせて、サクサクお互いにコミュニケーションを取るといった時代の流れ(Web 2.0的世界)についていけない感が強くなり、このレポートを機に現役を離れました。
インスウオッチ Vol.1167 2023.01.23 https://www.inswatch.co.jp/
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東日本大震災の当日の3月11日は、かねてから依頼を受けていた市内で魚問屋を経営する得意先を13時半に訪問し、超保険の新規契約に関するクロージング作業をしていました。4月より大学生になる娘さんとご家族の生保・医療保険分野を中心にした保険見直しです。気仙沼市魚町という美しい内湾が目の前に広がる得意先の事務所兼自宅でiPADを使い、プロモーションビデオやアプリで「超保険」の提案を行っている内、その時が訪れました。
2004年3月に出版した『超保険解体新書』の続編として、超保険10周年を機に、中崎さんの監修で2012年12月に出版した『超保険進化論』の中で、大震災の津波で事務所が流され全損となった、モリ保険事務所の森社長に書いて頂いた、感動的な奮闘記の一節です。
超保険解体新書 2004年4月
https://www.inswatch.co.jp/books/book050.html
超保険進化論 2012年12月
https://www.inswatch.co.jp/books/book200.html
森さんは大変な努力の末、1年を待たずに522件約21億円の本震災に関わる保険金の支払いを完了します。森さんには解体新書でも執筆頂きましたが、そこでは超保険を使った地震保険上乗せの取り組みについて述べていて、この取り組みも功を奏して、気仙沼復興の一助になったようです。
モリ保険事務所
https://morihoken.com/
iPADは2010年5月に日本発売ですので、冒頭にあげた森さんのiPAD使用は、代理店営業での先駆的使用例と思われます。ここでの使用は顧客に対するプレゼンですが、その後タブレットを使って契約手続きができるシステムが、メガ3社で相次いで登場します。
「iPad」や「GALAXY Tab」で契約手続き- 東京海上日動2011/09/27
https://news.mynavi.jp/article/20110927-a031/
三井住友海上がWindows 7搭載タブレットを選んだ理由2011.11.10
https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20111110/373765/
損保ジャパンが新システム--タブレット型端末で2012/01/31
https://news.mynavi.jp/article/20120131-a032/
パソコンに比べて持ち運びが便利でサクサク動くタブレットは、営業現場を始めとしてビジネスの様々な場に急速に浸透して行きます。代理店においても、顧客接点でプレゼンから計上まで一気通貫の流れが出来て、生産性の向上につながるのでは、との期待が高まりました。
代理店システムの利用状況については、2012年始めたInswatch Facebook Clubでアンケートしましたが、モバイル化の課題として、対応が一部の留まり、タブレット、パソコン、手書きと手続きが錯綜していることや、システムが各社てんでばらばらことなどが指摘されました。
Inswatch Facebook Clubでのアンケート 2012.10.26
https://www.inswatch.co.jp/backnumber/report/201210-108pro.pdf
(ID、パスワードはインスオッチの巻末をご参照下さい)
残念ながらこれらの課題は依然残っていて、更にコロナを契機にしてオンライン面談という新たな顧客接点が加わることで、顧客対応が複雑化しています。これからは顧客接点でのシステム対応が大きな課題で、読者の皆さんとって腕の見せ所でないかと思います。
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
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インスウオッチ Vol.1165 2023.01.09 https://www.inswatch.co.jp/
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バックナンバー>https://bit.ly/3mi2CJN
明けましておめでとうございます。年末の27日に82歳となりましたが、丁度パソコンが不調になり、誕生日に入れ替えるはめになり、Windows 11に戸惑いながら、この原稿を書いています。本年もよろしくお願いします。
2010年にインスウオッチ創刊10周年記念として、損保系保険会社5社〈損保ジャパン、東海日動、富士火災、日本興和、AIU〉の参加を得て、オンラインと訪問を組みわせたハイブリット調査を行い、〈TOP1%代理店の成功要因とケーススタディ〉という表題で、報告書をまとめました。
インスウオッチ10周年記念 専業代理店経営実態調査
https://www.inswatch.co.jp/books/book150.html
インスウオッチは、TOP1%を目指す代理店に経営情報を提供するという方針でスタートしましたが、本調査で保険会社5社から、代理店の紹介と調査費用の提供を受けて、初めてTOP1%代理店の経営実態を、曲がりなりにも定量的にとらえることが出来ました。
具体的には売上高でTOP3%以上(売上高5千万円以上)の代理店を紹介頂き、オンラインアンケートを実施、そのデータをベースに3段階で評価(AAA、AA、A)、AAAをTOP1%と考えて分析を行い、合わせて了解を頂いたAAA代理店を訪問し調査を実施しました。
当時代理店にとって規模拡大が大きなテーマになっていて、委託型募集人で売上アップを図ろうとしたものの、旨くいかない例が多発していたので、委託型募集人の経営に及ぼす影響を調査しました。調査に当たっては、ポイントの生産性評価について、以下のように変えて分析しています。
生産性=(売上高―委託型募集人報酬額)÷(総従業員数―委託型募集人数)
(アンケート有効回答数52社中、委託型募集人在籍が41社)
規模拡大の手段として合併(直近3年間で合併した代理店が52社中25社)も進んでいて、これも経営の足を引っ張る例が多発していました。代理店にとって規模拡大は今も大きなテーマですので、調査レポートの要約(抜粋)を提供しますので参考にして下さい。
調査レポートTOP1%代理店の成功要因(要約)
http://cho.eforum.biz/pdf/2010sum.pdf
アンケート有効回答数52社中、売上高1億2千万円以上、売上高営業利益率5%以上、対3期前売上増加率60%以上、生産性9百万円以上という5段階の最上位評価をすべてクリアして、20点満点となった唯一の代理店が(株)ブルースターで、訪問調査にご協力いただきました。
専属代理店として保険会社とWin Winの関係を構築、人材の確保と育成を図り、社長は営業現場を離れ社長業に専念、地域密着で規模拡大を目指すという、基本に沿った経営を進めていて、今でも参考になると思うので、以下のレポートをお読みください。
優秀代理店訪問レポート(株)ブルースター
http://cho.eforum.biz/pdf/report.bluestar.pdf
(株)ブルースターの今
https://bluestar-web.jp/company/
当時の状況を振り返ると、乗合、委託型募集人、合併には、経営成熟度レベル3達成が必須ですが、それ対応したITシステムは未成熟でした。一方、専属代理店向けの保険会社システムは、成熟度レベル3への対応が始まっており、ブルースター成功の大きな要因になったと考えています。
本調査が目標にしたのは、IIAA(Independent Insurance Agents of America:米国最大の独立系保険代理店組織)が毎年実施している有力代理店に対する経営実態調査(Best Practices Study)でしたが、残念ながら私の力不足で、2010年限りの調査になりました。
2022 Best Practices Agencies
https://bit.ly/3QyzNa6
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
次回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=226
インスウオッチ Vol.1165 2022.12.19 https://www.inswatch.co.jp/
前回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=223
バックナンバー>https://bit.ly/3mi2CJN
SSCMapを作って見ましたか? SSCMapは、自社の営業戦略を一表に見える化したもので、活用方法に書いてあるように、それを適宜参照することで、スタッフの営業行動にメリハリがつき、営業会議も焦点を絞った筋が一本通った議論が出来るようになります。
SSCとは私の造語でSales Score Cardの略です。本コラムの20回目で解説したバランススコア―カード(BSC)の仕組みを応用したもので、以下で示すように、営業活動を5つの戦略目標と8つのKPIで管理し、売上アップに繋げることを目指しています。
営業戦略マップ(SSCMap)の仕組み
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=59
当時の状況は、最初の4つのKPI、即ち新規契約件数、新規契約単価、深堀成約件数、深堀契約単価に関して、前年の実績数字について、収入保険料ベースではなんとか分るけれど、手数料ベース(代理店売上高)では不明という代理店が多く、最初でつまずくケースが結構ありました。
営業戦略マップの作り方《年度目標の設定》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=60
営業戦略マップの作り方《分からなければお客様に聞く》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=61
残り4つのKPI、即ち有効面談率、一人当たり月間要面談件数、新規面談原単位、深堀面談原単位は、営業スタッフの営業活動管理に必要不可欠と考えた指標でしたが、このデータを取るには、各営業スタッフが営業日報をつけていることが、先ず前提になります。
営業戦略マップの作り方《営業活動目標:面談原単位》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=62
当時の状況は、営業スタッフそれぞれが営業日報はつけているものの、それを全社で集計して営業活動状況を把握している代理店は極めて少数で、前回お話しした超簡単SFAは、そのような組織を対象にしたもので、私のコンサルティングにとって欠かせないものとなりました。
コンサルの過程で共通の課題として挙がってきたのは、有効面談率の低さでした。有効面談率とは、お客様との全面談件数の内、新規開拓と既存深堀に関係した面談件数の割合です。有効という意味は、営業スタッフの本務は、新規と深堀の契約獲得にあると考えているためです。
営業戦略マップの作り方《営業活動目標:有効面談率》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=64
有効面談率の低さは、営業スタッフが契約更改と事故処理に時間を取られることに大きな原因があり、契約更改については、顧客を層別化して事務に任せられるものは事務に任せる、事故処理については、保険会社とバックオフィスに任せてはどうかという提案をしました。
営業戦略マップの作り方《戦略的計画的更改術》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=65
営業戦略マップの作り方《事故処理命!は命取り》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=66
コンサルの現場離れてもうすぐ10年、今浦島状態で、保険代理店の現状に暗くなっていますが、契約更改については、依然大きな課題のようで、前々回にもご紹介した尾籠さんの本では、独立の章(3章)を設けて、事務に契約継続を担当させる意義と方法論が分かりやすく解説されています。
保険代理店の生産性1500万円モデル
https://www.homai.co.jp/mokuroku/08-006.htm
営業活動に関して最近の注目点は、コロナ禍で進み始めた、非対面の「Web相談」です。以下は来店型を対象のアンケートですが、規模による導入格差の大きさが気になります。「Web相談」が代理店の生産性アップに繋がることは間違いなさそうですが、皆さんは如何ですか?
来店型保険ショップのWeb相談、この一年間で10ポイント拡大
https://www.dreamnews.jp/press/0000271019/
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
次回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=225
インスウオッチ Vol.1163 2022.12.05 https://www.inswatch.co.jp/
前回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=222
バックナンバー>https://bit.ly/3mi2CJN
2000年前後から先進的代理店では、満期管理などでエクセルを使いこなし、更にデータのやり取りもインターネットで可能になり、コンサルが大変やり易くなりました。先ず、取組んだのがエクセルで営業活動データを収集してもらい、そのデータに基づいて、コンサルを行なうことでした。
そのために開発したのが超簡単営業日報で、営業活動データをインターネット経由で毎月受け取る仕組みを作りました。この特徴は、顧客名と獲得収保を除いて、すべてプルダウンメニューにしており、エクセルのピボットテーブルを使って、様々な切り口で定量分析が可能になることでした。
超簡単営業日報
http://cho.eforum.biz/pdf/chokantanrepo.pdf
この超簡単営業日報をベースにして、携帯に移植したのが超簡単SFAです。その顛末は以下のコラムで述べていますが、尾籠さんのアドバイスが発端で、ビューシステムの丸宮さんを紹介頂き、開発は始まりますが、若手の優秀なスタッフの頑張りで無事完成しました。
(43)超保険研究会 サイボウズデジエで営業活動分析
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=219
当時保険代理店がSFAを導入する場合、salesforceなど汎用のシステムをカスタマイズして造り込む必要があり、一部の先進的代理店では導入するところも出て来ましたが、10人前後の組織ではハードルが高いことから、Compact Agency向けに超簡単SFAの開発にチャレンジしました。
《群雄割拠と全国統一》
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=63
超簡単SFAの入力フォーマットは以下の通りですが、工夫した点の一つが、種目別に前年の平均手数料率を登録することで、リアルタイムで手数料収入を、概算ですが営業スタッフ毎に見える化した点です。収入保険料でなく、代理店の売り上げが分ると好評でした。
超簡単SFA《超簡単に記録をつける》データインプット
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=68
営業成績の確認は、個々のスタッフの成績は携帯画面から、個々のスタッフとその集計結果はパソコン画面で、リアルタイムで行なえるようになりました。合せてCSVでデータを月次でダウンロード、エクセルで分析、結果をコンサル先にフィードバックしていました。
超簡単SFA《超簡単に記録をチェック》成績アウトプット
http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=69
超簡単SFAについては、〈半年で結果を出す超簡単営業管理〉という研修を始めました。超簡単SFAは開発に当り、営業戦略マップ(SSCMap)と名付けたエクセルのツールを事前に用意し、その運用に必要なデータを集められるよう設計されていて、研修に先立ち無料で提供しました。
この無料で提供したSSCMapは、自社の営業戦略をレビューするのに便利と評判を呼び、ダウンロードが4千件を超えています。そろそろ2023年に向けて営業戦略を考える時期になっていますが、次回、内容の解説を行ないますので、それまでに作っておかれることをお勧めします。
営業戦略マップ(SSCMap)ダウンロード
http://cho.eforum.biz/modules/mydownloads/
追伸
超簡単SFAを開発した翌年、2008年にiPhoneが日本に上陸します。その後、電車の車内風景が一変するといった変化に見られるように、スマホは生活必需品となって行きます。代理店システムもモバイル対応が必須となっていて、開発に協力頂いたビューシステムもモバイル対応となっています。
MIC-ViewSystem スマートデバイス画面
https://www.viewsystem.co.jp/product/mobile
(経営数理研究所代表 インスウオッチ客員研究員)
http://cho.eforum.biz/modules/xoopsfaq/index.php?cat_id=7
次回>http://cho.eforum.biz/modules/news/article.php?storyid=224